スマホゲーム『LOOP THE LOOP 第一幕【飽食の館】』をプレイしました。
『LOOP THE LOOP』は選択肢のあるサウンドノベルゲーム。選択肢と言っても選ぶ場面はほとんどなく、基本一本道なのでゲームと言うよりは小説に近いです。また、選んだ選択肢によってエンディングが変わることもありません。
無料ゲームとしては面白くボリュームもあったので、内容は文句なしにおすすすめなのですが…ちょっと衝撃的な内容です。グロテスクな表現や暴力的な描写が苦手な方は、控えた方がいいかもしれません。
以下、犯人を含む壮大なネタバレが書いてありますので、未プレイの方はとりあえずクリアしてから改めてご覧ください(笑)
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『LOOP THE LOOP 第一幕【飽食の館】』概要とストーリー
繰り返される、退屈な毎日。
「この世界から抜け出してみたい」…そんな願望を抱える高校二年生の主人公が目覚めると、そこは別世界だった。
「欲しいものが何でも手に入る」夢のような不思議な館。そこで、先に館を訪れていた11人との共同生活が始まる。穏やかに続くかと思われた楽しい日々は、ある日突然終わりを迎え…!?
何でも手に入るという、究極の飽和状態が生み出す、止められない惨劇。彼らはこの館から脱出できるのか?そして、この館の秘密とは…?
『LOOP THE LOOP 第一幕【飽食の館】』攻略とレビュー
このゲームを面白くしている一番の要素はキャラクターだと思います。
登場人物が多い物語は、覚えるのが非常に面倒で誰が誰だかわからなくなることもよくあります。このゲームは12人ものキャラクターが出てくるのでかなり心配だったのですが…個々のキャラクターがとても魅力的で、ストレスなく人物を把握することが出来ました。皆それぞれ人間味もあり、感情移入しやすかったです。
私のお気に入りのキャラクターは意外にも?冴木です。現実世界では富も名声も持っている成功者にもかかわらず、抜けているところが多々あり憎めない性格がよかったです。タクトもいい感じだったのですが、あまりにチートすぎてズルイなーとか思っちゃいましたw
そういえばタクトの正体は謎の人気小説家、草野俊太郎でしたね。序盤からそれを思わせる描写もありましたが、なんでも知っている博識なタクトが草野俊太郎をよく知らないと言った時点で「彼が草野俊太郎なんだろうなぁ」と感じました。
館の殺人犯は終盤まで全然わかりませんでした。館にいる12人の中に犯人がいるのか、それとも13人目がいるのか…私は次のように考えました。
まず13人目の存在は否定しました。根拠はちょっとズルイのですが、こういうゲームって知っている人物の中に犯人がいないと面白くないと思うんです。家族のように幸せな時を過ごした人間の中に犯人がいるからこそ、怖いし引き込まれるのだと思います。なので、やはり12人の中に犯人がいると仮定して登場人物の性格を考えました。
- 冴木…大企業の若き社長。リーダー的存在で館の仕組みに詳しい。
- タクト…自称サラリーマン。飄々としているが、とても頭のキレる人物。
- カリン…明るくて社交的。まっすぐで天真爛漫な女の子。
- カエデ…いいトコのお嬢様。真面目だが酒を飲むと人が変わるw
- ユキ…ふわふわおっとり系の女の子。みんなに優しく癒される。
- アキ…謎の芸術家。しゃべることが出来ず何を考えているのか謎。
- カイ…兄貴的存在。豪快な感じと思いきや意外とナイーブないじられキャラ。
- ルカ…頭のいい高校生。館のことを個人的に色々調べている。
- エリカ…妹的存在。いつも元気にしゃべっている。
- ジェイ…ミュージシャン。強気な発言が多くちょっと怖い。
- アヤ…読書が好きな女の子。周りとあまり馴染めず暗い印象。
容疑者として最初にはずれたのがジェイとアキ。ジェイは乱暴者、アキは不思議な人物。あからさまに怪しいこの二人はないな、と。次に冴木も過去を隠している事実や挙動を皆に疑われているので、違うと感じました。私の中では怪しくない人ほど怪しく感じたのです。
で、一番怪しくないと思ったのがユキ。おっとりしていて優しくて可愛い。こういう人が犯人だと「怖ぇええ」ってなりますよね。しかし、残念ながら(笑)犯人はユキではありませんでした。私が犯人を特定できたのは、タクトが「部屋には剥製も出せるのか?」と気がついた場面。
犯人は…第一被害者のルカでした。
自分の死体はルカがイメージして生み出した偽物だったということです。確かにこの館なら可能ですね。犯行の動機については、端的に言うと「冴木達は人殺しだから殺られるまえに殺る」と私は受け取りました。そして、他の人間も信用できないから、みんな殺して新しい住人を選別しようと考えたようです。うーん…怖い。
ちなみに館から脱出する方法は時計の針を進めること。主人の無念が館を生み出したということですが…この世に未練を残す原因としてはちょっと弱い気もしました。ちなみに時計は最初から存在感ある描写がされていたので、何か脱出の鍵になる雰囲気はありましたね。
欲しいものが何でも手に入る『飽食の館』
目をつぶってイメージすれば、どんな高価な物でも食べ物でも手に入る『飽食の館』…皆さんは行きたいですか?
私は行きたくないです。
いや、厳密には期間限定なら行ってみたいです。
もし私が館で生活をすることになったら、好きなものが何でも手に入ることに大きな不安を感じてしまうと思います。欲する物を自由に手に入ることに慣れてしまうのが恐ろしいです。タクトが「何でも手に入るのが本当に幸せか」みたいなことを言っていましたが、私も全く同じ感情を持ちました。欲しいものって手に入れるまでが一番楽しかったりしませんか?その過程のない世界に閉じ込められるのは、恐怖以外の何物でもありません。
ただ、私がこういった感情を持つのは、ある程度欲しいものを手に入れられる環境だからなのかな…とも思いました。普段あまり意識していませんでしたが、そう思える日常に感謝しなければですね。
続編やサイドストーリーも出ているので、本作が気に入った方は是非続きもプレイしてみてください。