IT用語の読み方クイズ20問|ASUS・GIF・nginxは何と読む

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会議中に「じゃあ、そこはエヌジンクスで」と言ってしまい、一瞬だけ場の空気が止まった経験はありませんか。

私はあります。しかも相手は取引先のエンジニアさんで、その場では誰も指摘してくれませんでした。あとから別ルートで「あれ、エンジンエックスって読むんですよ」と教えてもらったときは、頭を抱えました。

IT用語やメーカー名は、目で読む機会ばかり多くて、声に出す機会が極端に少ない。だから頭の中では長年ずっと自己流の読み方で通っていて、人前でしゃべった瞬間に初めて答え合わせが起きます。しかも大抵は、答え合わせの結果を誰も教えてくれません。

やっかいなのは、こういう用語には「なんとなく通じている読み方」と「公式が決めている読み方」がズレているものが山ほどあるということ。公式サイトのトップページに堂々と読み方が書いてあるのに、誰も見ていないパターンすらあります。

そこで今回は、読み方をまちがえやすいIT用語を20個集めて、クイズ形式にしてみました。パソコン売り場で見かけるメーカー名から、Web制作の現場で毎日打ち込んでいる用語まで、幅広く混ぜてあります。公式サイトや公式ドキュメントに書かれている読み方を根拠に、まちがえやすい20語の正解と、その名前の由来までまとめて紹介する記事です。

全問正解できる人は、たぶんかなりの変わり者です。私は初見のとき、恥ずかしながら5問落としました。自分では絶対に合っていると思い込んでいた単語ほど、きれいに外れます。

知らなくても仕事は回りますが、知っていると打ち合わせの雑談が一段おもしろくなる。そういう種類の知識です。20問のうち半分は一般向けのメーカー名なので、開発の仕事をしていない人でも十分に戦えます。

クイズの遊び方

ルールはシンプルです。見出しに出てくる単語を、声に出して読んでみてください。そのあとで解説を読んで答え合わせ、という流れです。

ひとつ注意しておくと、ここで言う「正解」は、あくまで公式が示している読み方や、その分野で広く定着している読み方のこと。日常会話で別の読み方をしていても、通じているなら実害はありません。

ただ、由来を知ると単語そのものが覚えやすくなるので、そこを狙って解説は「なぜその読みなのか」に寄せています。

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ブランド・製品名編(第1問〜第7問)

まずは家電量販店やネット通販で普通に目にする名前から。ここは正答率が高そうに見えて、実は取りこぼしが多いゾーンです。

第1問:ASUS

パソコンやマザーボードでおなじみ、台湾のメーカーです。アスース、エーサス、アサス…あなたはどれで読んでいましたか。

正解は「エイスース」。ASUSの日本語公式サイトに、2012年10月より発音を「エイスース」に統一したとはっきり書かれています。それ以前は社内でも呼び方がバラバラだったそうで、公式が音頭を取って揃えた形です。

ちなみに社名の由来は、ギリシャ神話の天馬ペガサス(Pegasus)の後ろ4文字。頭の「Peg」を落として「asus」というわけです。アルファベット順で先頭に来るように、という狙いもあったと言われています。

第2問:Qi

スマホのワイヤレス充電の規格名です。パッケージや充電器の底面に、この2文字のロゴが入っています。

正解は「チー」。キューアイでもキーでもありません。規格を策定しているWireless Power Consortiumの公式サイトに、発音は「chee」、意味は「生命エネルギー(vital energy)」だと明記されています。

