「あと5分で23時だ」と、時計を見ながらパソコンの前でスタンバイしていた記憶、ありませんか。
あのころのインターネットは、いつでも好きなときにつながるものではありませんでした。時間を選び、電話回線を占領し、ピーヒョロロという音とともに接続する。
画像が上から順にじわじわ表示されるのを、お茶をいれながら待つ。今の光回線とスマホしか知らない人には、たぶん別の惑星の話に聞こえます。
ネット上には、そういう時代を通ってきた人を指す「インターネット老人会」という言い回しがあります。悪口というより、ちょっとした勲章?のような扱いです。
私も気づけば立派な会員で、いまだにモデムの接続音を聞くと当時の部屋の空気まで思い出します。
というわけで今回は、その「年季」を測るチェックリストを作りました。テレホーダイやモデムの接続音、ジオシティーズやポケベルなど、懐かしいネット文化にまつわる15問に答えて、当てはまった数から自分のインターネット老人度を判定できる記事です。
ただ、懐かしいねで終わらせるのはもったいない。各項目には「そのサービスがいつ始まって、いつ終わったのか」という事実も添えました。記憶があいまいだった部分の答え合わせにもなります。
若い人がやっても大丈夫です。0点でも何も減りませんwむしろ「昔のネットってそんなに不便だったの?」と驚いてもらえたら、それはそれで成功だと思っています!
紙とペンは不要です。上から順に読んで、当てはまったものを指折り数えていくだけ。最後に判定表を用意しました。
このチェックの遊び方
ルールは単純です。これから並べる15問を読んで、「やったことがある」「知っている」と思えたら1点。
15点満点で、記事の終盤に判定表を置いています。実際に体験していなくても、当時の空気を知っていれば加点でかまいません。細かいことは言いっこなしです。
それでは初級編から。
初級編:ここが分かれば入り口です(Q1〜Q5)
Q1:テレホーダイの23時を、時計を見ながら待った
指定した電話番号への通話が、23時から翌朝8時まで定額でかけ放題になるサービス。それが「テレホーダイ」です。
プロバイダのアクセスポイントを登録しておけば、深夜だけは通話料を気にせずネットにつなげました。だから23時ちょうどにアクセスが集中し、「テレホタイム」という言葉まで生まれたわけです。
NTT東日本・西日本が1995年に開始し、固定電話網のIP網への移行にあわせて2023年末で終了しました。約28年の歴史です。
22時50分ごろからチャットの部屋に人が集まりはじめ、23時をまたいだ瞬間に一気に増える。あの妙な連帯感は、常時接続になってから完全に消えました。
参考:NTT東日本の公式案内
Q2:モデムの接続音を口で再現できる
ピー、ガガガガ、ヒョロロロ……。ダイヤルアップ接続でおなじみだった、あの音です。
あれはモデム同士が「どの速度でやり取りするか」を決めるための信号を、そのまま音として出していたもの。人間には雑音でも、機械にとっては真面目な自己紹介でした。
家族が電話を使うと接続が切れるので、「今つないでるから電話しないで」という攻防が各家庭で繰り広げられていました。
Q3:アクセスカウンターのキリ番を踏んで報告した
個人サイトの下のほうにあった、訪問者数を表示するカウンター。10000などのキリのいい数字を踏んだら、掲示板やメールで報告する文化がありました。
踏んだ人にはイラストのリクエスト権がもらえたり、管理人からお礼が返ってきたり。今のフォロワー数より、はるかに人間くさいやり取りだったと思います。
ちなみに、狙って踏むためにリロードを連打するのは暗黙のマナー違反でした。
Q4:「工事中」のGIFアニメを貼ったことがある
ヘルメットをかぶった人がスコップを振るう、あの小さなアニメーション。「このページは工事中です」という宣言です。
更新が追いつかないページにとりあえず貼っておくと、なんとなく許される空気がありました。そして、その工事はだいたい永遠に終わりません。
素材配布サイトから「直リンク禁止」の注意書きとセットでダウンロードしていた人は、迷わず1点で。
