Web制作の現場でディレクトリごとまとめてアップロードすると、Thumbs.db や .bak、Macの .DS_Store といった転送する必要のないファイルまで一緒にサーバーへ送られてしまいます。FileZillaの「ディレクトリリスティングフィルター」を使えば、こうした不要ファイルを一覧から隠したうえで転送対象からも外せます。
私もFTPでサイトを丸ごと更新するたびに、サムネイルキャッシュやエディタが吐き出すバックアップファイルが混ざり込んで、サーバー側のフォルダがゴミだらけになるのに長年悩まされてきました。一つひとつ手で選んでアップロードから外すのは現実的ではありませんし、うっかり混ぜたまま転送してしまうと、サーバー上に意味のないファイルが積もっていきます。
特にWindowsの Thumbs.db はフォルダを開いただけで勝手に生成されますし、テキストエディタやCMSのプラグインが残す .bak 系も気づかないうちに増えていきます。一覧に並ぶと本当に見たいファイルが埋もれて、転送ミスの温床にもなります。
FileZillaには標準で「不要ファイルを隠すための仕組み」が用意されていて、一度設定しておけば以降はずっと効きます。この記事では現行版のFileZillaを前提に、フィルターの開き方から条件の書き方、ローカル側・リモート側それぞれへの適用、つまずきやすい注意点までまとめます。
ディレクトリリスティングフィルターとは
FileZillaの「ディレクトリリスティングフィルター(ファイル名フィルター)」は、指定した条件に一致するファイルやフォルダを一覧に表示させない機能です。
重要なのは、単に見た目を隠すだけではないという点です。フィルターで除外されたファイルは一覧から消えると同時に、アップロード・ダウンロードの転送対象からも外れます。つまり「画面に出さない」と「送らない」がセットになっているので、不要ファイルがサーバーに紛れ込む事故そのものを防げます。

フィルターは次の4つの場所に対して個別にオン・オフできます。
- ローカルのディレクトリツリー(左側のフォルダ階層)
- リモートのディレクトリツリー(右側のフォルダ階層)
- ローカルの現在のフォルダ内のファイル一覧
- リモートの現在のフォルダ内のファイル一覧
「ローカルだけ隠したい」「サーバー側でも見せたくない」といった使い分けができるので、用途に応じて必要な箇所だけチェックを入れます。
フィルター画面の開き方
FileZillaを起動したら、メニューバーの「表示」→「ディレクトリリスティングフィルター」を選びます。キーボードショートカットの Ctrl + I でも開けますし、ツールバーにフィルターのアイコンがあればそこからでも構いません。
開くと「ディレクトリリスティングフィルター」のダイアログが表示され、利用できるフィルターが一覧で並びます。各フィルターの行には、左から「ローカルのファイル」「リモートのファイル」などに適用するためのチェックボックスが並んでいます。使いたいフィルターの、適用したい側のチェックを入れるだけで有効になります。
最初から用意されている定番フィルター
うれしいことに、よく使う不要ファイルのフィルターはFileZilla側であらかじめ用意されています。多くのケースは自分で条件を書かなくても、このプリセットにチェックを入れるだけで済みます。
- Useless Explorer files … Windowsのエクスプローラーが生成する
Thumbs.dbやdesktop.iniなどを除外します。 - Temporary and backup files …
.tmpや.bakといった一時ファイル・バックアップファイルを除外します。 - Source control directories … Git・SVN・CVSなどのバージョン管理用フォルダを除外します。
- Configuration files …
.iniなどの設定ファイルを除外します。 - Show only images … 逆に
.jpg/.png/.gifなどの画像だけを表示します。
Thumbs.db と .bak を消したいだけなら、「Useless Explorer files」と「Temporary and backup files」にチェックを入れれば事足ります。Macの .DS_Store まで隠したい場合は、次に説明する自分用フィルターを足す形になります。
自分でフィルター条件を作る
プリセットに無いファイルを隠したいときは、フィルター画面の左下にある「フィルタルールを編集」ボタンをクリックします。「フィルターの編集」ダイアログが開き、左側に既存のフィルター一覧、右側に選択中フィルターの条件が表示されます。

「新規」ボタンで自分用のフィルターを作り、条件を追加していきます。条件は「ファイル名(filename)」を対象に、次のような判定方法を選べます。
