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食器は自然乾燥と拭くのどちらが衛生的?正しい乾かし方を調べてみた

綺麗に並べた食器

皆さん、洗った食器をどうやって乾かしていますか?

私は昔から水切りラックに置いて自然乾燥させる派です。食器を洗ったら並べて終わりなので楽なんですよね。わざわざ布巾を出して一枚ずつ拭く必要もありませんし、その間に別のこともできます。

ところが先日、ふと疑問が湧きました。

「自然乾燥と布巾で拭くのって、結局どっちが衛生的なんだろう?」

自然乾燥なら誰も触らないので清潔そうな気がします。一方で、水滴が長時間残るのはあまり良くないようにも思えます。逆に布巾で拭けばすぐ乾きますが、その布巾自体が清潔でなければ意味がありません。

考えてみると、毎日のようにやっていることなのに意外と根拠を知らないんですよね。

しかもこの手の話は、調べると「自然乾燥が正解」「いや拭くべき」と真逆の意見がどちらも出てきます。どちらにもそれらしい理屈がついているので、読み比べるほど分からなくなる。根拠として書いてあるのが個人の体感だけ、ということも珍しくありません。

それなら、公的な基準が何と言っているかを見たほうが早い。飲食店や給食施設には、食器や布巾の扱いについてのルールがちゃんとあります。家庭向けに書かれたものではありませんが、その現場が何を大事にしているかは分かりますし、考え方の下敷きにはなるはずです。

そこで今回は、食器の自然乾燥と布巾で拭く方法のどちらが衛生的なのか調べてみました。厚生労働省のマニュアルと、アメリカの飲食店向け規範まで当たっています。

結論から言うと「管理次第」だった

最初に結論から言うと「自然乾燥が正解」「布巾で拭くのが正解」と簡単に答えが出る話ではありませんでした。

私も調べる前は自然乾燥の方が衛生的だろうと思っていたのですが、実際にはどちらにもメリットとデメリットがあります。むしろ重要なのは乾かし方そのものではなく、使っている道具や環境をどれだけ清潔に保てているかでした。

少し拍子抜けする結論ですが、よく考えてみれば当然かもしれません。どれだけ丁寧に洗った食器でも、雑菌が増えた布巾で拭けば意味がありませんし、水切りラックが汚れていれば自然乾燥だから安心とも言えません。

つまり勝負を決めるのは乾燥方法ではなく、その後の管理というわけです。

自然乾燥のメリットは布巾による汚染を避けられること

自然乾燥の最大のメリットは、洗った食器に余計なものが触れないことです。

洗剤でしっかり洗った食器をそのまま乾燥させるので、布巾を介して雑菌が付着するリスクを減らせます。実際、キッチンで使う布巾は雑菌が増えやすいアイテムの一つとして知られています。濡れたまま放置したり、何日も交換せずに使い続けたりすると、見た目には問題がなくても雑菌が増殖している可能性があります。

その点、自然乾燥なら洗った後はほぼノータッチです。

私もこの部分を知った時は「やっぱり自然乾燥の方が良さそうだな」と思いました。

ただ、ここで話は終わりません。

水切りラックも意外と汚れやすい

自然乾燥には大きなメリットがありますが、だからといって完全無敵ではありません。

問題になるのが水切りラックです。

水切りラックは常に濡れた食器を置く場所なので、水垢やぬめりが発生しやすく、気付かないうちに汚れが蓄積していきます。食器そのものは乾いても、受け皿に水がたまったままということも珍しくありません。

私は以前、水切りラックを掃除しようと思って裏側を見たことがあるのですが、その時は少し後悔しました。

「これは見なかったことにした方が幸せだったかもしれない…」

と本気で思ったくらいです(笑)

普段は食器ばかり気にしていても、置いている場所が汚れていては意味がありません。自然乾燥を選ぶなら、水切りラックや受け皿の掃除もセットで考える必要がありそうです。

受け皿の水を毎回捨てて、ラックごと乾かす。これだけでも状況はだいぶ違うはずです。

布巾で拭く方法にもメリットは多い

一方、布巾で拭く方法にも大きなメリットがあります。

まず乾燥を待つ必要がありません。洗ったその場で収納できますし、水滴が残らないので見た目もスッキリします。

特に家族が多い家庭では、水切りラックだけでは置ききれないこともありますよね。そんな時は布巾で拭いて片付けた方が効率的です。

私も来客前などは自然乾燥を待っていられないので、結局拭いてしまうことがあります。

ただし、この布巾で拭く方法を選ぶ場合は一つだけ大きな条件があります。

それが「布巾を清潔に保つこと」です。

実は布巾の管理が一番難しいかも

布巾で拭く方法を調べていて感じたのは、問題は食器ではなく布巾そのものだということでした。

毎日洗濯した清潔な布巾を使うなら大きな問題はありません。

しかし、濡れたままキッチンに吊るして数日使い続けている布巾だと話は変わってきます。私も昔は「見た目が汚れていなければ大丈夫だろう」と思っていました。

でも考えてみると、湿気が多いキッチンで濡れた布を放置するわけですから、雑菌にとってはかなり快適な環境ですよね。

どのくらいの管理が求められるのかは、給食施設などに適用される厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」を見るとよく分かります。ふきんやタオルの手入れは、40℃程度の微温水で3回水洗いし、洗剤で洗い、よくすすいだうえで100℃で5分間以上の煮沸殺菌を行い、清潔な場所で乾燥・保管する。しかもこれを使用日ごとに繰り返す、という手順です。

