「あれ、いつも使っていた新着メール通知のアドオンが、急に動かなくなった…」。そんな経験はありませんか。
このページでは、かつて人気だったFirefoxアドオン「WebMail Notifier」が今どうなっているのかをお伝えし、新着メールを通知させる代わりの方法を初心者の方にもわかるようにご案内します。
じつはこの記事、もともとは2011年に書いたものです。当時のわたしは「WebMail Notifier」というFirefoxのアドオンを愛用していて、Gmailの新着メールが受信できなくなる不具合に困っていました。そこで設定ファイルを書き換えて直す方法をメモとして残していたんですね。
ところがそれから十数年。Firefoxは大きく生まれ変わり、当時の解決法はもう通用しなくなってしまいました。「昔の記事を見て試したのに直らない!」という方もいるかもしれません。それは決してあなたのせいではなく、Firefoxそのものの仕組みが根本から変わったからなんです。
WEB制作に携わって25年になる私として、古い情報のまま放置しておくのは心苦しく、今回あらためて書き直しました。「結局、今はどうすればいいの?」という疑問に、なるべく遠回りせずお答えしていきます。
この記事では、なぜ昔の方法が使えなくなったのか、そして今のあなたが新着メールを見逃さないためにどうすればいいのかを、順番に整理します。専門用語はできるだけかみくだいて説明しますので、パソコンが少し苦手な方にも読んでいただける内容です。
そもそも「WebMail Notifier」って何だったの?
「WebMail Notifier」は、GmailやYahoo!メール、Hotmailといったいわゆるブラウザで使うメール(ウェブメール)の新着を、Firefoxのツールバー上で知らせてくれる便利なアドオンでした。
メールソフトをいちいち開かなくても「未読が3件あるよ」と数字で教えてくれるので、当時はとても重宝したものです。わたしもGmailの新着チェックに毎日使っていました。
ところが、このアドオンはGoogle側の仕様変更があるたびに新着を受信できなくなることがありました。2011年に書いた元の記事は、その不具合を「設定ファイル(gmail.js)を手で書き換えて直す」という、今思えばかなり強引な応急処置を紹介したものだったのです。
そして結論から言うと、その書き換え方法は現在のFirefoxではもう使えません。理由を次でお話しします。
なぜ昔の解決法が使えなくなったの?Firefoxの大変身
原因は、Firefox自身の大きな仕様変更にあります。
2017年11月にリリースされた「Firefox 57(通称Quantum/クアンタム)」というバージョンで、Firefoxはアドオンの仕組みをまるごと新しいものへ切り替えました。それまでの古い形式のアドオン(XULやXPCOMと呼ばれる旧式のもの)は、このバージョンを境にいっせいに動かなくなったのです。
Mozilla(Firefoxを作っている団体)の公式説明によると、古い形式のアドオンはFirefoxの内部コードを直接いじれてしまうため、セキュリティ上の危険があったこと、そしてFirefoxを更新するたびに壊れやすかったことが、切り替えの理由とされています。
新しい形式は「WebExtensions(ウェブエクステンションズ)」と呼ばれ、より安全で壊れにくい作りになっています。つまりFirefox 57以降では、この新しい形式で作られたアドオンしか動かなくなった、というわけです。
元の記事で紹介した「プロファイルフォルダの中のgmail.jsを書き換える」という方法は、まさにこの古い形式のアドオン向けの裏ワザでした。アドオンそのものが今のFirefoxで動かない以上、書き換える対象のファイルも存在しません。だから今試しても直しようがないのです。
参考: Mozilla公式サポート / Mozilla Add-ons Blog
関連記事:Firefox更新でアドオンが消える・使えない時の原因と対処法【初心者向け】
WebMail Notifierの「今」を調べてみた
では肝心の「WebMail Notifier」自体は、今どうなっているのでしょうか。気になったので調べてみました。
じつは「WebMail Notifier」は名前を変えて生き残っていました。現在は「X-notifier」という名前で、Firefoxの公式アドオン配布サイト(addons.mozilla.org)に今も掲載されています。作者は Byungwook Kang さん。GmailやYahoo!、Outlook(Hotmail)、AOLなど複数のウェブメールに対応している、と説明されています。
ただし、ここで一つ大事な注意点があります。調べていくと、この「X-notifier」はGmailのサポートをやめてしまったことがわかりました。公式の案内には「Gmailは今後X-notifier Neoが対応します」と書かれています。