そう、漢字で書くと「気」。ケーブルなしで電気が流れていく様子を、東洋思想の「気」になぞらえた命名です。技術規格の名前としては、なかなか詩的だと思いませんか。

第3問:Huawei

中国の通信機器メーカー。ルーターやスマホでよく名前が出てきます。

正解は「ファーウェイ」。ヒューアウェイ、ハーウェイ、フアウェイ…と、初見では十中八九ハズします。私も最初は「ヒュアウェイ」と読んでいました。

もとは中国語の「華為」で、日本法人の正式名称も「華為技術日本株式会社」。漢字を知ってしまえば一発で覚えられるタイプの単語です。

第4問:Xiaomi

近年、日本でもスマホや家電を一気に増やしてきたメーカーです。

正解は「シャオミ」。頭のXをエックスと読みたくなりますが、これは中国語のピンイン表記なので、Xは「シ」に近い音になります。

漢字では「小米」、つまり小さなお米(アワ)です。日本法人の名前も「小米技術日本株式会社」。ロゴのオレンジ色の四角は見たことがあっても、意味まで知っている人は少ないはずです。

第5問:Adobe

PhotoshopやIllustratorでおなじみ、Web制作者の生活インフラみたいな会社です。

正解は「アドビ」。日本法人の社名も「アドビ株式会社」で、カタカナ表記は完全に「アドビ」で固定されています。

おもしろいのは英語圏での発音で、あちらでは「アドウビー」に近い読み方をします。海外のカンファレンス動画を見ていると、知っている会社なのに一瞬わからなくなる、あの現象が起きます。社名は創業者の自宅の裏を流れていたAdobe Creekという小川に由来するとされ、こちらも由来を知ると急に親しみが湧く名前です。

第6問:Ryzen

AMDのCPUブランドです。自作パソコンの話題では毎日のように飛び交っています。

正解は「ライゼン」。リゼン、リイゼン、ライゼンヌ(そんな人はいませんが)と揺れがちですが、日本語での呼び方はライゼンで定着しています。

「Ryzen 7」なら「ライゼン セブン」。地平線を意味するHorizonをもじった造語と言われていて、たしかに音を聞くと納得感があります。

第7問:Xeon

インテルのサーバー・ワークステーション向けCPUブランドです。ここが今回いちばん事故率が高いかもしれません。

正解は「ジーオン」。ゼオン、キセノン、セイオン、エクセオン。20年以上前から自作パソコン界隈で読み方バトルが繰り返されてきた、伝統ある難読ワードです。

アニメの影響で「ゼオン」と読みたくなる気持ちは、痛いほどわかります。私も心の中では今もちょっとゼオンですw

参考:ASUS公式サイト(ブランドネームの由来)

Web・ファイル形式編(第8問〜第14問)

ここからはWeb制作や開発の現場でよく出てくる単語です。毎日打ち込んでいるのに読み方は曖昧、という用語が集まりました。

第8問:GIF

アニメーションでおなじみの画像形式です。「ジフ」か「ギフ」か、ネット史に残る論争が続いてきました。

開発者のスティーブ・ウィルハイト氏は2013年、Webby Awardsで生涯功労賞を受賞した際に「ソフトなGで、ジフと読む。以上」と、はっきり決着を宣言しています。受賞スピーチをその一言に使い切ったのは、なかなかの胆力です。

とはいえ英語圏では今も「ギフ」派が多数で、辞書によっては両方の読みを載せているのが実情です。日本では「ジフ」が優勢なので、開発者の意向どおりに読めている珍しい国かもしれません。

参考:Webby Awards公式サイト

第9問:nginx

Webサーバーソフトの定番です。冒頭でも書いたとおり、私が実際に恥をかいた単語でもあります。

正解は「エンジンエックス」。公式サイトのトップページに、説明文の冒頭からnginx(”engine x”)と書かれています。読み方が公式に書いてある、親切設計の用語です。

エヌジンクス、ンギンクス、ナインエックス。読み方を知らないと、まず正解にはたどり着けません。engine(エンジン)+x、と分解して覚えるのがおすすめです。

第10問:MySQL

世界中で使われているデータベース管理システムです。

正解は「マイ・エス・キュー・エル」。公式マニュアルに「公式な発音は My Ess Que Ell であり、my sequel ではない」と明記されています。

ただし同じ文章はこう続きます。「とはいえ、my sequel と読んでも、その他のローカルな読み方をしても、私たちは気にしません」。公式ドキュメントにこの一文を書き添える緩さ、けっこう好きです。

