年賀状の宛名を50枚、1枚ずつWordに打ち込んでいませんか?
Excelに住所録があるなら、その打ち込みは要りません。Wordの[差し込み文書]タブには、Excelの1行を1枚のはがきや封筒、1枚ぶんのラベルに流し込む「差し込み印刷」があって、名前と住所を差し替えながら全件ぶんを一気に作れます。取引先への案内状の封筒や、発送用の宛名ラベルも同じ仕組みです。
差し込み印刷は、Excelの住所録を整えてから[宛先の選択]→[差し込みフィールドの挿入]→[結果のプレビュー]→[完了と差し込み]と進めれば、はがき・封筒・ラベルのどれも同じ流れで作れます。
縦書きの年賀状なら、Windows版Wordの[はがき印刷]にあるウィザードのほうが早く、郵便番号の枠や縦書きの配置まで自動で組んでくれます。Mac版Wordにはこのウィザードが無いので、作り方が少し変わります。
つまずくのは、たいていWordより手前のExcelです。郵便番号の頭の0が消える、番地の「1-2-3」が日付になる、空の行が1枚ぶんの白紙になる…。0が消えるのと日付になるのはセルの書式、白紙は表の下に残った行のせいです。
私も一度、郵便番号を数値のまま差し込んでしまい、[結果のプレビュー]で1件ずつ見ていったら、0で始まる宛先だけ郵便番号が6桁になっていました。
Wordの画面を行ったり来たりして直すより、先にExcelの表を5分整えるほうが、結局は早く終わると思います。
最初にExcelの住所録を整える
Wordを開く前に、Excel側で決めておくことがあります。
- 1行目は見出しにする(「氏名」「郵便番号」「住所1」「住所2」「敬称」など)。2行目から1件1行で入れる
- 差し込むデータは、ブックの最初のシートに置く
- 郵便番号の列は、セルの書式を[文字列]にしてから入力する
- 途中に空の行を作らない。表の下に書式だけ残った行も消しておく
Microsoftのヘルプも、列名が差し込みフィールドの名前と合っていること、データが最初のシートにあること、郵便番号などの書式を正しく設定しておくことを、差し込みの前の確認として挙げています。
はがきのウィザードを使うなら、見出しは「氏名」「郵便番号」「住所1」「住所2」にしておくと、宛名の位置にそのまま入りやすくなります。住所を1つのセルに全部入れると変なところで改行されることがあるので、番地までを「住所1」、建物名と部屋番号を「住所2」に分けておくのがおすすめですよ。
郵便番号を文字列にする手順
- 郵便番号の列(例:C列)の列番号をクリックして、列ごと選ぶ
- [ホーム]タブの[数値]グループにある[数値の書式]の▼をクリックする
- [文字列]を選ぶ
- 郵便番号を入力し直す
書式を変える前に入れた数字は、0が消えたまま残っています。入れ直すのが面倒なら、先頭に「’」(アポストロフィ)を付けて「’0123456」と打てば、セルには「0123456」と表示され、文字として扱われます。Mac版のExcelでは、[ホーム]タブの書式のボックスで[テキスト]を選びます。
番地だけを別の列に分けている住所録は、もう一つ注意が要ります。「1-2-3」をそのまま打つとExcelが日付として受け取ることがあるので、その列も先に[文字列]にしておくと安心です。
住所録の入力と修正は、Wordにつなぐ前に終えて、上書き保存してから閉じておきます。Microsoftも、変更や追加はWordにつなぐ前に済ませるよう案内しています。
参考:Microsoft サポート(差し込み印刷用のExcelデータの準備)
年賀状の宛名ははがき印刷ウィザードで作る(Windows版)
郵便番号の7つの枠に数字をぴったり合わせる作業、手で配置すると本当に骨が折れます…。縦書きの年賀状なら、はがき専用のウィザードに任せたほうが早いです。
- Wordを起動して[白紙の文書]を開く
- [差し込み文書]タブ→[はがき印刷]→[宛名面の作成]をクリックする
- [はがき宛名面印刷ウィザード]が開いたら[次へ]
- はがきの種類で[年賀 / 暑中見舞い]を選んで[次へ]
- 様式で[縦書き]を選んで[次へ]
- フォントを選び、縦書きの番地を漢数字にするかどうかをチェックで決めて[次へ]
- 差出人も印刷するなら[差出人を印刷する]にチェックを入れ、氏名や住所を入れて[次へ]
- 住所録の指定で[既存の住所録ファイル]を選び、[参照]からExcelのファイルを選ぶ
- 宛名の敬称(「様」など)を選んで[次へ]→[完了]
お年玉くじの付いていない普通のはがきなら、種類は[通常はがき]です。[差し込み文書]タブに[はがき印刷]が見当たらない画面では、[作成]→[はがき印刷]の順にたどります。