つまり、昔のようにGmailの新着をこのアドオンで知りたい場合は、後継版の「X-notifier Neo」のほうを使う必要があります。こちらも同じ作者によるもので、複数アカウントのGmailにも対応し、パスワードを保存せずにログイン状態を自動で検知してくれる、と説明されています。
気になる評価面ですが、X-notifierもX-notifier Neoも、利用者からの評価は決して高くありません(執筆時点でどちらも★3前後)。更新も数年止まっているようなので、昔ほど安定して動くとは限らない点は頭に入れておいたほうがよさそうです。導入する際は自己責任で、という前提になります。
参考: X-notifier(Mozilla公式アドオン) / X-notifier Neo(Mozilla公式アドオン)
今いちばんおすすめ。アドオンに頼らない通知のやり方
ここまで読むと、アドオンはあまりあてにできないと感じるかもしれません。じつはわたしも同じ考えです。
そこで私がいちばんおすすめしたいのは、アドオンを使わず、メールサービスそのものが持っている通知機能を使う方法です。これなら作者まかせのアドオンが壊れる心配もなく、ずっと安定して使えます。
たとえばGmailなら、ブラウザに直接「新着メールが届きました」というデスクトップ通知を出させることができます。手順はとてもかんたんです。
まずパソコンのブラウザでGmailを開き、画面右上の歯車アイコンから「すべての設定を表示」をクリックします。次に「全般」タブを下のほうへスクロールしていくと「デスクトップ通知」という項目がありますので、「新着メールの通知をオン」を選びます。
すると「このサイトが通知を表示することを許可しますか?」とブラウザが聞いてくるので「許可」を押し、最後に画面下の「変更を保存」をクリックすれば完了です。これで新しいメールが届くたびに、画面の隅にお知らせが出るようになります。
ひとつだけ注意点があります。この通知はGmailのタブを開いている間だけ働きます。タブを閉じてしまうと通知は届かないので、Gmailのタブはピン留めなどして開いたままにしておくのがコツです。
Yahoo!メールやOutlookなど、ほかの主要なメールサービスにも同じように通知設定が用意されています。お使いのサービスの設定画面で「通知」という項目を探すと見つかります。
参考: Gmailデスクトップ通知の手順解説 / Yahoo!メール公式ヘルプ
自分に合ったアドオンの探し方
「それでもやっぱり、ツールバーで未読件数をパッと確認したい」という方のために、今のFirefoxで使えるアドオンの探し方もご紹介しておきます。
Firefoxの右上のメニュー(横三本線)から「アドオンとテーマ」を開き、検索窓に「Gmail 通知」や「mail notifier」などと入れて検索します。表示されたアドオンを選ぶときは、わたしはいつも次の3点を見るようにしています。
ひとつめは「最終更新日」。なるべく最近まで更新されているものを選びます。ふたつめは「利用者数とレビュー評価」。多くの人が使い、星が高いものほど安心です。みっつめは「対応サービス」。自分が使いたいメールにきちんと対応しているかを確認します。
この3つをチェックするだけで、「入れたのに動かなかった」というガッカリをかなり減らせます。古い情報にふりまわされず、今動くものを自分の目で選ぶ。これがいちばんの近道です。
関連記事:【2026年版】Firefoxのおすすめ拡張機能|今も使える定番アドオンを厳選紹介
まとめ:古い裏ワザより、今ある通知機能を使おう
長くなりましたので、最後にこの記事のポイントを整理します。
かつて紹介したWebMail Notifierのgmail.js書き換えによる不具合解決法は、Firefoxの仕組みが2017年のQuantum(57)で根本から変わったため、現在はもう使えません。
当時の古い形式のアドオンはいっせいに動かなくなり、今のFirefoxでは新しい「WebExtensions」形式のアドオンしか使えなくなっています。これはあなたの操作ミスではなく、Firefox側の大きな方針転換によるものです。
WebMail Notifier自体は「X-notifier」と名前を変えて今も存在しますが、Gmailを使いたい場合は後継の「X-notifier Neo」が必要で、しかも評価や更新状況はあまり芳しくありません。今の状況では、アドオン頼みはあまりおすすめできないのが実情です。
そこで私がおすすめするのは、Gmailをはじめとする各メールサービスがもともと持っている「デスクトップ通知」機能を使う方法です。設定もかんたんで、アドオンのように突然壊れる心配もありません。まずはここから始めるのがおすすめです。
どうしてもツールバーでの未読表示が欲しいときは、Firefoxのアドオン検索で「最終更新日・利用者数・対応サービス」の3点をチェックして、今ちゃんと動くものを選びましょう。
十数年前の記事を頼りに来てくださった方に、せめて今の正しい道筋をお伝えできていれば嬉しいです。