急に紙とペンを渡されて名前を書く瞬間、ちょっと身構えてしまうことはありませんか。
管理人もずっと自分の字に自信がありませんでした。宅配便の伝票やご祝儀袋、ちょっとしたメモ。普段は気にならないのに、人に見られると思ったとたん、急に手が緊張するんですよね。
でも、きれいな字は生まれ持った才能ではなく、いくつかの「簡単なルール」を知っているかどうかで大きく変わります。
この記事では、大人になってからでも字をきれいに見せられるコツを、初心者目線でまとめました。今回紹介する内容のもとになっているのは、昔このブログでも取り上げた動画「簡単ルールで一生きれいな字」です。久しぶりに確認したところ、ありがたいことに今でも視聴できました(記事の中ほどに置いています)。
難しい筆づかいの話は出てきません。ボールペンでもシャープペンでも、いつも使っている筆記具のままで大丈夫です。「字がうまい人」ではなく「字が整って見える人」を目指すための、ちょっとしたコツの集まりだと思ってください。
WEB制作を25年やってきて、文字の見やすさやバランスの大切さは仕事でも何度も痛感してきました。実は手書きの字も、画面のデザインも、「整って見える」ための考え方はよく似ているんです。その視点も交えながら、専門用語はなるべく使わず、初心者の方にも分かるように書いていきます。どれも「なんだ、そんなことか」という素朴なコツばかりで、特別な準備はいりません。
そもそも「きれいな字」って何が違うの?
上手な人の字を見て、「自分とは才能が違うんだ」とあきらめていませんか。管理人も長いことそう思っていました。
でも、いろいろ調べてみると、きれいに見える字には共通した「ルール」があるんです。一文字一文字を芸術的に書いているわけではなく、全体の整え方を知っているかどうか。ここが大きな分かれ道でした。
大事なのは、字そのものの「うまさ」よりも、線の角度やすき間といった「整い方」だということです。
たとえば、横線をほんの少し右上がりにするだけ。線と線のすき間をそろえるだけ。たったそれだけで、同じ人が書いた字とは思えないくらい印象が変わります。
逆に言えば、ルールを知らないまま「とにかくゆっくり丁寧に」と頑張っても、なかなか報われません。力の入れどころがずれていると、時間をかけたわりに上達を感じにくいんですよね。これは管理人自身が遠回りして学んだことでもあります。
ここからは、初心者の方がまず押さえておきたいポイントを、ひとつずつ見ていきます。どれも特別な道具はいりません。手元の紙とペンで、今日から試せるものばかりです。
動画「簡単ルールで一生きれいな字」を見てみよう
まずは、今回のもとになっている動画を紹介します。短い時間で要点がぎゅっと詰まっていて、文章で読むより手の動きがイメージしやすい内容です。
動画の中で語られているポイントを、管理人なりにまとめるとこんな感じです。
- 横線を少しだけ右上がりに傾けて書く
- 文字どうしの間に適度な空白をとり、縦横をそろえる
- 文字の右下を意識して、しっかり書く
どれも「これなら自分にもできそう」と思える手軽なものばかりです。動画はいつ非公開になるか分からないので、見られるうちにブックマークしておくと安心です。
ここからは、この動画のポイントと重なる部分も含めて、文字で読んでも分かるように、きれいな字のコツをかみくだいて解説していきます。
コツ1:横線をほんの少し「右上がり」にする
いちばん効果を感じやすいのが、この「右上がり」のルールです。
横の線を水平にまっすぐ引くと、実は少し右下がりに見えてしまうことがあります。そこで、横線をほんのわずかに右上へ傾けてあげると、字全体がぐっと引き締まって見えるんです。
目安は約6度。分度器で測るような厳密さは必要なく、「気持ち右上がり」くらいの感覚で十分です。
「右上がり六度の法則」と呼ばれることもあり、手書きならではの美しさを引き出すコツとして紹介されています。最初は大げさかなと思うくらい傾けてみて、見え方を確かめながら調整していくとつかみやすいです。
「左右」「言」「土」など、横線が多い漢字で試すと違いが分かりやすいです。同じ字を、水平の横線と右上がりの横線で書き比べてみてください。たったこれだけで、字の印象はかなり変わります。
参考: 出典
コツ2:線と線の「すき間」を均等にそろえる
字が整って見えるかどうかは、線そのものよりも「線と線のすき間」で決まる、と言ってもいいくらいです。
「日」や「目」のように、横線が何本も並ぶ字を思い浮かべてみてください。この横線のすき間がバラバラだと、それだけで字が崩れて見えてしまいます。逆に、すき間が均等にそろっていると、それだけで落ち着いた印象になります。
字が下手に見える大きな原因は、線の形そのものより「すき間の大きさがそろっていないこと」にあります。
