スティーブ・ジョブズ氏のCEO辞任を振り返る。ティム・クック体制とその後

スティーブ・ジョブズ

パソコンやスマートフォンに詳しくない方でも、「スティーブ・ジョブズ」という名前はどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

iPhoneやiPad、Macといった製品を世に送り出し、Appleを世界有数の企業へと育て上げた人物です。

この記事は、もともと2011年にジョブズ氏のCEO辞任を伝えた速報記事でした。あれから長い時間が経ち、Appleをめぐる状況も大きく変わりましたので、いまの視点で内容を見直しています。

本記事では、2011年のジョブズ氏のCEO辞任という出来事を起点に、後任となったティム・クック氏の体制や、その後のAppleの歩みを、初心者の方にも分かりやすく振り返っていきます。

サイト制作を長く続けてきた私にとっても、Appleの製品はずっと身近な存在でした。仕事の道具としても、いち利用者としても、その変化を見守ってきた一人です。

当時のニュースをリアルタイムで読んだ記憶のある方には「そんなことがあったな」と懐かしく、まだ生まれていなかった、あるいは小さかったという方には「そういう経緯だったのか」と知るきっかけになればうれしいです。

センシティブな内容も含みますので、できるだけ事実に沿って、敬意をもってお伝えします。確認の取れていない話までは踏み込まないように気をつけました。

そもそも「CEO」や「会長」といった肩書きは、ふだんあまり使わない言葉なので、なんとなく難しそうに感じてしまいますよね。この記事では、そうした言葉の意味もそのつど簡単に説明しながら進めていきます。

取り上げる内容を、先にざっくりお伝えしておきます。前半では2011年に実際に何が起きたのかを、後半ではティム・クック氏がどんな人で、そのあとAppleがどう歩んできたのかを順番に見ていきます。

そして記事の終わりのほうでは、2026年に発表されたAppleの新しいリーダー交代の話にも触れます。一つの古いニュースが、いまの出来事へとつながっていく流れを感じてもらえたらと思います。

難しい専門用語はなるべく避けて、「CEOってそもそも何?」というところからゆっくり進めていきますので、気軽に読み進めてみてください。途中で分からない言葉が出てきても、そのあとに説明が続くことが多いので、立ち止まらず読み進めて大丈夫です。

2011年8月、ジョブズ氏がAppleのCEOを辞任しました

まず、出発点となった出来事から振り返ってみます。

2011年8月24日、Appleはスティーブ・ジョブズ氏がCEO(最高経営責任者)を辞任したと発表しました。

CEOというのは、会社全体のかじ取りを担う一番責任の重い役職のことです。会社の方向性を決め、最終的な判断を下す立場だと考えると分かりやすいかもしれません。

そのジョブズ氏が、自らその座を退いたわけですから、当時はとても大きなニュースとして世界中に伝わりました。

このとき後任のCEOに就いたのが、それまでCOO(最高執行責任者)を務めていたティム・クック氏でした。

クック氏は、製品をつくって届けるための仕組み、いわゆる「ものづくりと供給の現場」を長く支えてきた人物です。

ジョブズ氏自身も、会社に対して自分の後任としてクック氏を指名するよう強く勧めていたと、Appleの発表で明らかにされています。

急に外部から人を連れてきたのではなく、長く一緒に働いてきた人へバトンを渡した、という流れだったわけですね。

ジョブズ氏はこのあと、会社の会長(取締役会の議長)に就く形になりました。CEOの座は譲りつつも、引き続き会社に関わっていく姿勢を示していたことになります。

当時の速報を書いていた私としても、「ついにこの日が来たか」という気持ちだったのを覚えています。製品が好調だっただけに、なおさら印象に残りました。

参考: Apple Newsroom(Steve Jobs Resigns as CEO of Apple)

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そもそもティム・クック氏とはどんな人物なのでしょうか

ここで、後任となったクック氏について少し触れておきます。

クック氏は、ジョブズ氏のもとでCOOを務めていた人物です。COOは、会社の日々の業務をまとめ上げる役割で、CEOを実務面で支える立場だとイメージしてください。

派手に表に出るタイプというよりは、製品を安定してつくり、必要な人へきちんと届けるための裏側の仕組みを整える、地道な働きで知られていました。

じつは、ジョブズ氏が体調の都合で会社を離れていた時期にも、クック氏が代わりに会社を率いた経験があります。

つまり、いきなり大役を任されたというより、すでに会社のかじ取りを部分的に担ってきた実績があったわけです。

カリスマ的な創業者の後を継ぐという、はたから見れば相当なプレッシャーのかかる役割を引き受けたことになります。

「あのジョブズの後任」というだけで、世間の目は厳しくなりがちです。新しい製品が出るたびに比べられる、という空気もあったように思います。

それでもクック氏は、自分のやり方で会社を率いていく道を選びました。前任者のまねをするのではなく、自分の強みを活かす形で運営していった、という見方が一般的です。

私のような長く現場を見てきた立場からすると、「目立たないけれど、続けることはとても難しい」というのは実感としてよく分かります。派手さよりも継続。これはどんな仕事にも通じる話だと感じます。

