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バッテリーが膨らんだスマホの捨て方|処分できる回収先とデータ消去

充電中のスマートフォン

机に置いたスマホが、片側だけ浮いてカタカタ動く。画面のふちに爪が引っかかる。ケースを外してみたら、背面がうっすら盛り上がっていた——それはバッテリーが膨らんでいるサインです。

リチウムイオン電池は劣化が進むと内部にガスがたまり、外装を内側から押し広げます。スマホやタブレットの電池は本体に固定されているので、ふくらんだぶんの逃げ場は画面と背面しかありません。だから画面が持ち上がり、最後はガラスを押し割って電池が露出します。

困るのはここからです。この状態の端末をどこに持って行けばいいのかが、調べてもなかなか出てきません。家電量販店に置いてある電池の回収ボックスは使えません。ネット買取に送ろうにも、宅配便が受け付けてくれません。かといって不燃ごみに混ぜれば、収集車の中で潰されて発火します。

結論を先に書くと、バッテリーが膨らんだスマホ・タブレットの引き取り先は携帯ショップです。ドコモもauもソフトバンクも、他社で買った端末を無料で回収しています。回収だけなら予約なしで受け付ける窓口もあります。

ただし、そのまま持って行くと店頭で止まることがあります。iPadのように対象から外れる機種があること、データ消去は自分で済ませておく前提になっていること。この2つを知らずに行くと、出直しです。

この記事では、膨らみに気づいた直後にやめること、回収ボックスが使えない理由、携帯ショップ・自治体・メーカーという3つの窓口、初期化の段取り、そして捨てずに直す道までをまとめます。膨らんだ端末は放っておくほど危険が増えるので、行き先だけでも今日決めてしまうのが安全です。

膨らみに気づいたら、まず充電をやめる

やることは2つだけです。充電ケーブルを抜く。そして使うのをやめる。

膨らんだ電池の中には可燃性のガスがたまっています。充電は電池に電気を押し込む行為なので、そのまま続けると発熱と膨張がさらに進みます。

そのうえで、次の扱いは避けてください。どれも膨らんだ電池に圧力や熱を加える行為です。

  • ケースに入れたまま押し込む、きついポケットやカバンに挟む
  • 浮いた画面を指や工具で押し戻す
  • 自分で分解する、画面をこじ開ける
  • 車内やダッシュボード、直射日光の当たる窓際に置く

とくに画面が浮いているときは、ケースをいったん外してください。ケースは本体を四方から押さえる部品なので、膨らみが進むほど電池を圧迫します。

「膨らんでいる」の見分け方

はっきり反っていれば迷いませんが、初期の膨らみは分かりにくいものです。Googleが公開しているPixel 7aの修理プログラムでは、対象となる症状として本体の膨らみが目で見て分かること、スマートフォンの背面が膨らんでいること、バッテリーの消耗が通常より著しく早いことを挙げています。

自分で確かめるなら、平らな机に置いて四隅を軽く押すのが早い方法です。対角線でシーソーのように動くなら、内側から押されています。画面とフレームの境目に隙間が見えるかどうかも目安です。

外せる電池のほうが心配な人は、モバイルバッテリー側の記事に危険性とNG行動をまとめてあります。

家電量販店の回収ボックスには入れられない

家電量販店やホームセンターに置いてある小型充電式電池の回収ボックスは、JBRC(一般社団法人JBRC)の仕組みです。ここに入れれば無料でリサイクルされる——と思いたいところですが、膨らんだスマホは二重の意味で対象外です。

1つ目は電池の状態です。JBRCが回収の条件として挙げているのは「破損、水濡れや膨張等の異常のある電池」でないこと。膨らんだ時点で、ボックスの対象から外れます。

2つ目は、もっと根本的な話です。JBRCが回収するのは機器から取り外した電池で、機器に内蔵されたままのものは扱いません。例外として本体ごと回収されるのはモバイルバッテリーだけで、これは「分解して電池を取り出さないでください」と名指しで案内されています。

つまりスマホ本体は、膨らんでいようがいまいが、最初からあのボックスの対象ではないわけです。ここを取り違えると「どこにも出せない」と詰んだ気分になりますが、実際には出口は別の場所にあります。

参考:JBRC 廃棄方法(回収対象/対象外説明)

受け皿は携帯ショップ。他社で買った端末も無料

携帯電話は、キャリア各社が共同で回収の仕組みを持っています。モバイル・リサイクル・ネットワークと呼ばれるもので、どこで買った端末でも、どの会社と契約していても、無料で引き取ってもらえます。

