財布を開けたら、マイナンバーカードを差していたポケットだけが空になっている。病院の受付や役所の窓口で、こういう気づき方をすることがあります。
家の中を探しても出てこないとき、最初にやることは警察への届け出でも役所の窓口でもなく、1本の電話です。マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)で一時利用停止をかけると、実物のカードだけでなく、スマホに追加したマイナンバーカードも一緒に使えなくなります。
この受付だけは24時間365日。深夜に気づいた日でも、年末年始でもかけられます。
スマホの分をもう1本かけて止める必要はありませんが、カードが手元に戻るまではスマホのマイナンバーカードも止まったままなので、「カードは無いけどスマホがあるから何とかなる」とはいきません。
見つからなければ再発行です。紛失・盗難の場合は「特急発行・交付制度」が使えて、発行手数料は2,000円、交付申請から原則1週間で住民登録の住所に簡易書留で届きます。申請の期限は、紛失してから30日以内。
逆に、止めたあとでカードが出てきたときは、電話をかけ直して解除……とはなりません。一時利用停止の解除は、カードを持って市区町村の窓口へ行く手続きです。
私もマイナンバーカードをスマホで読み取らせるとき、カードのどこに背面を合わせればいいのか分からず、何度もやり直したことがあります。読み取りの失敗は何度でもやり直せますが、カードそのものが無い状態では、再発行を待つ以外にやりようがありません。
なお、失くしたのがカードではなくスマホのほうなら、止め方も戻し方も変わります。
最初の1本はフリーダイヤル。警察も役所もそのあと
マイナンバー総合フリーダイヤルは 0120-95-0178。一般の問い合わせには受付時間がありますが、紛失・盗難による一時利用停止だけは24時間365日の対応で、一部の外国語にも対応しています。
- 0120-95-0178(マイナンバー総合フリーダイヤル)に電話する
- 音声ガイダンスで[2番]を選ぶ
- 案内に従って、マイナンバーカードの一時利用停止を伝える
デジタル庁が示している順番も、この電話が1番目です。2番目が警察への遺失届または盗難届、3番目が、見つからない場合の市区町村窓口での廃止手続きと再交付申請。止めるのが先で、届け出と窓口はそのあとという並びになっています。

私なら、外で落とした心当たりがあるときは、探すより先に電話します。止めたあとで出てきても、窓口へ行けば解除できるからです。
参考:デジタル庁の案内
スマホのマイナンバーカードは、実物を止めた時点で一緒に止まる
スマホに入れたほうは別枠で生きているのでは、と考えたくなります。実際は逆でした。
デジタル庁は「iPhoneのマイナンバーカードは利用できません」と表示される理由を3つ挙げていて、そのうちの1つが「iPhoneまたは実物のマイナンバーカードの紛失や盗難のためコールセンターでの一時利用停止を行ったとき」。残りの2つは氏名や住所を変更したときと、カードや電子証明書の有効期限が切れたときです。
Androidのマイナンバーカードも同じで、氏名や住所の変更、有効期限の満了、紛失・盗難の場合に利用不可となることがある、と案内されています。
そのため、スマホ側にもう1本電話をかける必要はありません。そのぶん、カードを止めている間はスマホからのマイナポータルのログインも止まります。
見つからずに廃止手続きまで進んだ場合も同じで、デジタル庁は「廃止手続きを行うと、スマートフォンにマイナンバーカードを追加している場合は、連動して利用できなくなります」と書いています。カードとスマホは、片方だけ生き残る作りにはなっていないんですね。
警察への届け出は、受理番号を控えるところまでが手順
外で落とした可能性があるなら、交番か警察署で遺失届を出します。盗まれた疑いがあるときは盗難届です。
- 最寄りの交番か警察署で、遺失届または盗難届を出す
- 受理番号を控える
- 控えた番号を、市区町村の窓口へ行くまで保管する
デジタル庁の手順にも「受理番号を控えてください」とわざわざ書かれています。あとから思い出せる種類の番号ではないので、その場で書き留めるしかありません。
電車やバスで落とした心当たりがあるなら、警察に回る前に鉄道会社やバス会社の側で止まっていることもあります。届く先と期限が決まっているので、順番を間違えると探す先が増えます。
見つかったら、解除は電話ではなく窓口
止めたあとでカードが出てきた場合、一時利用停止の解除は市区町村の窓口で行います。止めるのは電話1本でも、戻すほうは窓口まで足を運ぶ必要がある、ということです。
静岡市の案内では、本人が手続きする場合に持っていくのはマイナンバーカード本体と、住民基本台帳用の数字4桁の暗証番号。電子証明書を使っている人は、解除にあわせて電子証明書が再発行されるため、利用者証明用の数字4桁と署名用の6〜16桁も必要になります。
必要なものは自治体によって書き方が違うので、行く前に自分の市区町村のページを見ておくと空振りを防げます。
窓口の手続きが終わっても、スマホ側は自動では戻りません。マイナアプリを開いて「利用を再開」の操作をします。
- マイナアプリを起動し、[利用を再開]をタップする
- 顔の動きを撮影して本人確認をする
- 券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)を入力する
- 署名用パスワード(英数字6〜16文字)を入力する
