1日を48時間に近づける時間術|可処分時間を増やすiPhoneアプリと習慣

時計

「1日が48時間あったらなあ」。仕事に追われて寝る前にそうつぶやいた夜、あなたにもありませんか。やりたいことは山ほどあるのに、気づけば日付が変わっている。WeberNoteを運営している私も、本業のWeb制作と記事執筆を回していると、しょっちゅう同じことを思います。

昔このブログで、まさにそのワガママを叶えてくれる夢のようなiPhoneアプリ「flexible Clock」を紹介しました。時計の進み方をこっそり早めて、1日を最大48時間として扱ってくれるという、なんともユニークなネタアプリでした。

ところが、このflexible Clockは現在App Storeで配信が終了しており、新たに入手することはできません。当時はネタアプリとして笑いながら使っていましたが、いざ消えてみると意外と惜しい。それでもこの記事のテーマ自体は、時代が変わってもまったく古びていないと思っています。要は「限られた24時間を、いかに濃く・長く使うか」という話だからです。

むしろ、SNSも動画も無限に時間を吸い取っていく今のほうが、このテーマは切実です。あの頃より私たちのスマホは賢くなり、その分だけ時間を奪う力も強くなりました。だからこそ、時計を早送りする小手先の魔法ではなく、地に足のついた時間術が効いてきます。

この記事では、配信終了したflexible Clockの正直な現状をお伝えしたうえで、今のiPhoneで本当に可処分時間を増やせる時間管理アプリと習慣を、私の実感も交えて紹介します。

魔法の時計はなくなりましたが、時間の使い方を変えれば体感の1日は確かに伸ばせます。スクリーンタイムで無駄を削り、ポモドーロで集中を高め、タイムブロッキングで1日を設計する。この三段構えを、順番に紹介します。

「flexible Clock」は今どうなった?

まず事実から。かつて紹介したflexible Clockは、執筆時点でApp Storeに見当たらず、入手できない状態です。元の記事にも「2019年6月時点で配信停止」と追記していましたが、その後も復活は確認できていません。手元に残っている人以外は、新規にダウンロードする手段がないと考えてよさそうです。

flexible Clockがやっていたことは、いたってシンプルでした。1分を実際の60秒より短く刻むことで時計を早送りし、余った分を24時間より先の「25時、30時、47時…」として表示する、という仕組みです。たとえば本当は朝の8時18分なのに、画面には9時42分と表示される。それを見て「もうこんな時間か、急がないと」と前のめりになる、という心理を突いたアプリでした。

つまりflexible Clockの正体は、物理的に時間を増やす道具ではなく、「時間に追われる感覚」を逆手に取って集中を引き出す仕掛けだったわけです。

裏を返せば、同じ効果は今あるアプリや習慣でも十分に再現できます。むしろ現役のツールのほうが、記録や分析まで含めてはるかに実用的です。

参考リンク:「1日が48時間あれば……」をかなえる時計アプリ「flexible Clock」(ITmedia)

まずは「何に時間を奪われているか」を見える化する

可処分時間を増やそうと思ったら、増やす前にやることがあります。今の24時間が何に消えているのかを把握することです。ここが抜けたまま気合いだけで頑張っても、たいてい長続きしません。

iPhoneユーザーなら、追加アプリなしで使える「スクリーンタイム」が最初の一歩にうってつけです。「設定」→「スクリーンタイム」と進むだけで、どのアプリに何時間使ったかを自動で集計してくれます。

私も初めて見たときは、SNSと動画アプリの数字にわりと本気でへこみました。「2ちゃんを見ていたら1日が終わっていた」という昔の感覚は、今ならSNSや動画の無限スクロールに置き換わっただけで、本質は何も変わっていません。

スクリーンタイムの「App使用時間の制限」を使えば、SNSは1日30分まで、といった上限を自分で設定でき、制限に達するとアプリがロックされて使いすぎにブレーキがかかります。

「休止時間」を設定すれば、夜のこの時間帯はこのアプリを開けない、という壁も作れます。flexible Clockが時計を早めて急かしてくれたのと逆方向のアプローチですが、ダラダラ時間を回収するという目的は同じです。まずは1週間、自分のスクリーンタイムを眺めてみてください。

参考リンク:スクリーンタイムを設定する(Appleサポート)

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集中を引き出す「ポモドーロ」系アプリ

奪われている時間が見えてきたら、次は残った時間の密度を上げる番です。ここで効くのが、flexible Clockの「ちょっと急かされると集中できる」という発想を、もっと健全な形にした「ポモドーロ・テクニック」です。

