「記事の下に関連記事を並べたいのに、なぜか何も表示されない」。WordPressをいじっていると、こういう地味だけどモヤモヤする壁にぶつかりますよね。せっかく良い記事を書いても、読み終わった人にそのまま帰られてしまうのはもったいない。関連記事がうまく出てくれれば、次の記事へ自然に読み進めてもらえるのに、と。
実はこの記事、もともとは「Similar Posts」という関連記事プラグインが日本語環境でうまく表示されないときの設定を、私が備忘録としてまとめたものでした。当時はこのプラグインを愛用していて、設定画面の「Treat as Chinese, Korean, or Japanese?」をYesにしないと日本語サイトでは表示されない、という小ネタを紹介していたんです。これでハマる人、けっこう多かったんですよね。
ところが、その「Similar Posts」は2023年9月1日付でセキュリティ上の問題によりWordPress公式ディレクトリから提供を終了しており、今から新たに導入することはおすすめできません。
「えっ、設定方法を調べに来たのに使えないの」とがっかりさせてしまったかもしれません。けれど、あなたが本当にやりたいのは「Similar Postsを使うこと」そのものではなく、「WordPressの記事下に関連記事をちゃんと表示させたい」ということのはずです。その目的なら、今の時代にきちんとメンテナンスされている定番の方法が、ちゃんとあります。
そこでこの記事では、まずSimilar Postsが今どうなっているのかを整理したうえで、2026年の今あらためて選ぶべき関連記事の表示方法を、最新の情報をもとにまとめ直しました。現役でメンテされているプラグイン、Jetpackやテーマ内蔵の機能、それからコードで自作する方法、さらに「設定したのに関連記事が表示されない」というよくあるトラブルの原因と対処まで、ひととおり押さえていきます。WEB制作を長年やってきた私が、専門用語をできるだけかみくだいて初心者目線で解説します。読み終わるころには、自分のサイトにどの方法で関連記事を出せばいいか、判断できるようになるはずです。
まず大前提:Similar Postsは提供を終了しています
昔のこの記事を信じて「Similar Postsを入れて設定しよう」と探しに行っても、もう見つかりません。何が起きたのか、順を追って整理しておきましょう。
Similar Postsは、WordPress.orgの公式プラグインページ上で「2023年9月1日付でこのプラグインは閉鎖されました(理由:セキュリティ上の問題)」と明記され、ダウンロードできない状態になっています。最終更新も数年前で止まっており、動作確認が取れているのもWordPress 5.9系まで。つまり、今の最新WordPressとは相性が保証されていません。
セキュリティ上の理由で閉鎖された、という点はとくに見過ごせません。閉鎖されたプラグインは脆弱性が放置されたままになりやすく、すでにサイトで使っている場合は、そこが攻撃の入り口になってしまうおそれがあります。もし今あなたのサイトにSimilar Postsが入っているなら、これを機に停止・削除して、別の方法に乗り換えるのがおすすめです。
長く使ってきた方には少しさみしい話ですが、プラグインの世界では更新が止まったり閉鎖されたりすることは珍しくありません。だからこそ「最終更新日を確認するクセ」が大事になってきます。発想を切り替えて、今も元気に動いている方法へ移っていきましょう。
参考: Similar Posts プラグインページ(WordPress.org 公式)
今あらためて選ぶべき関連記事プラグイン
では、Similar Postsが使えない今、何で関連記事を表示すればいいのか。コードが苦手な方は、まず現役でメンテされているプラグインを使うのがいちばん手軽で確実です。私がおすすめできる定番を、最新の状況とあわせて紹介します。
YARPP(Yet Another Related Posts Plugin)
関連記事プラグインの超定番といえばYARPPです。記事の本文・タイトル・タグ・カテゴリーなどを総合的に見て「関連度」を計算し、近い記事を自動で並べてくれます。2024年にも更新が入り、WordPress 6.7まで動作確認済み、有効インストール数は10万件以上という、安心して任せられる現役プラグインです。
関連度の判定がかしこいので、タグやカテゴリーをきっちり付けていなくても、それなりに近い記事を拾ってくれるのが強みです。表示テンプレートのカスタマイズもできるので、デザインにこだわりたい方にも向いています。まず一つ選ぶなら、これを試してみるのがおすすめです。
Related Posts for WordPress
もう一つ挙げたいのが、Barry Kooij氏が開発する「Related Posts for WordPress」です。2025年5月にも更新されており、WordPress 6.8まで対応済みと、メンテナンスがとてもこまめなプラグインです。
こちらは関連記事の計算を一度キャッシュしておく作りなので、ページ表示が重くなりにくいのが特徴です。アクセスが多くて表示速度が気になるサイトや、サーバーへの負荷を抑えたい方に向いています。ショートコードで好きな場所に差し込めるのも便利です。
どちらを選ぶか迷ったら、「賢い自動マッチングならYARPP」「表示の軽さ重視ならRelated Posts for WordPress」くらいのざっくりした基準で選んでみてください。両方を同時に入れる必要はありません。
参考: YARPP プラグインページ(WordPress.org 公式) / Related Posts for WordPress プラグインページ(WordPress.org 公式)
関連記事:WordPressおすすめプラグイン|今も現役の定番だけを用途別に厳選紹介
プラグインを増やしたくないなら:Jetpackやテーマ内蔵機能
「これ以上プラグインを増やしたくない」という方も少なくないと思います。その場合は、別の手があります。
一つはJetpackの関連記事機能です。Jetpackは多機能なオールインワンプラグインで、その中に関連記事を記事下に自動表示する機能が含まれています。関連度の計算をWordPress.com側のサーバーが肩代わりしてくれるので、自分のサーバーに負担をかけずに済むのが大きなメリットです。ただし利用にはWordPress.comアカウントとの連携が必要で、Jetpack自体がそこそこ重い点は好みが分かれるところ。すでにJetpackを入れている方なら、設定をオンにするだけなので試す価値ありです。
