「スマホガチャ」と言えば、人気ゲーム『グランブルーファンタジー』のアンチラ炎上騒動が記憶に新しいですよね。「70万円ガチャにつぎ込んでも欲しいキャラが出ないなんてグラブりすぎだろ!」というフレーズまで生まれる始末です。
今回の騒動の対応として、グラブルは「課金額の上限(約9万円)を設けること」と「装備品個別の出現確率が表記を開示すること」になりました。
先日開示されたガチャの確率を見ると、最高レアリティのキャラ一体の排出率は「0.007%」。「おいおい、1%ですら100回ガチャして1回出る確率なのに…」って思った方、実はちょっと誤った理解をしています。
「確率1%のガチャを100回まわす」=「1回は出る」ではありません。
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グラブルで開示されたガチャの確率
グラブルで開示された出現割合はこちら。
「0.007%」と聞くと天文学的な数値に感じますが、これはあくまでその1点のキャラが出る確率です。
例えば、10%の確率で排出されるレアリティが100種類あったら1枚あたりの排出率が0.1%になるということです。最高レアリティが出る確率が「0.007%」ということではありません。
スマホガチャは常にハズレが補充される
一見「出現率1%なら100回ガチャを引けばほぼ確実に出る」と思いがちですが、ソシャゲのガチャはそんなに甘くはありません(笑)
よくある間違いが,「出現確率1%なら,100回ガチャを引けばほぼ確実に出るだろう」という思い込みだ。実際のところ,ガチャを100回引いて出現確率1%のものが当たる確率は約63%でしかない。表現を変えれば,100人のプレイヤーがそれぞれ100回引くと,63人は当たるが,残り37人は100回全部ハズレ,という感じだ。
一見するととても不思議に思えるかもしれないが,この“カラクリ”を理解していないと,確率を多めに見積もって予算をオーバーしてしまったり,それほど運が悪いわけでもないのに「なぜこれだけ引いても出ない!」とストレスを溜めることになってしまう。
100人中37人も外れるの!?と驚いた方もいると思います。リンク先の記事では確率の裏付けや理論が細かく書かれていますが、ちょっと難しいので要点だけ簡単に説明します。
実際のガチャ(おもちゃ屋にあるカプセルトイなど)
箱の中に99個のハズレと1個のアタリが入っていると仮定します。
その中から、1/100の確率でアタリを引いていきます。
この時、実際のガチャはハズレを引いたら箱の中に戻さず、補充もされません。そのため、100個全部引けば必ずアタリを入手出来ます。
当たる確率は1/100、1/99、1/98…と徐々に高くなっていきます。
スマホゲームのガチャ
同じく、箱の中に99個のハズレと1個のアタリが入っていると仮定します。
その中から、1/100の確率でアタリを引いていきます。
しかし、スマホゲームのガチャはハズレを引いたら箱の中に戻し、ハズレが新しく補充されます。そのため、100回目にガチャを引く時も箱の中には99個のハズレと1個のアタリが入っています。
当たる確率は常に1/100です。
確率1%のガチャを100回まわして当たる確率は
結果、スマホゲームで出現率1%のガチャを100回まわして当たる確率は約63%となります。
出現確率1%のガチャを100回すべて外す確率は,1回引いて外れる確率(99%)を100回かければいい。つまり0.99の100乗を計算する。
(0.99)100≒0.366
この数字を全体から引いてみよう。1-0.366=0.634
となるので,冒頭の「約63%」が正しい数値であることが証明できた。
ソシャゲのガチャについて「確率をいじっているのでは?」と疑っているユーザーも時折見かけますが、1点狙いで目当てのキャラが手に入る確率はもとより相当低いのです。
熱くなって課金してしまう人は、少しだけ冷静になってこの記事を思い出してください。こんな確率では10万単位で課金しても、運が悪ければ出ないなんてことも普通にありえます。
もちろん、これは確率論なので無課金で激レアキャラを1発で当てる人もいます。これがガチャの面白いところでもあり、怖いところでもあります。このギャンブル性がガチャにハマってしまうカラクリなのかもしれませんね。
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