やり方はシンプルで、25分集中して5分休む、これを1セットとして繰り返すだけ。タイマーが時間を区切ってくれるので、「あと25分だけ」と思うと不思議と腰が上がります。flexible Clockが時計を早めて背中を押してくれたのと、狙いはよく似ています。

iPhoneなら専用アプリを入れると快適です。タスク管理とポモドーロタイマーが一体になった「Focus To-Do」や、雨・焚き火などの環境音を流しながら集中できる「フォーカスタイマー」あたりが定番です。

ポモドーロの良いところは、休憩が制度として組み込まれている点で、ダラダラ作業より結果的に1日でこなせる量が増えやすいことです。

私はWeb制作のコーディングでよく使いますが、25分という区切りがあるだけで「この区切りの間はメールもSNSも見ない」と腹をくくれます。集中の質が上がれば、同じ作業を短い時間で終えられる。それはflexible Clockが見せてくれた「余分な時間」を、今度は本物として手に入れることに他なりません。

タイムブロッキングで1日を先に設計する

アプリだけでなく、習慣の側からも時間は伸ばせます。私のおすすめは「タイムブロッキング」。要するに、1日を時間の箱に区切って、「何時から何時までは何をやる」とあらかじめ予定表に書き込んでしまう方法です。

ToDoリストは「やること」を並べるだけですが、タイムブロッキングは「いつやるか」まで決めます。これだけで、「次に何をやろう」と迷う時間がごっそり消えます。地味ですが、この迷いの時間こそ1日を細切れにする最大の犯人だったりします。

カレンダーアプリに30分〜1時間単位で予定を入れていくだけで始められます。最初は計画どおりにいかなくて当然なので、ズレたら翌日の箱を組み直せばOKです。

大事なのは完璧に守ることではなく、「自分の1日に何個の箱が入るのか」を体で覚えることです。

箱の数には限りがある、と分かると、何でも詰め込もうとするのをやめられます。flexible Clockが教えてくれた「時間の流れは思っているより主観的だ」という気づきは、ここでも生きてきます。先に設計してしまえば、同じ24時間でも体感はぐっと長くなります。

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「時間が増えた気がする」感覚を大事にする

ここまで現役のツールと習慣を紹介してきましたが、flexible Clockが本当に伝えたかったことは、最後のこの部分だと思っています。「時間は増えてないじゃないか」とツッコミたくなる気持ちは分かります。でも、ちょっと考えてみてください。

時間の流れというのは、思っている以上に主観的で感覚的なものです。子どもの頃の1日と大人になってからの1日。同じ24時間なのに、子どもの頃のほうがずっと長く感じませんでしたか。人間の体感時間なんて、わりといい加減にできています。

新しい場所に行ったり、夢中になって何かに取り組んだりした日は、振り返ると驚くほど長く感じる。逆に、なんとなくスマホをいじっていた日は一瞬で過ぎ去ります。だとすれば、体感の1日を伸ばす鍵は、時計の針ではなく「何に時間を使ったか」のほうにあります。

無駄をスクリーンタイムで削り、集中をポモドーロで高め、1日をタイムブロッキングで設計する。この三つがそろうと、物理的には24時間のままでも「今日は長かったな」と思える日が増えてきます。

flexible Clockが時計の表示でやろうとしたことを、今度は中身で実現する。それが、魔法のアプリが消えた今でもできる、いちばん確実な時間術だと私は思います。

まとめ:消えた魔法の時計が残してくれたもの

残念ながら「flexible Clock」はApp Storeから姿を消し、新たに手に入れることはできなくなりました。1日を48時間に見せてくれたあの遊び心は、個人的にちょっと寂しくもあります。

ただ、このアプリが投げかけた「時間の使い方を見直そう」という問いは、まったく色あせていません。むしろ、SNSや動画にいくらでも時間を吸い取られる今のほうが、切実なテーマかもしれません。

幸い、今のiPhoneには魔法の時計より実用的な道具がそろっています。標準のスクリーンタイムで何に時間を奪われているかを見える化し、Focus To-Doやフォーカスタイマーで集中の質を上げ、タイムブロッキングで1日を先に設計する。順番に試すだけで、体感の1日は確かに伸びていきます。

振り返れば、flexible Clockがやってくれていたのは「時間と向き合うきっかけづくり」でした。画面の数字を見て一瞬ハッとして、自分の今日の使い方を意識する。あの小さな引っかかりこそが、本当の価値だったのだと今は思います。

全部を一度にやる必要はありません。まずは今夜、スクリーンタイムの数字を眺めるところから始めてみてください。自分の24時間がどこへ消えているかを知るだけでも、明日からの時間の使い方は確実に変わります。気に入ったものがあれば、ポモドーロアプリやタイムブロッキングも一つずつ足していけば十分です。

魔法の時計はなくなりましたが、時間を味方につける方法はちゃんと残っています。物理的な24時間は変えられなくても、使い方しだいで体感の1日はちゃんと伸ばせます。

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