勘違いしがちな絵文字の意味まとめ|正式名称と本当の使い方、いくつ知ってる?

スマホの絵文字

スマホで送ったメッセージに、何気なく付けているその絵文字。本当の意味で使えている自信はありますか。

たとえば🗿。あの石像を「無」「真顔」「言葉が出ない」の代わりに送っている人は多いと思います。私もずっとそう使ってきました。でも正式な名前を知ったとき、ちょっとだけ見る目が変わったんです。

絵文字は「絵」に見えて、その実、一つひとつにUnicodeという世界共通の規格で決められた名前と意味があります。ところが日本で生まれて世界に広がる過程で、本来の意図とはまるで違う使われ方が定着したものが少なくありません。正式名称を知ると「え、そういう意味だったの?」と二度見するものもあります。

正式名称が判明すると、渋谷生まれの石像だったり、怒りだと思っていた顔が実は「ドヤ顔」だったり。日常で一番よく使うツールなのに、意外と知らないことだらけなんです。

この記事では、意味を勘違いされがちな絵文字を集めて、Unicodeで決められた正式名称と本来の使い方、そしてなぜ意味がズレたのかまでまとめて紹介します。

難しい話は抜きにして、明日から誰かに教えたくなる小ネタとして楽しめる内容にしました。手持ちの絵文字を思い浮かべながら読んでみてください。

クイズのつもりで、いくつ正しく意味を言えるか数えながら読むのもおすすめです。読み終わるころには、いつものチャットで「この絵文字、実はね」と話したくなっているはず。全部知っていたら、あなたはなかなかの絵文字通です!

そもそも絵文字に「正式名称」がある

絵文字は画像のように見えますが、コンピューターの世界では「A」や「あ」と同じく、番号を割り当てられた立派な文字です。その番号と名前を世界共通で管理しているのがUnicode(ユニコード)という規格です。

たとえば🗿にはU+1F5FFという番号がふられ、そこに英語の正式名称もセットで決められています。この名前があるからこそ、iPhoneでもAndroidでもパソコンでも「同じ絵文字」として認識され、文字化けせずにやり取りできるわけです。

ここで面白いのが、Unicodeの正式名称は後方互換のため、一度決めたら基本的に変更されないというルールです。だから見た目や使われ方が時代とともに変わっても、最初に付いた名前だけは化石のように残り続けます。

この「昔の名前が残る」仕組みこそが、正式名称と実際の使い方がズレていく最大の原因。では、具体的にどんな絵文字が勘違いされているのか見ていきます。

参考: Unicode公式 Full Emoji List

意味を勘違いしがちな絵文字たち

🗿 実は「モアイ」じゃなく「モヤイ」

ネットのミームで、真顔・無表情・沈黙の象徴として大活躍のこの石像。多くの人が「モアイ(イースター島のあれ)」だと思っていますが、Unicodeの正式名称はMOYAI(モヤイ)です。

モデルになったのは、渋谷駅前にある待ち合わせ名所「モヤイ像」。伊豆諸島の新島から贈られた像で、イースター島のモアイに着想を得つつ、新島の方言で「力を合わせる」を意味する“もやい”にちなんで名付けられました。

つまり🗿は、イースター島ではなく渋谷生まれの絵文字だったわけです!次に送るときは、心の中で「モヤイ」と読んでみてください。

参考: Wikipedia(Moyai statue)

😤 「怒り」ではなく「ドヤ顔」だった

鼻から湯気を出したこの顔。イラッとした時や怒りの表現に使っている人がほとんどではないでしょうか。ところが本来の意味はほぼ真逆で、正式名称はFACE WITH LOOK OF TRIUMPH、つまり「勝ち誇った顔」。得意げで誇らしい気持ちを表す絵文字として作られました。

ルーツはおそらく、漫画やアニメで「フンッ」と鼻息を荒くするドヤ顔の表現。ただ、湯気を立てて鼻をふくらませた顔はどう見ても怒っているように見えるため、世界中で怒り用として定着してしまいました。

あまりの勘違いっぷりに、Unicodeは公式の注記で「これは怒りではなく“triumph(勝利・得意)”を示す」とわざわざ補足しているほどです。

参考: Unicode(U+1F624)

🙏 「ハイタッチ」ではなく「お祈り・お願い」

「🙏はハイタッチしている絵だ」という説、聞いたことはありませんか。これは2013年ごろにSNSで一気に広まった有名な俗説で、実は間違いです。

正式名称はPERSON WITH FOLDED HANDS、直訳すると「手を合わせた人」。もともと日本の携帯電話向けに作られた絵文字で、お祈り・お願い・感謝・謝罪といった「合掌」の気持ちを表します。