第11問:PostgreSQL

こちらもオープンソースのデータベース。名前が長い上に、区切る場所が難しい難関です。

正解は「ポストグレス・キュー・エル」。公式のFAQに Post-Gres-Q-L と書かれていて、発音を確認するための音声ファイルまで用意されています。

それでも長いので、公式は「Postgres(ポストグレス)」という愛称を推奨しています。バークレー時代の元々の名前がPostgresなので、略称というより本名に戻っている感覚ですね。

第12問:JSON

設定ファイルやAPIのやり取りで日常的に使われるデータ形式です。

正解は「ジェイソン」。ジェイエスオーエヌと一文字ずつ読む人もいますが、現場ではまず「ジェイソン」で通じます。

JavaScript Object Notationの頭字語で、名前がホラー映画の登場人物とかぶっているせいで、13日の金曜日ネタにされがちな不憫な形式でもあります。

第13問:YAML

設定ファイルでよく使われる、インデントで構造を表すあの形式です。

正解は「ヤムル」。公式の仕様書の冒頭に、YAMLは「camel(キャメル)と韻を踏む」と書かれています。つまりヤメル寄りの音で、日本語ではヤムルと表記されるのが一般的です。

名前は YAML Ain’t Markup Language の再帰的頭字語。略語の中に自分自身が出てくる、エンジニアが大好きなタイプの命名です。

第14問:Ajax

ページを再読み込みせずにサーバーとやり取りする、Webの定番技術です。

正解は「エイジャックス」。アジャックスと読む人もいて、サッカー好きの方はオランダの名門クラブを思い浮かべるかもしれません。

Asynchronous JavaScript + XML の頭字語で、2005年に名付けられました。今はXMLよりJSONを使うことがほとんどなので、名前の最後のXは実質的に形だけ残っている状態です。

参考:MySQL公式リファレンスマニュアル

OS・開発現場編(第15問〜第20問)

ラストは、サーバーやOSまわりの用語です。難易度は上がりますが、由来がおもしろいものが揃っています。

第15問:GNU

フリーソフトウェア運動の中心にあるプロジェクトの名前です。

正解は「グヌー」。動物のヌー(gnu)は英語だとgを読まずに「ヌー」ですが、GNUプロジェクトはgをはっきり発音する1音節の「グヌー」で読むよう求めています。

名前の由来は「GNU’s Not Unix!(GNUはUnixではない)」の再帰的頭字語。自分の名前の説明に自分が登場するので、いつまでも説明が終わりません。この手のジョークが好きな文化圏だということが、名前ひとつでよくわかります。

第16問:Linux

言わずと知れたOSです。読み方は…実は世界的に統一されていません。

日本では「リナックス」でほぼ完全に定着しています。一方、英語圏では「リヌックス」に近い音で発音されることが多く、作者リーナス・トーバルズ氏本人の発音も、日本のリナックスとはかなり印象が違います。

どちらかが間違いという話ではなく、母語によって落ち着く音が変わった例です。日本語の会話でリヌックスと言い出すと、逆に伝わらない可能性が高いのでご注意を。

第17問:Debian

Linuxディストリビューションの中でも古株の存在です。

正解は「デビアン」。公式のFAQに、Deb’-ee-en のように最初の音節にアクセントを置いて読む、と説明されています。

由来がまた良くて、創始者イアン・マードック氏の名前と、当時のパートナーであるデブラさんの名前を合わせた造語なんです。Deb+Ian でDebian。世界中のサーバーで動き続けているOSの名前が、実はふたりの名前の合成というのは、なかなかロマンがあります。

第18問:Ubuntu

初心者にも人気のLinuxディストリビューションです。

正解は「ウブントゥ」。ウブンツ、ユーブントゥとも読まれますが、公式に近い音はウブントゥです。

アフリカのズールー語などにある「ubuntu」という言葉が由来で、「他者への思いやり」「人は他者を通じて人になる」といった意味を持つ概念だとされています。誰でも自由に使えるOSの名前としては、これ以上ないくらいハマった命名です。

