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PDFのファイルサイズを小さくする方法|メールに添付できないとき

資料

資料のPDFを添付して送ろうとしたら、「ファイルサイズが大きすぎます」で止められた。あるいは、提出先のフォームが「10MBまで」なのに、手元のファイルは23MBある。

検索すれば、ブラウザにPDFをドラッグするだけで軽くしてくれるサービスがずらりと出てきます。速いし、無料だし、登録も要りません。

ただ、中身が見積書だったり、社員の名前と金額が並んだ一覧だったりすると、話は別。知らない会社のサーバーに置いた時点で、そのファイルは自分の手を離れます。社内規程で外部サービスへのアップロードを禁じている職場も珍しくありませんし、情報システム部門に相談を始めた時点で、その日の提出はほぼ諦めることになります。

PDFが重い原因はほとんどが中の画像なので、元のWordやExcelが残っているなら画像を圧縮して「最小サイズ(オンライン発行)」で出し直すのが一番減り、PDFしか手元に無いならAcrobatの圧縮機能か、Macならプレビューの書き出しを使います。

どれを選んでも、ファイルは手元のパソコンから一歩も出ません。

私は、重いPDFを渡されたらページ数ではなく写真の枚数を数えることにしています。文字や表がいくら増えても容量はたいして伸びないので、削りどころはそこしかないからです。

そして、容量を落とすというのは画質を落とすということでもあります。どこまでなら大丈夫かの数字は、Microsoftと国税庁がそれぞれ示しているので、迷ったらそこに合わせるのが早いと思います。

PDFが重い原因は、ほとんどが中の画像です

ページ数が多いから重い、とは限りません。文字だけの50ページの報告書が1MBに収まる一方で、写真を4枚貼った3ページの資料が20MBを超えることがあります。

容量を食っているのは、たいていスキャンした紙の画像、カメラで撮った写真、そして埋め込まれたフォントです。ここを絞らないかぎり、何をやっても劇的には減りません。

内訳をきちんと見たいなら、Acrobat Proの「高度な最適化」の画面に[容量を調査]というボタンがあります。画像・フォント・注釈・しおりが、それぞれ何バイト使っているかを出してくれるものですね。

そこまでしなくても、PDFをスクロールして写真やスキャンのページが何枚あるかを数えれば、だいたいの見当はつきます。文字と表だけのページは、いくら増えても容量がそれほど伸びないからです。

元ファイルの有無とWindowsかMacかで圧縮方法が分かれる流れ図
元のファイルが残っているかどうかで、選ぶ方法が変わります。

元のWordやExcelが残っているなら、そこから作り直すのが一番減ります

できあがったPDFを後から縮めるより、PDFになる前の段階で絞るほうが、仕上がりは綺麗です。文字は文字のまま残って、画像だけが軽くなりますから。

保存するときに「最小サイズ(オンライン発行)」を選ぶ

Word・Excel・PowerPointには、PDFとして保存するときの最適化の選択肢が2つ用意されています。

  1. [ファイル]→[名前を付けて保存](保存済みのファイルなら[コピーを保存])を開く
  2. [参照]を選んで保存先を指定する
  3. ファイルの種類で[PDF]を選ぶ
  4. 最適化で[最小サイズ(オンライン発行)]を選ぶ
  5. [保存]を押す

既定で選ばれているのは[標準(オンライン発行および印刷)]のほうです。Microsoftの説明では、標準は「高い印刷品質が必要な場合」、最小サイズは「印刷品質より、ファイルサイズを小さくすることを優先する場合」と分けられています。

紙に刷らず画面で読んでもらうだけの資料なら、最小サイズで困る場面はほとんどありません。まずはここを切り替えて、どれだけ減るかを見てください。

参考:Microsoft サポート(PDF または XPS に保存または変換する)

画像そのものを先に圧縮しておく

最小サイズでも足りないときは、文書の中の画像に直接手を入れます。

  1. 画像を1つクリックして[図の形式]タブを開く
  2. [調整]の中の[図の圧縮]を選ぶ
  3. [この画像だけに適用する]のチェックを外す
  4. [図のトリミング部分を削除する]にチェックを入れる
  5. 解像度を選んで[OK]を押す

