【2026年版】商用利用OK・漢字対応の日本語フリーフォントおすすめまとめ

鉛筆立てとノート

「日本語の無料フォントって、結局どれを使えばいいの?」——制作の現場にいると、これは本当によく聞かれる質問です。アルファベットだけのフリーフォントは星の数ほどありますが、漢字までしっかり用意されていて、しかも商用利用OKとなると、ぐっと数が絞られてくるんですよね。日本語フォントは一文字ずつ漢字を作り込む必要があって、制作の手間がアルファベットの比ではありません。それを無料で公開してくれている作者さんや企業には、毎度のことながら頭が下がります。

この記事は、もともと私が10年以上前に書いた「商用利用OKの日本語フリーフォントまとめ」を、現在も入手できるものへ全面的に作り直したものです。当時紹介していたフォントの中には、配布が終わっていたりリンクが切れていたりするものもあったので、今もちゃんとダウンロードできて、商用利用が認められている定番の日本語フリーフォントだけを厳選し直しました。

読み終わるころには、Webサイトにも資料作成にも使える「とりあえずこれを入れておけば間違いない」フォントの全体像がつかめるはずです。Google Fonts経由でWebフォントとしてすぐ使えるものを中心に、手書き系の遊べるフォントまで、用途別に紹介していきますね。ライセンスは私のほうで配布元を確認していますが、規約は変わることがあるので、実際に使う前にはご自身でも各サイトをチェックしてください。

まずは大前提:「商用利用可」と「OFL」の話

個別のフォントに入る前に、ひとつだけ知っておくと役立つ話をさせてください。今回紹介する定番フォントの多くは、SIL Open Font License(OFL)というライセンスで配布されています。

難しそうな名前ですが、ざっくり言うと「無料で使っていいよ、商用でもOK、改変して別フォントを作るのも自由」という、とても太っ腹なライセンスです。ただし「フォントファイル単体を売るのはダメ」「改変版を配るときも同じOFLで配ること」という条件がついています。普通にデザインや制作で使うぶんには、まず気にせず使って大丈夫なものだと考えてください。

逆に、手書き系フォントなどは作者さんが独自の規約を定めていることが多いです。こちらは「商用OKだけど一部用途は要連絡」といったケースもあるので、後述の各フォントで触れていきます。

Webにも資料にも万能:定番ゴシック体

Noto Sans JP(ノト・サンス・ジェーピー)

迷ったらこれ。GoogleとAdobeが共同開発した、もはや「日本語Webフォントの標準」と言ってもいい存在です。漢字の収録数も多く、Thin〜Blackまでウェイトが豊富で、見出しから本文まで一本でまかなえます。OFLなので商用利用も完全にOK。

同じシリーズに明朝体の「Noto Serif JP」もあり、こちらも漢字対応・商用可です。Google Fontsから読み込めば、サーバーにフォントを置かなくてもWebフォントとして使えるのが何より手軽。「とりあえず無難に決めたい」ときの第一候補として、まずこれを覚えておけば困りません。

ちなみにNoto Sans JPは、Adobeが配布する源ノ角ゴシック(Source Han Sans)と中身が同じ兄弟フォントです。源ノ明朝(Source Han Serif)= Noto Serif JPの関係も同様。名前が違うだけで実体は近いので、「どっちを使えばいいの?」と悩まなくて大丈夫です。

LINK:Noto Sans Japanese – Google Fonts
LINK:Noto Serif Japanese – Google Fonts

関連記事:日本語対応!GoogleとAdobeが高品質なオープンソースフォントをリリース

BIZ UDゴシック / BIZ UD明朝(モリサワ)

あの老舗フォントメーカー・モリサワが、ユニバーサルデザイン(UD)フォントをGoogle Fontsで無料公開しています。これがかなり優秀。「読み間違えにくい」「文章が読みやすい」ことを徹底的に追求した設計で、官公庁や教育現場の資料でもよく採用されています。