第19問:LaTeX

論文や技術書の組版で使われる、あの独特の見た目のシステムです。

正解は「ラーテック」または「レイテック」。公式サイトに «Lah-tech» もしくは «Lay-tech» と発音する、と書かれています。

ゴム素材の「ラテックス」ではありません。最後のXはアルファベットのエックスではなく、ギリシャ文字のカイ(χ)に由来しているためです。公式は「ドイツの劇作家ブレヒト(Brecht)と韻を踏む」という、なかなか渋いたとえで説明しています。

第20問:Kubernetes

コンテナ運用の定番ツール。近年もっとも読み方を聞かれる単語かもしれません。

日本語では「クーバネティス」と読まれることが多く、クーベルネイテス、キューバネティスなど、いまだに揺れています。

公式ドキュメントによると、名前はギリシャ語の「舵取り」「操舵手」を意味する言葉が由来。そして略称の「K8s」は、KとSの間に8文字あるからという、身も蓋もない数え方から来ています。読み方に自信がないときにK8s(ケーエイツ)と書いて逃げる人が多いのは、たぶん気のせいではありません。

参考:Debian公式FAQ

番外編:正解がひとつに決まらない用語

最後に、20問には入れなかったけれど現場で揉めやすい単語も紹介しておきます。これらは公式の見解がなかったり、地域や世代で分かれたりして、正解がひとつに決まりません。

  • char:キャラ、チャー、カー。character(文字)の略なので「キャラ」派と、綴りどおりの「チャー」派で真っ二つ
  • null:ヌル、ナル。日本ではヌルが優勢、英語圏ではナルに近い音
  • SQL:エスキューエル、シークェル。前身の言語名SEQUELの名残でシークェル派が根強い
  • _(アンダースコア):アンダーバーは和製表現で、英語ではunderscore
  • #:シャープ、ハッシュ、ナンバー。厳密には音楽の♯とは別の記号

この手の単語は、勝ち負けを決めようとすると空気が悪くなるだけなので、相手の読み方に合わせるのがいちばん平和です。私は打ち合わせ中、相手が「ナル」と言い出したら、その日はずっとナルで通しますw

関連記事:hoge・foo・Lorem ipsumの由来まとめ|プログラミングの謎ワード8つの正体

まとめ

20問、何問正解できたでしょうか。

今回並べてみて改めて感じたのは、公式が読み方をちゃんと書いてくれている用語が意外と多いということです。nginxはトップページの1行目、MySQLはリファレンスマニュアル、LaTeXは公式サイトの紹介文、Debianに至ってはFAQに発音記号まがいの表記まで載っています。読み方に迷ったら、まとめ記事より先に公式サイトを一度のぞいてみると、あっさり答えが書いてあることが多いのです。

それでも読み方が割れ続けるのは、IT用語の多くが「読む前に書く」ものだからでしょう。目で覚えて、指で打って、声に出すのは最後。順番が逆なんです。

実務上、読み方をまちがえて損をすることはほとんどありません。通じればいいし、通じなければ画面に書けば済みます。ただ、由来まで知っておくと会話のネタとして地味に強い。Debianが人名ふたつの合成だとか、Qiが「気」だとか、K8sが単なる文字数だとか、この手の話は打ち合わせの雑談で驚かれる率がかなり高めです。

個人的な一押しは、やはり第7問のXeonです。正解は「ジーオン」だと知ったあとも、口に出す瞬間だけ一瞬迷う。あの引っかかりこそ、長年アルファベットとつき合ってきた証拠みたいなものだと思っています。

もうひとつ言うなら、読み方のわからない単語に出くわしたとき、そのまま素通りしないことです。公式サイトを開くと、たいてい名前の由来まで一緒に書いてあります。ASUSがペガサスの尻尾だったり、Kubernetesが船の舵取りだったり、その一手間で単語がぐっと記憶に残ります。

気になった単語があれば、公式サイトで由来まで追いかけてみると、思った以上に読み物として楽しめます。

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