新しいスマホが届いて、データを移し終えた古いスマホを初期化する。物理SIMなら何の問題もない流れですが、eSIMだとここで回線ごと消えてしまうことがあります。新しいスマホでは開通の手続きをしていないので、どちらのスマホも電話もデータも使えない、という状態です。
私は2023年、Pixel 6aをAndroid 14に上げてストレージに入れなくなり、仕方なく初期化したところ、IIJmioのeSIMまで一緒に消えました。開通のときに使ったアクティベーションコードを入れ直しても使えず、IIJmioに問い合わせると、端末を初期化した場合はeSIMも初期化されるので再発行は有償、という答えでした。
eSIMは古いスマホを初期化すると一緒に消えるので、機種変更では新しいスマホで電話とデータが通るのを確かめてから、古いスマホを最後に初期化します。
物理SIMのときの感覚で古いスマホから先に片づけると、ここでつまずきます。消えたあとの再発行は、会社によって有料だったり、ショップへ行くことになったりします。
eSIMは端末の中にあるので、初期化や削除で消える
物理SIMは小さなカードなので、スマホを初期化してもカードの中身は残ります。抜いて新しいスマホに挿せば、そのまま使えます。
eSIMは違います。契約の情報(プロファイル)をスマホの中のチップに書き込んで使う仕組みなので、スマホを初期化したり、設定からeSIMを削除したりすると、その情報も消えてしまいます。しかも、開通のときに使ったQRコードやアクティベーションコードは、多くの場合1回しか使えません。私が入れ直して通らなかったのも、これでした。
消えたeSIMは、契約している会社に再発行してもらうしかありません。無料で済む会社もあれば、手数料がかかったり、オンラインでは受け付けずに窓口へ行くことになったりする会社もあります。
機種変更の順番:古い端末は最後に消す
eSIMの機種変更で守るのは、この順番だけです。
- 古い端末でデータをバックアップし、GoogleアカウントやApple Accountのパスワードを確かめておく
- 契約している会社の手続きの場所(アプリかマイページ)と、本人確認に使う書類を用意する
- 新しい端末をWi-Fiにつなぐ
- 会社のアプリかサイトで、機種変更としてeSIMの再発行(または転送)を申し込む
- 新しい端末でeSIMのプロファイルをダウンロードして有効にする
- 新しい端末で、Wi-Fiを切って電話とデータ通信ができるか確かめる
- 最後に、古い端末を初期化する
新しい端末でeSIMを有効にした時点で、古い端末の回線は使えなくなるのが普通です。5番目から6番目のあいだに古い端末がつながらなくなるのは正常です。困るのは7番目を先にやってしまう形で、私のPixel 6aもこれと同じ状態になりました。
4番目の手続きには時間帯の制限がある会社もあります。povoは20時から翌9時30分まで再発行の受付をしていないので、夜に機種変更しようとすると翌朝まで待つことになります。
転送機能が使えるなら、一番簡単
iPhone同士とAndroid同士には、古い端末からeSIMをそのまま移す機能があります。会社の手続きをほとんど飛ばせるので、使えるなら使ったほうが楽です。
iPhoneの「eSIMクイック転送」は、両方のiPhoneが同じApple Accountにサインインしていて、近くに置いてBluetoothがオンになっていること、両方ともiOS 18.4以降であること、そして契約している会社が対応していることが条件です。新しいiPhoneの初期設定の途中で案内が出るほか、設定後なら[設定]→[モバイル通信]→[eSIMを追加]から移せます。
Androidの「eSIM転送」は、会社と機種によって使えるかどうかが分かれます。ahamoの場合、ドコモが販売しているeSIM対応のPixelかGalaxyで、移す前と後の両方がAndroid 14以降のときだけです。
AndroidからiPhone、iPhoneからAndroidのように行き来する場合は、基本的に会社の手続きで再発行になります。Appleも、Apple製以外の端末から移すときは通信事業者に問い合わせるよう案内しています。
