年齢を重ねてくると、寝具にちょっと気を遣うようになるものです。私もある時期から「マットレスや枕で睡眠の質って変わるのかな」と気になりはじめ、あれこれ選ぶようになりました。日中の疲れの抜け方が、寝具ひとつで意外と違ってくるように感じたのがきっかけです。
それまで使っていたのは、深夜の通販番組でおなじみの「王様の夢枕」。柔らかくて寝心地は悪くないのですが、朝になると頭の重みでじわっと沈んでしまうのが地味な不満でした。せっかく寝ても首まわりがどこか落ち着かない感じがして、買い替えを考えるようになったんです。そこで誕生日を口実に、前から気になっていた「テンピュール ミレニアムネックピロー」を思いきって買ってみました。
この記事では、私が実際にテンピュールの枕を使ってみた正直な感想と、購入してわかった枕選びのポイントをまとめています。
テンピュールの枕は決して安い買い物ではありません。だからこそ「買って後悔したくない」という気持ち、よくわかります。私自身、それなりに値段を確認してから清水の舞台から飛び降りる気分でレジに向かいました。結論を先に言うと、私には合わなかった部分もあったのですが、その失敗にこそ枕選びのヒントが詰まっていたと思います。サイズ選びでつまずいた私の体験が、これから選ぶ方の参考になればうれしいです。なお、寝心地の感じ方や合う・合わないには個人差が大きいので、その点はあらかじめお伝えしておきます。
テンピュール ミレニアムネックピローとは
テンピュールの枕で一番有名なのは、波打つような形が特徴の「オリジナルネックピロー」だと思います。ただ今回私が選んだのは、枕の両サイドに厚みを持たせた「ミレニアムネックピロー(Sサイズ)」のほうです。
メーカーの説明によると、凹型の立体フォルムで仰向け時のフィット感を高めつつ、横向きに寝返りを打ったときもスムーズに移動できるよう、左右に厚みを持たせた設計とのこと。首筋を安定させ、リラックスした寝姿勢をつくることを狙ったモデルだそうです。両サイドが高いので、横向きで寝たときに頭が落ち込みにくいのは理にかなっているなと感じました。
テンピュールといえば、NASAが宇宙飛行士の体を保護するために開発した素材がルーツ、という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。体温と体圧でゆっくり沈み込み、頭や首の形に合わせてフィットしてくれる、いわゆる低反発の代表格ですね。手で押すとじわっと跡が残って、ゆっくり戻ってくるあの感触です。
ひとつ補足しておくと、この「ミレニアムネックピロー」という名称は現在「エルゴ プラスピロー(旧名:ミレニアムピロー)」へと変わっています。テンピュール・ジャパンの公式サイトでもこの名前で扱われており、形状や中身の仕様そのものは引き継がれているようです。今から探す方は「エルゴ プラスピロー」で検索すると見つけやすいと思います。サイズはXS・S・M・Lの展開で、高さがそれぞれ違うのも以前と同じです。名前が変わっただけで「もう売っていないのかな」と勘違いしそうですが、ちゃんと現行品として手に入ります。
出典:エルゴ プラスピロー(旧名:ミレニアムピロー)|枕|テンピュール【公式】
ミレニアムネックピローを使った感想
さっそく使ってみて最初に気づいたのは、「Sサイズなのに思ったより高いな」ということでした。
もちろん購入前に店頭で横になって試してはいたんです。それでもいざ自宅のベッドで毎晩寝てみると、お店で感じた印象とはずいぶん違いました。短い時間ためすのと、一晩じっくり寝るのとでは、首や肩への当たり方が変わってくるんですね。お店の照明の下で数分横になるのと、暗い寝室で朝まで過ごすのとでは、体の力の抜け方そのものが違うのだと思います。
私の場合、振り返ってみると一番低いXSサイズのほうが合っていたように思います。Sだと頭の位置が少し持ち上がりすぎる感覚があり、顎が引け気味になるのが気になりました。
高さが合っていないと、きちんとした姿勢で眠れていない日は朝に首や肩が疲れて感じることもありました。あくまで私個人の感じ方で、体格や寝姿勢によって相性は変わると思います。同じSサイズでも、肩幅のある方や横向き中心の方なら、ちょうどよく収まるのかもしれません。
それから、買ったのが冬だったこともあると思いますが、枕自体はかなり硬めに感じました。テンピュール素材は温度で硬さが変わる性質があり、寒い時期は沈み込みにくくなるようです。実際、暖房の効いた部屋でしばらく置いておくと、最初よりは柔らかくなじむ感じがありました。とはいえ、これは私が前に使っていた枕がかなり柔らかかったので、その反動で硬く感じた部分も大きいかもしれません。
