Thunderbirdのアカウント追加と最新版の設定方法をやさしく解説

Mozilla Thunderbird

Thunderbirdは、ブラウザの「Firefox」でおなじみのMozillaが開発している、無料のメールソフトです。動作が軽くて拡張性も高く、個人利用から仕事まで幅広く使われています。私自身もWeb制作の仕事を始めた頃から、ずっとお世話になっているソフトの一つです。

ただ、何年も使っているのに、いざPCを買い替えたりOSを入れ直したりすると、アカウント設定の手順をきれいさっぱり忘れているんですよね。設定そのものは難しくないのですが、「あれ、ポート番号いくつだったかな」と毎回つまずきます。

さらに最近のThunderbirdはバージョンが上がってUIが刷新され、メニューの場所や設定画面の見た目が以前とだいぶ変わりました。GmailやOutlookではパスワードだけでは接続できず、OAuthという新しい認証が必要になる場面も増えています。昔の手順のまま進めると、「パスワードは合っているのに送受信できない」と悩むことになりがちです。

この記事では、現行のThunderbirdでメールアカウントを追加する手順を、自動設定・手動設定・OAuth認証の3点に分けて整理しました。

新しいPCにThunderbirdを入れ直すとき、プロバイダのメールを設定するとき、Gmailをつなぎたいときなど、ひととおりの場面に対応できる内容にしています。久しぶりに設定する方の備忘録としても使えるはずです。それでは順番に見ていきましょう。

まず準備しておくこと

アカウントを追加する前に、手元に用意しておくとスムーズなものがあります。最低限、次の3つです。

  • メールアドレス
  • メールのパスワード(Web版にログインするパスワードとは別のことがあります)
  • 受信サーバー・送信サーバーの情報(プロバイダやレンタルサーバーの設定案内に記載)

GmailやOutlook.com、Yahoo!メールのような大手のメールサービスなら、サーバー情報を覚えていなくても自動で設定できます。一方、プロバイダのメールや独自ドメインのメールを使う場合は、契約時の書類や管理画面に書かれたサーバー名・ポート番号を確認しておくと安心です。

Thunderbirdにアカウントを追加する(自動設定)

まずは一番簡単な自動設定からです。Thunderbirdには、メールアドレスとパスワードを入れるだけでサーバー設定を自動で探してくれる仕組みがあり、大半のサービスはこれだけで完了します。

Thunderbirdをインストールして最初に起動したときは、設定画面が自動で開きます。すでに使っていて、あとからアカウントを追加する場合は次の手順です。

  1. 画面右上の(ハンバーガーメニュー)をクリックする
  2. 「新しいアカウント」→「既存のメールアカウント」を選ぶ
  3. 「あなたのお名前」「メールアドレス」「パスワード」を入力する
  4. 「続ける」をクリックすると、Thunderbirdがサーバー設定を自動で検出する
  5. 受信プロトコル(IMAPかPOP)を選んで「完了」をクリックする

ここで迷いやすいのがIMAPとPOPの選択です。IMAPはメールをサーバー側に置いたまま読む方式で、PC・スマホ・タブレットなど複数の端末で同じ状態を共有できます。POPはメールをPCにダウンロードして保管する方式です。Mozillaも基本的にはIMAPを推奨していて、いまは複数端末で使うことが多いので、特別な事情がなければIMAPを選んでおけば困りません。

大手サービスのアドレスなら、ここまでで送受信ができるようになります。なお、メールアドレスを入力した時点でThunderbirdが提供元を判別し、GmailやOutlookなどではパスワード欄を使わずにOAuth認証へ進むことがあります。その場合の流れは後ほど説明します。

参考リンク:自動アカウント設定 | Thunderbird ヘルプ

手動でサーバー設定を入力する(手動設定)

プロバイダのメールや独自ドメインのメールは、自動検出に対応していないことがあります。「設定が見つかりませんでした」と表示されたら、手動設定の出番です。

アカウント追加画面で情報を入力したあと、「手動設定」をクリックすると、サーバー名・ポート番号・接続の保護・認証方式を自分で入力できます。プロバイダの案内に書かれた値を、受信サーバーと送信サーバーそれぞれに入れていきます。

一般的な設定値の目安は次のとおりです。実際の値は契約しているサービスの案内が最優先なので、必ずそちらを確認してください。

【受信サーバー】
  IMAP : ポート 143(暗号化なし)/ 993(SSL/TLS)
  POP  : ポート 110(暗号化なし)/ 995(SSL/TLS)

【送信サーバー(SMTP)】
  ポート 587(STARTTLS)または 465(SSL/TLS)
  ※ 25番ポートは迷惑メール対策で制限されることが多い

【認証方式】
  通常のパスワード認証(OAuth2が必要なサービスを除く)

