厚生労働省は、6月19日に新型コロナウイルス感染症の拡大防止に資するよう、新型コロナウイルス感染症対策テックチームと連携して、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を開発しました。COCOAは「COVID-19(Contact Confirming Application)」から命名されています。
COCOAは検査で陽性となった人が「処理番号」を入力・登録すると、過去2週間以内に接触した利用者のスマホに通知が送られる仕組み。厚生労働省によると、COCOAを利用して「陽性」登録を利用した人数は3日から8日午後5時までの間でわずか3人だったとのことです。
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COCOAでの「陽性」登録は6日間でわずか3人
COCOAを通して「陽性」登録をした利用者は7月3日から8日の間でわずか3人だったそうです。同じ期間の感染者は約1200人です。
厚生労働省は8日、新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性をスマートフォンに通知する「接触確認アプリ」について、検査で陽性となった場合に発行される「処理番号」を入力して登録した利用者は、3日から8日午後5時までで3人だったと明らかにした。国内では同じ期間で約1200人が感染している。アプリのダウンロード数は約610万件。
アプリは、利用者同士が1メートル以内の距離に15分以上いたら接触したとみなされ、情報がスマホに記録される。利用者が検査で陽性と判定されると処理番号が届き、入力して登録すれば、過去2週間以内に接触した利用者のスマホに通知が送られる。
少なくとも3人の陽性者と濃厚接触した可能性がある人がリスクに気づけたと受け取るか、たった3人しか判明しなかったと受け取るか…
COCOAの大きな2つの問題
COCOAは設計上、大きな2つの問題があると思います。
危機管理をできている人がCOCOAを利用する
まず、COCOAというアプリの存在自体知らない人が一定数います。そして、COCOAを使えない(スマホを持っていない・インストール方法がわからない等)人もいます。さらに、COCOAを使うこと自体面倒、必要ないと考えている人もある程度いるでしょう。
COCOAを使っている人は「COCOAを知っていて」「COCOAをインストールできて」「COCOAを使って危機管理をするべき」と考えている人間です。
コロナウイルスの感染者は日に日に増加しています。7/9の東京都の感染者数は、ついに220人を超えました。そんな中、夜の街に繰り出すような考えの方がCOCOAを使おうと思うでしょうか。もちろん、利用する人もいると思いますが、それほど注意しているのであれば、そもそも夜の街に出かけるという行為自体やめるのが普通だと思います。
コロナウイルスに対して危機感を持っている(感染する確率が比較的低い)人ほどCOCOAを利用しているのが現実ではないでしょうか。
陽性の登録が任意
もう一つの問題が陽性の登録はあくまで任意という点。「任意」…これは言い方を変えると善意みたいなものです。
コロナウイルスに感染し陽性と判定されたら、かなりのショックを受けると思います。家族や職場、友人への対応も迫られます。そんな中「あ!陽性判定されたからCOCOAに情報入れないと」という思考ができる人は決して多くないと思います。
また、これは稀な例だとは思いますが、小池知事によると中には陽性が判明した後、連絡が取れなくなる人もいるとのことです。
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COCOAの利用者を増やすために
陽性の登録を本人の意思に任せるというのは日本人らしいと思います。
ただ、現状利用者が少なくアプリが思ったように機能していないのであれば、綺麗ごとを言っている状況ではないと思います。COCOAというアプリを本気で活用するのであれば、保健所などで登録することを義務化するのが良いのではないでしょうか。
例えばですが、一定期間以上COCOA利用した人が陽性の登録を行った場合、コロナウイルスの治療にかかった費用の半分を国で補助するなどの施策を行えば、少なくとも今よりは利用者が増えるはずです。メディアなどでも今以上に紹介され、認知される機会が増えるはずです。
とにもかくにも、COCOAというアプリを開発した以上、有効に活用されるよう国としてもできる限りの対応を進めていってもらいたいですね。