eSIMのメリット・デメリット解説!実は便利なだけではない注意点

iPhoneにSIMカードを差し込む

eSIM(イーシム)は、スマートフォンの使い方をもっとスマートにしてくれる、注目の技術です。

SIMカードを差し替える必要がなく、ネット上の操作だけで簡単に回線を開通できる手軽さが魅力。ちょっと未来っぽくて、ワクワクしますよね。

最近ではiPhoneやPixelシリーズをはじめ、eSIM対応のスマホも増えてきていて、格安SIM各社も次々に対応プランを打ち出しています。ですが、便利な反面「えっ、そんな落とし穴が!?」というポイントも結構あったりします。

この記事では、eSIMを実際に使って感じたメリットとデメリットを、初心者の方にもわかりやすく紹介します。これからeSIMを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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eSIMとは?

eSIMとは「Embedded SIM(組み込み型SIM)」のことです。

スマホ本体に内蔵されたチップに、ネット経由で契約情報を書き込むことで回線が使えるようになります。SIMカードの抜き差しは不要。すべてスマホ上の操作だけで完結するすごく便利な技術です。

対応機種の一例

  • iPhone XS / XR 以降(国内版)
  • Google Pixel 4a 以降
  • Galaxy S20シリーズの一部
  • OPPO、XiaomiなどのeSIM対応モデル

eSIMのメリット

スマホをもっと便利に、もっと手軽に使いたい人にとって、eSIMはさまざまな魅力を備えています。ここでは、eSIMを使うことで得られる主なメリットを具体的に見ていきましょう。

1. オンラインで即開通できる

eSIMは、物理SIMのようにカードが郵送されるのを待つ必要がありません。ネットで申し込みをすれば、その場でQRコードを読み取ってすぐに使えるようになります。

例えば、旅行先で急にデータ通信が必要になったときや、乗り換えで早く回線を使いたいときなどにとても助かります。

2. SIMカードの差し替えが不要

「SIMピンが見つからない…」「カードを入れたのに反応しない…」そんなあるあるトラブルとは無縁。スマホの設定だけで回線を追加できるので、余計な作業が発生しません。

物理的な差し替えがない分、スマホの防水性を保てるというメリットもあります。

3. デュアルSIMが使える

eSIM対応機種の多くは、eSIMと物理SIMの両方が使える「デュアルSIM対応」です。

仕事用とプライベート用、国内回線と海外回線など、2つの番号やプランを1台で切り替えて使えるので、出張や海外旅行の多い方には特に便利です。

4. SIMの紛失や破損の心配がない

eSIMにはカードがないので、物理的に失くしたり壊したりする心配がありません。SIMカードの取り扱いに不安がある方や、小さなパーツが苦手な方にも安心です。

eSIMのデメリット

eSIMには便利な点が多くありますが、使い始めてから気づく注意点や制限も少なくありません。導入前に知っておきたいポイントをしっかり押さえておきましょう。

1. 初期化や故障時の再発行がちょっと大変

スマホを初期化したり、故障して修理に出したりすると、eSIMのデータも消えてしまいます。その後また使うには、通信会社で「再発行」の手続きをしなければなりません。事業者によっては再発行に数百円の費用がかかる場合もあります。

私も過去にAndroidの不具合で、端末を初期化した時にeSIMのデータがなくなり苦労した経験があります。意外と知らない方もいると思うので、こういったリスクがあることは認識しておきましょう。

関連記事:注意!Android 14アップデート後の不具合とeSIMの再発行問題

2. QRコードは使い回しできないことも

eSIMを最初に設定したときに使うQRコード。これ、実は一度しか使えないケースが結構あるので慣れていない方は注意しましょう。

もし同じQRコードで再設定しようとしても、エラーになることもあります。再設定用のコードを事前に確認しておくと安心です。

3. 開通にはインターネット接続が必要

eSIMの設定やプロファイルのダウンロードには、インターネット接続が必要です。Wi-Fi環境がない場所では開通作業ができないため、事前に接続手段を確保しておく必要があります。

物理SIMのように差すだけで通信できるわけではない点は、人によっては不便に感じるかもしれません。

4. 他の端末に気軽に使いまわせない

物理SIMならカードを抜いて他のスマホに差せばすぐに使えますが、eSIMはそう簡単にはいきません。

例えばメイン端末が壊れた場合、物理SIMであればサブ端末に差し替えて運用することができますが、eSIMの場合はそういった柔軟な対応ができない点に注意。

eSIMと物理SIMの比較

「eSIMと物理SIMって結局どっちがいいの?」と迷う方のために、両者の違いをわかりやすく表にまとめました。それぞれの特徴を見比べながら、自分の使い方に合ったほうを選んでみてください。

項目 eSIM 物理SIM
開通スピード ネットで即開通 郵送を待つ必要あり
差し替え作業 なし(端末操作のみ) あり(手動で差し替え)
再発行 必要、手数料がかかることも カードがあれば不要
共有・使い回し 難しい 簡単
防水・防塵 保ちやすい トレイ開閉でややリスクあり

こんな人にはeSIMがおすすめ

「eSIMって自分に向いてるのかな?」と感じた方に向けて、どんな人にとってeSIMが便利なのかをざっくり整理してみました。

  • スマホを頻繁に買い替えない人
  • 今すぐ使いたい!という人
  • 回線を2つ同時に使いたい人
  • SIMの取り扱いに慣れていない人
  • 防水・防塵機能をしっかり使いたい人
  • 海外旅行や出張が多い人

まとめ:eSIMはスマートで快適。でもちょっと注意も必要

eSIMは、スマホをもっと便利に、もっと自由に使いたい人にぴったりな仕組みです。手続きがスムーズで、複数回線の使い分けもできるなど、現代のライフスタイルに合った機能がたくさん備わっています。

ですがその一方で、初期化や機種変更のときに手続きが必要だったり、再発行の手間があったりと意外と知られていないデメリットもあります。

私も以前は「eSIM便利でサイコー」派だったのですが、端末初期化で再発行する羽目になって以来、メリットよりもデメリットが気になって物理SIM派に戻りました。外で開通手続きを進めてからネット環境がないことに気が付いて、無料Wi-Fiのある場所を探した経験もあります(汗)

eSIMはメリットばかりに目がいきがちですが、デメリットもきちんと理解したうえで選ぶようにしましょう。