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スマホとPCの勘違いクイズ15問|パスワードの定期変更は不要

パスワード画面を表示したスマホ

スマホのアプリを、使い終わるたびに上へスワイプして消していませんか。

私もずっとやっていました。画面をスッキリさせたいのと、「裏で動いて電池を食っていそう」という何となくの不安から。ところがAppleの案内を読むと、アプリを終了させる操作は「反応しなくなったときの対処」として書かれています。毎回消す前提の話ではないんです。

この手の「なんとなくの常識」は、スマホにもパソコンにも山ほどあります。0%まで使い切ってから充電する、パスワードは3か月ごとに変える、SSDにデフラグをかけて高速化する。どれも一度は聞いたことがあるはずです。そして、いくつかは今の公式見解と正面から食い違っています。

たとえばパスワードの定期変更。総務省は、流出などの事実がないなら変更する必要はないと明記しています。むしろ定期的に変えるほうが作り方がパターン化して弱くなる、と。学生時代に「3か月で変えろ」と教わった人には、なかなかの方針転換です。

もうひとつ先に明かしておくと、Windowsの「ドライブの最適化」は既定で週に1回、自動で動いています。しかもSSDに対しては、デフラグではなくトリムという別の処理が走ります。自分で何度も実行して速くする類のものではないんです。

この記事では、スマホ・Wi-Fi・パソコンにまつわる思い込みを15問のマルバツクイズにして、メーカーの公式ページと国の資料を根拠に答え合わせしていきます。

全問正解はけっこうな難関です。私も原稿を書きながら2問落としました…。

クイズの遊び方

形式はマルバツ。〇か×かを頭の中で決めてから、答えを読んでください。

全15問を5問ずつ3セットに分けました。バッテリー編、Wi-Fiとパスワード編、パソコン編です。答えと解説は各セットのすぐ後ろに置いてあるので、上下にスクロールで行き来する必要はありません。

根拠はApple・Google・Microsoftの公式ページと総務省の資料だけを使います。「ネットでよく言われている」は採用しません。

バッテリー編の5問

  • 第1問 使い終わったアプリをスワイプで終了させると、バッテリーが長持ちする
  • 第2問 バッテリーは0%まで使い切ってから充電したほうが長持ちする
  • 第3問 画面の明るさの自動調節をオンにすると、バッテリー駆動時間が延びる
  • 第4問 節電のため、Wi-Fiはこまめにオフにしたほうがいい
  • 第5問 分厚いケースを付けたまま充電するのは避けたほうがいい

ここは自信がある人が多いセットだと思います。だからこそ外すと悔しい。

バッテリー編の答え

第1問の答えは×

Appleのサポートで「アプリを強制的に終了する」が登場するのは、アプリが反応しない・予期せず終了する・開かないという不調の対処としてです。電池対策として毎回やりましょう、とはどこにも書かれていません。

私も以前は電車を降りるたびに全消ししていました。やめて数か月、減り方が変わったかというと、正直まったく分かりません。指が疲れていただけでしたw

参考:Appleサポート

第2問の答えは×

リチウムイオンバッテリーに「使い切ってから満充電」という儀式は要りません。

Appleは長期保管の際の推奨として、フルに充電したり使い切ったりせず50%前後にしておくことを挙げています。空っぽで放置すると重放電という状態になり、充電された状態を保てなくなる可能性があるとも書かれています。

0%まで使い切るのは、バッテリーにとって親切な行為ではありません。

昔の充電池で言われた「メモリー効果」の記憶が、いまだに残っているパターンですね。私の父は今もスマホを0%まで使ってから充電します。何度言っても直りません。

第3問の答えは〇

Appleは「画面の明るさを落とすか、明るさの自動調節をオンにすると、バッテリー駆動時間を延ばすことができます」と書いています。

自動調節は明るい場所で上げ、暗い場所では下げてくれる仕組みです。常に手動で最大にしているより有利、という理屈になります。

「自動のほうが余計に電気を使いそう」という声はよく聞きますが、公式の推奨は逆方向でした。

第4問の答えは×

ここは私も逆に覚えていました。

Appleの案内は「Wi-Fi接続は携帯電話ネットワークよりも消費電力が少ないため、常にWi-Fiをオンにしておきましょう」。節電したいならオフにするのではなく、つないでおくほうがいいわけです。