3番目のチェックを外すと、文書に入っている画像すべてが対象になります。1枚ずつ回る必要はありません。

見落としやすいのが4番目です。画像のトリミングは見た目を切っているだけで、切り落としたはずのデータはファイルの中に残ったまま。チェックを入れて初めて消えます。

もう一段やるなら、[ファイル]→[オプション]→[詳細設定]の[イメージのサイズと品質]を開いて、[既定の解像度]を150ppi以下にします。Microsoft 365の既定値は220ppiなので、ここを落とすだけでも、ずいぶん効きますよ!同じ場所にある[ファイル内のイメージを圧縮しない]にチェックが入っていたら、外しておいてください。

参考:Microsoft サポート(画像のファイルサイズを小さくする)

PDFしか手元にないときは、Acrobatの「PDFを圧縮」

元ファイルがもう無い。あるいは他社からもらったPDFを軽くしたい。この場合はPDFを直接扱えるソフトが必要になります。

Acrobatの新しい画面での手順はこうです。

  1. PDFをAcrobatで開く
  2. [すべてのツール]を開く
  3. [PDFを圧縮]を選ぶ
  4. [単一ファイル]か[複数ファイル]を選ぶ
  5. [保存]を押す

画質と容量のバランスを自分で決めたいなら、同じパネルの[高度な最適化]へ進みます。画像のダウンサンプリングと圧縮方式、フォントの埋め込み、透明、不要なオブジェクトの破棄を、項目ごとに指定できます。

[互換性を確保]で古いバージョンのAcrobatを選ぶと、使える圧縮方式が制限されて、思ったほど減らないことがあります。相手の環境に合わせる必要がないなら、現在のバージョンのままでかまいません。

ただし、この最適化が使えるのはAcrobat Pro(Premium・Studioを含む)のデスクトップ版だけで、無料のAcrobat Readerには付いていません。月額を払っていないなら、この道は最初から選べないと考えてください。

参考:Adobe(PDFの圧縮と最適化)

Windowsには、PDFを圧縮する標準機能がありません

Windows 10にも11にも、PDFを軽くするための機能は入っていません。

「Microsoft Print to PDF」で印刷し直せばいいのでは、という話は昔からあります。印刷の出力をそのまま新しいPDFにする仮想プリンターなので、作り直しにはなりますし、相手によっては容量が落ちることもあります。

ただ、これはあくまで印刷結果を写し取る機能です。元のPDFに付いていたしおりやリンクは引き継がれません。私は締め切り当日、受付フォームに弾かれた38MBの提案資料でこれを試して、容量はほとんど変わらないのにしおりだけが消え、結局やり直しになりました。あくまで私の1ファイルでの話ですが、過度な期待はしないほうがいいと思います。

つまりWindowsでは、Acrobatを使うか、元ファイルから作り直すかの二択。外に出したくない書類ほど、元のWordやExcelを探すところから始めたほうが、結果的に早く終わります。

ちなみに、複数のPDFを1本にまとめる作業も、Windowsの標準機能ではできません。こちらは無料のソフトを1本入れれば手元だけで完結します。

Macは「プレビュー」の書き出しだけで終わります

Macを使っているなら、追加のソフトは要りません。

  1. PDFを「プレビュー」で開く
  2. [ファイル]→[書き出す]を選ぶ
  3. [Quartzフィルタ]のポップアップメニューで[ファイルサイズを減らす]を選ぶ
  4. [保存]を押す

同じ名前で保存しようとすると、置き換えるかどうかの確認が出ます。元のPDFを残したいなら、ここで[キャンセル]を押して、書き出し名を変えてから保存してください。

もう少し細かく指定したいときは、書き出しの画面にある[最適化PDFを作成][画面に合わせて画像を最適化][JPEGとして画像を保存]のチェックボックスを使います。画面表示に合わせて画像を落とす、画像をJPEGに変換する、という内容ですね。

Appleのユーザガイドにも「圧縮すると、PDFの品質がオリジナルよりも低下する場合があります」とはっきり書かれています。書き出したPDFは開いて確かめる。これは省かないでください。

参考:Apple サポート(プレビューでPDFを圧縮する)

スキャンした紙の書類は、取り込み直すのが一番効きます

紙をスキャンしたPDFは、できあがったものを後から縮めるより、スキャナの設定を変えてもう一度取り込むほうが素直に落ちます。

効くのは解像度と色の2つ。600dpiのフルカラーで取り込んだ書類を、200dpiのグレースケールに変えるだけで、容量はまるで違ってきます。

私も職場のプリンターで、設定を見ないまま何十枚も取り込んで、あとから「これ全部やり直しか」と頭を抱えたことがあります。取り込む前に解像度を確かめるのは、1分もかからない作業なんですよね。

