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携帯の2年縛りは廃止|でも1年以内の解約には1100円の解除料

ガラケーとスマホ

「更新月を逃すと1万円」。携帯電話にそんなルールがあったのを覚えているでしょうか。

2年ごとに一度だけ訪れる更新月。そこを逃すと解約に9,500円ほどかかる。カレンダーに印をつけて身構えていた人も多かったはずです。私も更新月をメモしたのに、その月に限って忙しくて動けず、気づいたら2年延長されていた…という失敗をやりました。

この記事のもとになったのは2015年、その更新月がようやく1か月から2か月に延びたというニュースです。今読み返すと、1か月延ばすことが「改善策」として発表されていたわけで、当時の窮屈さが伝わってきます。

そこから10年。2年縛りと1万円近い解約金はすでに廃止され、いまは「契約から1年以内の短期解約」だけに1,100円前後の解除料がかかる形へ入れ替わりました。

ややこしいのは、この新しい解除料の条件が3社でそろっていないことです。ドコモとauは「通常の利用を目的とした契約かどうか」を見る作りで、ソフトバンクは2026年7月から独自の仕組みを始めました。

しかも金額が一律ではありません。ドコモとauは1,100円ですが、ソフトバンクは料金プランによって385円から1,100円まで幅があります。契約した時期によって条件が変わる会社もあり、同じキャリアでも人によって答えが違う、というややこしさです。

この記事では、2年縛りが消えるまでの流れと、いま実際にかかる解除料の条件を3社ぶん並べます。自分の契約なら解約にいくらかかるのか、どうすれば0円で済むのかがはっきりします。乗り換えを考えているなら、契約日を1つ確認するだけで判断できるようになります。

2年縛りと高額な解約金は廃止された

結論から書くと、大手3社の「2年契約で縛って、更新月以外の解約に1万円」という仕組みは、すでにどこにも残っていません。

ドコモは2021年10月に解約金を廃止し、ソフトバンクも2022年2月に契約解除料を免除しました。総務省の方針もあって、2022年3月までに各社の解約金は全廃されています。

さらに、現行法に適合しない定期契約は2024年1月から更新そのものができなくなりました(3G回線を除く)。つまり、昔の2年契約を今も引きずっている、という状態が制度上そもそも起こりません。

更新月を数える必要も、乗り換えのタイミングを待つ必要もなくなった。ここは素直に良い変化だったと思います。

参考:携帯電話の「解約金」は2022年3月までに“全廃”へ(ITmedia Mobile)

きっかけは2019年の法改正

この流れを作ったのは、2019年10月に施行された改正電気通信事業法です。

省令で決められた中身が、なかなか思い切ったものでした。契約期間の上限は2年まで、違約金の上限は1,000円(税抜)まで。さらに期間拘束のないプランを必ず用意すること、期間拘束の有無による料金差は月170円(税抜)までとされました。

それまでの違約金が9,500円だったので、上限1,000円は実質10分の1です。ここまで下がると「解約金で客を引き止める」という発想自体が成り立たなくなり、各社が相次いで撤廃へ動きました。

自動更新の扱いにも制限がかかりました。特定の条件を満たさない自動更新契約は禁止で、これが2024年1月の「更新できない」につながっています。

参考:消費者保護ルール(総務省)

いまの解除料は短期解約が対象

では解約金は完全になくなったのか、というとそうではありません。2024年以降、3社とも性格の違う解除料を新しく作っています。

狙いは、乗り換えのキャンペーンだけを取って短期間で解約する使い方への対策です。回線を短期で渡り歩いて特典を回収する動き(いわゆるホッピング)が問題になり、総務省でも規制の議論が続いてきました。

そのため、対象は「契約から1年以内の解約」に絞られています。普通に使い続けて2年目、3年目に乗り換えるぶんには、3社とも0円のままです。

昔の2年縛りとは狙いも金額も別物で、名前が似ているせいで混同されやすいところ。ここを分けて理解しておくと、次の3社比較が読みやすくなります。

ドコモ・au・ソフトバンクの条件

3社とも「1年以内」を線にしていますが、判定の仕方と金額が違います。

ドコモは2025年3月1日以降に新規契約・MNPした回線が対象で、解除料は1,100円。ただし1年以内なら常にかかるわけではなく、利用実態がない場合か、同じ名義の他回線が契約から1年以内に解約されている場合という条件が付きます。8日以内のキャンセルやハーティ割引の回線は対象外です。

auは契約した時期で扱いが変わります。2024年6月1日〜2025年9月30日の契約は990円で、ドコモと同じく利用実態などの条件付き。2025年10月1日以降の契約は1,100円で、こちらは1年以内の解約であれば発生します。UQ mobileやpovoへの番号移行、8日間キャンセルなら請求されません。