もう一つ見落としがちなのが、お使いのテーマに最初から関連記事機能が付いているケースです。最近の人気テーマ(国産の多機能テーマなど)は、関連記事の表示機能を標準で備えていることがよくあります。プラグインを足す前に、まずは「カスタマイズ」や「テーマ設定」の画面をのぞいてみてください。そこにスイッチが用意されていれば、それを使うのがいちばん軽くて確実です。プラグインを増やさないぶん、サイト全体もすっきり保てます。
コードで自作したい人向け:WP_Queryで関連記事を出す
「自分でコントロールしたい」「余計なプラグインに頼りたくない」という中級者以上の方には、テーマのテンプレートに直接コードを書く方法もあります。同じカテゴリーやタグの記事をWP_Queryで引っぱってくる、というのが基本の考え方です。
たとえば、今見ている記事と同じタグが付いた記事を5件表示するなら、single.phpのループ内にこんなコードを書きます。
<?php
$tags = wp_get_post_tags( $post->ID );
if ( $tags ) {
$tag_ids = array();
foreach ( $tags as $tag ) {
$tag_ids[] = $tag->term_id;
}
$related = new WP_Query( array(
'tag__in' => $tag_ids,
'post__not_in' => array( $post->ID ),
'posts_per_page' => 5,
'orderby' => 'rand',
) );
if ( $related->have_posts() ) {
echo '<ul class="related-posts">';
while ( $related->have_posts() ) {
$related->the_post();
echo '<li><a href="' . get_permalink() . '">' . get_the_title() . '</a></li>';
}
echo '</ul>';
wp_reset_postdata();
}
}
?>
ポイントは、表示し終わったあとに必ずwp_reset_postdata()を呼んで、メインのループを元に戻すことです。これを忘れると、関連記事のあとの表示が崩れる原因になります。地味ですが、自作するなら絶対に外せない作法です。
カテゴリーで関連付けたい場合は、tag__inの部分をcategory__inに変えて、カテゴリーIDを渡してあげればOKです。コードを直接いじる前には、必ず子テーマを使い、バックアップを取ってから作業してください。いきなり本番のテーマファイルを書き換えるのは、私としてはおすすめしません。
関連記事:WordPress検索でカスタムフィールドも対象にする方法(functions.php)
関連記事が表示されない時によくある原因と対処
プラグインを入れたのに、あるいはコードを書いたのに関連記事が出ない、というのもよくある相談です。Similar Postsの「日本語設定」のように、原因がわかれば一発で直ることも多いので、落ち着いてチェックしていきましょう。
- タグやカテゴリーが少ない・付いていない:関連記事は基本的にタグやカテゴリーを手がかりに記事を探します。記事にタグがほとんど付いていないと、関連付ける材料がなく、何も表示されません。まずは記事にきちんとタグ・カテゴリーを付けましょう。
- インデックス(関連データ)がまだ作られていない:YARPPなどは関連度を計算した一覧を内部に持っています。導入直後はこのデータが空のことがあり、しばらくすると表示されるようになる場合があります。
- キャッシュが古い:キャッシュ系プラグインやサーバーのキャッシュが効いていると、更新後も古い表示のままになることがあります。一度キャッシュをクリアして確認してみてください。
- 記事数そのものが足りない:そもそもサイト全体の記事が少ないと、関連付けられる相手がいません。記事が増えてくると自然に出るようになることもあります。
- 表示位置の設定もれ:プラグインによっては「記事下に自動表示」のスイッチがオフのままだったり、ウィジェットやショートコードで自分で置く必要があったりします。設定画面を一度見直しましょう。
意外と多いのが、いちばん上の「タグ・カテゴリー不足」です。関連記事の仕組みは、結局のところ記事同士のつながりを手がかりに動いています。日ごろから記事に適切なタグを付けておくことが、関連記事をきれいに表示させる近道になります。
関連記事:サイトの修正が反映されない…ページを更新してキャッシュをクリアする方法
まとめ:Similar Postsは卒業して、今どきの関連記事へ
古いSimilar Postsの設定記事から、すっかり様変わりした今の関連記事事情まで、まとめて見てきました。最後にポイントをおさらいしておきましょう。
- Similar Postsは2023年9月にセキュリティ上の理由で閉鎖済み。新規導入は非推奨、使用中なら乗り換えを
- プラグインで手軽に出すなら、現役でメンテされているYARPPやRelated Posts for WordPressが定番
- プラグインを増やしたくないなら、Jetpackの関連記事機能やテーマ内蔵機能をチェック
- 自分でコントロールしたいなら、WP_Queryで同じタグ・カテゴリーの記事を表示する自作も可能
- 表示されない時は、タグ不足・インデックス未生成・キャッシュ・記事数・設定もれを順に確認
大切なのは、終わってしまったプラグインにこだわることではなく、今も元気に動いている方法で、読者を次の記事へ自然に案内してあげることです。
私も、長く使ってきたSimilar Postsが閉鎖されたと知ったときは、正直さみしい気持ちになりました。でも振り返ってみれば、プラグインが入れ替わっていくのはこの世界では当たり前のこと。特定のツールに依存しすぎず、そのときどきの定番に柔軟に乗り換えていくのが、長くサイトを運営するうえでの賢いやり方なんだと思います。
関連記事は、せっかく書いた記事を読み終えた人に「お、これも読んでみようかな」と思ってもらうための、小さな橋渡しです。たった数件のリンクが、読者をサイトの中にぐっと引き止めてくれることもあります。まずはお使いの環境に合った方法で、気軽に設置してみてくださいね。