低反発枕の沈み込む寝心地が好きかどうかは、本当に人それぞれです。私には少し硬く高く感じられましたが、これがちょうどいいと感じる方もたくさんいます。柔らかい枕に頭が埋もれるのが苦手で、しっかり支えてほしいという人には、むしろこの安定感が魅力になるはずです。
枕選びで失敗しないためのポイント
今回の買い物を通じて、枕選びには「自分の体に合うかどうか」を見極めるいくつかのポイントがあると実感しました。私の反省も込めて整理しておきます。
1. 高さは寝姿勢との相性で決まる
枕選びで一番大事なのが高さです。仰向けで寝る人と横向きで寝る人とでは、首がまっすぐ保たれる高さが変わってきます。一般的には、横向きの方が肩幅のぶん高めの枕が合いやすいと言われます。寝返りの多い人は、両サイドに厚みのあるタイプが移動しやすくて楽だったりもします。自分が普段どの向きで寝ているかを意識してみると、選ぶ基準がぐっとはっきりします。寝ているときの向きは自分では案外わからないものなので、家族に聞いてみたり、朝起きたときの体勢を覚えておくのも手です。
2. 素材で寝心地は大きく変わる
テンピュールのような低反発は、じんわり沈んでフィットするのが持ち味です。一方で高反発はしっかり押し返してくれて寝返りが打ちやすい。そばがらやパイプ、羽毛など、素材によって硬さも通気性もまったく違います。低反発は夏場に少し熱がこもりやすいと感じる人もいますし、通気性を重視するなら別の素材が向くこともあります。どれが正解ということはなく、好みと体質次第なので、可能なら実物に触れて確かめたいところです。
3. お試しでも「一晩寝てみないとわからない」と心得る
これが今回一番痛感した点です。店頭で数分横になって「いい感じ」と思っても、一晩通して寝ると印象がガラッと変わることがあります。私もまさにこれで、お店ではしっくりきたのに、家で使い続けるうちに高さが気になってきました。返品・交換に対応しているお店や、レンタルで試せるサービスを使うのも一つの手だと思います。高価な枕ほど、こうした制度があるかを買う前に確認しておくと安心です。
4. 迷ったら一つ下のサイズを
もしサイズ選びで迷ったら、私は一つ低いサイズをおすすめします。低すぎる場合は下にタオルを一枚敷けば調整できますが、高すぎる場合はどうにもなりません。マットレスをえぐるわけにもいきませんからね(笑)。タオルで微調整するだけでも寝心地はかなり変わるので、低めを買って足し算で合わせていくほうが融通が利きます。
なお、首や肩のこり、寝起きの不調などが続く場合は、枕だけで解決しようとせず、整形外科などの専門家に一度相談してみるのが安心です。枕はあくまで快適に眠るための道具のひとつ、というくらいに考えておくとよいと思います。
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テンピュール枕の購入を考えている方へ
結論からいうと、私には高さと硬さが合わず、残念ながら毎晩の愛用には至りませんでした。とはいえ、これは私の体格や好みの問題で、枕そのものの出来が悪いという話ではありません。作りはしっかりしていて、価格に見合う質感だというのは正直に感じました。
少し硬めで、低反発のじんわり沈む寝心地が好きな方には、十分におすすめできる枕だと思います。首筋をしっかり支えてほしい人や、横向き寝が多くて寝返りのしやすさを重視したい人にも向いていそうです。両サイドの厚みは、横向きで寝る習慣のある方ほど恩恵を感じられるのではないかと思います。
高価な枕だからこそ、サイズと素材は妥協せず、できれば試してから選んでほしいところです。私のように「お店ではよかったのに」とならないよう、一晩の寝心地を想像しながら選んでみてください。サイズで迷ったら一つ下を、これは私からの数少ない実体験のアドバイスです。
低反発が硬く感じる、寝返りのしやすさを重視したいという方は、押し返してくれる高反発タイプも候補になります。私は別の記事で高反発枕も試しているので、比べる材料にしてもらえればと思います。低反発と高反発、両方の感想を読み比べると、自分がどちらタイプか見えてくるかもしれません。
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枕選びで何より大切なのは、価格や評判よりも「自分の体に合っているか」で、それは一晩寝てみてようやくわかるものだと感じました。首や肩の不調が続くときは無理をせず専門家に相談しつつ、焦らず自分にぴったりの一枚を見つけてもらえたらうれしいです。今回の私のちょっとした失敗談が、あなたの枕選びの遠回りを少しでも減らせたなら何よりです。