今話題のスマホゲーム『アナザーエデン 時空を超える猫』。クロノトリガーの加藤正人氏や光田康典氏が手がけているシングルプレイ専用超大作冒険RPGです。
『アナザーエデン(以下アナデン)』は、スマホゲームではお決まりのスタミナ制やマルチプレイ要素を全て取っ払っています。ギルドやレイドなど、対人プレイに疲れてしまった人におすすめできる「本当のRPGゲーム」です。
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アナザーエデン公式PV
公式サイト:アナザーエデン 時空を超える猫(アナデン)
アナザーエデンのここが面白い!
マルチ要素なし!ソロプレイ専用ゲーム!
最近はたいていのスマホゲームにマルチ要素が実装されています。
ギルドだ!レイドだ!PVPだ!…もちろんマルチも楽しいですが、自分のペースでプレイすることができない上、課金要素が非常に強いため、すごく疲れるシステムでもあります。そんなマルチプレイにうんざりしていたプレイヤーも多かったのではないでしょうか。
アナデンは完全にソロプレイ専用のゲームとして作られているのが大きな特徴です。ギルドやレイドといったマルチ要素はもちろん、フレンド機能すらないという徹底ぶり。個人的にはすごくいいと思います!
本作のプロデューサーを務めるWright Flyer Studiosの高大輔氏は、このようなシステムを採用するにあたり、以下のように話しています。
──リリース以来、ダウンロード数、セールスランキングともに好調ですが、現在の手ごたえはいかがですか?
高 これまでのスマートフォンゲームになかった作品にできてうれしいと思っています。予想を遥かに超えた反響もいただけていて制作者冥利に尽きます。
──これまでのスマートフォンゲームとは異なる形で挑戦することに対して不安はなかったのですか?
高 少なくとも私自身はなかったですね。2年前の制作開始から、流行っている形で作っても勝負できないと思っていたので、業界をビックリさせられるような新しいゲームを作りたいと考えていました。
──それが“シングルプレイ専用”という新しい形に?
高 はい。ただ、新しい形と言っても、これってこれまで日本が作ってきた旧来のRPGのスタイルであると思うんですよ。ただ、それを新しいビジネスモデルで、スマートフォンという新しいプラットフォームで展開することがこれまでになかったというだけで。
──確かに実際にプレイしてみても昔ながらの日本のRPGっぽさを感じました。“JRPG”感を演出するためにどのような工夫をされたんですか?
高 まず第一にシングルプレイ専用であることですね。もともと日本のRPGはシングルプレイだったと思うんですが、スマートフォンゲームだからマルチプレイやスタミナ制を導入しないといけないという固定概念が業界全体に深く根付いていて、まずそこに立ち向かっていかないと新しいゲームは生まれないと考えました。
きっちり作り込まれたシナリオ
アナデンのシナリオ・演出を手がけているのは『クロノトリガー』や『クロノ・クロス』『ゼノギアス』といったスクエニ黄金期の名作を担当した加藤正人氏。この時代のRPGが好きな人なら、アナデンはどストライクだと思います。
ストーリーは、主人公が殺された未来を変えるため過去、現在、未来を行き来し冒険するというもの。未来を変えるため時空を超える…ベタなストーリではありますが、やっぱりワクワクしますよね。中盤以降、少々急な展開があることも否めませんが、細かいところを気にしなければとても良くできています。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、クロノシリーズにまつわるキャラクターや演出が散りばめられてるのも、ファンにはたまらない要素だと思います。
本当にRPGしている
基本無料のスマホゲームはよく「期待の本格RPG」などといった煽り文句を使っていますが、私は今までスマホゲームをプレイして「おー!たしかに本格RPGだ!」と思ったことは、残念ながら一度もなかった気がします。だいたいどのゲームも決められたクエストをポチポチ押して進めるだけです。
しかし、アナデンは本当にしっかりとRPGしています。
フィールドを自由に歩く、町の人に話しかける、宿屋に泊まってHPとMPを回復、自分の行きたい街に行く、進めるクエストを決める…すごく当たり前のことですが、アナデン以上にRPGしているスマホゲームは今までなかったと思います。
アナザーエデンが今後のスマホゲームを変えるかも
2ちゃんねるなどの掲示板では「ガチャ課金ではなく買い切りだったらよかった」という書き込みを目にしますが、買い切りにしていたらここまで話題にも人気もなかったと思います。
数年前、リリースされた『CHAOS RINGS III』という買い切りのゲームは、スマホながらシナリオ・システムの完成度が非常に高く私は大好きなゲームなのですが、アナデンほど話題にもならず、残念ながらややマイナーなゲームと評されています。
アナデンは、リリースから今日までずっとiPhoneのアプリランキングに入っています。マルチなしのソロ専用ゲームがここまで人気が出るとは、開発陣も思っていなかったのではないでしょうか。ガチャ課金に関しては手放しで褒めることはできませんが、ゲームとして面白ければ完全なソロゲーでもビジネスモデルとして成り立ったという事実は、今後のスマホゲームのトレンドに大きな影響を与えるでしょう。
プロデューサーの高大輔氏はインタビューで今後もシナリオやミニゲーム、外伝などを追加していくと明言しています。もちろん、既存のスマホゲームによくある期間限定イベントではなく、いつ始めても同じように遊べるシステムです。この姿勢がぶれることなく運営できれば、息の長いゲームになると思います。
アナデンは、RPGゲームとして当たり前のことだけど他の開発会社がしなかったことをしっかり詰め込んだ本当のRPGです。「古き良きRPG」を楽しみたい方は是非プレイしてみてください。