Q5:Windows 95の発売を、深夜のニュースで見た
Windows 95の日本語版が発売されたのは1995年11月23日。日付が変わった瞬間に販売を始める店があり、秋葉原などに行列ができた様子がテレビで大きく報じられました。
OSの発売がニュース番組でトップ級に扱われるというのは、後にも先にもそうそうありません。
「インターネット」という言葉が一般家庭に届いた入り口が、まさにここでした。
中級編:ここから年季が出ます(Q6〜Q10)
Q6:Yahoo!ジオシティーズに自分のホームページを持っていた
無料でホームページを作れるサービスの代表格でした。初期は街の名前と番地を組み合わせたURLで、自分のサイトがどこかの「街」に属している感覚があったのが面白いところです。
日本版は1997年に始まり、2019年3月31日で終了しました。21年分の個人サイトがまとめて消えることになり、終了のときは「貴重な資料が消える」と惜しむ声があちこちから上がりました。
個人が自分の手でページを作って公開する。今の感覚だとハードルが高そうですが、当時はむしろそれが普通の入り口でした。
参考:ジオシティーズ終了の報道
Q7:Internet Explorerが「インターネット」だと思っていた
デスクトップにある青いeのアイコン。あれを押すことが「インターネットを開く」ことでした。
Internet Explorer 11のサポートは、2022年6月16日(日本時間)に終了しています。長くWeb制作者を悩ませてきた相手でもあり、動作確認の対象表から名前が消えたときは、正直ちょっと拍手しました。
今は代わりに青い波の形をしたEdgeのアイコンが置かれていますが、いまだに「eのマーク」と呼ぶ人がいます。
Q8:Flashのゲームや動画を毎日のように見ていた
ブラウザ上で動く軽快なアニメーションやゲーム。個人制作の作品が大量に投稿され、フリーゲームやネット発の音楽・動画文化の土壌になりました。
Adobe Flash Playerのサポートは2020年12月31日で終了し、2021年に入るとブラウザからも取り除かれました。
当時の作品の多くは、HTML5などへ移植されるか、そのまま見られなくなりました。ネットの記憶があっさり消えることを、はっきり体感した出来事です。
Q9:ADSLモデムの入った袋を、街頭で受け取ったことがある
駅前でモデム入りの袋を配り、その場で申し込みができた光景。ブロードバンドが一気に広まったきっかけです。
Yahoo! BBのADSLは2001年9月に始まり、2024年3月31日で終了しました。NTT東西の「フレッツ・ADSL」も、光回線のエリアでは2023年1月末で提供を終えています。
参考:ソフトバンクの公式案内
電話線でつないでいた家庭が、次々と光に乗り換えていった時代でした。
関連記事:ADSLは終了!これからの光回線の選び方と料金の見方、代替手段まで解説
Q10:フロッピーディスクでファイルを持ち歩いた
1枚あたり1.44MB。今のスマホで撮った写真なら、1枚すら入りません。
容量が足りずにファイルを分割して複数枚にまたがって保存し、片方を紛失して泣く、という事故もよくありました。
保存アイコンが四角い形をしているのは、このフロッピーが由来です。実物を見たことがない世代にとっては、もはや「謎の四角」でしかありません。
上級編:これが分かれば相当です(Q11〜Q15)
Q11:ポケベルで「0840」と打っていた
数字の語呂合わせでメッセージを送る文化がありました。0840は「おはよう」、4649は「よろしく」、14106は「愛してる」。数字だけで会話が成立していたわけです。
個人向けのポケベルは、最後まで残っていた東京テレメッセージのサービスが2019年9月30日に終了し、日本から姿を消しました。1960年代に始まったサービスが、半世紀を超えて幕を閉じたことになります。
公衆電話のプッシュ音で入力していた人は、加点2点でもいいくらいです!
