サーバーにファイルをアップロードするとき、いまだに現役で使われているFTPソフトの二大定番が「FFFTP」と「FileZilla」です。私もWeb制作の仕事で20年以上、案件や環境に応じてどちらもずっと触ってきました。長く使われているだけあって、どちらも安定していて頼れる存在です。
「結局どっちを使えばいいの?」というのは、Web制作を始めたばかりの方からよく聞かれる質問です。どちらも無料で評判もいいので、名前は知っていても決め手がわからず、なおさら迷うところだと思います。昔の記事や情報を見て「FFFTPはもう古いのでは?」と不安になっている方もいるかもしれません。
この記事では、FFFTPとFileZillaそれぞれの特徴・対応OS・暗号化通信への対応・開発状況・セキュリティ面を最新の状況にあわせて整理し、自分に合うのはどちらかを選べるようにまとめました。
結論から言うと、両方とも2024年以降も更新が続いていて、今も問題なく使えます。ただし「対応しているプロトコル」と「使える環境」には明確な差があり、そこを知らずに選ぶと、後でサーバーにつながらず乗り換える羽目になることもあります。
私自身、昔FFFTPからFileZillaに移行した一人です。その理由や、実際に両方を使い続けてきて感じた向き不向きも含めて、できるだけ中立に、率直に書いていきます。読み終わるころには、自分の環境ならどちらを選べばいいかがはっきりするはずです。
FFFTPとは?国産の定番、今も開発は続いている
FFFTPは1997年に曽田純(Sota)さんが公開した、歴史の長い国産FTPクライアントです。動作が軽く画面がシンプルで、日本では長年「FTPといえばこれ」という存在でした。
「もう開発が止まったソフトでは?」と思っている方もいるかもしれませんが、そこは誤解です。確かに作者のSotaさんは2011年に開発終了を宣言しましたが、その直後から有志によるオープンソース開発が引き継がれ、今も更新が続いています。
最新版はバージョン5.8で、2024年5月に公開されました。引退したソフトではなく、コミュニティの手でメンテナンスされ続けている現役のソフトです。
対応OSとセキュリティ面
現行の64bit版はWindows 10以降に対応しています。古いWindows XPなどはすでに対象外になっているので、最新版を使うなら比較的新しいWindowsが前提です。
暗号化通信については、FTPS(FTP over TLS/SSL)に対応しており、最近のバージョンではTLS 1.3もサポートされています。つまり「通信を暗号化したアップロード」自体はFFFTPでもきちんとできます。
注意したいのは、FFFTPはSFTP(SSHを使った転送)に対応していない点です。設定画面に項目らしきものはあるものの実装はされておらず、対応は未定のままです。レンタルサーバーによってはSFTP接続を必須にしているところもあるので、契約先の仕様次第ではFFFTPだと接続できないケースが出てきます。
ちなみにWindows専用ソフトなので、MacやLinuxでは使えません。このあたりが、次に紹介するFileZillaとの大きな分かれ道になります。
出典・参考: FFFTP リリースノート(GitHub) / 窓の杜「FFFTP」v5.8公開のニュース
FileZillaとは?FTP・FTPS・SFTP全部対応の万能型
FileZillaは世界中で使われているオープンソースのFTPクライアントです。こちらはずっと現役で開発が続いていて、安定して新しいバージョンが出ています。
最大の特徴は、対応している通信方式の幅広さです。通常のFTPに加えて、暗号化されたFTPS、そしてSSHベースのSFTPまで、主要なプロトコルをひととおりカバーしています。FFFTPが対応していないSFTPが標準で使えるのは、サーバーを選ばないという意味でかなり大きな利点です。
対応OSと主な機能
FileZillaはWindowsだけでなくmacOS・Linuxでも動く、クロスプラットフォームのソフトです。会社ではWindows、自宅ではMacといった環境でも、同じソフトで統一できます。WindowsはおおむねWindows 7以降、最新のWindows 11まで対応しています。
機能面も充実していて、私がよく使うものを挙げるとこんな感じです。
- サイトマネージャーで接続先をまとめて管理できる
- 4GBを超える大きなファイルでも転送の一時停止・再開ができる
- タブを使って複数のサーバーに同時接続できる
- 転送キューで複数の転送を順番待ちさせられる
- 転送に失敗したファイルの再アップロードがやりやすい
- ドラッグ&ドロップでアップロード・ダウンロードができる
転送速度も速く、たくさんのファイルをまとめて上げ下げするときにストレスが少ないのもありがたいところです。
