
「ブログのアクセスが伸びない」「新しい記事を書いているのに、なぜかトラフィックが増えない」そう感じている方、多いのではないでしょうか。
ブログ運営において「新規記事の追加」と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのが「既存記事のリライト(再構築・情報更新)」です。しかし、やみくもに記事を更新しても成果は得られません。重要なのは、「どの記事を、なぜ、どうリライトするか」という“戦略”です。
そこで今回は、Google Search Console(以下GSC)やGoogle Analytics(以下GA)といったアクセス解析ツールを使って、リライトすべき記事を“数字で見極める”方法を徹底解説します。
- クリック率が低いのは、タイトルが悪いのか、それとも順位が悪いのか?
- 滞在時間が短いのは、構成が悪いのか、それとも検索意図がズレているのか?
- 陳腐化した情報が放置されていないか?
そういった問いに答えながら、効率よくアクセスを伸ばすための実践的なノウハウをお伝えします。
データで見極める!リライト優先記事の選び方
1. Search Consoleでの基本分析:検索順位とCTRに注目
まずはGSCの「検索パフォーマンス」レポートを開き、ページのタブに移動します。
- 対象期間:「過去3ヶ月」または「過去6ヶ月」
- 対象項目:「クリック数」「表示回数」「CTR(クリック率)」「平均掲載順位」
ここで注目すべきは以下の3つのパターンです。
状況 | 原因と対応策 |
---|---|
平均掲載順位が11~30位 | 1ページ目に入る手前。タイトル改善やコンテンツ強化でチャンス大。 |
表示回数は多いがCTRが低い | 検索結果に表示はされているが、クリックされていない。タイトルとメタディスクリプションの改善を。 |
CTRは高いが表示回数が少ない | 魅力的なタイトルが評価されている。順位向上で一気に流入が増える可能性あり。 |
フィルタをうまく活用してリライトすべき記事を探しましょう。
2. Analyticsでユーザーの行動をチェックする
GA4の「エンゲージメント」レポートを使い、個別URLごとの以下の指標を確認します。
- 平均エンゲージメント時間(旧:平均滞在時間)
- 直帰率(離脱率)
- エンゲージメント率
直帰率を確認するためには、レポートをカスタマイズしなければなりません。グラフの右上にある「レポートをカスタマイズ」から「指標」→「直帰率」を選ぶとレポート画面に直帰率が追加されます。同じ手順でエンゲージメント率もレポートに追加可能できます。
特に注意すべきは「直帰率が高く、滞在時間が短い記事」です。これらは検索意図とのズレがある、読みづらい構成になっているなど、UX上の問題が潜んでいます。たとえば、内容が古かったり、情報が断片的すぎて読者が満足できないケースが該当します。
関連記事:Googleアナリティクス4(GA4)で押さえておきたい基本用語解説
3. 情報が古い・競合に劣っている記事を炙り出す
SEOにおいて情報の鮮度は重要です。特に、次のようなテーマは情報の陳腐化が直結して検索順位の低下につながります。
- 制度改正(例:税制、法律、金融商品など)
- 製品レビュー(旧モデルのままなど)
- 統計・調査データ
方法としては、記事公開日から1年以上経過しているコンテンツをピックアップし、最新情報にアップデートされているかを確認してください。競合サイトと比較して情報が薄い場合も要注意です。
4. スプレッドシートでリライト優先度を管理する
複数の記事を管理する場合は、次のようなテンプレートを使って「リライト対象の優先順位」を一覧化すると非常に効率的です。
URL | 平均順位 | CTR | 表示回数 | 滞在時間 | 優先度 | 改善方針 |
---|---|---|---|---|---|---|
/example-1 | 15.2 | 1.2% | 4,800 | 00:45 | 高 | タイトル見直し+構成改善 |
/example-2 | 8.4 | 4.5% | 2,300 | 01:20 | 中 | 情報更新と見出し整理 |
このように可視化すれば、どの記事をいつ、なぜリライトするのかをチームで共有しやすくなります。
5. リライトの実施内容とチェックリスト
リライトは、単に文章を加筆・修正するだけでは不十分です。以下のような観点から、包括的に見直しましょう。
- タイトルの再設計(検索意図・競合分析)
- メタディスクリプションの明瞭化
- ファーストビューと導入文の改善
- 情報の最新化(統計・制度変更・リンク切れ)
- 見出し構成の整理(H2・H3の論理性)
- 内部リンク・外部リンクの整理
- 画像の更新・最適化(WebPやalt属性含む)
【まとめ】リライトは“戦略的な分析”から始めよう
ブログ記事のリライトは、単なるメンテナンスではありません。それはデータに基づく“成長戦略”の一部であり、的確に実施することでアクセス数・滞在時間・収益性のすべてを向上させる強力な手段です。特に次の3点を意識して取り組むと成果が出やすくなります。
- 感覚ではなく、データ(GSC・GA)に基づいて候補を選定する
- 検索順位・CTR・滞在時間など複数の指標を掛け合わせて分析する
- 情報の鮮度・読者ニーズ・検索意図の変化を常に意識する
新しい記事を書くのも大切ですが、「すでにある資産を最大限に活かす」ことこそが、持続可能なSEO戦略の核になります。
もし「どれからリライトしていいか分からない」という方は、まずSearch Consoleで平均順位が11~30位のページをチェックしてみましょう。そこには“すぐに成果が出る可能性の高い金鉱”が眠っているかもしれません。