圏外の場所でWi-Fiを探し続ける状況は別ですが、自宅や職場では素直にオンで大丈夫です。

第5問の答えは〇

Appleは、特定の種類のケースに入れたまま充電すると過度の熱が発生することがあるとして、充電中はケースから取り出すよう案内しています。

理由は温度です。周囲温度が35℃を超える環境にさらさないことが特に重要とされ、高温での充電はさらに深刻な損傷を与える可能性があると明記されています。夏の車内で、分厚い手帳型ケースのまま急速充電。避けたい組み合わせの完成形です。

参考:Apple公式

Wi-Fiとパスワード編

  • 第6問 パスワードは3か月ごとに変えるのが、今の推奨
  • 第7問 Wi-Fiのネットワーク名(SSID)を隠すと、不正アクセスから守られる
  • 第8問 2.4GHzのWi-Fiは、ほかの機器の電波と干渉しやすい
  • 第9問 シークレットモードで見たページは、会社や学校の管理者にも分からない
  • 第10問 シークレットモードで落としたファイルは、モードを閉じても端末に残る

実害に直結するのはこのセットです。

Wi-Fi編の答え

第6問の答えは×

総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」は、流出などの事実がない場合はパスワードを変更する必要はない、という立場を示しています。

理由もはっきり書かれていて、定期的に変えさせると作り方がパターン化して簡単になり、使い回しをするようになるほうが問題だから、というもの。

今の推奨は「定期的に変える」ではなく「長くて他と違うものを1回作る」です。

ただし不要になったのは「定期的に」の部分だけ。流出のニュースを見たとき、身に覚えのないログイン履歴を見つけたときは、すぐ変えます。ここを混同しないようにしたいところ。

参考:総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト

第7問の答えは×

SSIDのステルス化は、気分ほどの効果がありません。

Appleはルーターの推奨設定の中で、ネットワーク名を非表示にしても「そのネットワークが検知されなくなったり、不正アクセスから保護されたりするわけではありません」と明記し、隠しSSIDを非推奨としています。

守るべきは名前ではなく鍵のほうです。暗号化方式とパスワードを今の水準にするのが本筋で、名前を隠すのは玄関の表札を外して空き巣対策をした気になるのに近い。

第8問の答えは〇

2.4GHz帯は、ほかのWi-Fiや2.4GHzの機器(Bluetooth機器など)が近くにあると、性能や信頼性の問題が起きやすい帯域です。Appleは2.4GHz帯のチャンネル幅を20MHzにしておくことを推奨しています。

一方で5GHz帯と6GHz帯は、ワイヤレス干渉が問題になりにくい傾向があるとのこと。

動画がカクつく、通話が途切れる。ルーターを買い替える前に、5GHz側のSSIDにつなぎ替えるだけで解決することがあります。私の自宅も、キッチンに近い部屋だけこれで直りました。

参考:Apple公式ドキュメント

第9問の答えは×

誤解がいちばん多いのがここです。

Chromeのヘルプは、シークレットモードでも「学校、勤務先、インターネットサービスプロバイダなど」やアクセス先のウェブサイトには、アクティビティが認識される可能性があると説明しています。

端末に履歴を残さない機能であって、通信を匿名にする機能ではありません。会社のネットワークで堂々と使っても、隠れられる相手は同じパソコンを使う家族くらい、ということになります。

第10問の答えは〇

Chromeのヘルプには、保存したブックマークとダウンロードしたファイルはシークレットモードを終了してもChromeで保持される、と書かれています。消えるのはCookieやサイトデータといった一時的な情報です。

「終わったら全部消えるだろう」と思って落としたファイルが、ダウンロードフォルダで静かに待っている…という事故はここから起きます。

参考:Chrome ヘルプ

パソコン編の5問

  • 第11問 SSDにデフラグをかけると、読み書きが速くなる
  • 第12問 ドライブの最適化は、自分で実行しないと行われない
  • 第13問 動作が重いとき、使っていないタブやアプリを閉じるのは効果がある
  • 第14問 スタートアップアプリを無効にしても、起動の速さは変わらない
  • 第15問 ストレージの空きが少ないと、動作が遅くなることがある

