「サイトに置いたPDF、いったい何回ダウンロードされてるんだろう?」——そんな素朴な疑問から、私のGoogleアナリティクスとの長い格闘は始まりました。
結論から言うと、今のGoogleアナリティクス(GA4)なら、PDFのダウンロード数は特別なコードを書かなくても自動で計測できます。これは昔を知る身からすると、ちょっと感動するくらいラクになった部分です。
この記事は、もともと2011年にWeberNoteの管理人である私が「PDFのクリック数(ダウンロード数)を計測したい」と四苦八苦した記録でした。当時は_trackPageviewだの_trackEventだのを手書きで埋め込む必要があり、コードの置き場所ひとつで取れたり取れなかったり。正直、何日も泣かされたテーマです。
ところが時は流れ、あの頃使っていた「ユニバーサルアナリティクス(UA)」はすでにサービスを終了しました。世代交代した今のGA4では、当時の苦労がウソのように、設定ひとつでファイルのダウンロードを拾ってくれるようになっています。
とはいえ「自動でやってくれる」と聞いても、初めての方は「どこを見ればいいの?」「本当に取れてるの?」と不安になりますよね。WEB制作歴25年、いまだに初心者目線が抜けない私が、つまずきやすいポイントもふくめて、できるだけやさしく順を追って説明していきます。難しい専門用語はかみくだいて進めます。
まず大前提:ユニバーサルアナリティクス(UA)はもう終了しました
昔この記事を読んでくださった方のために、まず大事なお知らせから。
かつて主流だった「ユニバーサルアナリティクス(UA)」は、Googleの公式アナウンスのとおり2023年7月1日に標準版のデータ収集が停止しました。さらにその後、2024年7月1日以降は管理画面やAPIからUAのデータを見ることもできなくなっています。
つまり、2011年当時に私が書いていた_trackEventを使った計測方法は、もう動きません。「あの記事のコードをコピペしたのに動かない…」という方がいたら、それは間違いではなく、単純に時代が変わったからです。
今のGoogleアナリティクスは「GA4(Googleアナリティクス4)」という新しい世代になっています。考え方もUA時代とはかなり変わっていて、PDFのダウンロード計測に関して言えば、むしろ初心者にやさしくなりました。ここからはそのGA4を前提に話を進めますね。
参考: アナリティクスヘルプ / 海外SEO情報ブログ
関連記事:Googleアナリティクスを旧版(UA)で作る方法【UA終了で現在はGA4のみ】
GA4ならPDFのダウンロードは「自動」で計測される
では本題です。今のGA4でPDFのダウンロード数を測るには、何をすればいいのか。
答えは拍子抜けするほどシンプルで、GA4の「拡張計測機能」をオンにしておくだけです。これだけで、PDFをはじめとするファイルのダウンロードが自動で記録されるようになります。
「拡張計測機能」というのは、GA4にもともと用意されている便利機能のこと。基本のタグをサイトに入れておけば、こちらが細かいコードを書かなくても、よくある操作をまとめて自動で計測してくれるしくみです。
Googleの公式ヘルプによると、拡張計測機能でカバーされるのは次のようなイベントです。
- ページビュー(ページの表示)
- スクロール
- 離脱クリック(外部サイトへのリンククリック)
- サイト内検索
- 動画エンゲージメント(YouTube動画の再生など)
- ファイルのダウンロード
- フォームの操作
このうち、私たちが今ほしいのは「ファイルのダウンロード」ですね。2011年の私が何日もかけてやっと取れたあれが、今はリストの一項目としてしれっと自動計測される。いやはや、便利な時代になったものです。
このファイルのダウンロードは、GA4の中では「file_download」という名前のイベントとして記録されます。覚えておくと、後でデータを探すときに役立ちます。
参考: アナリティクスヘルプ / GA4 GUIDE
拡張計測機能をオンにする場所
「自動でやってくれる」とはいえ、スイッチが入っていなければ計測は始まりません。まずは設定がオンになっているか確認しておきましょう。
Googleの公式ヘルプによると、拡張計測機能は管理画面の「データストリーム」の設定の中で、オン・オフを切り替えられるとされています。おおまかな流れはこんなイメージです。
- GA4の管理画面(歯車アイコンの「管理」)を開く
- 「データの収集と修正」のあたりにある「データストリーム」を選ぶ
- 対象となるウェブサイトのデータストリームをクリックする
- 「拡張計測機能」のスイッチがオンになっているか確認する
なお、画面のメニュー名やボタンの位置は、Google側の仕様変更でちょこちょこ変わります。なので「一字一句この通りに出てくるはず」と思い込まず、似た言葉を探す気持ちでいてください。このあたりは、正直Googleさんのさじ加減なので、最新の表示は公式ヘルプで確認するのが一番確実です。
個別の項目は歯車(設定)アイコンから細かく調整できるようになっているので、「ファイルのダウンロードだけはしっかり取りたい」という場合も、ここで状態を見ておくと安心です。