参考:ポケベル終了の報道
Q12:「写メール」という言葉が新しかった
カメラ付き携帯で撮った写真をメールで送る。今では当たり前ですが、当時はちょっとした衝撃でした。
カメラを内蔵した携帯電話が登場したのは2000年11月。J-フォンのシャープ製端末が最初で、翌2001年の夏に「写メール」という名前で打ち出したところ大ヒットしました。
もともとは特定サービスの名前だった言葉が、「写メ」という動詞のように一般化した。ブランド名としては、これ以上ない成功例です。
Q13:iモードのメニューリストからサイトを探した
ケータイでネットにつなぐといえばiモード。公式サイトは「メニューリスト」からたどり、そこに載っていないサイトはURLを手打ちするか、検索サイト経由で探しました。
iモードは1999年2月に始まり、2026年3月31日にFOMAとともに終了しました。27年の歴史です。
ボタンを何度も押して文字を打ち、パケット代を気にしながらページをめくる。あの窮屈さの中で、絵文字を使った独特のコミュニケーションが育っていきました。
Q14:ISDNのターミナルアダプタを設定したことがある
電話とネットを同時に使えるデジタル回線、それがISDNです。NTTでは「INSネット」の名前で提供されていました。
ADSLが普及する前の主役で、家に置いたターミナルアダプタ(TA)の設定に苦戦した記憶がある人は、迷わず1点で。
電話回線を使ったデータ通信「INSネット(ディジタル通信モード)」は、固定電話網のIP網移行にあわせて2024年1月から順次終了しました。
Q15:Skypeで無料通話やチャットをしていた
2000年代に一気に広まった、インターネット通話の代表格。海外にいる相手と無料で話せることが、当時は本当に画期的でした。
SkypeはMicrosoftに買収されたのち、一般向けサービスが2025年5月5日に終了しています。現在はTeamsへの移行が案内されています。
「スカイプする」という言い方が普通に通じていた時期を知っていれば、これも1点です。
判定:あなたのインターネット老人度
指折り数えた点数を、こちらの表と照らし合わせてみてください。
- 0〜3点:デジタルネイティブ/生まれたときから常時接続。速度が遅いネットを知らない、幸せな世代です。
- 4〜7点:見習い会員/ガラケーや初期のSNSには触れている世代。ダイヤルアップは伝聞レベルでしょう。
- 8〜11点:正会員/個人サイトや掲示板の空気を肌で知っている層。「テレホ」で通じます。
- 12〜14点:古参/回線の設定を自力でやっていた人たち。TAやモデムの型番まで覚えていたら重症です。
- 15点:名誉会長/もはや生き字引。当時の話を書き残しておくと、後世の資料になります。
私は数えたら13点でした。フロッピーとキリ番のあたりで一気に加点されるのが、我ながら味わい深いところです。
ちなみに当ブログには診断系の記事が他にもあるので、まだ遊び足りない人はこちらもどうぞ。
関連記事:サイコパス診断100問まとめ|答え付き・一問一答の心理テスト集
まとめ
テレホーダイからSkypeまで、15問を並べてきました。
こうして年表のように並べてみると、今回登場したサービスのほとんどが、すでに終了しているという事実に気づきます。テレホーダイは2023年末、Yahoo! BBのADSLは2024年3月末、Skypeは2025年5月、iモードは2026年3月末。ここ数年で立て続けに幕が下りました。
つまりこのチェックリストは、懐かしいネタ集であると同時に、日本のインターネットが通ってきた道の記録でもあります。
不便だった時代の話に見えて、実は「今の当たり前がどう作られてきたか」をたどるリストになっている、というのがこの15問の面白さです。
個人的に一番惜しいと思っているのは、消えてしまったコンテンツそのものです。Flashの作品も、ジオシティーズの個人サイトも、多くは戻ってきません。技術の終了は仕方ないとしても、そこに乗っていた文化まで一緒に消えてしまうのは、やはりもったいない。
だからこそ、当時を覚えている人は、断片でもいいので書き残しておく価値があると思います。ブログでも、メモでも、家族に話すだけでも構いません。細かい記憶は、思っているより早く薄れます。
逆に点数が伸びなかった人は、今のネットがどれだけ快適か、少しだけ想像してみてください。ページが一瞬で開くこと、動画が途中で止まらないこと、電話中でもネットが使えること。当時はどれも夢のような話でした。
そして高得点だった人へ。この15問、家族や職場の若い人にそのまま出題してみると、想像以上に反応が分かれて面白いです。「ピーヒョロロ」の説明のところで、確実に一度は笑いが起きますよ!