- contains(含む)… 名前に指定文字列を含むものに一致
- is equal to(等しい)… 名前が指定文字列と完全一致
- begins with(で始まる)… 名前が指定文字列で始まるものに一致
- ends with(で終わる)… 名前が指定文字列で終わるものに一致
- matches regex(正規表現に一致)… 正規表現で柔軟に指定
たとえば .DS_Store を隠すなら、条件を「filename / is equal to / .DS_Store」とします。拡張子 .bak をまとめて除外したいなら「filename / ends with / .bak」が分かりやすいです。複数の条件を並べたときは、上部で「any(いずれか)/ all(すべて)/ none(いずれも該当しない)」のどれに一致させるかを選べるので、通常は「any」にしておけば「どれか一つでも当てはまれば除外」という直感的な動きになります。
正規表現を使う場合は、行末を表す $ や、記号を文字として扱わせるためのエスケープ \\(バックスラッシュ)が使えます。たとえばバックアップ拡張子を正規表現でまとめるなら、こう書けます。
filename / matches regex / \\.(bak|tmp|old)$
条件を組んだら「OK」で保存し、最初のフィルター画面に戻って、作ったフィルターの適用したい側にチェックを入れれば反映されます。
ローカルとリモート、どちらに適用するか
フィルターは前述のとおりローカル側・リモート側を別々に切り替えられます。私の使い方としては、アップロード時に不要ファイルを送りたくないのでローカル側のファイル一覧に「Useless Explorer files」「Temporary and backup files」を適用しています。これで手元の Thumbs.db や .bak が一覧に出ず、転送にも含まれません。
一方リモート側は、すでにサーバーへ上がってしまった不要ファイルを見つけて消したい場面もあるので、状況によってオフにします。リモート側でフィルターを効かせたままだと、消すべきゴミファイル自体が一覧に出てこず、かえって掃除しづらくなるからです。
関連記事:【比較】FTPソフト「FFFTP」と「FileZilla」の違いと選び方
使うときの注意点
便利な機能ですが、いくつか気をつけたい点があります。
第一に、フィルターはあくまで「表示と転送から外す」だけで、ファイルを削除するわけではありません。ローカルの Thumbs.db が消えるわけではなく、FileZillaの一覧に出なくなるだけです。
第二に、除外されたファイルは転送に含まれないため、本当に必要なファイルまで隠していないか確認しておくのが安全です。「ends with」や正規表現を広めに書くと、想定外のファイルまで巻き込むことがあります。アップロード後にサーバー側を一度確認しておくと安心です。
第三に、フォルダ(ディレクトリ)に対するフィルターは、ファイルとは別の挙動をすることがあります。ディレクトリツリー側の表示には反映されても、現在のフォルダ内一覧では見え方が異なる場合があるので、4つの適用先のチェックを意図どおりに入れているか見直してください。
出典
- Filename Filters – FileZilla Wiki
- How Do I Get the Files in a Directory Using a Filter? – FileZilla Pro
まとめ
FileZillaの不要ファイル除外は、次の手順で設定できます。
- メニュー「表示」→「ディレクトリリスティングフィルター」(
Ctrl + I)でフィルター画面を開く Thumbs.dbなら「Useless Explorer files」、.bakや.tmpなら「Temporary and backup files」にチェックを入れる- プリセットに無いものは「フィルタルールを編集」から「filename / ends with / .DS_Store」のように自分で条件を追加する
- 適用先はローカル側・リモート側を分けて指定できる
一押しは、まずローカル側のファイル一覧に「Useless Explorer files」と「Temporary and backup files」を適用しておくことです。これだけで、ディレクトリごとアップロードしても Thumbs.db や .bak がサーバーへ紛れ込まなくなり、転送のたびに感じていた煩わしさからほぼ解放されます。Macも併用するなら .DS_Store の条件を一つ足しておけば万全です。フィルターは見た目を整えるだけでなく転送精度も上げてくれるので、FTP作業を日常的に行う人ほど効果を実感できるはずです。