ハイタッチ説が生まれたのは、Appleのデザインで手のあたりから光が放たれていて、手のひらが打ち合わさる瞬間に見えたから。でも実際は拝んでいる手であって、パチンと打ち合う手ではありません。

参考: Unicode(U+1F64F)

😅 名前に「冷や汗」が残っている

笑いながら汗をかいた、あの「あはは(汗)」でおなじみの顔。現在の名前は「汗をかいた笑顔(Grinning Face with Sweat)」ですが、2010年に登場したときの正式名称はSMILING FACE WITH OPEN MOUTH AND COLD SWEAT=「冷や汗をかいた笑顔」でした。

まさに、気まずさやピンチをごまかす苦笑いにぴったりの命名。使い方と名前がきれいに一致している、珍しく優等生な絵文字です。名前が途中で少し変わったのも、時代に合わせて呼びやすく整えた結果ですね。

😌 は「安堵」/😏 は「したり顔」

ドヤ顔のつもりで😌を使っていませんか。これはRELIEVED FACE、ホッと安心した「安堵」の顔です。目を閉じた穏やかな表情で、ドヤるというより「やれやれ、よかった」の気分。

一方、片方の口角を上げた😏はSMIRKING FACE。こちらこそ「ニヤリ」「したり顔」で、含みのある笑いや、ちょっと色っぽいニュアンスを表します。ドヤりたいなら😌より😏を選ぶと、意図が正確に伝わります。

😩 と 😫 くたびれ具合が地味に違う

そっくりなこの2つ、意識して使い分けている人は少数派だと思います。左の😩はWEARY FACE(疲れ切った顔)、右の😫はTIRED FACE(疲れた顔)です。

ざっくり言うと、😩は「もうムリ〜」と大げさに嘆くドラマクイーン寄り、😫は歯を食いしばってなんとか耐えている感じ。目の形(😩は弧を描いた目)が見分けるポイントです。

正直どちらでも通じますが、😩のほうがちょっと大げさ、と覚えておくと表現の解像度が上がります。

🥲 と 🫠 新顔にも深い意味がある

比較的新しい絵文字にも、名前どおりの奥深い意味があります。🥲はSMILING FACE WITH TEAR(涙をこらえる笑顔)。笑顔なのに一粒だけ涙、という「うれし泣き」や「せつないけど笑っておく」複雑な気持ちを一発で表せる優れものです。

🫠はMELTING FACE(溶ける顔)。恥ずかしさや気まずさ、暑さでぐったり、といった「もう溶けてなくなりたい」気分にぴったり。名前を知ると、使いどころがぐっと明確になります。

同じ絵文字でも、機種で見た目が変わる

ここまで正式名称を見てきましたが、ややこしいのは「名前は共通でも、絵柄は各社バラバラ」という点です。Unicodeが決めるのは「どんな絵文字があるか」だけ。実際の見た目のデザインは、AppleやGoogleなど各社がそれぞれ描いています。

だから同じ😅でも、iPhoneとAndroidでは表情や汗の位置が微妙に違います。自分の意図したニュアンスが、相手のスマホでは少し違って見えていることも珍しくありません。

さらに、片方が対応していない絵文字を送ると、豆腐のような□や空白で表示されて何も伝わらない、という事故も起こります。せっかくの気持ちが行方不明になるのは、ちょっともったいないですよね。

関連記事:LINEユーザー要注意!iPhoneの絵文字はAndroidで何も表示されない件

まとめ

絵文字の「本当の意味」と正式名称を、まとめて振り返ってきました。

🗿はモアイではなく渋谷の「モヤイ」。😤は怒りではなく勝ち誇った顔。🙏はハイタッチではなく合掌。😌は安堵で、ドヤ顔なら😏。知っているようで、意外と勘違いしていたものも多かったのではないでしょうか。

大事なのは、Unicodeが決めた正式名称は化石のように残る一方で、実際の意味はSNSや文化のなかで日々上書きされていくということ。どちらが正しくてどちらが間違い、という話ではありません。絵文字は生き物みたいに意味が育っていく、そこが面白いところです。

正式名称はあくまで“出自”であって、実際のやり取りでは相手にちゃんと伝わる使い方が一番です。今回の豆知識は、いわば会話のスパイス。仕込んでおけば、いつものチャットがちょっと楽しくなります。

まずは手元のスマホで、今日紹介した絵文字を眺めてみてください。次に🗿を送るとき、きっと渋谷のモヤイ像が頭をよぎるはずです。誰かに話したくなったら、この記事の出番です。