「無料なのに、こんなに高品質なテーマがあるの!?」と感動して飛びついたテーマが、いつの間にか配布元ごと消えていた——。当ブログ「WeberNote」でも、まさにそんな経験をしました。
このページはもともと、Site5というレンタルサーバー会社が配っていた無料WordPressテーマ「AllTuts」を「フリーなのにクオリティ高すぎ!」と紹介する記事でした。ところが今あらためて確認してみると、配布元のs5themes.comはつながらなくなり、Site5そのものも別会社に吸収されて、AllTutsはもう手に入りません。せっかく読みに来てくださったのに「もう存在しません」で終わってしまうのは、あまりにもさみしい話です。
そこでこの記事では、AllTutsのその後をきちんとお伝えしたうえで、初心者の方が今でも安心して使える「無料WordPressテーマの安全な探し方・選び方」を、長年WEB制作をしてきた私が初心者目線でやさしく解説していきます。
無料テーマは、初心者の方にとってサイトづくりの心強い味方です。お金をかけずに、プロが作ったかのような見栄えのいいサイトを作れてしまうのですから、使わない手はありません。とはいえ、選び方を間違えると「配布元が消えて困る」「あやしいテーマを入れてしまう」といったトラブルのもとにもなります。せっかくの無料が、かえって高くついてしまっては本末転倒ですよね。
「無料テーマって、どこで探せば安全なの?」「うっかり変なテーマを入れて、サイトが乗っ取られたりしない?」——この記事では、そんな不安を解消できるよう、探す場所・選ぶ基準・避けるべきテーマの3点を、順番にやさしくお伝えしていきます。テーマ選びでつまずきたくない方は、最後までお付き合いください。
無料テーマ「AllTuts」は今どうなった?
まずは、この記事のもともとの主役だった「AllTuts」の今について、包み隠さずお話しします。
AllTutsは、アメリカのレンタルサーバー会社「Site5」が、s5themes.com(Site5 FREE Premium WordPress Themes)というサイトで無料配布していたWordPressテーマでした。海外らしいおしゃれなデザインで、当時の私はひと目で気に入って当ブログに採用したほどです。

ところが2026年6月時点で確認したところ、配布元だったs5themes.comはアクセスしてもサーバーに接続できず、ページそのものが消えてしまっていました。つまり、AllTutsは公式の入手ルートがなくなってしまったのです。
「じゃあSite5から直接もらえないの?」と思うかもしれません。でも、そのSite5自体ももうありません。Site5は別の会社に買収され、最終的にはブランドごと統合されてなくなってしまったのです。site5.comにアクセスしても、今は別会社のサイトへ転送されるだけになっています。
こうなると、たとえどこかで「AllTuts」のファイルを見つけても、安易にダウンロードして使うのはおすすめできません。配布元が消えたテーマは更新が止まっているため、セキュリティ上の弱点が放置されたままになりがちですし、出どころのあやしい再配布ファイルにはウイルスが仕込まれていることもあるからです。
お気に入りだったテーマがなくなるのはさみしいものですが、ここで大事なのは「次にどう選ぶか」です。WordPressの世界には、AllTutsに負けない素敵な無料テーマが今もたくさんあります。
関連記事:ブログをリニューアルしました。新しいテーマはSite5の「Moments」!
参考: Web.com(Wikipedia) / Site5(Network Solutions)レビュー
無料WordPressテーマは「公式ディレクトリ」で探すのが鉄則
結論から言ってしまうと、初心者の方が無料テーマを探すなら、まずはWordPress公式テーマディレクトリ(wordpress.org/themes)を使うのがいちばん安全で確実です。AllTutsのときのように「配布元が消えて入手できない」というリスクを、ぐっと減らせます。
公式ディレクトリとは、WordPressの開発元が運営している、無料テーマの「公式お店」のようなものです。2026年6月時点で8,000本以上ものテーマが並んでいて、しかもすべて無料で使えます。
なぜここがおすすめかというと、登録されているテーマはすべて「テーマレビューチーム」というボランティアの専門家による審査を通っているからです。審査では、危険なコードが含まれていないか、ライセンス(GPL)に違反していないか、WordPressのルールに沿って正しく作られているか、といった点が細かくチェックされます。
具体的には、PHPやJavaScriptのエラーがないこと、ユーザーが入力したデータをきちんと安全に処理していること、勝手に外部のサーバーから何かを読み込まないこと、などが求められます。問題が多いテーマはそもそも公開を断られる仕組みなので、利用する側は「ひとまず安心して選べる」というわけです。
使い方もとても簡単です。WordPressの管理画面から「外観」→「テーマ」→「新規追加」と進めば、この公式ディレクトリの中身がそのまま表示されます。わざわざzipファイルをダウンロードしてアップロードする必要すらなく、ボタンひとつでインストールできてしまうんです。
どこで探せばいいか分からないときは、まず管理画面のこの場所を開いてみてください。それだけで、あやしいサイトをさまよう必要がなくなります。
もちろん、公式ディレクトリ以外(テーマ制作会社の公式サイトなど)にも良いテーマはたくさんあります。ただ、初心者のうちは「まず公式から」を基本にしておくと、大きな失敗を避けやすくなります。