完了すると、Excelの1件目が入った宛名面が表示され、画面の上に宛名面用のタブが増えます。そこの[すべて印刷]で全件を連続で印刷でき、[表示中のはがきを印刷]なら今見ている1枚だけ。
名前が2回出る、住所が変なところで切れる、といったずれは、同じタブの[フィールドの一致]で、どの列をどこに入れるかを直せます。
もう一つ、プリンター側の用紙設定を[はがき]に変えておくのを忘れずに。A4のままだと、縮小されたり位置がずれたりします。
参考:富士通 Q&A(Wordではがきの宛名面を作成する方法)
封筒とラベルは[差し込み印刷の開始]から作る
横書きの封筒や宛名ラベルは、ウィザードではなく、[差し込み文書]タブのボタンを左から順に押していく作り方です。
封筒の場合
- [差し込み文書]タブ→[差し込み印刷の開始]→[封筒]をクリックする
- [封筒オプション]で封筒のサイズを選ぶ(一覧に無ければ[サイズを指定]で寸法を入れる)
- [印刷オプション]タブで、プリンターに入れる封筒の向きを確かめて[OK]
封筒の形のページができたら、宛名を入れたいあたりをクリックしておきます。あとは下の「宛先の選択から完了と差し込みまで」に進みます。
ラベルの場合
- [差し込み文書]タブ→[差し込み印刷の開始]→[ラベル]をクリックする
- [ラベル オプション]で、[ラベルの製造元]と[製品番号]を手元のラベル用紙の品番に合わせて選ぶ
- [OK]を押すと、用紙と同じ割り付けの表ができる
ラベルは、左上の1枠にだけ差し込みフィールドを入れて、[複数ラベルに反映]で残りの枠に写す作りです。ここを押し忘れると、1枚目の左上しか埋まりません。
宛先の選択から完了と差し込みまで
ここからは封筒もラベルも同じ手順になります。
- [宛先の選択]→[既存のリストを使用]をクリックし、Excelの住所録を選ぶ
- [テーブルの選択]で住所録のシート(例:Sheet1$)を選び、[先頭行をタイトル行として使用する]にチェックが入っているのを確かめて[OK]
- 宛名を入れたい位置をクリックし、[差し込みフィールドの挿入]の▼から「郵便番号」「住所1」「住所2」「氏名」を順に入れる(間に改行やスペースを入れる)
- ラベルなら[複数ラベルに反映]をクリックする
- [結果のプレビュー]をクリックし、矢印で何件か送って中身を確かめる
- [完了と差し込み]→[文書の印刷]を選び、[レコードの差し込み]で[すべて]を選んで[OK]
「様」を付けたいなら、«氏名»の後ろに「様」と普通に打つだけで全件に付きます。住所録に送らない人が混ざっているときは、[アドレス帳の編集]でその行のチェックを外せば、そこだけ差し込まれません。
いきなり印刷せず、[完了と差し込み]→[個々のドキュメントの編集]で新しい文書に書き出すのも手です。全件が1つのWord文書にまとまるので、1枚ずつ手で直したり、PDFにして誰かに渡したりできます。
Mac版Wordで差し込み印刷するときの違い
Mac版Wordにも[差し込み文書]タブがあり、[差し込み印刷の開始]→[宛先の選択]→[差し込みフィールドの挿入]→[結果のプレビュー]→[完了と差し込み]という流れはWindows版と同じです。封筒とラベルは、上の手順をそのままなぞれます。
違うのは、年賀状を作る[はがき印刷]のウィザードが無いこと。Word 2019 for Macを開いてみて、はがきの宛名印刷ウィザードが無いことに初めて気づいた、という記事もあります。
Macではがきの宛名を作るなら、[レター]で始めてページをはがきの大きさにする形になります。
- [差し込み文書]タブ→[差し込み印刷の開始]→[レター]を選ぶ
- [ファイル]→[ページ設定]で、[用紙サイズ]をはがきにする(プリンターのドライバーに「はがき」がある場合)
- [レイアウト]タブ→[文字列の方向]で縦書きにする
- [宛先の選択]でExcelの住所録を選び、郵便番号・住所・氏名のフィールドを配置する
ただ、郵便番号の7つの枠に合わせる位置決めは自分で詰めることになります。Windowsのパソコンが使えるなら、宛名面だけはそちらのウィザードで作ったほうが早いでしょうね。
参考:ASCII.jp(Mac版Wordではがきの宛名印刷)
郵便番号や数字の書式が崩れるとき
プレビューで郵便番号が6桁になっている、「50%」が「0.5」で入っている。どちらも、Excelのセルの見た目ではなく、中に入っている値がそのまま差し込まれたときに起きます。
Microsoftのヘルプによると、郵便番号は文字列にしておかないと、差し込みのときに先頭の0が消えるとのこと。パーセントの書式も、セルの値に100を掛けて見せているだけです。
- Excelで、郵便番号やパーセントの列の書式が[文字列]になっているか見る
- [文字列]にしたあとで、値を入力し直したか確かめる