ちなみに昔のUA時代は、計測したいPDFのリンク一本一本に手作業でコードを足していました。それと比べると、画面のスイッチひとつで全部のPDFがまとめて対象になるのですから、ありがたい話です。
参考: アナリティクスヘルプ / アユダンテ
計測される拡張子と、注意したい「クリックが前提」のワナ
ここで少し細かい話を。拡張計測機能は、なんでもかんでもダウンロードとして記録するわけではありません。あらかじめ決められた拡張子のファイルが対象です。
Googleの公式ヘルプによると、対象となる拡張子には「pdf」のほか、Word(doc / docx)やExcel(xls / xlsx)、テキスト(txt)、圧縮ファイル(zip / rar / 7zなど)、動画や音声ファイル(mp4 / mp3など)といった、よくあるファイルがひと通り含まれています。PDFが入っているので、今回の目的にはバッチリですね。
また、ダウンロードのイベントには「どんなファイルだったか」を示す情報も一緒に記録されます。公式ヘルプによると、ファイルの拡張子(file_extension)、ファイル名(file_name)、クリックされたリンクのテキスト(link_text)やURL(link_url)などのパラメータが収集されるとのこと。つまり「どのPDFが何回ダウンロードされたか」まで見分けられるわけです。
ただし、ここに初心者がハマりやすい落とし穴があります。この計測は、あくまで「ユーザーがリンクをクリックしたとき」に動くしくみだということです。
たとえば、PDFへのリンクを右クリックして「リンク先を保存」を選んだ場合などは、リンクのクリックとは見なされにくく、ダウンロードとしてカウントされないことがあります。数字が実際のダウンロード総数とぴったり一致しないことがあるのは、こうした事情があるからです。「あれ、思ったより少ない?」と感じても、それは故障ではなく仕様の範囲、と頭の片隅に置いておきましょう。
参考: アナリティクスヘルプ / GA4 GUIDE
計測したデータはどこで見られる?
設定ができたら、最後は「ちゃんと取れているか」の確認です。せっかく計測しても、見る場所がわからなければ意味がありませんからね。2011年の私も、まさにここで「取れてるはずなのに見つからない!」とジタバタしていました。
GA4では、ファイルのダウンロードは前述のとおり「file_download」というイベント名で記録されます。レポートの中でこのイベント名を手がかりに探すのが基本です。
おおまかには、GA4のレポートにある「エンゲージメント」まわりの「イベント」を開くと、サイトで発生したイベントの一覧が出てきます。その中から「file_download」を探せば、ダウンロードがどれくらい発生しているかをつかめます。
ただし、計測を始めてすぐはデータがGA4の画面に反映されないこともあります。すぐに数字が出なくても慌てず、少し時間をおいて見てみてください。「動いてるかどうか今すぐ確かめたい」というときは、GA4の「リアルタイム」レポートを開いた状態で、自分で実際にPDFのリンクをクリックしてみるのがおすすめです。うまくいっていれば、その操作がリアルタイムの画面に反映されてくるはずです。
なお、レポートのメニュー構成もGoogleの仕様変更で変わることがあります。名前が少し違っていても落ち込まず、「イベント」「file_download」というキーワードを軸に探してみてください。
参考: アナリティクスヘルプ / InnoMark
関連記事:【GA4用語集】ユーザー数・セッション・キーイベントの違いをまとめて解説
まとめ:昔の苦労がウソみたいに、今は設定ひとつ
GA4でPDFのダウンロード数を計測するなら、難しいコードを手書きする必要はなく、「拡張計測機能」をオンにしておくだけで自動的に記録されます。これがこの記事で一番お伝えしたかったことです。
あらためて流れをふり返ると、やることはとてもシンプルでした。まず大前提として、昔のユニバーサルアナリティクス(UA)はすでに終了していて、今はGA4が現役。そのGA4では、データストリームの設定で拡張計測機能をオンにしておけば、PDFを含むファイルのダウンロードが「file_download」というイベントとして自動で計測される、という流れです。
確認するときは、レポートの「イベント」から「file_download」を探す。すぐ反映されないときはリアルタイムレポートで自分でクリックして試す。これだけ押さえておけば、もう迷わないはずです。
注意点として、リンクのクリックが前提のしくみなので、右クリック保存などは取りこぼすことがあり、実際のダウンロード数と完全には一致しない場合があります。あくまで「傾向をつかむための目安」として見るのがちょうどいい付き合い方です。
それにしても、2011年当時の私はコードの置き場所をあちこち動かしては「取れない…orz」とうなだれ、何日もかけてやっと数字が出たときには思わずガッツポーズをしたものです。
それが今では画面のスイッチひとつ。時代の進歩というのは、こういう地味なところでありがたみを感じますね。
ちなみに、ボタンやメニューの名前はGoogle側でちょいちょい変わるので、細かい表示が記事と違っていても気にしないでください。困ったときは公式の「アナリティクスヘルプ」をのぞくのが、遠回りなようで一番の近道です。あなたのサイト運営の参考になればうれしいです。