ドコモ・au・ソフトバンクの窓口

auは「ブランド・メーカー・通信会社を問わず」回収すると書いていて、故障している端末も対象だと明記しています。持ち込み先はau Style/auショップ、UQスポット、トヨタのau取扱店。回収だけなら来店予約も必須ではありません。ドコモは全国のドコモショップとd garden、ソフトバンクはソフトバンクショップとワイモバイルショップが窓口です。

膨らんだ端末を受け付けるかどうかも、確認されています。PC Watchがドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの4社に取材した記事では、いずれも膨張したバッテリーを積んだ端末を受け付けると回答しています。家電量販店が一律で断るのとは対応が分かれる部分です。

ただし例外があります。auはiPadを回収の対象外としています。同じ取材でソフトバンクもiPadやApple Watchを例外に挙げているので、タブレットを持ち込むつもりなら電話で先に確認したほうが確実です。店舗ごとの判断もあるので、遠い店に行く前のひと手間として効きます。

参考:au リサイクルへの取り組み

iPhoneとiPadはApple Storeという手もある

キャリアの窓口から外れたときの受け皿がAppleです。Apple Trade Inには「下取りの対象にならないApple製デバイスや使わなくなったアクセサリは、私たちが安全に無料でリサイクルします」と書かれていて、お近くのApple Storeへ持ち込む形が案内されています。

膨らんだiPhoneやiPadは下取り額こそ付きませんが、リサイクルは受けてもらえる、という位置づけです。Apple Storeが近くにない場合は、正規サービスプロバイダに電話で相談すると扱いを教えてもらえます。

持ち込む前に、データはすべて消しておいてください。Appleも「データを保存したら、リサイクルに出すデバイスから個人データをすべて削除してください」と案内しています。

参考:Apple Trade In

データ消去は自分の仕事。店は消してくれない

ここが今回いちばんの落とし穴です。回収に出す端末のデータ消去は、どの会社も利用者本人の作業としています。

ドコモは「回収を行う前にお客さま自身でデータの消去をお願いしております」と明記しています。auも同じで、オールリセットは持ち込む側が行う前提です。

さらに厄介な事実があります。ドコモは引き取った端末に穴をあけて操作不能にする処理をしていますが、これは電池を内蔵していない機種の話で、電池が取り外せないスマホには安全面を考慮して穴開けを行いません。膨らんだ電池に穴を開ければどうなるかを考えれば当然の運用ですが、「店で壊してくれるから大丈夫」という思い込みは通用しないということです。

だから順番が大事です。膨らんだ端末は、いつ電源が入らなくなってもおかしくありません。auの案内には「電源がつかない場合はリセット不要」という一文があり、裏を返せば、電源が入らなくなった端末はリセットできないまま手放すことになります。

まだ画面が点くなら、今日のうちに次の作業を済ませておいてください。

  • 写真と連絡先をクラウドかパソコンにバックアップする
  • SIMカードとmicroSDカードを抜く
  • 電子マネーやモバイル交通系ICの残高を移行する、または払い戻す
  • iPhoneは「探す」をオフにしてから「すべてのコンテンツと設定を消去」
  • Androidは端末からGoogleアカウントを削除してから初期化する

Androidでアカウントを先に消すのは、初期化後に前の持ち主のアカウントを求められる保護機能を残さないためです。順番を逆にすると、手放したあとで面倒が起きます。

参考:ドコモ ケータイリサイクルに関するよくあるお問い合わせ

下取り・ネット買取・フリマは選択肢から外す

まだ値段が付くのでは、と考えたくなる気持ちは分かります。結論から言えば、膨らんだ端末で値段を狙うのは分の悪い勝負です。

下取りプログラムは条件がはっきりしています。ソフトバンクの案内では、電源が入らないもの、各種ロックが解除されていないもの、初期化されていないもの、IMEIなどの製造番号が確認できないものは対象外。筐体の変形や画面割れは、対象外ではないものの減額の対象です。膨らんで背面が反った端末は、この減額の話に乗る前に、次の壁に当たります。

その壁が輸送です。ヤマト運輸は宅急便のよくある質問で「電池部分が壊れてたり、故障したバッテリーが内蔵されているものはお取扱できません」と明記しています。加えて個人から預かった荷物は航空機で運べないため、離島や遠方はもともと制約があります。

送れないということは、郵送でやり取りするネット買取も、集荷を使う下取りも、フリマアプリでの発送も成立しないということです。発送を受け付けてもらえたとしても、運搬の途中で発火すれば他人の荷物やドライバーを巻き込みます。

残るのは店頭に直接持ち込む方法だけ。そう考えると、無料でも引き取ってくれる携帯ショップは十分に現実的な着地点です。

参考:ヤマト運輸 リチウムイオン電池を内蔵している製品・機器は、送れますか?

