会社のAdobe製品がCC(Creative Cloud)に切り替わったとき、私はまっさきにPhotoshopを立ち上げて作業を始めました。ところが、いざファイルを開こうとすると、スプラッシュ画面が出た直後に落ちる。何度やっても100%クラッシュする。再起動しても、入れ直しても、バージョンを変えても直らず、ずいぶん時間を溶かしました。
原因はだいたい2つに寄っています。グラフィックプロセッサー(GPU)まわりと、壊れた環境設定ファイルです。私の場合は前者で、「グラフィックプロセッサーを使用」のチェックを1つ外したところで止まりました。逆に言えば、再インストールから始めるのはいちばん遠回りで、時間を溶かしたのはそこです。
試す順番も決まっています。環境設定のリセット、GPUの無効化、プラグインの切り離し、フォントキャッシュの削除、最後にアップデートと再インストール。上の2つで止まることが多いので、起動できない状態でも打てる手から順に並べました。Photoshopが立ち上がらずメニューにたどり着けない場合も、ショートカットキーだけで環境設定はリセットできます。
同じように「起動した瞬間に落ちる」「ファイルを開くと強制終了する」で困っている人向けに、私が実際に効いた対処と、現行のPhotoshop(2024/2025)でも通用する手順をまとめておきます。
Photoshop CCがクラッシュする時の解決方法
起動時やファイルを開いた瞬間に落ちるトラブルは、原因が絞りやすい部類です。多くはグラフィックプロセッサー(GPU)まわりか、壊れた環境設定ファイルが引き金になっています。下から順に試していけば、たいていはどこかで止まります。
どこから当たるかは、症状で決められます。Photoshopが起動せずメニューにたどり着けないなら、ショートカットキーだけで打てる手順1から。起動はするのに、ファイルを開いた瞬間に落ちるなら、手順2のGPUが本命です。直前にプラグインを入れた心当たりがあるなら手順3、フォントを入れたなら手順4を先に回します。心当たりがまったくないときは、手順1と2を順に試すのが外しません。
手順1を打つ前に控えておきたいのは、ワークスペースの構成と、自分で割り当てたショートカットです。環境設定のリセットではこの2つが初期状態に戻るので、メモしておくか画面を撮っておくと、直ったあとの戻しが早く済みます。
1. まずは環境設定をリセットする(一番効く)
動作が不安定なときの定番は、壊れた環境設定ファイルの作り直しです。Photoshopが起動できない状態でも、ショートカットキーで強制的にリセットできます。
- Windows:Photoshopを起動する直前に Ctrl+Alt+Shift を押しっぱなしにする
- Mac:起動直前に command+option+shift を押しっぱなしにする
「Adobe Photoshop 設定ファイルを削除しますか?」というダイアログが出たら「はい」を選びます。これで環境設定が初期状態に戻り、壊れたファイルが原因のクラッシュならこれだけで直ることが多いです。ワークスペースやショートカットのカスタマイズはリセットされるので、必要なら控えておいてください。
環境設定ファイルの実体を手で消したい場合は、以下の場所にあります。
- Windows:C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Adobe\Adobe Photoshop(バージョン)\Adobe Photoshop(バージョン)Settings
- Mac:/Users/(ユーザー名)/Library/Preferences/Adobe Photoshop(バージョン)Settings
2. グラフィックプロセッサーを使用のチェックを外す
私の環境で最終的に効いたのはこれでした。GPUドライバーとの相性が悪いと、起動やファイルを開いた瞬間に落ちることがあります。
編集メニュー → 環境設定 → パフォーマンス(Macは Photoshopメニュー → 環境設定 → パフォーマンス)を開き、「グラフィックプロセッサーを使用」のチェックを外してPhotoshopを再起動します。これで落ちなくなればGPUが原因なので、そのまま無効で使うか、グラフィックボードのドライバーを最新版に更新してから再度チェックを入れてみてください。
起動すらできずメニューにたどり着けない場合は、先に「1」の環境設定リセットをかけると、GPU設定も初期化された状態で立ち上がることがあります。
ドライバーの更新は、Windows Updateから当てるのがいちばん手間がかかりません。設定 → Windows Update →「その他のオプション」→「オプションの更新プログラム」を開くと、ドライバーが並んでいることがあります。目的のものにチェックを入れて「ダウンロードしてインストール」を押します。推奨されるドライバーは自動で入りますが、ここに入っているものは自分で選ばないと入りません。
ここに出てこない場合は、GPUメーカーが配布しているドライバーを直接入れます。更新したら、もう一度「グラフィックプロセッサーを使用」にチェックを戻して、落ちなくなったかを確かめます。まだ落ちるならチェックは外したままで使い、次のドライバー更新のときに試し直すのが無理のない進め方です。
参考:Microsoft「更新されたおすすめのハードウェア ドライバーを自動的に取得する」
3. サードパーティ製プラグインを無効化する
外部プラグインが原因で落ちるケースもあります。Photoshop起動時に Shift を押しっぱなしにすると、オプションのプラグインを読み込まずに起動できます。これで安定するなら、プラグインのどれかが犯人です。ひとつずつ戻して切り分けてください。
4. フォントキャッシュを削除する
壊れたフォントやフォントキャッシュも、起動直後のクラッシュの定番原因です。Photoshopを終了した状態で、OSやAdobe共通のフォントキャッシュを削除して作り直すと直ることがあります。新しく入れたフォントに心当たりがあれば、いったん外して試すのも有効です。
5. アップデート・再インストールを行う
ここまでで直らなければ、Creative CloudデスクトップアプリからPhotoshopを最新版にアップデートします。既知の不具合はアップデートで潰されていることが多いです。それでもダメなら、いったんアンインストールしてから入れ直します。Windowsなら、Adobeが配布しているCreative Cloud Cleaner Toolで残骸を掃除してから再インストールすると、よりきれいな状態になります。
まとめ
起動時・ファイルオープン時の強制終了は、次の順で試すのが近道です。
- 環境設定をリセットする(Windows:Ctrl+Alt+Shift/Mac:command+option+shift 押しながら起動)
- 「グラフィックプロセッサーを使用」のチェックを外す
- Shift押しながら起動してプラグインを無効化する
- フォントキャッシュを削除する
- アップデート、それでもダメなら再インストール
私の場合はGPUのチェックを外すだけで落ち着きました。順番に意味があるので、上の1と2で直らなかったときに3以降へ進んでください。プラグインの切り分けとフォントキャッシュの削除は、起動できるようになってからでも間に合います。GPUを切ったまま使い続けるのが気になるなら、ドライバーを更新してからチェックを戻す形にします。
どこで止まったかで、原因も分かります。環境設定のリセットで直れば設定ファイルの破損、GPUのチェックを外して直ればドライバーとの相性、Shiftを押しながらの起動で直ればプラグインのどれかです。フォントキャッシュの削除で直ったなら、直前に入れたフォントを疑います。
環境設定をリセットした場合は、ワークスペースやショートカットのカスタマイズが初期状態に戻っています。落ちなくなったのを確かめてから、そこだけ作り直します。Windowsで入れ直すところまで行くときは、Creative Cloud Cleaner Toolで残骸を掃除してから再インストールします。