プロのフォントメーカーが作ったUDフォントを無料で、しかも商用OK(OFL)で使えるのは、正直ありがたすぎます。プレゼン資料やマニュアル、読みやすさが命のWebサイトには、これを選んでおくと外しません。文字間が詰まった「BIZ UDPゴシック」(プロポーショナル版)もあるので、見出しにはこちらも便利です。

LINK:BIZ UDGothic – Google Fonts
LINK:モリサワ「BIZ UDフォント」提供のお知らせ

M PLUS 1p / M PLUS Rounded 1c

クセがなくモダンで、Web・アプリのUIにすっと馴染むのが「M PLUS」シリーズ。とくに角を丸めた「M PLUS Rounded 1c」は、やわらかく親しみのある雰囲気を出したいときに重宝します。LP(ランディングページ)の見出しなんかに使うと、ぐっとフレンドリーになりますよ。

こちらもGoogle Fontsから利用でき、OFLで商用利用可。前のバージョンの記事で紹介していた「Rounded M+」の流れを汲むフォントで、今はGoogle Fonts版が一番手軽に使えます。

LINK:M PLUS 1p – Google Fonts
LINK:M PLUS Rounded 1c – Google Fonts

IBM Plex Sans JP

知る人ぞ知る実力派が、IBMが手がける「IBM Plex Sans JP」。IBMのコーポレートフォント「IBM Plex」の日本語版で、GitHubでオープンソース(OFL)として公開されています。2025年のアップデートでAdobe-Japan1-7の文字コレクションを完全カバーし、漢字の収録もかなり手厚くなりました。

Noto系や源ノ系に少し飽きてきた人、欧文と和文のトーンをきれいに揃えたい人には「定番とはひと味違う、でも堅実な選択肢」としておすすめです。Google Fontsからも利用できます。

LINK:IBM Plex Sans JP – Google Fonts

個性を出したいときに:デザイン系フォント

Zen Maru Gothic / Zen Kaku Gothic

デザイナーの方が手がける「Zen Fonts」シリーズも、今やすっかり定番入り。角丸でやさしい「Zen Maru Gothic(丸ゴシック)」、端正で読みやすい「Zen Kaku Gothic(角ゴシック)」など、用途に合わせて選べるラインナップが魅力です。

Google Fontsで配布されていてOFL、もちろん商用OK。定番ゴシックだと無難すぎるけれど、奇をてらいすぎたくない——そんな「ちょっとだけ個性」を出したいときにちょうどいいバランスのフォントです。

LINK:Zen Maru Gothic – Google Fonts
LINK:Zen Kaku Gothic New – Google Fonts

やさしさゴシック

前のバージョンの記事でも「一番よく使っている」と書いていた、フロップデザインさんの「やさしさゴシック」。ゴシック体なのにどこか手書き風のあたたかみがあって、漢字も豊富。今もちゃんと配布が続いていて、現在はBOOTHなどから入手できます。

商用・非商用を問わず使えますが、こちらはGoogle FontsのOFLではなくM+フォントとIPAフォントライセンスの二重ライセンスです。改変や再配布には条件があるので、ダウンロードファイル内の規約には目を通しておきましょう。資料作成やバナーなど、ぬくもりを出したい場面でいまだに頼れる一本です。

LINK:フリーフォント「やさしさゴシック」のダウンロード – フォントな

関連記事:やさしさゴシックとは?商用利用OKの無料日本語フォントの入手先と使いどころ

851チカラヅヨク

筆で勢いよく書いたような、力強い手書き和文フォント。POPやチラシ、動画のテロップで「ガツンと目を引きたい」ときに効きます。作者さんが「商用利用可。チラシや同人誌や動画などにご自由にお使いください」と明言してくれているのも安心ポイント。