自治体に出す道もあるが、地域差が大きい

住んでいる市区町村で引き取ってもらえる場合もあります。ただし、ここは全国共通の答えがありません。

横浜市を例にすると、2025年12月から「電池類」の収集が始まり、乾電池と一緒に小型充電式電池も集積場所に出せるようになりました。それでも膨張・破損したものは集積場所に出せず、各区の資源循環局事務所へ直接持ち込むという扱いです。バッテリーが取り外せない小型家電は、同じ収集日でも別の袋に分けるよう案内されています。

一方、大阪市は膨張・変形したものも回収の対象にしています。こちらも回収ボックスには入れず、環境事業センターの窓口で職員に手渡す形です。電話で申し込めば職員が自宅まで取りに来る訪問回収もあります。同じ「膨らんだ電池」でも、住所が違えば運び方から変わるわけです。

調べ方はシンプルです。「市区町村名 リチウムイオン電池 出し方」で検索して分別ページを開き、膨張品の記載がなければごみ担当課に電話で聞きます。窓口さえ分かれば、あとは指示どおりに運ぶだけで終わります。

参考:横浜市 小型充電式電池(リチウムイオン電池等)の収集

捨てる前に、無償で直せないか確認する

膨らみは寿命のサインであると同時に、製品の不具合として扱われることがあります。処分を決める前に、型番で修理プログラムを調べておく価値は十分あります。

はっきりした例がGoogle Pixel 7aです。Googleは一部の端末でバッテリーが予期せず膨張することを認め、最初の購入日から3年間、無償のバッテリー交換を1回受けられる延長修理プログラムを用意しました。日本も対象国に含まれていて、持ち込み修理センターでの交換に対応します。交換ではなく、返金やハードウェアの割引コードを受け取る道も選べます。同じ形のプログラムは、Pixel 8にも。

iPhoneは、保証期間を過ぎていてもAppleのバッテリーサービスを使えます。膨らんだまま使い続けるのは危険なので、電源が入るうちに相談したほうが選択肢は広がります。

修理に出すか処分するかの分かれ目は、端末の残り寿命よりも「まだ中のデータを取り出せるか」で考えると決めやすくなります。電源が入るなら修理も初期化も選べますが、入らなくなった時点でどちらも難しくなるからです。

膨らませない使い方は、モバイルバッテリーでもスマホ本体でも共通しています。高温を避ける、充電しっぱなしにしない、この2つが効きます。

まとめ

外せる電池と外せない電池では、出口がまったく別の場所にあります。ここを取り違えているあいだは、いくら調べても答えにたどり着きません。要点をもう一度並べます。

  • まず充電をやめ、ケースを外して圧力をかけない。押し戻す・分解するは厳禁
  • 家電量販店の回収ボックスは、膨張品も機器内蔵の電池も対象外
  • 引き取り先は携帯ショップ。他社端末も故障品も無料で、回収だけなら予約なしの窓口もある
  • iPadなど対象外の機種はAppleへ。無料リサイクルの窓口がある
  • データ消去は自分の仕事。電池内蔵機には穴開け処理もしてもらえない
  • 宅配便が受け付けないので、ネット買取もフリマも成立しない
  • Pixel 7aのように、無償でバッテリーを交換できるプログラムがある

引き出しにしまい込むのがいちばん危険なのは、モバイルバッテリーでもスマホでも変わりません。膨らんだ電池は時間とともに進行し、夏場の室温や車内で一気に悪化します。

持ち込む日が決まるまでは、金属製の缶やふた付きの不燃容器に入れて、燃えやすいものから離した場所に置いてください。電源は切っておきます。

そして、電源が入るうちに初期化を済ませること。これが後回しにできない唯一の作業です。画面が点かなくなった端末は、店に持って行っても中身を消せないまま渡すことになります。

意外なのは、膨らんだ端末の受け入れ先がすでに整っていることです。家電量販店で断られた経験があると「どこも受け取ってくれない」と思い込みがちですが、断っているのは回収ボックスのルールであって、携帯ショップの窓口ではありません。

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