入力できたら、「再テスト」を押すとThunderbirdが接続を確認してくれます。緑のチェックが付けば設定はOKです。エラーが出る場合は、ポート番号と「接続の保護」の組み合わせがずれていることが多いので、そこを見直すと直ることがほとんどです。

とくに送信できないときは、送信サーバー(SMTP)まわりが原因のケースが目立ちます。昔ながらの25番ポートは送信制限の対象になりやすいので、まずは587番(STARTTLS)に変えて試すのが手堅い対処です。

参考リンク:アカウントの手動設定 | Thunderbird ヘルプ

Gmail・Outlookで必要になるOAuth認証

ここ数年で大きく変わったのがこの部分です。GmailやMicrosoft(Outlook.com・Microsoft 365)では、セキュリティ強化のため、メールソフトからの接続にパスワードを直接使う方式が廃止されつつあります。代わりに採用されているのがOAuth2という認証です。

OAuth2では、Thunderbirdに直接パスワードを入力するのではなく、ブラウザのような専用ウィンドウが開き、いつものログイン画面でサインインして「Thunderbirdにアクセスを許可」する流れになります。Thunderbird側にパスワードを預けずに済むので、より安全な仕組みです。

アカウント追加時にGmailやOutlookのアドレスを入れると、たいていは自動でこのOAuth認証へ進みます。もし既存のアカウントで認証方式を切り替えたいときは、次の場所で変更できます。

  1. メニュー →「アカウント設定」を開く
  2. 受信側は対象アカウントの「サーバー設定」を開き、「認証方式」のプルダウンでOAuth2を選ぶ
  3. 送信側は「送信(SMTP)サーバー」で対象を選んで「編集」し、同じく認証方式をOAuth2に変更する

なお、2段階認証を使っているアカウントでは、OAuthではなく「アプリパスワード」という専用パスワードの発行を求められることもあります。これはメールソフト用に発行する使い捨て的なパスワードで、各サービスのセキュリティ設定画面から作成します。「正しいパスワードなのに弾かれる」というときは、このアプリパスワードが必要なケースを疑ってみてください。

参考リンク:Microsoft OAuth 認証と Thunderbird | Thunderbird ヘルプ

送受信できないときの確認ポイント

設定したのにメールが届かない・送れないときは、次の順番でチェックすると原因にたどり着きやすいです。

  • 送信できない:SMTPのポートが587(STARTTLS)になっているか。25番のままなら変更する
  • 受信できない:IMAP/POPのポートと「接続の保護」の組み合わせが合っているか
  • パスワードが弾かれる:Gmail・OutlookならOAuth2が選ばれているか、または2段階認証用のアプリパスワードが必要でないか
  • サーバー名のミス:先頭のスペースや全角文字が混ざっていないか

サーバーを引っ越したあとに送受信が不安定になる場合は、メール側だけでなくドメインの切り替え状況が絡んでいることもあります。メールサーバーの移行については別記事でまとめているので、合わせて確認すると原因の切り分けがしやすくなります。

関連記事:DNS切り替えによるメールサーバー移行手順と注意点を徹底解説

まとめ:Thunderbirdは今も設定しやすいメールソフト

あらためて手順を整理してみると、Thunderbirdのアカウント追加は、大手サービスなら自動設定でほぼ完結し、プロバイダのメールでも案内どおりに手動設定すれば問題なく使えるとわかります。UIは新しくなりましたが、「メールアドレスとパスワードを入れて、必要なら手動で詰める」という基本の流れは昔から変わっていません。

新しく変わった大きなポイントは、GmailやOutlookでのOAuth認証です。「パスワードは合っているのに接続できない」という相談の多くは、ここが原因になっています。該当するサービスを使うときは、認証方式がOAuth2になっているか、あるいはアプリパスワードが必要かを思い出してもらえると、無駄に悩まずに済みます。

大手サービスは自動設定、プロバイダのメールは手動設定、GmailやOutlookはOAuth認証。この3パターンを押さえておけば、Thunderbirdのアカウント追加で行き詰まることはほとんどありません。

PCの買い替えやメール環境の整理は、何かと面倒に感じる作業です。とくに数年に一度しかやらない設定は手順を忘れがちで、私も毎回このあたりを確認しながら進めています。この記事が、そんな手間を少しでも軽くする備忘録になればうれしいです。Thunderbirdは余計な機能で重くならず、長く付き合える無料ソフトなので、これから導入する方も、久しぶりに設定し直す方も、自分の使うサービスに合わせて参考にしてみてください。