同じ作者さんの「851チカラヨワク」(こちらはやわらかい雰囲気)とセットで覚えておくと、表現の幅が広がりますよ。定番ゴシックだけだと味気ないデザインに、ひと匙のアクセントを加えてくれるフォントです。

LINK:851チカラヅヨク配布だす

WebフォントとしてCSSで使うには

「ダウンロードして使う」だけでなく、Webサイトに組み込みたい人も多いと思います。Google Fonts系のフォントなら、サーバーにファイルを置く必要すらありません。HTMLの<head>でフォントを読み込んで、あとはCSSのfont-familyで指定するだけ。たとえばNoto Sans JPなら、こんな感じです。

/* Google Fontsで読み込んだ後のCSS指定例 */
body {
  font-family: "Noto Sans JP", "BIZ UDPGothic", sans-serif;
  font-weight: 400;
}

h1, h2 {
  font-family: "Zen Maru Gothic", "Noto Sans JP", sans-serif;
  font-weight: 700;
}

ポイントは、font-familyの最後にsans-serifなどの総称フォントを必ず入れておくこと。万一フォントが読み込めなかったときの保険になります。表示速度が気になる場合は、使うウェイト(太さ)を必要な分だけ絞って読み込むと、ページが軽くなりますよ。

フォントの探し方・選び方のコツ

最後に、自分でフォントを探したいときのヒントも少しだけ。新しいフォントを探すなら、まずはGoogle Fonts(日本語フィルターあり)を覗くのが一番手っ取り早いです。OFLで商用OKのものがほとんどなので、ライセンスで悩む確率が下がります。

選ぶときは「かっこいいか」より先に、本文用か・見出し用かを意識すると失敗しません。本文には読みやすいゴシックや明朝(Noto系、BIZ UD系)、見出しや装飾には個性のあるフォント(Zen系、手書き系)——と役割で分けると、サイト全体が一気に締まります。

そして何より大事なのが、冒頭でも書いたライセンス確認です。「無料」と書いてあっても、配布サイトのまとめではなく必ず作者・配布元の公式ページで最新の規約を確かめるのがプロの基本。今回のリンクもすべて配布元へ飛ぶようにしてあるので、活用してください。

関連記事:Webサイトのフォント選び方|Noto・Helveticaから学ぶ最適なフォント設計

まとめ:迷ったらNoto、こだわるなら個性派を

商用利用OKで漢字までしっかり使える日本語フリーフォントを、現在も入手できる定番だけに絞って紹介してきました。改めて振り返ると、本文は「Noto Sans JP」か「BIZ UDゴシック」、見出しやアクセントには「Zen系」「M PLUS Rounded」「851チカラヅヨク」あたりを足す、という組み合わせがあれば、たいていの制作は乗り切れます。ここで挙げたものは私自身が配布元でライセンスを確かめたものばかりなので、安心して引き出しに加えてもらえると思います。

それにしても、10年前と比べて驚くのは、モリサワやIBMといったプロのフォントメーカーや大企業が、ここまで高品質なフォントを無料で、しかも商用利用OKで開放してくれるようになったことです。昔は「漢字対応の無料フォントを探すだけでひと苦労」だったのが、今では「選択肢が多すぎて迷う」という、ぜいたくな悩みに変わりました。フリーフォントの世界は、この数年で本当に豊かになったなあとしみじみ感じます。作者さんや企業の好意の上に成り立っているものですから、感謝の気持ちを忘れず、ライセンスだけはきちんと守って、ありがたく使わせてもらいましょう。

気になるフォントが見つかったら、あれこれ悩む前に、まずは一つだけ自分のサイトや資料に入れて試してみてください。本文のフォントを変えるだけでも、作るものの印象はびっくりするほどガラッと変わります。「なんとなくしっくりこない」が「お、いい感じ」に変わる瞬間は、地味だけど制作のいちばん楽しいところ。あなたの「これだ!」と思える一本を、ぜひこの中から見つけてもらえたらうれしいです。