乗り換え先のサイトで申し込みを進めると、途中で「MNP予約番号」の入力欄が出てきます。番号は手元に無いのに、今の会社で先に取ってくるべきか、取らずに進めてよいのかは、画面のどこにも書いてありません。
私はこれまで、IIJmioからpovo、povoからLINEMO、LINEMOからahamo、ahamoからIIJmio、IIJmioから楽天モバイルと、5回乗り換えてきました。そして、どの乗り換えでも手続きの順番で迷いました。会社ごとに画面も呼び方も違うので、前の乗り換えのやり方がそのまま使えるとは限りません。
電話番号をそのまま持っていくMNPには、乗り換え先で申し込むだけで済むワンストップ方式と、先に予約番号を取る予約番号方式があり、どちらの場合も乗り換え元を自分で先に解約してはいけません。
いまは予約番号を取らずに済む乗り換えがほとんどなので、迷ったらまず乗り換え先のサイトで申し込みを始めて、予約番号の欄で[予約番号をお持ちでない方]を選べるかを見てください。進めない場合だけ、今の会社で予約番号を取ってくれば間に合います。
MNPの手続きは2通り:ワンストップ方式と予約番号方式
MNP(番号ポータビリティ)の手続きには、いま2つのやり方があります。
昔からあるのが予約番号方式(ツーストップ方式)です。今の会社でMNP予約番号を発行してもらい、その番号を持って乗り換え先で申し込みます。手続きを2か所でするので、ツーストップと呼ばれます。
もう1つが、2023年5月24日に始まったワンストップ方式。乗り換え先のサイトで申し込むと、途中で今の会社のサイトに移ってログインし、乗り換えに同意するだけで、予約番号は会社どうしのあいだで自動的にやり取りされます。乗り換え元と乗り換え先の両方が対応していて、しかもオンラインで手続きするときだけ使える方式で、店頭で申し込む場合は予約番号が要ります。
対応している会社は増えていて、ahamoの案内(2026年3月時点)では、au、ソフトバンク、UQ mobile、ワイモバイル、povo、LINEMO、楽天モバイル、IIJmio、mineoなど20社以上から、予約番号なしでahamoに乗り換えられます。
参考:他社からの乗り換え(MNP予約番号の取得)(ahamo)
申し込む前にそろえておくもの
順番で迷う原因の半分は、途中で必要なものが足りずに止まることです。楽天モバイルの解説では、乗り換えの前の準備として次の4つを挙げています(必要な場合だけのものを含みます)。
- 乗り換え先の対応製品に、今のスマホが入っているか
- SIMロックの解除(必要な場合だけ)
- MNP予約番号(ワンストップ方式が使えない場合だけ)
- 本人確認書類と支払い方法
ワンストップ方式で乗り換えるなら、ここに乗り換え元のサイトのIDとパスワードが加わります。申し込みは、この5つを手元にそろえてから始めるのが確実です。対応製品の確認は飛ばしがちですが、楽天モバイルは対応製品でないスマホについて「APN設定を行うことで一部機能がご利用いただける可能性があります」としていて、動作は保証の外です。
ワンストップ方式の順番(povoの例)
povo2.0の公式の案内を例に、順番を追ってみます。ほかの会社でも、画面の名前が違うだけで流れはほぼ同じです。
- 乗り換え元の会社のサイトにログインするID(アカウント名)とパスワードを確かめておく
- povo2.0アプリを入れて[初めての方はこちら]から進み、メールアドレスを登録する
- 契約タイプで[電話番号を引き継いで契約]を選び、SIMカードかeSIMを選ぶ
- 申し込み内容を確かめて[この内容で申し込む]を選ぶ
- MNP情報の画面で[MNP予約番号をお持ちでないお客さま]を選び、今の電話番号と乗り換え元の会社を入れる
- 乗り換え元の会社の画面に移るので、1番目で確かめたIDとパスワードでログインして進める
- [転出元でのお手続きが完了しました!]と出たら、SIMの発行の手続きをする
つまずきやすいのは1番目です。乗り換え元のサイトのパスワードは、契約したきり一度も使っていないことがよくあります。6番目の画面で思い出せないと、そこからパスワードの再設定になるので、申し込みの前に一度ログインできるかを試しておいてください。