Windowsの話です。HDD時代の常識がそのまま生き残っている領域なので、年季が入っている人ほど間違えます。

パソコン編の答え

第11問の答えは×

Windowsの「ドライブの最適化」は、HDDとSSDで中身が別物です。

SSDに対して実行されるのは断片化の解消(デフラグ)ではなく、トリムと呼ばれる処理。使われなくなった領域をドライブ側に伝えて、読み書きで忙しくないときに片づけさせる仕組みだとMicrosoftは説明しています。

SSDに昔ながらのデフラグをかける必要はありません。

「デフラグで高速化」を謳う古い高速化ツールを、SSDのパソコンにわざわざ入れる意味は薄いということです。

第12問の答えは×

既定では、Windowsが週に1回、自動でドライブを最適化します。スケジュールは毎日・毎週・毎月から選べます。

放っておいても回っているので、手動で何度も走らせて速くなるものではありません。状態だけ見たい人は、タスクバーの検索に「デフラグ」と入力すれば設定画面に着きます。前回いつ最適化されたかが一覧で出ます。

参考:Microsoft サポート

第13問の答えは〇

地味ですが、これが正解です。

Microsoftのパフォーマンス改善のヒントでも、多数のアプリやブラウザーのタブを開いているとパフォーマンスが低下する可能性があるとして、不要なアプリやタブを閉じ、それでも改善しない場合はPCを再起動する、という手順が案内されています。

タブを80個開いたまま「最近このパソコン遅いんだよね」と言っていた同僚を思い出します…。

第14問の答えは×

スタートアップアプリの無効化は、Microsoftが挙げるパフォーマンス向上策のひとつです。

サインインと同時に立ち上がるアプリが多いほど、起動直後は重くなります。「設定」の「アプリ」から「スタートアップ」を開くと、何が勝手に起動しているかが一覧で見られます。

私の環境では、使っていないメーカー製ユーティリティが3つ居座っていました。全部オフにして半年、困ったことは一度もありません。

第15問の答えは〇

Microsoftのヒントには、ディスク領域の解放や使っていないアプリのアンインストールが改善策として並んでいます。

ストレージのバーが真っ赤な状態は、それ自体が不調の原因になり得ます。「設定」の「システム」から「ストレージ」を開くと、一時ファイルがどれだけ溜まっているかが見えます。私のノートPCでは、一時ファイルだけで12GBありました。

参考:Microsoft サポート

正答数でわかる診断

正解の数を数えてください。

  • 13〜15問 公式ドキュメントを自分で読むタイプの人の点数です。周りの人が損な手間をかけているのを、そっと直してあげてください
  • 8〜12問 平均あたり。半分は正しく、半分は昔の常識のままという、いちばん多いパターンです
  • 7問以下 知識が10年前で止まっている合図。まずはバッテリーとパスワードの2つを更新すれば、それだけで手間と危険が減ります

ちなみに私の初回は13問でした。落としたのは第4問(Wi-Fiのオンオフ)と第3問(明るさの自動調節)。どちらも「なんとなく電気を食いそう」で判断していた問題です。この感覚がいちばん危ない。

まとめ

15問、どれくらい取れましたか。

並べてみると、思い込みが生まれる場所には共通点がありました。ひとつは、昔は正しかったものが機器の進化で不正解になったパターン。0%まで使い切る充電、SSDへのデフラグ、パスワードの定期変更がこれです。当時の事情では理にかなっていて、根拠だけが先に消えて記憶が残った形ですね。

もうひとつは「なんとなく効きそう」で広まったもの。アプリの全消し、SSIDの隠蔽、Wi-Fiのこまめなオフ。手間はかかるのに得るものが薄い、あるいは逆効果というタイプです。

今回の15問は、私自身か身近な人が実際にやっていた勘違いだけで作りました。純粋な知識クイズにすると、当たっても外れても記憶に残らないので、全問「つい手が動いてしまう行動」に寄せたつもりです。落とした問題が、明日から操作の変わるところになります。

スマホとパソコンの節約術や安全対策は、公式ページを1回読むだけで、半分くらいが「やらなくていいこと」に変わります。

この記事から2つだけ実行するなら、私はこれを選びます。ひとつはWi-Fiを5GHz側につなぎ替えること。数分で終わって、環境によっては体感がはっきり変わります。もうひとつは、パスワードを長いものに作り替えて定期変更をやめること。面倒が減って、しかも安全性は上がる。やめるだけで得になる対策は、そう多くありません。

逆に、アプリの全消しは今日で卒業して問題なしです。空いた時間で、もう1問くらいクイズを解きましょうw

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