カッコいい色落ちのジーンズを作る!洗濯方法と洗剤の選び方・干し方のコツ

ジーンズ(デニムパンツ)

新しいジーンズをはきはじめて少し経つと、ひざの裏やもものあたりに少しずつ色の濃淡が出てきます。これが育ってくると、世界に一本だけの表情になっていくわけで、デニム好きにとってはたまらない瞬間です。

とはいえ、いざ「自分好みの色落ちにしたい」と思うと、洗うべきか洗わないべきか、洗剤は何を使えばいいのか、干し方はどうするのが正解なのか…と、わからないことが一気に出てきます。ネットを見ても「洗うな」「いや洗え」と真逆の意見が並んでいて、結局どうすればいいのか余計に迷ってしまった経験はないでしょうか。

実は、色落ちをきれいに育てるためにやることは、そんなに多くありません。洗剤の選び方と、ちょっとした洗い方・干し方のコツさえ押さえておけば、あとはふつうにはいているだけで、味のある一本に近づいていきます。

この記事では、ジーンズのアタリ・ヒゲ・ハチノスといった色落ちをカッコよく引き出すための、洗剤の選び方・裏返し洗い・洗う頻度・干し方を、初心者にもわかるように実用的にまとめます。

私自身、デニムをはき込んでは洗い、また育ててを何年も繰り返してきました。最初のころは洗いすぎてのっぺりさせてしまったり、逆に放置して傷ませてしまったりと、それなりに失敗もしています。ここでは雑誌やネットで集めた定番の知識に、そうした自分の手応えも混ぜながら紹介していきます。難しく考えず、まずは「なぜそうするのか」をつかんでおくと、その後の手入れがぐっと楽になりますよ。

そもそも色落ちはどうやって生まれるのか

ジーンズの青い色は、インディゴという染料が糸の表面にうっすら巻きついて生まれています。芯まで染まっているわけではなく、表面だけが青いイメージです。

だからこそ、体の動きでこすれる部分は青がはがれて白っぽくなり、こすれない部分は濃いまま残ります。この濃淡のコントラストこそが、デニムならではの「色落ち」の正体です。

代表的な色落ちには呼び名があります。腰やももの前にできる放射状のシワが「ヒゲ」、ひざの裏側にできる横方向の連なったシワが「ハチノス」、ももやひざの面が大きく擦れて出る縦の色落ちが「アタリ」です。これらがくっきり出るほど、はき込んだ表情に見えます。

生デニムとワンウォッシュの違いを知っておく

色落ちの楽しみ方は、買うジーンズのタイプでも変わります。ざっくり「生デニム(リジッド)」と「ワンウォッシュ」の2種類を押さえておきましょう。

生デニム(リジッド)

糊(のり)がついたまま、一度も水を通していない状態のデニムです。買った直後はパリッと硬く、独特の光沢があります。これから自分の体の動きでゼロから色落ちを作っていけるので、メリハリのある経年変化を狙う人に向いています。

ただし最初の数回は色移りや縮みが起きやすく、扱いには少しコツがいります。本格的に育てたい人向けの上級者寄りタイプ、と考えておくとよいです。

ワンウォッシュ

あらかじめ一度洗って糊を落とし、縮みもある程度出してある状態のものです。買ってすぐにやわらかく、サイズも安定しているので、はじめてデニムを育てる人にはこちらが断然ラクです。

「いきなり生デニムはハードルが高い」という方は、まずワンウォッシュからはじめて、色落ちの感覚をつかむのがおすすめです。

最初の洗濯(糊落とし)の考え方

生デニムを買ったら、いつ最初に洗うか(糊落とし、ファーストウォッシュ)が一つの分かれ道になります。ここは好みが出るところです。

くっきりした濃淡を狙うなら、買ってすぐは洗わず、3〜6か月ほどはき込んでシワのクセをしっかりつけてから最初に洗う、という流れが定番です。シワの形に沿って糊が落ち、その部分から色が抜けていくので、ヒゲやハチノスが出やすくなります。

一方で、最初に軽く水を通して糊だけ落とし、ワンウォッシュに近い状態にしてからはきはじめる方法もあります。肌当たりがよくなり、その後の縮みも読みやすくなります。「とにかく濃淡を強く出したいか」「快適さも大事にしたいか」で選べばよく、どちらが正解ということはありません。

最初の水通しをするときは、他の衣類と分けて単独で、ぬるま湯か水にさっとくぐらせる程度にとどめ、長く浸け込みすぎないのがコツです。

リジッドデニムと生デニムの違い・手入れ方法(OCEANS)

洗剤は「中性・無蛍光」を選ぶ

洗剤選びは、色落ちのきれいさを大きく左右します。結論から言うと、普段着用の一般的な洗濯洗剤ではなく、おしゃれ着用の中性洗剤を選ぶのが基本です。

一般的な洗剤には、汚れをよく落とすために蛍光増白剤や漂白剤が配合されているものが多くあります。蛍光増白剤は白いものをより白く見せるための成分で、漂白剤は色そのものを抜く成分です。どちらもデニムにとっては「色を不自然に抜いてのっぺりさせる」方向に働くので、味のある色落ちには逆効果です。

そこでおすすめなのが、エマールやアクロンといった中性の無蛍光洗剤です。蛍光増白剤や漂白剤を含まないため、生地への負担が少なく、インディゴの濃淡を残しながら汗や皮脂だけをやさしく落としてくれます。