だから、一画一画を丁寧に書こうとするより、「すき間を等しく空ける」ことを意識するほうが近道です。書く前に、その字のすき間がどこにあるかを軽く見てから書き始めると、ぐっとそろえやすくなります。
これは管理人の本業のWEBデザインとも通じる話で、文字や余白の間隔がそろっているだけで、画面全体が整って見えます。手書きの字も、考え方はまったく同じなんですね。
関連記事:グリッドデザインとは?初心者にもわかるWeb制作の整列と余白の基本&CSS Grid入門
参考: 出典
コツ3:「右下」を意識して重心を安定させる
動画でも触れられている「文字の右下を強調する」というポイント。これも覚えておくと役立ちます。
文字の右下の部分をいちばん低い位置にもってくるようにすると、字全体にどっしりとした安定感が生まれます。右下にくるはらいやとめ、はねを少し長めに書くと、ちょうどいいバランスに仕上がりやすいです。
右下をしっかり書くと字に重心が生まれ、ふわふわと頼りない印象から、落ち着いた印象へと変わります。
はらい・とめ・はねは、急いで書くとつい雑になりがちな部分でもあります。最後のひと筆を少し丁寧に、というだけでも仕上がりの印象はかなり違ってきます。「終わりよければ」ではありませんが、字も最後の一画が肝心なんですね。
参考: 出典
コツ4:漢字・ひらがな・カタカナで大きさに差をつける
意外と見落としがちなのが、文字の種類ごとの「大きさ」です。
漢字・ひらがな・カタカナをすべて同じ大きさで書くと、なんだかのっぺりして見えてしまいます。そこで、種類によって少し大きさを変えてあげると、文章全体にメリハリが出て読みやすくなります。
目安は、漢字を10とすると、カタカナは8、ひらがなは7くらい。漢字を少し大きめ、かなを少し小さめに書くのがコツです。
「東京タワー」のように漢字・カタカナ・記号が混じる言葉で試すと、効果が分かりやすいです。漢字を気持ち大きく、かなを気持ち小さく。それだけで、文章がぐっと大人っぽく整って見えます。
最初から完璧にそろえようとしなくて大丈夫です。「漢字は大きめ、かなは小さめ」とざっくり覚えておくだけでも、十分に印象は変わります。
参考: 出典
コツ5:字間を「広めに・均等に」とる
一文字ずつがそこそこ整っていても、字と字の間隔がつまっていると、全体としては読みにくく見えてしまいます。
そこで意識したいのが、字間を「広めに・均等に」とること。詰め込みすぎず、ゆったりと一定の間隔で並べてあげると、それだけで読みやすく、こなれた印象の文章になります。
急いで書くと、つい字がくっついて団子のようになりがちです。とくに横書きでは、少し余裕をもって間隔をとるくらいがちょうどいいバランスになります。
これも本業のWEBデザインと同じで、ぎゅうぎゅうに詰めるより、適度な余白があるほうが断然読みやすく感じられます。字間にほんの少し気を配るだけで、手書き文字の印象は大きく変わります。
参考: 出典
まとめ:きれいな字は「ルール」で身につく
ここまで、大人でもきれいな字に近づける簡単なコツを紹介してきました。最後に、もう一度おさらいしておきましょう。
- 横線をほんの少し右上がり(約6度)にする
- 線と線のすき間を均等にそろえる
- 文字の右下を意識して重心を安定させる
- 漢字は大きめ、ひらがな・カタカナは小さめに書く
- 字間を広めに・均等にとる
どれも特別な才能や道具はいらず、ちょっとした意識ひとつで今日からすぐに試せるものばかりです。
とはいえ、頭で分かっていても、いざ書くとなると最初はなかなか思い出せないものです。管理人も、全部を一度に意識しようとして手が止まってしまうことがありました。だからこそ、まずは「右上がり」だけ、次は「すき間」だけ、というふうに、ひとつずつ試していくのがおすすめです。
練習というと身構えてしまいますが、特別な時間をとる必要はありません。買い物のメモ、伝票への記入、ちょっとした書き置き。日常で字を書くその一回一回が、そのまま練習のチャンスになります。一日に何度も訪れる小さな機会を、少しだけ意識して使ってみてください。
字は、その人の印象を左右する大切な要素です。きれいに整った字が書けると、ほんの少しだけ自分に自信が持てるようになります。人前で字を書くときの緊張も、少しずつ和らいでいくはずです。
管理人自身、今でも達筆とは言えませんが、これらのルールを意識するようになってから、伝票やのし袋を前にしても以前ほど身構えなくなりました。完璧を目指す必要はありません。「ちょっと整って見えればいい」くらいの気軽な気持ちで十分です。焦らず、楽しみながら、自分のペースで美文字を目指していきましょう。読んでくださって、ありがとうございました。