- Excelを上書き保存して閉じる
- Wordで[宛先の選択]からファイルを選び直し、[結果のプレビュー]で見る
文字列として入った数字は、セルの左上に緑の小さな三角が付きます。これが出ていれば、0はちゃんと残っていますよ。
縦書きで番地の数字が横に寝るとき
縦書きの宛名で、「3-12-5」の数字だけが90度倒れて並ぶことがあります。半角の数字は、縦書きの中でも横書きの向きのまま入るからです。
はがきのウィザードで作ったなら、ウィザードをやり直して、フォントの画面で番地を漢数字にするチェックを入れるのが手早い直し方。算用数字のまま縦に立てたいなら、次のどちらかです。
- Excelで住所を全角にしてから差し込む(空いている列に
=JIS(D2)と入れると、D2の半角の英数字が全角になる) - [完了と差し込み]→[個々のドキュメントの編集]で書き出した文書で、2桁の数字を選び、[ホーム]タブの[拡張書式]→[縦中横]を設定する
2桁の数字は縦中横、1桁は全角にすると読みやすくなりますが、何十枚もあると縦中横を1か所ずつ設定するのはかなりの作業です。私は迷わず漢数字のチェックのほうを選びます。
空白のページが出る・宛先が1件しか出ないとき
白紙のはがきや空のラベルが混ざる
白紙が混ざるなら、住所録に「中身のない行」が残っています。データを消しただけの行や罫線だけ引いた行も、Wordからは1件の宛先に見えることがあるんです。
- [差し込み文書]タブ→[アドレス帳の編集]を開く
- 一覧の下のほうに、名前も住所も空の行がないか見る
- 空の行のチェックを外して[OK]
- 根本から直すなら、Excelで表の下の行を行ごと削除して保存し、[宛先の選択]で読み込み直す
宛先が1件しか出ない
全件印刷したつもりが1枚だけ出てきた。そんなときは上から順に確かめます。
- [完了と差し込み]→[文書の印刷]から印刷したか確かめる
- [レコードの差し込み]で[すべて]を選んだか確かめる
- ラベルなら、[複数ラベルに反映]を押したか確かめる
- [アドレス帳の編集]で、チェックが1件だけになっていないか見る
1つ目は、[ファイル]→[印刷]で出してしまったときの話です。差し込み文書をふつうの文書と同じように印刷すると、画面に出ている1件だけが紙になることがあります。
Excelのファイルが選べない・開けないとき
[既存のリストを使用]でExcelのファイルを選ぼうとしても一覧に出てこない、選んでもエラーになる。この場合は、ファイルの置き場所と状態を順に見ます。
- 住所録を、パソコンの中のフォルダーかファイル共有に保存し直す
- ファイルを選ぶ画面で、ファイルの種類が[すべてのデータ ソース]になっているか見る
- Excelでそのファイルを開いたままなら、保存して閉じる
- [テーブルの選択]に出るシートの中から、住所録のあるシートを選ぶ
Microsoftのヘルプは、差し込み印刷のデータはローカルのコンピューターかファイル共有に保存するよう書いていて、HTTPの場所はサポートしていません。ブラウザーで開いたOneDriveの住所録や、メールの添付ファイルを開いたままの状態では、いったんデスクトップなどに保存してから選び直します。
拡張子が.csvの住所録も使えますが、CSVをそのままExcelで開くと、郵便番号の0が消えることがあります。CSVしか無いなら、Excelの[データ]タブから取り込み、郵便番号の列を[テキスト]にして保存し直すのが確実です。
参考:Microsoft サポート(差し込み印刷に使用できるデータ ソース)
まとめ
郵便番号の頭の0、番地の「1-2-3」、表の下の空の行。差し込み印刷で崩れるところは、ほとんどがWordではなくExcelの住所録にあります。
流れそのものは、はがきでも封筒でもラベルでも変わりません。[宛先の選択]でExcelをつなぎ、[差し込みフィールドの挿入]で場所を決め、[結果のプレビュー]で中身を見て、[完了と差し込み]で印刷します。縦書きの年賀状だけは、Windows版の[はがき印刷]→[宛名面の作成]のウィザードに任せれば、郵便番号の枠合わせまで済みます。
住所録の1行目を見出しにし、郵便番号を文字列にして、空の行を消してから保存して閉じておけば、Word側はボタンを左から押していくだけになります。
数字が横に寝たら漢数字のチェック、1枚しか出なければ[レコードの差し込み]と[複数ラベルに反映]、ファイルが選べなければ保存場所。症状ごとに見る場所はほぼ1か所に決まっていて、Wordの設定をあちこち触る必要はありません。
私は印刷の前に、[結果のプレビュー]で2件だけ必ず確かめます。0で始まる郵便番号の人と、マンション名の長い人です。0が消えるのも、住所2があふれて改行がずれるのも、この2件で先に分かるからです。