いい年になってきたせいか、私も最近は食事に気をつかうようになりました。日々バランスのいい食生活を心掛けているつもりでも、どうしても野菜や果物が不足気味になってしまうのが悩みの種です。
野菜や果物をしっかり取る食生活は、心筋梗塞や脳卒中のリスクを下げると考えられていて、がんとの関係も長く研究されてきました。ただ、私のように食事だけでは十分に取りきれない人は、「野菜ジュースやフルーツジュースで補っている」というケースも多いのではないでしょうか。
では、実際に野菜ジュースやフルーツジュースを飲むことは、野菜や果物を食べるのと同じように役立つのでしょうか。今回は、以前目にした興味深い記事をきっかけに、私なりに調べたジュースでの栄養補給の話を整理してみます。なお、この記事は私が調べた範囲の一般的な情報であって、医学的なアドバイスではありません。健康状態や持病に不安がある方は、必ず医師や専門家に相談してくださいね。
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野菜ジュースはがん予防に効果ある?
きっかけは、日本経済新聞に掲載されていた「野菜ジュースは予防にいい?」というコラムでした。がんの専門医が、野菜や果物とジュースの違いについて解説していた内容です。ざっくり言うと、野菜や果物そのものには一定の役割が期待できる一方で、ジュースにすれば同じ効果が得られるかどうかははっきりしない、という趣旨でした。
野菜や果物をよく取る食生活は、心筋梗塞や脳卒中のリスクを下げると考えられています。がんについても、部位によっては予防的な関連が報告されていて、たとえば食道がんではリスクが下がる方向の結果が示されています。ただ、日本人の野菜・果物の摂取量は減少傾向にあり、そこが課題だと指摘されています。
では、忙しい現代人が手軽に飲める野菜ジュースやフルーツジュースでも、同じような効果を期待できるのでしょうか。
コラムや私が調べた範囲で、印象に残ったポイントをまとめると次のような感じです。あくまで研究で報告された傾向であって、誰にでも必ず当てはまるという話ではありません。
- 果物を取る習慣がある人は、糖尿病のリスクが低い傾向があると報告されている。
- 一方で、フルーツジュースを多量に飲む場合は、逆に糖尿病のリスクが高まるという指摘もある。糖分が液体で一気に取れてしまうのが理由と考えられている。
- ジュースによるがん予防効果は、野菜や果物そのものを食べる場合と同じとは限らないとみられている。
- βカロテンのサプリメントについては、喫煙者などで肺がんのリスクが上がったとする研究があり、「取れば取るほど良い」わけではない。
- ナッツ類にも注目が集まる一方、ビタミンEなど特定の成分をサプリで過剰に取ることのリスクも議論されている。
ちなみに、日本の大規模なコホート研究をまとめた国立がん研究センターの評価でも、野菜・果物の摂取とがん全体の罹患リスクにははっきりした関連は見られなかった一方、食道がんなど一部の部位では予防的な関連が確認されています。「野菜や果物を食べれば必ずがんを防げる」というほど単純な話ではない、というのが今の見方のようです。
まずは食品そのものを取り入れたい
こうして見ていくと、フルーツジュースや野菜ジュースが、野菜や果物そのものの完全な代わりになるとまでは言いにくそうです。手軽に栄養を補える便利さは大きいのですが、飲みすぎると糖分の取りすぎや栄養バランスの偏りにつながることもあるので、そこは意識しておきたいところです。
サプリメントも似たところがあります。不足しがちな栄養を集中して補えるのは魅力ですが、特定の成分を過剰に取ると、かえって体に良くない場合があると指摘されています。がんのことを気にするなら、特定の栄養素だけに頼るより、いろいろな食品をバランス良く食べることのほうが現実的だと私は感じています。
私の周りにも「サプリを飲んでいるから食事は適当でいい」と考えている人がいますが、サプリはあくまで足りない分を補う補助にすぎません。まずは食事から幅広く栄養を取ることを基本にして、サプリやジュースに頼りすぎないようにしたいものです。
結局はバランスの取れた食生活が大切
食事は毎日の積み重ねなので、できるだけ多くの種類の食品を取り入れて、バランスの取れた食生活を心がけたいですね。野菜ジュースやフルーツジュースは、忙しい日の栄養補給には心強い味方ですが、あくまで補助的に使い、基本は食材そのものを食べる。私はそのくらいの距離感がちょうどいいと思っています。
最後にもう一度だけ。ここで紹介したのは一般的な情報であって、体質や持病によって適切な食べ方・飲み方は変わります。健康や病気の予防について気になることがあれば、自己判断せず医師や管理栄養士など専門家に相談してみてください。