ただし、下げていい限度は書類の種類で決まります。請求書や領収書を電子帳簿保存法のスキャナ保存で残すなら、国税庁が示す要件は「25.4ミリメートル当たり200ドット以上」の解像度と、赤・緑・青それぞれ256階調(24ビットカラー)以上の階調です。一般書類に区分されるものはグレースケールでの保存も認められています。

自社の書類がどちらの区分に当たるか、そもそもスキャナ保存の対象かどうかは、国税庁の資料や顧問の税理士に確かめてください。容量の都合で決めてよい話ではありません。

参考:国税庁(電子帳簿保存法一問一答・スキャナ保存関係)

どこまで画質を落としていいか

軽くはなったけれど読めない、では本末転倒です。

目安は使い道で分かれます。

  • 画面で読んでもらうだけなら150ppi以下。Microsoftも、ファイルを軽くする手順として[既定の解像度]に150ppi以下を選ぶよう案内しています
  • 紙に刷る可能性があるなら220ppi。Microsoft 365の既定値がこの数字です
  • 国税関係書類をスキャナ保存するなら200dpi以上・24ビットカラー以上

判断に迷ったときの物差しとして、国税庁が圧縮の可否に使っている基準はなかなか実用的です。4ポイントの大きさの文字が認識できるかどうか、で見ています。

私はこれを借りて、書き出したPDFを100%表示にし、一番小さい注記の文字を読んでみることにしています。ここでかすれて判読できなければ、設定を1段戻す。それだけのことですが、送ったあとで「読めません」と返ってくる事故は、これでほぼ防げています。

そして元のPDFは必ず残しておくこと。圧縮は一方通行で、一度潰れた画像は元に戻りません。

参考:Microsoft サポート(Excelのファイルサイズを小さくする)

それでも上限を超えるときは、分けて送る

できるかぎり絞っても収まらないなら、送り方のほうを変えます。

Gmailの個人用アカウントの場合、1通に添付できる合計サイズは25MBです。これを超えると、Gmailは添付ファイルを外して、代わりにGoogleドライブのリンクを本文に入れます。勤務先や学校のアカウントは管理者が上限を決めているので、組織によって数字が違います。

やっかいなのは、送る側は通ったのに受け取る側で弾かれる場合があることです。大きいファイルを送る前に、相手の上限を一言聞いておくほうが確実でしょう。

資料を章ごとや月ごとに分けて、数通に分割して送る。泥くさいですが、画質を落とさないまま渡せるので、相手にとってはこちらのほうが親切だったりします。

参考:Gmail ヘルプ(ファイルを添付する)

まとめ

PDFを軽くする近道は、PDFになる前に戻ることです。

元のWordやExcelが残っているなら、[図の圧縮]で画像を絞り、[既定の解像度]を150ppi以下にしてから[最小サイズ(オンライン発行)]で出し直す。文字は文字のまま残るので、仕上がりも綺麗です。

PDFしか手元に無いときだけ、Acrobat Proの[PDFを圧縮]か、Macの「プレビュー」の[書き出す]→[Quartzフィルタ]→[ファイルサイズを減らす]を使う、という順番になります。

Windowsには圧縮の標準機能がないので、ここは有料のAcrobatか、元ファイルからの作り直しかの二択。

紙をスキャンしたPDFなら、取り込み直すのが一番効きます。ただし国税関係書類をスキャナ保存するなら、容量をいくら削りたくても、200dpi以上・24ビットカラー以上は守らないと書類として通りません。

私は、オンラインの圧縮ツールそのものを悪いとは思っていません。自分のブログに載せる画像入りのPDFなら、速いほうを選ぶ日もあります。線を引いているのは中身のほうで、人の名前や金額が入っているファイルは手元から出さない、と決めています。決めてしまえば、急いでいる日に迷わなくて済みますから。

38MBで弾かれたあの提案資料は、結局Wordに戻って写真を圧縮し直し、6MBほどで収まりました。遠回りしたぶん、それからは資料を作り終えた時点で[図の圧縮]を押すようになりました。

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