- 実物のマイナンバーカードを読み取る
ここから使えるようになるまでに待ち時間があります。朝8時から19時30分のあいだに操作した場合はおおむね数分後、19時30分以降なら翌朝8時以降(平日・土日祝日とも)。通知が届いてから実際に使えるまで、さらに5分ほどかかります。
参考:静岡市の案内
見つからないときは30日以内に窓口へ。再発行は2,000円で原則1週間
探しても出てこない場合は、住民登録のある市区町村の窓口で、紛失したカードの廃止手続きと再交付の申請をします。
- 市区町村の窓口で、紛失したカードの廃止手続きをする
- 続けて交付申請をする(本人確認書類・マイナンバーカード交付申請書・暗証番号設定依頼書)
- 窓口で発行手数料2,000円を払う(電子証明書が不要な場合は1,800円)
- 簡易書留で届く新しいカードを、対面で受け取る
※交付申請書と暗証番号設定依頼書は窓口でもらえるので、先に用意していく必要はありません。
紛失・盗難の場合は、原則1週間で再交付できる「特急発行・交付制度」を使えます。ただし交付申請ができるのは紛失してから30日以内で、事情があって間に合わないときは市区町村に相談する扱いです。
受け取りが簡易書留なので、日中ずっと留守にしがちな人は、配達の受け取り方まで考えておいたほうが早く終わります。
そして、廃止の手続きをした時点で、スマホのマイナンバーカードも連動して利用できなくなります。新しいカードが届いたら、再開ではなく追加からやり直しです。
新しいカードが届いたら、スマホにはもう一度追加する
用意するものは、マイナアプリ、新しい実物のマイナンバーカード、券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)、署名用パスワード(英数字6〜16文字)の4つ。AndroidはこれにGoogle ウォレットアプリとおサイフケータイ アプリが加わります。
iPhoneは iOS 18.5以降を搭載した iPhone XS 以降が対象です。
- マイナアプリを起動し、ホームの[追加をはじめる]をタップする
- 顔の動きを撮影して本人確認をする
- 券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)を入力する
- 署名用パスワード(英数字6〜16文字)を入力する
- カードの上にスマホの背面を合わせ、[読み取り開始]をタップする
- スマホ側の利用者証明用暗証番号(数字4桁)を新しく決める
- スマホ側の署名用パスワード(英数字6〜16文字)を新しく決める
- Appleウォレット(AndroidはGoogle ウォレット)に追加する
追加した時刻によって、使えるようになるタイミングが変わります。朝8時から19時30分なら数分後、19時30分以降なら翌朝8時以降。再開のときと同じ待ち方です。
Androidはこのあとに、もう一度カードを読み取る本人確認と、端末のロック(顔・指紋・パスコード)を暗証番号のかわりに使う設定が入ります。手順の数はiPhoneより少し多めですね。
つまずくのは、たいてい暗証番号のところ
追加でも再開でも、実物のカードの暗証番号を2種類聞かれます。数字4桁の券面事項入力補助用暗証番号と、英数字6〜16文字の署名用パスワードです。
再発行を受けた人は、この2つを窓口の「暗証番号設定依頼書」で新しく決めています。前のカードで使っていたものとは別物なので、昔の記憶のまま入力すると弾かれます。
両方が分からなくなった場合は、住民票のある市区町村の窓口でリセットしてもらう流れ。マイナンバーカードのICチップは一定回数間違えるとロックがかかり、本人が手続きをしないと解除できない作りです。
新しいカードを受け取った日のうちに一度スマホへの追加を試しておくと、決めたばかりの番号が頭に残っているうちに終わります。後日に回すと、思い出すところから始めることになります。
まとめ
最初の1本は0120-95-0178、音声ガイダンスは2番です。紛失・盗難による一時利用停止は24時間365日の受付なので、気づいたのが深夜でもその場でかけられますよ。
この電話で、実物のカードと一緒にスマホに追加したマイナンバーカードも使えなくなります。そのため、スマホ用にもう1本かける手間は要らないかわりに、カードが戻るまでスマホからのマイナポータルも止まります。
見つかったときは、市区町村の窓口で一時利用停止を解除して、そのあとマイナアプリで「利用を再開」。見つからなければ、紛失から30日以内に窓口で廃止と再交付を申請します。
再発行は発行手数料2,000円(電子証明書が不要なら1,800円)で、交付申請から原則1週間、簡易書留で住民登録の住所に届きます。
新しいカードが届いたあとのスマホは、再開ではなく追加のやり直し。券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)と署名用パスワード(英数字6〜16文字)は、窓口で決めた新しいほうを使います。
カードを失くしたときにかける電話は1本で足りて、スマホの分は一緒に止まる。あとは見つかるかどうかで、窓口へ行く用件が解除になるか再発行になるかに分かれます。
申請から手元に届くまでの原則1週間は、病院の受付でも、コンビニでの証明書の発行でもカードは使えません。
だから私は、出先で財布のカードポケットを一度のぞくくらいのことはしています。止める電話も再発行の申請もその日のうちにできますが、届くのを待つ時間だけは縮めようがないからです。