住民票の写しを今日中に出してほしいと言われたのに、マイナンバーカードは家の引き出しの中。そんな日でも、ポケットのスマホで用が足りるかもしれません。
スマホにマイナンバーカードの機能を入れてあれば、コンビニのマルチコピー機にカードではなくスマホをかざして、住民票の写しを印刷できます。iPhoneは2025年6月24日から対応していて、Androidは2023年12月から使えたうえ、2026年10月20日に「Androidのマイナンバーカード」へ作り替えられたばかり。
スマホだけで住民票を取るには、スマホにカードの機能が入っていること、住民票のある市区町村がコンビニ交付に対応していること、店のマルチコピー機がスマホを読めることの3つが必要で、受け付けは多くの自治体で6時30分から23時までです。
引っかかりやすいのは店のほう。同じセブン‐イレブンやローソンでも、スマホに対応していない端末を置いている店舗がある、と公式の案内にわざわざ書いてあるくらいなんです。日本郵便のように、チェーンごとスマホに対応していないところもあります。
本人の側にも落とし穴があるんです。カードを窓口で更新した人は、スマホの中のカードも設定し直すまでコンビニで使えません。
私なら、家を出る前にマイナアプリを開いて、スマホの中のカードがちゃんと表示されるかだけは見ておきます。店に着いてからそこで止まると、往復の時間がまるごと無駄になりますから。
スマホだけで出せる条件は3つ|スマホ・市区町村・店
まずはスマホ側から。
- iPhone:iPhone XS以降で、iOS 18.5以降。マイナアプリ(旧マイナポータルアプリ)を使って、iPhoneのウォレットにマイナンバーカードを追加してあること
- Android:マイナアプリでマイナンバーカードを追加してあること。2026年10月20日からは「Androidのマイナンバーカード」として、Google ウォレットに入れて使う形になりました
Androidは、一定の基準を満たすセキュリティチップを積んだ機種に限られます。どの機種が対応しているかはマイナアプリのサポートページに一覧があるので、自分の機種名で探すのが早いですよ。
次は市区町村。コンビニ交付は全国どこでも使えるサービスではなく、住民票のある市区町村が提供していることが前提です。J-LIS(地方公共団体情報システム機構)のコンビニ交付のサイトに「利用できる市区町村」のページがあり、そこで調べられます。
最後が店です。J-LISの店舗一覧(2026年10月1日更新)には「スマホJPKI対応可否」という列があって、ここが「可」になっているチェーンでだけ、スマホで証明書が取れます。
- 「可」の例:セブン‐イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、セイコーマート、イオンリテール
- 「ー」(スマホ非対応)の例:日本郵便、ポプラ、ダイエー、JR東日本クロスステーション
JPKIは「公的個人認証サービス」の英語の略で、要はスマホの中の電子証明書を読み取れる端末かどうか、という意味の列です。
さらに「可」のチェーンでも、店舗によってはスマホに対応していない端末が置かれている、と一覧の下に注記があります。ローソンはローソンストア100が対象外。急ぎの日ほど、駅前の大きめの店を選んだほうが気持ちはラクかもしれません。
家を出る前に確かめる利用条件
スマホと店がそろっていても、本人の条件で止まることがあります。
目黒区の案内に並んでいる利用条件を、スマホで出す人向けに言い直すとこうなります。
- 15歳以上であること
- 証明書の発行制限をかけていないこと
- 本人や同じ世帯の人が、転出の手続きをしていないこと
- マイナンバーカードの交付当日(電子証明書の初期設定をした当日)ではないこと
- マイナンバーカードと電子証明書の有効期限が切れていないこと
引っ越しの予定がある家族がいると、3つ目に当たることがあります。転出の届けを出したあとは、本人だけでなく同じ世帯の人も止まるので要注意!
