夏の夜、エアコンをどう使うか毎年悩みませんか。私もそうです。
つけっぱなしにすれば涼しいけれど、朝起きたときに体がだるい。かといってタイマーで切ると、夜中に暑くて目が覚める。あの「結局ぐっすり眠れなかった」感じ、夏の風物詩みたいになっていました。
私も以前は「一晩中つけるのは体に悪いはず」と思い込み、タイマーをかけて寝ていました。ところが切れた途端に汗だくで目が覚め、また付け直して…の繰り返し。結局、翌朝はぐったりです。
ところが最近は、専門家や公的機関のすすめる使い方がひと昔前とはずいぶん変わってきています。ざっくり言うと「夜も我慢せず、設定温度より室温で考えて、弱めにつけっぱなし」が今の主流の考え方です。
この記事では、就寝時のエアコンを翌朝だるくならずに使うコツを、室温の目安・つけっぱなしとタイマーの是非・扇風機の併用といった切り口で、私自身の実践も交えて紹介します。
ちなみに健康にかかわる話なので、効果を保証するような断定はしません。体質や住環境によって最適解は変わりますし、感じ方も人それぞれです。あくまで「一般的にこう言われている」という目安として、自分に合いそうなところだけ取り入れてみてください。
毎年同じように寝苦しさと戦っている方は、設定温度をいじるだけでなく、室温の測り方や扇風機の置き方まで含めて一度見直すと、ぐっと眠りやすくなるはずです。私もこの数年で使い方を変えてから、夏の朝のだるさがずいぶん減りました。
関連記事:家電設計屋さんが教えてくれた「エアコン心得」6か条は覚えておいて損なし!
翌朝ダルくならないエアコンの意外な使い方
暑い夏の夜、エアコンなしで眠るのはもう無理がある時代です。とはいえ使い方を間違えると、体調を崩したり翌朝だるさが残ったりすることもあります。
まずは、なぜ今の夏はエアコンなしで眠れなくなったのか、そして使い方によってどんな問題が起こるのかから見ていきます。
ひと昔前はエアコンが無くても眠れたが、今は環境が違う
昔の夏は、窓を開けて扇風機を回すだけで眠れる夜も多かったものです。でも最近の夏は事情がだいぶ変わりました。
熱帯夜の日数はここ数十年で増えている
気象データを見ると、都市部を中心に夜間の最低気温が25℃を下回らない「熱帯夜」が増えています。アスファルトや建物が日中に蓄えた熱を夜に放出するヒートアイランド現象もあって、夜になっても気温が下がりにくくなっているのです。
つまり、寝苦しさは気合いの問題ではなく環境の変化。エアコンを使わない選択肢が、現実的でなくなってきています。
夜間・就寝中の熱中症が増えている
熱中症は昼間だけの問題ではありません。寝ている間も汗をかき続け、気づかないうちに体の水分が失われていきます。環境省も、夜間は気づかないうちに熱中症になりやすいため、就寝中もエアコンを使って室温を上げすぎないよう呼びかけています。
特に高齢の方は暑さを感じにくく、室内で熱中症になるケースが多いと言われています。「冷房がもったいない」と我慢するより、適切に使って室温を管理するほうが安全、という考え方が今は一般的です。
出典:環境省 ecojin「熱中症警戒アラートやエアコンを利用し、この夏も万全の熱中症対策を!」
大事なのは「設定温度」より「室温」
意外と知られていませんが、エアコンの設定温度は低ければ良いというものではありません。そして、もうひとつ大切なのが設定温度と実際の室温はイコールではないという点です。
環境省も、よく耳にする「室温28℃」はエアコンの設定温度ではなく、あくまで室温の目安だと説明しています。設定28℃でも、部屋の作りや日当たりによって室温はもっと高いことも低いこともあるわけです。
一般的に、夏の快眠に向いた室温はおおむね25〜28℃、湿度は50〜60%程度が目安と言われています。だからこそ、寝室には温度計(湿度計付きが理想)を置いて、設定温度ではなく実際の室温を見ながら調整するのがおすすめです。私も枕元に小さな温湿度計を置いてから、無駄に冷やしすぎることが減りました。
やはりエアコンは必須。でも冷やし方を間違えると逆効果
夜のエアコンは快眠のために欠かせませんが、使い方によっては体に負担をかけてしまうこともあります。私が実際にやらかしてきた失敗も含めて挙げてみます。
