【随時更新】新型コロナウイルス(新型肺炎)感染症対策のまとめ

中華人民共和国湖北省武漢市で令和元年12月以降、新型コロナウイルスに関連した肺炎の発生が報告され以来、世界各地から報告が続いています。

新型コロナウイルス(新型肺炎)イメージ

春節ということもあり、日本にも中国から多くの人が訪れることから感染拡大を心配する声が上がっていました。そして先日、国内でも新型コロナウイルス感染症の患者発生が確認され「指定感染症」に指定されました。

新型肺炎の拡大は人命を脅かすことはもちろん、私たちの生活や経済にも大きな影響を及ぼします。今、私たちが行うべき行動は「自衛」です。この記事では現時点で私たちができる新型コロナウイルス予防・感染症対策をまとめました

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新型コロナウイルスとは

発熱や上気道症状を引き起こすウイルスで、人に感染を起こすものは6種類あることが分かっています。

そのうち、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの、重症化傾向のある疾患の原因ウイルスも含まれています。それ以外の4種類のウイルスは、一般の風邪の原因の10~15%(流行期は35%)を占めます。

中国で見つかった新型コロナウイルスは、これら6種類には当てはまらない新しい型です。世界保健機関(WHO)では一時的に「2019-nCoV」と命名しました。

参考サイト:新型コロナウイルスとは? 新型肺炎の症状や予防方法

新型コロナウイルスの感染症対策

新型コロナウイルスついて、公的機関による感染症対策や医師によるアドバイスが掲載されているのでまとめました。

新型コロナウイルス感染症に備えて

首相官邸ホームページが公開している「新型コロナウイルス感染症に備えて」。咳エチケットや手洗いについて詳しく解説しています。

こちらは1月31日12時時点の情報をもとに作成されています。

LINK:新型コロナウイルス感染症に備えて~一人ひとりができる対策を知っておこう~

新型コロナウイルスに関するQ&A

厚生労働省が公開している「新型コロナウイルスに関するQ&A」。

この中からいくつか気になるQAを抜粋して紹介します。ただ、情報が古い(随時更新される?)可能性もあるので定期的にチェックした方がいいかもしれません。

新型コロナウイルスはヒトからヒトへうつるのですか?

新型コロナウイルス感染症の現状からは、中国国内ではヒトからヒトへの感染は認められるものの、ヒトからヒトへの感染の程度は明らかではありません。

過剰に心配することなく、風邪やインフルエンザと同様に、まずは咳エチケットや手洗い等の感染症対策を行うことが重要です。

潜伏期間はどのくらいの長さですか?

潜伏期間は現在のところ不明ですが、他のコロナウイルスの状況などから、最大14日程度と考えられています。

予防法はありますか?

一般的な衛生対策として、咳エチケットや手洗いなどを行っていただくようお願いします。

武漢に滞在していましたがどのように対応すれば良いですか?

現地を出てから2週間の間に、発熱や呼吸器症状がある場合には、マスクを着用するなどの咳エチケットを実施の上、速やかにお住まいの地域の保健所に連絡し、医療機関を受診するようにしてください。その際、武漢市に滞在していたことを申告するようにしてください。

LINK:新型コロナウイルスに関するQ&A|厚生労働省

正しい咳エチケット

厚生労働省が公開している「正しい咳エチケット」。

咳エチケットとは

インフルエンザをはじめとして、咳やくしゃみの飛沫により感染する感染症は数多くあります。 「咳エチケット」は、これらの感染症を他人に感染させないために、個人が咳・くしゃみをする際に、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえることです。
特に電車や職場、学校など人が集まるところで実践することが重要です。

LINK:咳エチケット

手洗いの方法について

東京都感染症情報センターが公開している「新型コロナウイルス感染症に関する情報」。手洗いの方法や関連リンクをまとまっています。

LINK:東京都感染症情報センター » 新型コロナウイルス感染症に関する情報

厚生労働省 公式Twitter

厚生労働省の公式Twitter。最新情報はこちらから入手するのが確実だと思います。

感染症専門医師が教える新型肺炎

沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科副部長、高山義浩氏のQA式の記事「感染症専門医師が教える新型肺炎、私たちが今すべきこと」。

感染症についての疑問にわかりやすく答えてくれています。以下、気になったQAをいくつか引用します。

新型コロナウイルスに感染すると、どのような症状があるのですか?

