「あなたのパソコン、まだWindows Vistaを使っていませんか?」
……なんて聞かれると、ちょっとドキッとする方もいるかもしれません。Vista(ビスタ)は2007年に登場したWindowsで、当時は鳴り物入りで発売されたOSでした。ところが、その後の評判はなかなかに厳しく、「とにかく重い」「XPのほうが良かった」なんて声もよく聞かれたものです。
このブログでも、はるか昔の2011年に「XPより短命なVista、サポート終了で来年4月以降使えない」という記事を書いていました。正直に白状すると、当時の私はそのVistaユーザー。XPからVistaのパソコンに買い替えたばかりで、「後輩のはずのVistaが、先輩のXPより先にサポート終了ってどういうこと!?」と、わが身のことながら頭を抱えたのを覚えています(笑)。
「Vistaなんて、もう誰も使っていないでしょ」と思うかもしれません。でも、家電量販店で当時たくさん売れたパソコンですから、押し入れや実家、物置の奥などで、今もひっそり電源の入るVista機は意外と残っているものです。
そして、そういう「現役を引退したはずのOS」を知らずに使い続けてしまうと、実はちょっと怖いことになりかねません。だからこそ、まずは正しい事実を知っておくことが大切なんです。
あれから十数年。Windows Vistaのサポートはとっくに終わり、状況は当時の予想からさらに先へ進みました。
この記事では、Windows Vistaのサポートが結局いつ終了したのか、なぜ「XPより短命」と言われたのか、そして今もVistaのパソコンを使い続けるとどんな危険があるのかを、初心者の方にもわかるようにやさしく整理します。
難しい専門用語はできるだけ使わず、「結局どうすればいいの?」というところまで、ひとつずつ噛み砕いてお話ししていきますね。「実家のパソコンがまだVistaかも…」という方も、「昔そんな話あったなあ」と懐かしむ方も、ぜひ最後までお付き合いください。
そもそも、どんなニュースだったの?(2011年当時のおさらい)
まずは、当時どんな話だったのかを軽くおさらいしておきましょう。
ポイントは「サポート期間の逆転現象」でした。本来なら、新しいOSほど長くサポートされそうなものですよね。ところが当時の予定では、先輩であるWindows XPのサポートが2014年まで続くのに対し、後輩のはずのVistaは2012年4月でいったん区切りを迎える、とされていたのです。
「えっ、後から出たVistaのほうが先に切られるの?」。多くの人がそう感じ、ちょっとしたニュースになりました。背景にあったのは、なんといってもXPの記録的な大ヒットです。あまりに多くの人が使い続けたため、マイクロソフトもXPのサポートを長めに据え置かざるを得なかった、という事情がありました。
【結論】Windows Vistaのサポートは2017年4月11日に終了しました
では、実際のところVistaのサポートはいつ終わったのか。結論からいきましょう。
Windows Vistaの延長サポートは、2017年4月11日に完全に終了しました。その前段である「メインストリームサポート」については、2012年4月10日に終了しています。
少しややこしいのですが、Windowsのサポートには大きく分けて「メインストリームサポート」と「延長サポート」の2段階があります。当時のニュースで「2012年4月に終了」と言われていたのは、このうち前者のこと。実際にはその後も延長サポートとしてセキュリティ更新などが提供され、最終的に2017年4月11日ですべて打ち切られた、というのが正確なところです。
つまり2011年当時、「2012年で終わり」と早合点していた人(はい、私です)からすると、Vistaは思っていたより少しだけ長生きしてくれた、ということになりますね。とはいえ2017年を最後に更新は完全にストップ。今となっては、れっきとした「サポートが終わったOS」です。
参考: ITmedia(Vistaサポート終了の報道) / CISA(米政府機関によるサポート終了の告知)
ちなみにXPはいつ終わった?(2014年4月8日)
比較対象だったWindows XPのほうも見ておきましょう。XPのサポートは、予定どおり2014年4月8日に終了しました。発売から実に12年以上にわたって使われ続けた、まさに歴史的な長寿OSでした。