キンキンに冷やしっぱなしだと翌朝だるい
低めの温度で一晩中体を冷やし続けると、朝起きたときに「なんだか体が重い」「だるい」と感じることがあります。これは体が冷えすぎたり、自律神経が体温調節のために働き続けたりすることが関係していると一般に言われています。
ポイントは「つけっぱなしが悪い」のではなく「冷やしすぎが良くない」ということ。あとで触れますが、温度を高めにしてのつけっぱなしは、むしろ今は推奨される使い方です。
タイマーで切ると、切れた途端に暑くて目が覚める
タイマー派の方は多いと思います。私もそうでした。でもタイマーが切れた瞬間に室温がじわじわ上がり、夜中に目が覚めてしまうんですよね。
メーカーの試験でも、就寝中にエアコンが切れると1時間ほどで室温が数℃上がるという結果が出ています。睡眠は浅い眠りと深い眠りを繰り返すサイクルで成り立っているので、暑さで途中で起きてしまうと、朝になっても疲れが抜けにくくなります。
出典:東京ガス ウチコト「エアコンは夜間つけっぱなしが正解!? 夏の正しい使い方」
極端な温度差は「冷房病」のもとになりやすい
冷房の効いた室内と外気の差が大きすぎると、自律神経のバランスが乱れやすくなると言われています。いわゆる「冷房病(クーラー病)」で、人によっては
- だるさ
- 頭痛
- 肩こり
- 食欲不振
といった不調につながることがあります。これも結局は「冷やしすぎない」ことが予防につながる、というわけです。
翌朝にダルくならないエアコンの使い方
では、どう使えばエアコンと快眠を両立できるのか。今よく勧められているコツをまとめます。
冷えすぎない温度で、一晩中つけっぱなしにする
多くの専門家が今すすめているのは、タイマーで切るのではなく少し高めの温度で一晩中つけっぱなしにする方法です。設定温度の目安はおおむね26〜28℃。ただし前に書いたとおり、大事なのは設定温度より室温なので、温度計で室温が25〜28℃に収まるよう微調整してみてください。
「ちょっと暑いかな」くらいに感じる温度のほうが、体が冷えすぎず朝までぐっすりいける、というのが私の実感でもあります。
出典:くらひろ(東京電力)【医師監修】寝るときの冷房はつけっぱなしが正解!
寝る前に部屋を「予冷」しておく
地味に効くのが、就寝の少し前からエアコンをつけておく「予冷」です。一般には寝る15〜30分前から運転して、布団や壁にこもった熱を逃がしておくと良いと言われています。
暑い部屋に飛び込んで急いで冷やそうとすると、つい温度を下げすぎてしまいがち。先に冷やしておけば、高めの設定でもすっと寝つけます。
風を直接体に当てない
エアコンの風が直接体に当たると、体温が必要以上に奪われてしまいます。風向きは天井や壁に向け、部屋全体をやんわり冷やすイメージにしましょう。風が当たり続けると、だるさや喉の不調の原因にもなりがちです。
扇風機・サーキュレーターを併用する
エアコンだけだと、冷気が下にたまって部屋の中で温度ムラができやすいです。扇風機やサーキュレーターを併用して空気を回すと、室温が均一になって体感がぐっと快適になります。
このときも風は体に直接当てず、壁や天井に向けて循環させるのがコツ。設定温度を下げなくても涼しく感じられるので、電気代の節約にもつながります。
除湿(ドライ)と冷房を使い分ける
「気温はそこまでじゃないのに、じめっとして寝苦しい」という夜は、湿度が高いことが多いです。湿度が下がると同じ室温でも涼しく感じるので、そんな日は除湿(ドライ)運転が役立ちます。
ただし冷えすぎると喉や肌が乾燥しやすいので、湿度は50〜60%くらいを目安に。蒸し暑い夜はドライ、気温が高い夜は冷房、と使い分けると快適です。
寝具を工夫する
エアコンだけに頼らず、寝具を工夫するのも効果的です。
- 接触冷感シーツ
- 通気性の良い麻シーツ
- 冷感枕
- 薄手のタオルケット
こうしたアイテムを使うと体に熱がこもりにくくなり、エアコンを効かせすぎなくても快適に眠れます。お腹だけはタオルケットで冷やさない、というのも私のささやかな習慣です。
関連記事:意外と知らない?エアコンの冷房・暖房の最適な温度設定は何℃?