ひとつだけ補足すると、配布元によってはインストーラーに余計なソフトの同梱を勧めてくる画面が出ることがあります。インストール時に「不要なものを入れない」をきちんと選ぶか、公式サイトから入れるのが安心です。
出典・参考: FileZilla公式サイト / FileZilla – Wikipedia(英語)
FFFTPとFileZillaを項目で比較
ここまでの内容を一覧にまとめておきます。迷ったらこの表を見れば、おおまかな違いはつかめると思います。
| 項目 | FFFTP | FileZilla |
|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 無料 |
| 対応OS | Windowsのみ | Windows / macOS / Linux |
| FTP | 対応 | 対応 |
| FTPS(暗号化) | 対応(TLS 1.3対応) | 対応 |
| SFTP(SSH) | 非対応 | 対応 |
| 開発状況 | 有志のコミュニティが継続中 | 現役で継続中 |
| 動作の軽さ | 軽い・起動が速い | 機能が多い分やや重め |
| 画面 | シンプルで分かりやすい | 多機能・カスタマイズ可 |
こうして並べると、「Windowsで手軽に・軽く使いたいFFFTP」「環境を選ばず安全に・多機能に使いたいFileZilla」という性格の違いがはっきりします。どちらが上というより、向いている使い方が違うソフトだと考えると選びやすいです。
結局どっちを選べばいい?用途別の選び方
私の実感もまじえて、おすすめの選び分けを書いておきます。
FFFTPが向いている人
Windowsしか使わず、接続先のサーバーがFTPやFTPSで足りるなら、FFFTPは今でも十分に良い選択です。とにかく軽くてサッと起動し、画面がごちゃごちゃしていないので、はじめてFTPソフトに触れる初心者の方にも取っ付きやすいと思います。慣れた画面をそのまま使い続けたいベテランの方にも根強い人気があります。
FileZillaが向いている人
一方で、契約しているレンタルサーバーがSFTP接続を求めている場合や、MacとWindowsの両方を行き来する場合は、FileZilla一択になります。私が昔FFFTPから乗り換えたのも、セキュリティ周りの見直しと、複数の環境で同じソフトを使いたかったのが理由でした。最初こそ機能の多さに戸惑いますが、サイトマネージャーや転送キューに慣れると、もうこちらが手放せなくなりました。
正直なところ、これから新しく始めるなら、対応プロトコルが広くサーバーを選ばないFileZillaを基本にしておくのが無難だと思います。そのうえで「軽さ重視のサブ機」としてFFFTPも入れておく、という二刀流が私の今のスタイルです。
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関連記事:FileZillaで「Thumbs.db」や「.bak」など転送不要なファイルを表示しない方法
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まとめ:どちらも現役、決め手は「対応プロトコルと環境」
長年使われてきたFFFTPとFileZilla。どちらも今なお無料で、開発も続いている信頼できるFTPソフトです。
違いを一言で整理すると、FFFTPはWindows専用で軽快・FTPSまで対応、FileZillaはマルチOSでSFTPまで対応する多機能型、という住み分けになります。
選ぶときのいちばんの判断材料は、契約しているサーバーが求める接続方式と、自分が使うパソコンの環境です。サーバーがSFTPを必須にしていたり、Macも使うならFileZilla。Windowsだけで手早くサッと使いたいならFFFTP、という基準で選べば失敗しません。
セキュリティの観点では、どちらを使うにしても、通信が暗号化されないただのFTP接続は避け、FTPSやSFTPといった暗号化された方式を選ぶことが大切です。これは契約先のサーバーがどの方式に対応しているかで決まるので、まずはサーバーの仕様を確認してみてください。
昔と違って今はサーバー側のセキュリティ要件も上がっていて、暗号化に対応していない接続はそもそも弾かれることも増えました。だからこそ、ソフト選びの前に「自分のサーバーがどの接続方式に対応しているか」を一度確認しておくと、つまずきにくくなります。
迷ったらFileZillaから試して、軽さが欲しい場面でFFFTPを足す。この組み合わせなら、たいていのWeb制作の場面はカバーできます。どちらも無料で導入のハードルは低いので、まずは両方入れて、自分のサーバーにつながるか・操作感が合うかを実際に試してから選ぶのが確実です。