洗浄力は一般洗剤に比べると控えめですが、ジーンズで落としたいのは泥汚れより主に汗や皮脂なので、これで十分間に合います。粉末タイプは溶け残りや洗浄力の強さが色落ちに響きやすいので、液体の中性洗剤を選んでおくと無難です。

より色を守りたいなら、デニム専用洗剤という選択肢もあります。ジーンズメーカーやデニム系ブランドから出ているもので、色落ちを抑える方向で成分を調整してあります。こだわりたい人は試してみる価値ありです。

ジーンズの正しい洗い方(P&G マイレピ)

色落ちを引き立てる洗い方の手順

洗剤が決まったら、次は洗い方です。やることはシンプルで、ポイントは「裏返す・ネットに入れる・やさしく洗う・すぐ干す」の4つだけです。

1. 裏返してボタンを留める

ジーンズを裏返し、ボタンとファスナーをすべて閉じます。裏返すのは表面のこすれと色落ちを防ぐため、ボタンを留めるのは型崩れと金具の引っかかりを防ぐためです。

2. たたんで洗濯ネットへ

裏返したまま三つ折り程度にたたんで、洗濯ネットに入れます。インディゴは他の衣類に色移りしやすいので、必ず単独で洗うのが鉄則です。

3. 水は多め・洗剤は控えめ・弱水流で

水量は多めにして、洗剤は表示の規定量よりやや少なめにします。コースは弱水流(手洗い・おしゃれ着)モードを選び、ゴシゴシ洗いすぎないようにします。水多め・洗剤控えめにすると、必要な汚れは落としつつ余計な色落ちを抑えられます。

4. 脱水は短く、すぐ取り出す

脱水は1分程度の短めで止めます。長くかけると色落ちや型崩れの原因になります。終わったら洗濯槽に放置せず、すぐ取り出して形を整えましょう。

洗う頻度はどう考える?

「洗うほど色が落ちる」のは事実なので、頻度は色落ちの好みと衛生のバランスで決めることになります。

濃淡をくっきり出したい人ほど、洗う回数を減らして長くはき込む傾向があります。実際、目安として5〜6回はくごとに1回、あるいはニオイや汚れが気になったときに洗う、というくらいで十分という意見が多いです。私の場合も、冬なら2〜3か月に1回、夏は汗をかくので1〜2か月に1回くらいのペースで落ち着いています。

ただ、洗わなすぎも考えものです。汗や皮脂が残ったままだと生地が傷み、破れやほつれの原因になりますし、何より衛生的によくありません。「色落ちのために洗わない」は半分都市伝説で、適度に洗ったほうが結果的にデニムは長持ちします。雨で濡れたり、はっきり汚れたりしたときは、頻度に関係なくその都度洗ってあげてください。

関連記事:洗濯物は裏返し?表のまま?正しい洗い方と汚れ別の使い分け

干し方は陰干しが基本

洗ったあとの干し方も、色を守るうえで意外と大事です。基本は、風通しのよい場所での陰干しです。

直射日光に当てると、その部分だけ色が褪せて全体がムラになりやすくなります。せっかく作った濃淡を均一に保つためにも、日なたではなく日陰で乾かすのがおすすめです。

干すときは裏返したまま、筒状になるようにピンチハンガーで吊るすと、内側まで風が通って早く乾きます。生乾きはニオイの原因にもなるので、しっかり乾かしましょう。湿気の多い日や雨の日は、無理に外干しせず室内で風を当てるほうが安心です。

裾を上にすると色落ちしにくい、ベルトループを上にして干すとねじれが出る、といった細かい説も色々ありますが、はじめのうちはそこまで神経質にならなくて大丈夫です。まずは陰干しを徹底するだけで十分きれいに仕上がります。

なお、乾燥機は高温と摩擦で生地を傷め、縮みや過度な色落ちを招くので避けたほうが無難です。

デニムを洗わないは都市伝説か(OCEANS)

まとめ:色落ちは育てて楽しむもの

ここまで、ジーンズの色落ちをカッコよく育てるための洗濯方法を見てきました。最後に、押さえておきたいポイントを振り返っておきます。

洗剤は蛍光増白剤・漂白剤の入っていない中性の無蛍光洗剤を選ぶこと。洗うときは裏返してネットに入れ、水多め・洗剤控えめ・弱水流でやさしく、脱水は短めに。干すときは風通しのいい場所で陰干しにする。これだけで、アタリやヒゲ、ハチノスといった濃淡はぐっときれいに出やすくなります。

洗う頻度は、色を残したいなら少なめでもかまいませんが、汗や皮脂を放置するとかえって生地が傷むので、季節や汚れに合わせて適度に洗ってあげるのが結局は長持ちの近道です。生デニムから本気で育てるか、ワンウォッシュで気軽に楽しむかも、自分のスタイルに合わせて選べば大丈夫です。

色落ちに「これが唯一の正解」というルールはありません。同じ一本でも、はく人の生活や体の動き方でまったく違う表情になります。だからこそおもしろいわけで、ここで紹介した基本だけ押さえたら、あとは細かいことは気にしすぎず、どんどんはき込んでいくのがいちばんです。最初のうちは多少ムラが出ても、それも自分だけの記録になっていきます。

数年後、自分の生活がそのまま刻まれたような色落ちに育った一本を見たときの満足感は、ほかの服ではなかなか味わえないものです。お気に入りのデニムを、ぜひ気長に育ててみてください。