結果として「XP(2014年)→ Vista(2017年)」という順番になり、最終的にはちゃんと後輩のVistaのほうが長く生き残った形です。当時ヤキモキしていた私としては、なんだか少しだけホッとするオチでした(笑)。
参考: Microsoft公式ブログ(XPサポート終了の告知)
なぜVistaは「短命」「不遇」と言われたのか
ここで、少しだけVistaというOSの思い出話にお付き合いください。
Vistaは見た目こそ華やかで、半透明のデザイン「Aero(エアロ)」など、当時としては先進的な要素もありました。ただ、その分だけパソコンに求めるスペックが高く、「とにかく重い」という印象を持った人が多かったのも事実です。私のVistaパソコンもメモリは2GB。当時としても余裕があるとは言えず、起動するたびに「うーん…」とうなっていました。
さらに、直前のXPがあまりに使いやすく安定していたことも逆風になりました。「XPで困っていないのに、なぜわざわざ重いVistaに変えなきゃいけないの?」という空気ですね。こうしてVistaは、華々しい登場のわりに早めに次のWindows 7へバトンを渡すことになり、「不遇のOS」というイメージが定着していきました。
ちなみに、このVistaでの反省が、軽快で評判の良かったWindows 7につながった、という見方もあります。失敗から学んで次に活かす。なんだか人間くさくて、個人的には嫌いになれないOSなんですよね。
今もVistaのパソコンを使うのは危険?
さて、ここがいちばん大事なところです。
もし今、手元にVistaのパソコンが残っていて、それをインターネットにつないで使っているなら。はっきり言って、おすすめはできません。
サポートが終了したOSには、新しいセキュリティ更新プログラムが提供されません。つまり、後から見つかった弱点(脆弱性)が、いつまでも穴あきのまま放置されてしまう状態になります。そこをウイルスや不正アクセスに突かれると、個人情報を抜き取られたり、パソコンを乗っ取られたりするリスクが一気に高まります。
関連記事:パソコン乗っ取りも!Internet Explorerで見つかった脆弱性の対応策
「ネットにつながなければ大丈夫では?」というのは、ある程度は正しい考え方です。完全にオフラインで、昔の写真を眺めるためだけ、といった用途ならまだ使い道はあるかもしれません。ただ、メールやネットを少しでも使うのであれば、素直に、今もサポートが続いているWindows(現在ならWindows 11)への乗り換えを考えるのが安心です。
まとめ
Windows Vistaの「XPより短命」騒動と、その後をふり返ってきました。
あらためて整理すると、こうなります。Vistaのメインストリームサポートは2012年4月10日に、延長サポートは2017年4月11日に終了。比較対象だったXPは2014年4月8日に終了しました。当時は「後輩なのに先に切られる」と話題になりましたが、フタを開けてみれば、最終的にはVistaのほうがXPより長く生き残ったわけです。
そして何より大切なのは、Vistaに限らず「サポートが終わったOSをネットにつないで使い続けるのは危険」だということです。更新が止まったOSは、時間がたつほど穴だらけになっていきます。
パソコンのOSは、車でいう車検のようなものだと私は思っています。メーカーの面倒見(サポート)が続いているうちは安心して走れますが、それが切れたまま公道を走り続けるのは、やっぱり不安が残りますよね。OSも同じで、サポートという「後ろ盾」があるかどうかは、安心感に直結します。
「まだ動くんだから、もったいない」と使い続けたくなる気持ちは、Vistaを最後まで粘って使っていた私には痛いほどよくわかります。それでも、安全とのバランスを考えると、サポートのあるパソコンに乗り換えるメリットはやっぱり大きいです。あわてて買い替える必要はありませんが、少しずつでも準備しておくと、いざというときに困らずにすみますよ。
特に、ネットバンキングやお買い物、写真や連絡先といった大切な情報をパソコンに入れている場合は要注意です。万が一のときに失うものが大きいぶん、サポートの切れたOSのまま使い続けるのは、できるだけ避けたいところです。
もしご家族や実家のパソコンで「これ、まだVistaかも?」と思い当たるものがあれば、これを機にぜひ一度チェックしてみてください。安全に、そして気持ちよくパソコンを使うための、いちばん基本で大事な一歩になるはずです。この記事が、その小さなきっかけになればうれしいです。