エアコンのタイマーは便利だけど、結局目が覚める
多くの人が、エアコンのタイマーをセットして眠っているのではないでしょうか。私も以前は1時間のタイマーをかけ、ドライ運転で寝ていました。
でも結局、夜中に暑さで何度も目が覚め、その都度またタイマーをかけ直す…という残念なループにはまっていました。これでは眠りが細切れになって、朝の疲れが取れるはずもありません。
そこで先日、冷房を27℃にしてタイマーなしのつけっぱなしで寝てみたところ、夜中に目が覚めることなくぐっすり眠れました。最初は朝に少しだるさを感じましたが、設定を1℃上げて室温を見ながら調整したら、それも気にならなくなりました。やはり「ちょっと暑いかも」くらいがちょうどいいようです。
たまに「部屋をキンキンに冷やして毛布にくるまるのが最高」という人もいますが、これは体への負担が大きく、冷房病や体調不良につながりやすいので、私はおすすめしません。電気代もかさむので、健康面でも家計面でも得とは言えないと思います。
とはいえ、ここで一番伝えたいのは「暑いのに我慢してエアコンを切らないで」ということ。夜間の熱中症は本当に増えています。電気代が気になる気持ちはわかりますが、命や健康にはかえられません。冷やしすぎを避けつつ、必要なときはきちんと使う。これが今の夏の正解だと感じています。
まとめ:寝るときのエアコンは「弱めにつけっぱなし」が快眠のコツ
暑い夏の夜は、エアコンなしで快眠するのが難しい時代になりました。無理に我慢すると寝不足になるだけでなく、夜間の熱中症につながることもあります。
一方で、使い方を間違えると翌朝のだるさや冷房病のもとにもなります。要は「我慢して切る」でも「キンキンに冷やす」でもなく、その中間をねらうのがコツです。
今回のポイントをもう一度整理すると、次のとおりです。
- 夜も我慢せず、必要ならためらわずエアコンを使う(夜間の熱中症対策)
- 設定温度より「室温」で考える。室温の目安は25〜28℃・湿度50〜60%
- タイマーで切るより、高めの温度でつけっぱなしにする(目安26〜28℃前後)
- 寝る15〜30分前から予冷しておく
- 風は直接当てず、扇風機・サーキュレーターで空気を循環させる
- 蒸し暑い夜は除湿も活用し、冷感寝具で体感を整える
特に大事なのは、寝室に温度計を置いて「設定温度」ではなく「実際の室温」を見ながら調整すること。設定28℃でも室温はもっと高い、なんてことはよくあります。ここを押さえるだけで、冷やしすぎも暑すぎも防ぎやすくなります。
ここで紹介したのはあくまで一般的な目安で、心地よい温度は体質や住まいによって変わります。自分にとっての「ちょっと暑いかも」を探りながら、無理なく続けられる設定を見つけてみてください。
夜にぐっすり眠れると、翌朝の体調も日中の集中力も驚くほど違ってきます。今年の熱帯夜は、我慢ではなく上手なエアコン使いで乗り切りましょう。