参考: Britannica(Tim Cook)

辞任から約2か月後、ジョブズ氏は亡くなりました

この出来事を振り返るうえで、触れないわけにはいかない事実があります。

CEO辞任の発表からおよそ2か月後の2011年10月、ジョブズ氏は亡くなりました。

辞任のニュースを聞いた時点で、健康状態を心配する声は多くありました。それでも、これほど早く訃報が届くとは、と受け止めた方も少なくなかったはずです。

長く病気と向き合いながら、最後まで会社のことを考え、きちんと後任を整えてから一線を退いた——そう振り返ると、その姿勢には頭が下がる思いがします。

後任のクック氏に会社を託す段取りを、ジョブズ氏自身が生前にしっかり進めていたことになります。

センシティブな話題ですので、ここでは確かな事実だけにとどめておきます。憶測めいたことを並べるのは、この記事の趣旨ではありません。

一人の利用者として、そして長くものづくりに関わってきた一人として、ジョブズ氏が遺した製品や考え方にあらためて敬意を表したいと思います。

参考: Britannica(Tim Cook)

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クック体制でAppleはどう歩んできたのでしょうか

では、クック氏に引き継がれたあと、Appleはどうなっていったのでしょうか。

結論から言えば、Appleはその後も世界を代表する企業であり続けました。クック氏のもとで会社の規模は大きく成長していった、というのが広く知られている評価です。

ジョブズ氏という強烈な個性のあとを継ぐのは簡単ではなかったはずですが、クック氏は10年以上にわたって会社を率い続けました。

この「続けた」という点こそ、振り返ってみるとあらためて大きな意味を持っていたように思います。一時の勢いではなく、長く安定して会社を導いたわけですから。

私としても、この間にiPhoneをはじめとする製品を仕事でもプライベートでもずっと使い続けてきました。世代を重ねるごとに少しずつ便利になっていく様子を、利用者として体感してきた実感があります。

そして時代はさらに進みます。2026年4月、Appleは新しいリーダー交代を発表しました。

2026年9月1日付で、ティム・クック氏は会長職にあたる「エグゼクティブ・チェアマン」に就き、後任のCEOにはジョン・ターナス氏が就任すると発表されました。

ターナス氏は、長くハードウェア開発の中心を担ってきた人物です。クック氏は会社を退くわけではなく、引き続き会社に関わっていく形だと説明されています。

つまり、2011年のジョブズ氏からクック氏へのバトンに続く、Appleにとって次の大きな世代交代が、いままさに進もうとしているわけです。歴史は静かにつながっているのだなと感じます。

参考: Apple Newsroom(Tim Cook to become Apple Executive Chairman, John Ternus to become Apple CEO)

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まとめ:一つのニュースから振り返るAppleの歩み

ここまで、2011年のジョブズ氏のCEO辞任を起点に、その後のAppleの歩みを振り返ってきました。

あらためて流れを整理しておきます。

2011年8月、スティーブ・ジョブズ氏がAppleのCEOを辞任し、後任にティム・クック氏が就きました。そして同じ年の10月、ジョブズ氏は亡くなりました。

クック氏はそのあと10年以上にわたって会社を率い、2026年にはさらに次のCEOへとバトンを渡す発表がなされました。

一つの速報として始まったこの記事は、いま振り返ると「会社をどう次の世代へつないでいくか」という、長い物語の一場面だったことが分かります。

当時は「これからどうなるんだろう」と不安まじりに見ていた出来事も、時間が経ってみれば一つの区切りとして落ち着いて眺められるようになりました。

大きな会社であっても、結局はリーダーが代わり、次の人へと役割を引き継いでいきます。これはどんな組織にも、そして個人の仕事にも通じる話だと感じます。

私自身、長くサイト制作を続けてきて、「続けること」と「次へつなぐこと」の両方の大切さを年々強く感じるようになりました。Appleの歩みを追っていると、その思いがいっそう深まります。

振り返ってみると、2011年のあのニュースは、一つの会社の話というだけにとどまりませんでした。だれかが築いたものを、次の人が受け取り、さらにその先へとつないでいく。そんな、ものごとの引き継ぎの大切さを教えてくれる出来事だったように思います。

身近なところでも、長く使っている道具やサービスが、気づけば作り手や担当者を代えながら続いている、ということはよくあります。表からは見えにくいその裏側で、こうしたバトンの受け渡しが静かに行われているのだと考えると、ふだん何気なく使っているものへの見方も少し変わってくるかもしれません。

もし今後、Appleに関する新しい大きな発表があれば、またこうして折に触れて振り返ってみたいと思っています。古い記事を読み返すと、当時は気づかなかったことが見えてくるのも面白いところです。

センシティブな話題も含む記事でしたので、できるだけ事実に沿って、敬意をもってお伝えするよう心がけました。一人の利用者として、ジョブズ氏が遺したものにあらためて感謝しつつ、この振り返りを締めくくりたいと思います。

昔のニュースをいまの目で見直すと、新しい発見があるものですね。また折に触れて、こうした過去の出来事を振り返る記事も書いていきたいと思います。