中国における臨床情報を紹介する論文が複数公開され、少しずつ特徴が明らかになってきています。

武漢市の病院に入院した41人の患者情報によると、ほとんどの患者に発熱(40/41)や咳(31/41)を認め、ほぼ半数が呼吸困難(22/40)を訴えていたようです。

一方、頭痛(8/38)や下痢(1/38)は少なかったとのことです。これら患者の大半が25歳以上(40/41)であり、ほぼ半数が50歳以上(19/41)でした。小児の入院はありませんでした(Lancet. 2020 Jan 24. pii)。

また、武漢市への旅行から帰ってきた家族6人のうち5人が発症し、旅行に行かなかった家族2人が発症した事例について報告されています。とくに、症状はないもののレントゲンでは肺炎がある10歳の男の子がいたことを紹介し、“Walking pneumonia(歩く肺炎)”と指摘しています(Lancet. 2020 Jan 24. pii)。

このことは重要な意味をもっています。つまり、小児が感染しないのではなく、感染しても症状が軽い可能性があるということ。しかし、実は肺炎を引き起こしており、感染拡大の要因になっているかもしれないということです。

ともあれ、報告されているだけでなく、一定数の軽症者がいることが分かってきました。入院するなど重症化しているのは、主として、高齢者や基礎疾患を有する人ではないかと思われます。

どのような人が、新型コロナウイルスに感染して死亡するのですか?

どのような方が亡くなっているかについては、中国政府の国家衛生健康委員会が2020年1月23日時点での死亡例17人について公表しており、かなり参考になります。

この報告によると、死亡した17人(48~89歳)のうち、約6割(10/17)に糖尿病や肝硬変、脳梗塞などの持病が確認されています。それ以外の方についても、健康であったかは明らかではなく「不明」とされていました。最年少の48歳女性についても、糖尿病と脳梗塞があったと記されています。

死亡された方の平均年齢は73.3歳で、65歳未満は2人でした。そのうえで、国家衛生健康委員会の専門家は「重症化し、亡くなる感染者の多くは持病を抱える高齢者」と分析しています。

新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、どのような対策をとればよいのでしょうか?

現時点では、患者を診療する可能性のある医療従事者でない限り、日本で暮らしている一般の方が特別な対策をとる必要はありません。あえて挙げるとすれば、咳エチケットや手洗いなど日頃の感染対策をしっかりすることでしょう。

今後、日本国内で流行が始まった場合には、人混みを避けて感染者と接触しないようにすることが一番ですが、人混みに入ったときは、なるべく共用のものを触らないようにしてください。もし触れてしまったときには、手洗いするまで顔を触らないように注意しましょう。

LINK:【新型コロナウイルス】感染症専門医師が教える新型肺炎、私たちが今すべきこと

感染の疑いがある場合の相談・受診の目安

厚生労働省は2月17日「新型コロナウイルスに感染の疑いがある場合の相談・受診の目安(PDF)」を発表しました。

風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合(解熱剤を飲み続けなければならないときを含む)、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合に帰国者・接触者相談センターに相談をあおぐよう求めました。

LINK:新型コロナウイルスに感染の疑いがある場合の相談・受診の目安(PDF)

新型コロナウイルスの検査費用について

新型コロナウイルスの検査費用は、2月14日に施行された政令で「(新型コロナウイルスの)病原体の有無に関する検査の手数料を4,200円と定める」と明記されています。

LINK:病原体の有無に関する検査の手数料(PDF)

また「都道府県が必要と判断した場合のPCR検査は無料」と厚労省のHPに記載されています。

LINK:新型コロナウイルスに関するQ&A(医療機関・検査機関の方向け)

Twitterで「新型コロナウイルスの検査をすると8万円の費用がかかる」というツイートが拡散されているようですが、これは誤情報なのでご注意ください。

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