数日前、人類は滅亡していたかもしれない…直径約130メートルの小惑星が地球とニアミスしていた

地球に隕石あるいは彗星が衝突する設定の小説や映画は数多くあります。『アルマゲドン』や『ディープ・インパクト』は特に有名ですね。

地球と宇宙

「地球に隕石が落ちるなんて、所詮フィクション」と思っている人も多いと思いますが、実は数日前、地球に小惑星が落ちる危険が迫っていたのをご存知でしょうか。

直径約130メートルの小惑星が地球とニアミスしていた

7月25日、直径427フィート(約130メートル)の小惑星が地球から4万5000マイル(約7万2000キロメートル)ほどの距離を通過していました。さらにこの小惑星を発見したのは、地球に接近するわずか数日前だったとのことです。

直径130メートルの小惑星が7月25日、地球の約7万2000キロメートルほどの距離を通過した。

遠く離れた場所の出来事のように思えるかもしれないが、天文学者にとって約7万2000キロは”ニアミス”だ。この距離は地球と月の距離の5分の1以下なのだ。今回の小惑星の接近は、少なくともここ2、3年で最も『アルマゲドン』的なシナリオに近いものだった。

そして、「2019 OK」と名付けられたこの小惑星が地球の脅威になるかもしれないと科学者たちが気付いたときには、この巨大な宇宙の岩にわたしたち人類が何かするには遅すぎた

天文学のコミュニティーで、この小惑星を追跡している者は誰もいなかった。オーストラリアの天文学者マイケル・ブラウン(Michael Brown)氏は、この小惑星が「どこからともなく現れた」ようだと、ワシントン・ポストに語った。小惑星は地球に向かって、時速5万4000マイル(時速約8万7000キロメートル)で迫っていた。

LINK:天文学者も数日前まで気付かず…… 直径約130メートルの小惑星が地球とニアミスしていた(記事削除済み)

宇宙規模で考えると、約7万2000キロメートルという距離はミリ単位の誤差とも言えるレベルのニアミスです。

記事によると、早い段階で小惑星の存在がわかれば選択肢もあるとのこと。

1つが、物体を打ち上げて迫りくる小惑星に宇宙空間で衝突させるというもの。もう1つは「重力トラクター」と呼ばれるもので、宇宙船を飛ばして、長期(数年から数十年)にわたって小惑星と並行して飛び、ゆっくりとその軌道を地球から引き離すというもの。

ただ、今回の場合は発見が遅かったため、もしも地球の軌道上に小惑星が存在していたら完全に終了だったようです。

かつて恐竜は小惑星の衝突によって絶滅したと言われています。恐竜は隕石に対して対抗する手段を持ちませんでした。ただ、私たち人類はそれを防ぐ技術を持っています

小惑星の発見はとてつもなく大変なことなのだと思いますが、今回の一件を教訓に世界の天文学者が小惑星を見つける確率を少しでも上げられるよう、国を挙げて対策をしていくことが大切なのではないでしょうか。