ソフトバンクは2026年7月1日以降の新規契約・のりかえが対象で、回線提供開始から12か月以内の解約にかかります。金額は料金プランによって385円〜1,100円(税込)と幅があるのが特徴。ワイモバイルやLINEMOへの乗り換え、8日間キャンセルは免除されます。

並べてみると、auの新しい契約がいちばん機械的で、ドコモは「通常の使い方かどうか」を見る作り。ソフトバンクはプランごとに金額が違う、という違いになります。

参考:「契約解除料」の新設について(ソフトバンク)

解除料がかからないケース

心配になるのは「自分は請求されるのか」というところだと思います。線引きはわりとはっきりしています。

まず、契約から1年を超えていれば3社とも0円です。ここが最大の分かれ目で、1年さえ使えば乗り換えは自由になります。

1年以内でも、次のような場合は請求されません。

  • 同じグループ内のブランドへ移る場合(auならUQ mobile・povo、ソフトバンクならワイモバイル・LINEMO)
  • 契約から8日以内のキャンセル制度を使った場合
  • ドコモのハーティ割引、auのスマイルハート割引が適用されている回線

逆に引っかかりやすいのは、キャンペーン目当てで短期間に何回線も契約と解約を繰り返しているケースです。ドコモもauも「同一名義の他回線が1年以内に解約されている」を条件に入れているので、家族名義を含めた動きが見られていると考えたほうがいいです。

金額としては1,100円なので、昔の1万円と比べれば軽い。とはいえ、乗り換え特典を狙った短期解約の旨みは、この改定でかなり削られました。

もう1つ、契約日そのものが見落とされがちです。ドコモは2025年3月1日以降、auは2024年6月1日以降、ソフトバンクは2026年7月1日以降の契約が対象なので、それ以前から使い続けている回線には新しい解除料が付いていません。長く同じ回線を使っている人ほど、心配する必要がない話になります。

乗り換え前に確認したい3点

解除料そのものより、実際の請求で効いてくるのは別の費用です。乗り換えを決める前に、次の3つを確認しておくと計算が狂いません。

1つ目は端末の残債。分割で買った端末が残っていれば、解約後も支払いは続きます。解除料が0円でも、ここが数万円あるなら話は変わります。

2つ目は料金の日割りの有無です。解約月の基本料が満額なのか日割りなのかはプランによって違い、月初に解約すると1か月ぶん丸ごと払うこともあります。

3つ目は契約日です。ここまで見てきたとおり、解除料は「いつ契約したか」で条件が変わります。マイページで契約開始日を確認して、1年を超えているかどうかだけでも見ておくと安心です。

まとめ:残ったのは1年の線だけ

10年前は、更新月という1か月を逃すと1万円。その1か月が2か月に延びただけでニュースになる世界でした。

いまは2年縛りも高額な解約金も廃止され、代わりに「契約から1年以内の短期解約に1,100円前後」という線だけが残っています。金額は10分の1近くまで下がり、性格も引き止めから短期解約の抑止へ変わりました。同じ「解約金」でも中身は別物です。

整理すると、覚えておくことは3つです。契約から1年を超えていれば3社とも解除料は0円。1年以内でも、グループ内のブランドへの移行や8日以内のキャンセルなら請求されない。そして解除料より端末の残債のほうが金額として大きい。

迷ったら、マイページで契約開始日だけ見てください。1年を超えていればそこで話は終わりますし、超えていなければ、あと何か月待てば0円になるかがその場で計算できます。端末の残債が残っているかどうかも、同じ画面でたいてい確認できます。契約日と残債、この2つを押さえておけば、乗り換えの話し合いで慌てることはありません。

条件の細かさは3社で違いますが、「1年使ったかどうか」だけ押さえておけば、ほとんどの場面で判断できます。

昔のように更新月をカレンダーに書き込んで身構える必要はもうありません。乗り換えたいと思ったときに、契約日だけ確認して動く。それで十分になったのは、この10年で一番ありがたい変化だと思っています。

参考:解約した場合、契約解除料は請求されますか?(au)

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