暗証番号の扱いは、カードとスマホで違います。カードで出すときは数字4桁の暗証番号をマルチコピー機に入れますが、iPhoneはウォレットの顔認証か指紋認証で本人確認をするので、コピー機で暗証番号を打つ画面がありません。
見落としやすいのは、カードを更新した直後です。デジタル庁のよくある質問には、実物のカードと電子証明書を更新したら、スマホのマイナンバーカードも改めて設定する必要があると書かれています。
窓口で新しいカードを受け取っても、スマホの中は古いカードのまま。ここは気づかない人が多いんじゃないかと思います。
参考:目黒区の案内
マルチコピー機での操作手順(iPhone・Android)
画面の順番は、J-LISの「証明書の取得方法」のページに沿うと次のとおりです。
- マルチコピー機のトップ画面で[行政サービス]を押す
- 注意事項を読んで[同意する]を押す
- [証明書交付]を選ぶ
- カードかスマホかを選ぶ画面で、手元の機種(iPhone/Android)を選ぶ
- iPhoneは、ウォレットでマイナンバーカードを表示し、顔認証か指紋認証を済ませてから、カード読み取り位置にかざす
- Androidは、カード読み取り位置にスマホを置き、画面の案内に沿って本人確認をしてから取り外す
- Androidは、続けて住民票のある地域と市区町村を選ぶ
- [住民票の写し]を選び、世帯全員か本人だけか、載せる項目、部数を選ぶ
- 内容を確認して、料金を入れる
- 印刷された住民票の写しと領収書を受け取る

iPhoneで手が止まりやすいのは5番です。ロック画面のままかざしても読まれないので、ウォレットにマイナンバーカードが出ていて、認証まで済んでいる状態にしてからかざします。
Androidの本人確認は、J-LISの手順ページ(2026年5月更新)では暗証番号を入れる流れで書かれています。10月20日に「Androidのマイナンバーカード」に変わって、生体認証で本人確認をする仕組みになったので、店頭では画面に出る案内のほうを優先してください。
8番の「載せる項目」は、本籍や続柄を入れるかどうかの選択です。提出先に指定があるなら、店に行く前にメモしておくと迷いません。
参考:証明書の取得方法
手数料と、コンビニでは取れない住民票
料金は市区町村ごとに決まっています。
目黒区も杉並区も、住民票の写しは1通200円。目黒区は手数料の返金はできないとしているので、世帯全員と本人だけを取り違えたら、もう1枚分払うことになります。
それから、コンビニではそもそも出ない住民票があります。目黒区の案内では、消除された住民票(除票)のような最新ではないものや、住民票記載事項証明書はコンビニでは取れません。江戸川区は、住民票コードが載った写しもコンビニでは取れないとしています。
提出先から「住民票コード入り」と言われていたら、スマホでもカードでも結果は同じで、窓口に行くしかないんです。
戸籍の証明書は、住民票と本籍地が別の市区町村だと、先に利用登録の申請が要ります。この利用登録の申請は、スマホではできません。J-LISの準備のページにそう書いてあるので、本籍地が遠い人はカードを持って行く日を作る必要があります。
参考:杉並区の案内
スマホをかざしても出せないときに見る場所
店でつまずいたときは、上から順に疑うのが早道です。
店の端末がスマホに対応していない
機種の選択画面にスマホが出てこない、かざしても反応しない。そんなときは、その店の端末がスマホ非対応の可能性があります。
同じチェーンの別の店舗なら出せることもあるので、近くの店に移るのが一番手っ取り早いでしょう。
暗証番号を間違えてロックした
カードの利用者証明用の暗証番号は、3回続けて間違えるとロックされ、市区町村の窓口で再設定することになります。
スマホ側のパスワードがロックしたときは、マイナアプリのメニューから初期化します。ただしデジタル庁の案内では、初期化と再設定には実物のマイナンバーカードを使うので、カードが家にある日はその場では直せません。
カードを更新した・電子証明書を更新した
更新したあとは、スマホのマイナンバーカードを設定し直すまで使えません。窓口で受け取った新しいカードを使って、マイナアプリから追加し直します。
時間外・メンテナンス中
目黒区や杉並区の受け付けは6時30分から23時まで。24時間ではありません。保守作業の日と年末年始も止まるので、夜遅くに慌てて行く前に、市区町村のページのお知らせ欄を見ておくと空振りしません。
機種変更した
スマホを買い替えたら、新しいスマホにもう一度マイナンバーカードを追加する必要があります。デジタル庁は、古いスマホを手放す前にマイナンバーカードを削除するよう案内していて、スマホの初期化だけでは削除されないとのこと。
旧端末をもう手放してしまったなら、別のスマホから削除できます。
まとめ
スマホ、市区町村、店。住民票をスマホだけで取れるかどうかは、この3つで決まります。
スマホはiPhone XS以降・iOS 18.5以降か、対応するセキュリティチップを積んだAndroid。市区町村がコンビニ交付に対応していて、店の端末がJ-LISの一覧で「スマホJPKI対応可否」が「可」のチェーンのものであることが条件です。同じチェーンでも非対応の端末を置いた店舗があるので、そこは店頭で試すまで分かりません。
出かける前にマイナアプリでスマホの中のカードが表示されるかを確かめ、店ではマルチコピー機の[行政サービス]から機種を選んでかざせば、カードを持たずに住民票の写しが受け取れます。
受け付けは目黒区や杉並区で6時30分から23時まで、1通200円。除票や住民票コード入りの写しはコンビニでは出ないので、提出先の指定だけは先に聞いておきたいところです。
カードを更新したあとと、スマホを買い替えたあとは、スマホの中のカードを設定し直すまで使えません。窓口で新しいカードを受け取ったその日に、マイナアプリで追加し直しておくと手間が少ないですよ。
私のスマホもAndroidなので、10月20日の作り替えで本人確認が生体認証になったのはありがたいと思っています。コピー機の前で暗証番号を思い出せずに固まる、という場面が一つ減りますから!
店でかざして反応がなければ、スマホより先にその店の端末を疑って、同じチェーンの別の店舗へ。それで出れば、家に戻ってカードを取ってくるよりずっと早く済みます。