神奈川県大井町の東名高速で、ワゴン車が大型トラックに追突され夫婦が亡くなった事故。あまりに痛ましく、憤りを覚えた人も多かったと思います。
ところが、その事故をめぐって、まったく関係のない企業が「容疑者の勤務先」としてネット上で名指しされ、中傷や嫌がらせの電話が殺到する被害が起きていました。
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デマ拡散で無関係な人が嫌がらせ被害に
「事実無根の話を信用して、電話や書き込みをする人を理解できない」
北九州市八幡西区の石橋建設工業社長、石橋秀文さん(47)は今もネットのチェックを欠かさない。
会社の電話が鳴り始めたのは、容疑者が逮捕された翌日の今月11日だった。
容疑者の姓が「石橋」▽住所が、北九州市に隣接する福岡県中間市▽職業が建設作業員――などと報じられると、石橋さんを「容疑者の父」、石橋建設工業を「容疑者の勤務先」とする誤った情報がツイッターや掲示板サイト「5ちゃんねる」(旧2ちゃんねる)に書き込まれ、会社の電話番号も拡散していた。
ほとんどは非通知の無言電話や取った瞬間に切る電話だったが、「オヤジを出せ」と声を荒らげる人もいた。無関係だと説明しても「ウソをつくな」と返ってきた。なかには「極道なめんな。若い者を連れていく」とすごむ電話もあった。11日だけで着信は100件ほどに上ったという。
残された子どもの証言や容疑者の言動が報道され、やりきれない気持ちになった人は少なくないでしょう。
それでも、ネットで流れてきた情報を鵜呑みにして「自分の正義」を振りかざし相手に凸するのは、まったくの見当違いです。この記事のケースでは、その矛先が事故とは何の関係もない会社に向かってしまいました。

仮にその情報が正しかったとしても、加害者の個人情報をネットにさらしたり嫌がらせをする行為そのものが「暴力」だと私は思います。腹が立つ気持ちはわかりますし、こういう相手を懲らしめてやりたいと思うのも人情でしょう。
ただ、それとこれは別の話です。
罪を犯した人を裁くのは司法であって、私たちに人を裁く権利はありません。
そもそも、ネットの情報はもちろん、テレビで流れている情報だって本当に真実かどうかはわかりません。極端な話、私が書いているこのブログの内容だって、鵜呑みにするのは危ういのです。
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情報が一瞬で広がる今、ネットリテラシーが問われています。悪質な事件や事故に憤るのは当然のことですが、その情報は本当に正しいのか、そして自分は文句を言える立場なのか。手を動かす前に、いちど立ち止まって考えてほしいと思います。
追記:2017/12/22
その後、福岡県警はネット上に誤った情報を書き込んだり拡散させたりして無関係の人の名誉を傷つけたとして、複数の関係先を名誉毀損容疑で家宅捜索しました。デマを流す側が法的責任を問われる展開になったわけです。
神奈川県大井町の東名高速でワゴン車が大型トラックに追突され、夫婦が死亡した事故をめぐり、福岡県警は22日、インターネット上に誤った情報を書き込んだり、拡散させたりして、無関係の人物の名誉を傷つけたとして、複数の人物の関係先を名誉毀損(きそん)容疑で家宅捜索した。
捜査関係者への取材でわかった。個人情報やデマを書き込まれたため、嫌がらせの電話が殺到した北九州市の建設会社が被害届を出していた。