参考: WordPress公式テーマディレクトリ / WordPress公式 テーマレビューハンドブック
初心者でも失敗しない!無料テーマ選び5つのチェックポイント
公式ディレクトリには何千ものテーマがあるので、今度は「どれを選ぼう?」と迷ってしまいますよね。そこで、初心者の方がチェックしておきたいポイントを5つにしぼってご紹介します。
1つめは「最終更新日」です。テーマの詳細ページには、最後にいつ更新されたかが書かれています。半年〜1年以内に更新されているテーマなら、作者がきちんとメンテナンスしている証拠。逆に何年も更新が止まっているものは、AllTutsのように「いつの間にか使えなくなる」リスクがあるので避けたほうが無難です。
2つめは「有効インストール数」です。多くのサイトで使われているテーマは、それだけ多くの人の目でチェックされていて、不具合も見つかりやすく直されやすいもの。最初の1本としては、利用者の多い定番テーマを選ぶと安心感があります。
3つめは「評価(レビュー)と口コミ」です。星の数だけでなく、実際のレビュー内容にも目を通してみましょう。「サポートの返信が早い」「日本語でもきれいに表示される」といった声があれば、心強い判断材料になります。
4つめは「日本語表示との相性」です。海外製のおしゃれなテーマは魅力的ですが、日本語のフォントだと間延びして見えたり、見出しが崩れたりすることがあります。実は当ブログがAllTutsを使っていた頃も、見出しの日本語が消えてしまう不具合に悩まされました。可能ならデモ画面で日本語を表示してみて、違和感がないか確かめておくと安心です。
5つめは「自分のサイトの目的に合っているか」です。ブログ向き、お店・会社のサイト向き、写真をたくさん見せたいギャラリー向きなど、テーマには得意分野があります。デザインの好みだけで選ばず、「自分は何を発信したいか」と照らし合わせて選ぶと、後悔が少なくなります。
この5つを意識するだけで、「入れてみたけどイマイチだった…」という失敗をぐっと減らせます。迷ったときは、公式の定番テーマ(Twenty Twenty-Fiveなどの公式テーマや、利用者の多い人気テーマ)から試してみるのもおすすめです。
参考: WordPress公式 テーマ必須要件 / WordPress公式テーマディレクトリ
こんなテーマは要注意!避けたい無料テーマの見分け方
安全な探し方の裏返しとして、「これは危ないかも」というテーマの特徴も知っておくと、ぐっと失敗しにくくなります。
まず気をつけたいのが、検索で出てくる「無料テーマ配布サイト」からの安易なダウンロードです。中には、人気の有料テーマを勝手に無料配布しているサイトもあり、そうしたファイルには悪意あるコード(マルウェア)が仕込まれているケースが少なくありません。安く済ませたつもりが、サイトを乗っ取られて大損、という最悪のパターンもあるのです。
次に、配布元がはっきりしないテーマも避けましょう。誰が作っているのか、いつ更新されたのかが分からないテーマは、何かあっても頼る先がありません。今回のAllTutsのように、ある日突然入手も問い合わせもできなくなることだってあります。
また、「インストールすると勝手に大量のプラグインを入れようとする」「管理画面に消せない広告が出続ける」といったテーマも要注意です。公式ディレクトリの審査では、こうした強引な動きは原則として認められていませんが、外部から入れるテーマには紛れていることがあります。
判断に迷ったら、シンプルな基準を持っておくと安心です。「公式ディレクトリにあるか」「配布元が明確か」「最近も更新されているか」——この3つがそろっていないテーマには、初心者のうちは手を出さない。これだけでも、危ないテーマのほとんどを避けられます。
無料テーマは、上手に選べば本当に頼もしい味方です。お金をかけずに、見違えるほど素敵なサイトを作ることもできます。だからこそ「タダより高いものはない」状態にならないよう、出どころと中身をしっかり見極めていきたいですね。
参考: WordPress公式 テーマ必須要件 / WordPress公式 テーマレビューハンドブック
まとめ:消えたテーマを惜しむより、安全な選び方を身につけよう
かつて当ブログが惚れ込んだ無料テーマ「AllTuts」は、配布元のs5themes.comもSite5本体も姿を消し、今では公式に入手する方法がなくなってしまいました。お気に入りがなくなるのはさみしいですが、これはWordPressの世界では珍しくない出来事でもあります。
だからこそ大切なのは、「どのテーマを使うか」だけでなく「どう選ぶか」という目を持つこと。今回ご紹介したポイントを、最後にもう一度おさらいしておきましょう。
無料テーマを探すなら、まずはWordPress公式テーマディレクトリ(wordpress.org/themes)から。ここに並ぶテーマは専門チームの審査を通っているので、初心者の方でも安心して選べます。管理画面の「外観」→「テーマ」→「新規追加」から、ボタンひとつでインストールできる手軽さも魅力です。
選ぶときは、「最終更新日」「有効インストール数」「評価・口コミ」「日本語表示との相性」「自分のサイトの目的に合うか」の5つをチェック。そして、出どころのあやしい配布サイトや、配布元がはっきりしないテーマには手を出さない——この基本を押さえておけば、大きな失敗はまず避けられます。
テーマ選びは、サイトづくりのいちばん楽しい部分でもあります。AllTutsのように「これだ!」と思える一本に、またきっと出会えるはずです。今度は安全な道を通って、お気に入りを見つけてくださいね。
消えてしまったテーマを惜しむ気持ちは、新しいテーマを見つける力に変えていけます。今回の選び方を手がかりに、安心して使える一本を見つけていきましょう。