参考:iPhoneでeSIMを設定する(Apple サポート)
私が使った回線での、手続きの場所
同じ「eSIMの再発行」でも、申し込むアプリやメニューの名前は会社ごとにばらばらです。私がこれまで使ってきた回線のうち、公式の案内で確かめられたものを並べます。
povoは、新しい端末をWi-Fiにつないでpovo2.0アプリにログインし、[SIMの再発行・交換]で[eSIM]を選び、理由に[4.機種変更]を選びます。本人確認書類の撮影と顔の撮影があり、そのあと[eSIMを発行する]から有効にします。設定は必ず新しい端末で行うよう書かれていて、APNは名前[povo2.0]、APN[povo.jp]です。
ahamoは、ahamoアプリかサイトで[その他の手続き]→[SIMカード・eSIM]→[eSIMの発行]と進み、[利用中の端末を別のeSIM端末に変更する]から新しい端末のEID(32桁の番号)を入れます。届いたSMSの確認コードを確かめてから、プロファイルをダウンロードする流れです。
楽天モバイルは、eSIMの再発行は無料(SIMカードは3,300円)。IIJmioとLINEMOは、手数料と手続きの場所が時期によって変わっていて、公式の最新の案内でしか確かめられないので、機種変更の前に必ず会員ページを見てください。
初期化して消えてしまったら:再発行の進め方
もう消してしまった、という場合も、回線の契約そのものが無くなったわけではありません。
まず、手元に残っているアクティベーションコードやQRコードを入れ直すのは、試してもいいのですが期待しないでください。私のときは通りませんでした。次に、契約している会社のアプリかサイトに、Wi-Fiか別の端末からログインして、eSIMの再発行を申し込みます。
会社によっては、ここでオンラインの手続きができないことがあります。ahamoは、eSIMのプロファイルを削除した場合はオンラインで手続きできず、ドコモオンラインショップセンターに連絡し、状況によってはドコモショップでの手続き(手数料4,950円)になると案内しています。
私のIIJmioのときも、問い合わせて初めて有償だと分かりました。金額はたいしたことはなかったものの、つながらないスマホを抱えて手続きを調べる時間のほうがこたえました……。
再発行には本人確認が付いてくる会社が多く、povoは本人確認書類と顔の撮影、ahamoはSMSに届く確認コードの確認があります。povoは、申し込みの状況によって本人確認に時間がかかる場合があるとも書いています。消えたスマホとは別に、Wi-Fiにつながる端末と本人確認書類を始める前に手元にそろえておいてください。
まとめ
eSIMは契約の情報をスマホの中に書き込んでいるので、初期化や削除をすると消えてしまい、開通のときのコードも多くの場合は使い回せません。消えたら、契約している会社に再発行してもらうしかありません。
機種変更では、新しい端末でeSIMを有効にして電話とデータを確かめてから、最後に古い端末を初期化する。この順番を守れば、両方つながらなくなる事故はほぼ防げますよ。iPhone同士ならeSIMクイック転送(iOS 18.4以降・会社の対応が必要)、Android同士は会社と機種しだいでeSIM転送が使えます。
手続きの場所と条件は会社ごとに違います。povoはアプリの[SIMの再発行・交換]から申し込み、20時から翌9時30分は受け付けていません。ahamoは新しい端末のEIDを入れる方式で、eSIMを削除してしまうとオンラインでは手続きできず、ショップなら4,950円かかります。楽天モバイルはeSIMの再発行が無料です。
私のPixel 6aは、不具合を直すための初期化だったので順番を選ぶ余地がありませんでした。それでも初期化の前に「eSIMはどうなるか」を会社に聞いていれば、つながらないスマホを抱えて手続きを調べることにはならなかったと思います。機種変更でも初期化でも、消す前に会社のアプリで再発行のメニューと受付時間を一度見ておけば、あの時間は避けられたはずです。