過労自殺のニュースが相次ぎ、働き方や労働環境についてあらためて考えさせられた人も多いのではないでしょうか。イラストレーター兼ライターのテンジクさん(@ikinariTenjiku)が、いとこの過労死の経験を描いた漫画が大きな反響を呼んでいます。
国立競技場の建設に関わった労働者の自殺も、今回紹介するお話も、決して他人ごとではありません。
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居酒屋チェーン店で働いていたいとこが過労死
テンジクさんのブログとTwitterによると、大手居酒屋チェーンで店長を務めていたいとこは、1人で開店準備をしていたときに倒れ、亡くなられたそうです。多くの人に愛される人柄で、葬儀にはたくさんの人が訪れたといいます。ただ、いとこのスマホに残っていたLINEの記録を見て、遺族は言葉を失ったそうです。
先月いとこが #過労死 したので漫画にしました。大手居酒屋チェーン店の勤務先で死にました。何をしても死んだ人は生き返らないけど
ただ、こういう事があったよって知って欲しかった。
どんな反応があるかわからなくて怖い。#過労自殺https://t.co/9II8U6MPoP pic.twitter.com/7WfiveRD0n
— #BUZZGO #過労死とブラック労働 (@ikinariTenjiku) 2017年7月22日
テンジクさんが漫画を公開したのは、こういうことが現実に起きているのだと多くの人に知ってもらい、いとこと同じような亡くなり方をする人が1人でも減ってほしいという思いからだそうです。ブログの最後は、次のようにつづられています。
遺族から遺族へのアドバイス
死因不明の場合は必ず解剖しろ。
労災認定には、心臓疾患や脳疾患などの病名があるかないかが大きく影響する。解剖しても死因不明のままの時もあるけど、焼いてしまったらもう手遅れ、終わり。「昔はもっときつかった」という奴へ
黙れ。
その言葉が何人の逃げ道を失わせたか。
この言葉は過労死ほう助。ヤバい労働状況の人へのアドバイス
生きろ。
逃げろ。
LINK:大手居酒屋チェーン店の店長だったいとこが過労死して一ヶ月経った
過労死・過労自殺はなぜ起こるのか
その根っこには、日本人の考え方、もっと言えば働き方をめぐる文化のようなものがある気がします。
例えば国立競技場の労働者自殺の件。受注する業者からすれば、他社には渡したくないビッグプロジェクトです。無理なスケジュールや納期を提示されても、なんとか受けようとするでしょう。
プロジェクトの責任者が「その期間ではできません」ときっぱり言えれば、ブラック企業やデスマーチはかなり減るはずです。ところが残業も休日出勤も厭わない人ほど昇進していくという空気がある。だから上の人は「(残業や休日出勤でギリギリ)できる」と判断してしまう。うまくできているものだと、悪い意味で感心してしまいます。
結果、無理して受けたプロジェクトのしわ寄せは、現場の社員に回ってきます。上司は1人日を15時間くらいで見積もっているのかもしれません。
私たちにできる現実的な対策は、そういう会社や上司の下で働かないことくらいしかない、というのが正直なところです。もし入ってしまったら、テンジクさんの言葉どおり、逃げるという選択が要ることもあります。
自分では限界に気づけないこともあります。会社に飲み込まれてしまっている場合もある。もし身近にそうした兆候のある人がいたら、「がんばって」ではなく「無理しないで、辞めてもいいんだよ」と声をかけてあげてほしいと思います。
なお、日本では2014年に過労死等防止対策推進法が施行され、相談窓口も整えられています。長時間労働などで追い詰められているときは、労働基準監督署や「過労死等に関する相談ダイヤル」といった窓口に、まず話をしてみてください。1人で抱え込まないことが、何より大事だと思います。



