
Excelはデータ整理や表計算に便利な反面、「印刷」に関しては少々クセがあります。
特に、複数のシートを含むブック全体を両面印刷しようとすると、意外と手間取ってしまうことも少なくありません。
この記事では、Excelのブック全体を効率よく両面印刷する方法を、初心者にも理解しやすいように解説します。
なぜ「ブック全体の両面印刷」は難しいのか?
通常、両面印刷はプリンタの設定で「両面」を選べば済むと思われがちですが、Excelの場合はそう簡単ではありません。
Excelは印刷設定をシート単位で管理しているため、「ブック全体を両面印刷」にしても、最初のシートしか両面印刷されないことがあります。
たとえば10シートあるブックを両面印刷したい場合、10回それぞれのシートで設定を変更しなければならないという非効率な仕様になっています。
通常の両面印刷の手順(1シートのみ)
- 印刷したいシートを開きます。
- 「ファイル」タブ → 「印刷」をクリックします。
- プリンタの「プロパティ」を開き、「両面印刷」を選択します。
- 「印刷対象」を「ブック全体」に変更します。
- 「印刷」をクリックします。
この方法では、開いているシートにしか両面印刷の設定が反映されないため、他のシートは片面印刷になってしまう可能性があります。
印刷設定は「シート単位」で管理されている
カラーや余白もシートごとに異なる
Excelでは以下のような印刷設定も、すべてシートごとに個別管理されています。
- カラー/モノクロの設定
- 拡大縮小の設定
- 余白・印刷範囲の設定
つまり、1枚目はカラー印刷、2枚目は白黒印刷といった状態になりやすく、統一感が失われてしまうこともあります。
ブック全体を効率よく両面印刷するには?
完全に自動で設定を統一する方法はありませんが、以下の手順で手間を減らすことができます。
手順1:すべてのシートを選択する
- 任意のシートタブを右クリックします。
- 「すべてのシートを選択」をクリックします。
これにより、すべてのシートをまとめて操作する準備が整います。
手順2:印刷設定を一括で適用する
- 「ファイル」タブ → 「印刷」を開きます。
- プリンタの「プロパティ」を開き、「両面印刷」を選択します。
- 「印刷対象」を「ブック全体」に変更します。
- 「印刷」をクリックします。
この方法により、多くの印刷設定がすべてのシートに適用されます。ただし、以下の点に注意が必要です。
- ページ設定(用紙サイズ、余白など)がシートごとに異なると、一括設定が正しく反映されない場合があります。
- 特定の印刷条件はシート単位でしか設定できない場合があります。
手動で設定する場合の効率化の工夫
一括設定がうまくいかない場合は、シートごとに手動で設定を行う必要があります。その際、以下のような工夫を取り入れることで作業の効率を上げられます。
- 設定内容をメモしておく: どのシートに何を設定したかを記録しておくと、設定ミスを防げます。
- 一度設定した内容を再利用する: 最初に設定したシートをひな形として使えば、他のシートへの設定がスムーズになります。
まとめ
Excelのブック全体を両面印刷する際は、以下の点に注意が必要です。
- 印刷設定はすべてシート単位で管理されている。
- ブック全体に一括で設定を適用するにはすべてのシートを選択して操作する。
- 一部の設定はシートごとに手動で設定する必要がある。
- 設定ミスを防ぐには、メモやひな形の活用が効果的。
正しい印刷設定を行うことで、「1枚目だけ両面印刷されて他は片面だった」といったミスを防ぐことができます。紙やインクの節約にもつながるため、ぜひ今回紹介した方法を活用して、効率的な印刷を実現してください。