サイトを作るとき、コンテンツやデザインはこだわって作り込むのに、「利用規約」だけは後回しになりがちです。私も昔はそうでした。いざ用意しようとすると、どんな条項を書けばいいのか見当がつかず、他社サイトを読み比べては手が止まる。そんな経験のある方は少なくないと思います。
利用規約は、サイトの利用者と運営者の双方を守るための文書です。運営者としての責任の範囲や、利用者に守ってほしいことをあらかじめ明確にしておくことで、後々のトラブルを避けやすくなります。企業サイトはもちろん、個人ブログでも一枚あるだけで安心感が違います。
そこで今回は、私が実際に使えるように整えた汎用的な「サイトのご利用について(利用規約)」のテンプレートを紹介します。ゼロから考える手間を省く土台として使ってください。以前に書いた「プライバシーポリシー(個人情報保護方針)」の雛形と合わせると、ひととおりの体裁が整います。
サイトのご利用について(利用規約)のテンプレート
下記は基本的な枠組みを示したものです。そのままでも使えますが、各サイトの方針や運営内容に合わせて条項を足し引きしてお使いください。
- 1. 著作権について
- 本ウェブサイト上のすべてのコンテンツに関する著作権は、特段の表示のない限り当社に帰属しております。そのすべてまたは一部を、法律にて定められる私的使用等の範囲を超えて、無断で複製、転用、改変、公衆送信、販売などの行為を行うことはできません。
- 2. 商標について
- 本ウェブサイトで使用されている商標・ロゴマーク・商号は、当社の登録商標または商標です。商標法またはその他の法律により認められている場合を除き、当社の事前の承諾なしに、これらを使用等することはできません。
- 3. 免責事項
- 当社は、本ウェブサイトに掲載されている内容について、その正確性、有用性、確実性について保証するものではなく、一切の責任を負わないものといたします。当社は、予告なしに、本ウェブサイトの運営を中断または中止、掲載内容を修正、変更、削除する場合がありますが、それらによって生じるいかなる損害についても一切責任を負いません。また本ウェブサイトのご利用によりお客様または第三者のハードウェアおよびソフトウェア上に生じた事故、データの毀損・滅失等の損害について一切責任を負いません。
- 4. リンクについて
- 営利、非営利、イントラネットを問わず、本ウェブサイトへのリンクは自由です。ただし、公序良俗に反するサイトなど、当社の信用、品位を損なうサイトからのリンクはお断りします。また事前事後にかかわらず、その他の理由によりリンクをお断りする場合もあります。
- 5. ご利用環境
- 当ウェブサイトは、OSはWindows、ブラウザはInternet Explorer、Google Chromeを推奨しております。その他のブラウザでご覧になると、機能の一部が正しく動作しない場合があります。また、当ウェブサイトは、JavaScriptを使用しているページがございます。ブラウザのJavaScript設定を無効にされている場合、正しく機能しない、もしくは正しく表示されないことがあります。
あくまで一般的な雛形です(重要)
ここで一つ強くお伝えしておきたいことがあります。上のテンプレートは、あくまで汎用的な雛形です。サイトの内容や事業の形態によって、本当に必要な条項は変わってきます。
たとえば、ユーザー登録や会員機能があるサイト、決済や商品販売を伴うECサイト、投稿・コメントなどユーザーからの入力を受け付けるサイトでは、この雛形だけではまったく足りません。禁止事項、退会や利用停止の扱い、支払い・返品の条件、投稿物の権利の帰属といった条項を、実態に合わせて追加する必要があります。
重要な取引を扱う場合や、個人情報を本格的に取り扱う場合は、公開前に弁護士など専門家に一度目を通してもらうことを強くおすすめします。規約は「あるだけ」では意味がなく、いざというときに自分を守れる内容になっているかどうかが肝心です。
利用規約とあわせて用意しておきたいもの
利用規約だけで完結しないケースも多いので、関連して押さえておきたい点にも触れておきます。
プライバシーポリシー(個人情報の取り扱い)
お問い合わせフォームやアクセス解析、広告配信などで個人情報やCookieを扱う場合は、利用規約とは別にプライバシーポリシーの掲示が必要になります。個人情報保護法は改正が重ねられており、2022年施行の改正では利用者の権利や事業者の義務が広がりました。取得する情報と利用目的は、あらためて整理しておくと安心です。
特商法・景表法・ステマ規制などの表記
商品やサービスを販売するなら特定商取引法に基づく表記が要りますし、価格や効果をうたう表現には景品表示法の観点からの注意が欠かせません。加えて、2023年10月からは景表法の告示によっていわゆるステマ規制が始まり、広告であることを隠して宣伝する表示が禁止されました。アフィリエイトやPR記事を扱うサイトは、「広告」「PR」といった表示を忘れないようにしましょう。
利用規約を作るときのポイント
雛形を自分のサイト用に仕立てるときに、私が気をつけているのは次の三つです。
- 分かりやすい言葉で書く
法律用語をそのまま並べると、利用者には伝わりません。難しい言い回しはかみ砕き、読んで意味が取れる文にしておくと、規約そのものへの信頼にもつながります。 - 運営方針が変わったら見直す
サイトの内容やサービスは時とともに変わります。古い規約を放置すると実態とずれてしまうので、変更があったタイミングで規約も一緒に更新する習慣をつけておくと安心です。 - サイトの特性に合わせる
汎用テンプレをベースにしつつ、自分のサイトならではの条項を足します。ECサイトなら返品や支払いの規定、会員制なら退会や禁止行為の規定、というふうに実態に寄せていくのが大事です。
まとめ
今回紹介した「サイトのご利用について(利用規約)」のテンプレートは、企業サイトでも個人サイトでも、まず置いておく一枚として使えるものです。最後に、押さえておきたいポイントを整理します。
- テンプレはあくまで土台。禁止事項・決済・投稿の扱いなど、自サイトに必要な条項は追加する
- 重要な取引や個人情報を扱うなら、公開前に専門家のチェックを受ける
- 個人情報を扱うならプライバシーポリシー、販売するなら特商法・景表法・ステマ規制の表記もセットで用意する
- 運営方針が変わったら、規約も忘れず見直す
整った利用規約は、利用者への信頼になると同時に、いざというとき運営者自身を守ってくれます。このテンプレートを土台に、あなたのサイトに合った一枚を仕上げてみてください。