eSIMを選んだ場合は手続きが終わればすぐ使え、SIMカードは届いてから使えます。
予約番号方式の順番と、15日の期限
ワンストップ方式が使えないとき(乗り換え元か乗り換え先が対応していない、店頭で申し込む、など)は、従来の予約番号方式です。
- 今の会社のサイト(またはアプリ・電話)でMNP予約番号を発行してもらう
- 予約番号と有効期限を控える
- 期限が切れないうちに、乗り換え先で予約番号を入れて申し込む
- SIMが届いたら(eSIMなら手続き後に)開通の手続きをする
予約番号の有効期限は発行した日を含めて15日間ですが、15日ぎりぎりまで使えるわけではありません。乗り換え先が「残り◯日以上」を条件にしているからで、ahamoは有効期限が10日以上、楽天モバイルはWebで申し込む場合は7日以上残っていることが必要です(楽天モバイルの店頭なら期限内であれば受け付けます)。
つまり、予約番号は乗り換え先に申し込む直前に取るのが正解です。週末にゆっくりやろうと平日に取っておくと、条件の日数を割ってしまうことがあります。期限が切れても、もう一度発行すれば使えます。
参考:MNP予約番号とは?取得方法や有効期限をわかりやすく解説(楽天モバイル)
開通の手続きと、その後の設定
申し込みが済んだら、SIMカードが届くのを待つか、eSIMなら会社の案内に従ってプロファイルを入れます。楽天モバイルの解説では、ここから先の作業を「開通手続きとSIMのセット」「APN設定」「データ移行」の3つに分けています。
APNは、その回線で通信するためのスマホ側の設定です。乗り換え先で買ったスマホや、乗り換え先の対応製品なら自動で設定されることが多いのですが、そうでない場合は手で入れます。例えばpovoはAPN[povo.jp]、楽天モバイルはAPN[rakuten.jp]です。電話はできるのにネットだけつながらないときは、まずここを疑います。
予約番号を電話で発行してもらう場合は、受付時間にも気をつけます。povoの解説によると、au・ドコモ・ソフトバンクは9時から20時、楽天モバイルは9時から17時です。オンラインなら24時間申し込めても、番号の発行は時間が限られることがあります。
乗り換え元は、自分で先に解約しない
MNPでは、乗り換え元の契約は、乗り換え先との契約が済んだ時点で解約されます。自分で解約の手続きをする必要はありません。逆に、乗り換え先の申し込みより先に今の会社を解約してしまうと、その電話番号は手元から無くなってしまいます。
乗り換え元の回線は、乗り換え先の開通の手続きをするまでは使えるのが普通です。SIMカードが届くまでの数日も、今のスマホでそのまま電話できます。開通させた瞬間に切り替わるので、外出先で開通の手続きをするより、Wi-Fiのある自宅でやるほうが落ち着いて進められます。
手数料の心配は、以前よりずっと小さくなっています。乗り換え元に払うMNP転出手数料は、2021年4月1日からオンラインで申し込めば原則無料で、店頭や電話でも上限は1,100円です。
まとめ
電話番号をそのまま持っていくMNPには、乗り換え先で申し込むだけのワンストップ方式(2023年5月24日開始・オンラインのみ・両方の会社の対応が必要)と、先に予約番号を取る予約番号方式の2つがあります。povo・LINEMO・楽天モバイル・IIJmioなど、いまは多くの会社がワンストップ方式に対応しています。
ワンストップ方式でつまずきやすいのは、途中で乗り換え元のサイトにログインする場面なので、IDとパスワードは申し込みの前に確かめておきます。予約番号方式の場合、有効期限は発行日を含めて15日間ですが、ahamoは10日以上、楽天モバイルのWebは7日以上残っていないと申し込めません。番号は申し込みの直前に取るのが安全です。
乗り換え元は自分で先に解約しない。解約は乗り換え先との契約で行われ、先に解約すると電話番号が無くなります。転出手数料はオンラインなら原則無料です。
5回乗り換えて5回とも順番に迷いましたが、振り返ると、最初に開くべきだったのはいつも乗り換え先の申し込み画面でした。予約番号なしで進めればそれで終わりで、進めないと分かってから予約番号を取っても、たいていは間に合います。