もちろん家庭にここまで求められているわけではありません。ただ、プロの現場が「毎日煮沸」を前提にしていると知ると、吊るしっぱなしの布巾で食器を拭くことの意味も見えてきます。

そう考えると、布巾で拭く方法は手軽に見えて意外と管理が大変なのかもしれません。

参考:厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」(別添2 標準作業書)

プロの現場は自然乾燥が原則

調べていて一番おもしろかったのが、アメリカの飲食店向けのルールでした。

アメリカにはFDA(食品医薬品局)がまとめた「Food Code」という規範があり、各州がこれを取り込んで条例にしています。その中の食器の乾燥に関する条文が、なかなかはっきりしています。

洗浄・殺菌した器具は、自然乾燥させるか十分に水を切ってから使うこと。布で拭いて乾かすのは認められない。認められるのは、すでに自然乾燥した器具を清潔な乾いた布で磨く場合だけ。

理由は単純で、拭くと布から菌が移る可能性があるうえ、殺菌剤が効いている時間を途中で切ってしまうからです。

家庭の台所に法律が適用されるわけではありませんし、日本の基準でもありません。それでも、衛生を最優先する現場が出した答えが「自然乾燥」だというのは、判断材料としては十分に重いと思います。

日本側も方向は同じです。先ほどの大量調理施設衛生管理マニュアルでも、調理器具の洗浄手順の締めくくりは繰り返し「よく乾燥させる」でした。

つまりプロの世界では、乾かす行為そのものが衛生管理の一部として扱われているわけです。濡れたまま放置するのでも、布で拭いて済ませるのでもなく、乾いた状態まで持っていくことに意味がある。

このあたりを知ってから、水切りラックの受け皿を見る目が変わりました。

参考:ワシントン州 食品衛生規則 WAC 246-215-04900(FDA Food Code 4-901.11に対応)

結局どちらを選べばいい?

ここまで調べてみた結果、「自分が管理できる方を選ぶのが正解」という結論になりました。

自然乾燥なら布巾の衛生状態を気にする必要はありませんが、水切りラックを清潔に保つ必要があります。逆に布巾で拭くなら収納は楽になりますが、布巾をこまめに交換したり洗濯したりする手間が発生します。

どちらにも手間はあるんですね。

だからこそ、「どちらが優れているか」ではなく、「自分が無理なく続けられる管理方法はどちらか」で考えた方が現実的だと思います。

そのうえで、迷ったときは自然乾燥を基本にするのが無難です。プロの現場がそちらを原則にしているうえ、家庭では布巾を毎日煮沸するほうがハードルが高いからです。拭くのは、来客前など急ぐときの手段として使い分ける。私はこの形に落ち着きました。

道具の手入れについては、厚生労働省が家庭向けの案内も出しています。汚れがひどい布巾は清潔なものに交換すること、台所用漂白剤に一晩つけ込むと消毒効果があること、包丁や食器やまな板は洗ったあとに熱湯をかけると消毒効果があること。どれも特別な道具は要りません。

ちなみに同じ案内には、報告された食中毒のうち家庭の食事が原因のものが全体の20%近くを占めるという数字も載っています。外食だけの話ではない、ということですね。

参考:厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」

まとめ

食器の自然乾燥と布巾で拭く方法について調べてみましたが、結論としてはどちらにもメリットとデメリットがあり「こちらが絶対に衛生的」と言い切れるものではありませんでした。

自然乾燥は布巾による汚染を避けられる一方、水切りラックを清潔に保つ必要があります。逆に布巾で拭く方法は素早く収納できますが、その布巾自体の衛生管理が欠かせません。

ただ、公的な基準まで見にいくと、重心がどちらにあるかははっきりしていました。アメリカの飲食店向け規範は自然乾燥を原則として布拭きを認めていませんし、日本の給食施設向けマニュアルも器具の手順を「よく乾燥させる」で締めくくり、ふきんには使用日ごとの煮沸を求めています。プロの現場が守っているのは、乾かし方の好みではなく「濡れたまま放置しない」という一点でした。

私も調べる前は自然乾燥の方がずっと有利だと思っていましたが、実際には乾燥方法そのものより、周辺環境をどれだけ清潔に維持できるかの方が重要でした。自然乾燥を選ぶならラックと受け皿、布巾を選ぶなら布巾そのもの。手を入れる場所が違うだけで、やるべきことの重さはそう変わりません。

毎日当たり前のように使っている食器ですが、こうして調べてみると意外な発見がありますね!少なくとも私は今回の記事を書きながら、水切りラックの掃除を後回しにしていたことを少し反省しました(笑)

もし最近掃除していないなら、一度ラックの裏側を確認してみるのもいいかもしれません。ただし、見る前に心の準備だけはしておいた方がいいと思います。私は少し後悔しましたので…

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