国立がん研究センターが、受動喫煙のある人はない人に比べて肺がんになるリスクが約1.3倍あることを発表しました。
この研究結果を踏まえ、同センターは、受動喫煙による日本人の肺がんのリスク評価を、これまでの「ほぼ確実」から「確実」に引き上げました。「ほぼ確実」と「確実」、たった2文字の違いですがこの差は非常に大きいと思います。
受動喫煙とは
喫煙により生じた副流煙を吸うことを「受動喫煙」と言います。
受動喫煙(じゅどうきつえん、passive smoking)とは、喫煙により生じた副流煙(喫煙者が吸い込む主流煙に対してたばこの先から出る煙)、呼出煙(喫煙者が吐き出した煙)を発生源とする、有害物質を含む環境たばこ煙(ETS)に曝露され、それを吸入することである。
LINK:受動喫煙 – Wikipedia
受動喫煙による健康被害は、肺がんだけでなく、性心疾患や脳卒中、小児喘息などにも及ぶことが、科学的に示されています。
たばこの煙を「できるだけ避ける」から「避ける」へ
さらに同センターは、日本人の実状に合わせてがんの予防法を示したガイドライン「日本人のためのがん予防法」の中で、他人のたばこの煙を「できるだけ避ける」としていた文言を「避ける」と、より厳格なものに変更しました。
国立がん研究センターは8月31日、受動喫煙のある人はない人に比べて肺がんになるリスクが約1.3倍あることを発表。科学的根拠に基づく肺がんのリスク評価を「ほぼ確実」から「確実」にアップグレードした。
この結果に伴い、がん予防法を提示するガイドライン「日本人のためのがん予防法」においても、他人のたばこの煙を「できるだけ避ける」から「避ける」へ文言が修正されている。
最近は日本も分煙化が進み、昔と比べるとたばこの煙にさらされることが減ってはきました。それでも、諸外国のような罰則付きのものではなく、努力義務にとどまったものです。世界保健機関(WHO)の報告によると、日本の受動喫煙防止策は、国際的に最低レベルと評価されているそうです。
2020年には東京オリンピックも開催されます。海外の訪問者から文字通り煙たがれないよう、今回の結果を受けて日本の受動喫煙への対応が世界レベルにまで進むことを期待しています。