ハワイとグアムで、レンタカーを借りて運転したことがあります。右側通行で左ハンドル。いちばん戸惑ったのは、赤信号での右折でした。
向こうでは、赤信号でも目視で安全が確認できれば右折してかまいません。それを知らなかった最初のころ、私は赤だからと止まったまま待っていて、後ろからクラクションを鳴らされました。日本の感覚では1ミリも間違っていない止まり方なのに、その場では流れを止めている側だったわけです。
日本に来た海外の旅行者も、きっと同じところでつまずいています。世界の多くの国は右側通行で、左側通行の日本のほうが少数派だからです。
ところが、その日本のルールを私たちがどれだけ正確に知っているかというと、これがあやしい。2026年9月1日から、中央線のない生活道路の法定速度は60km/hから30km/hに下がりました。標識が立っていなくても適用されます。
横断歩道もそうです。JAFが2025年に全国94か所で調べたところ、信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているとき、止まった車は56.7%。過去最高の数字ですが、裏を返せば4割以上が止まっていません。止まらなかった人の多くは、たぶん違反だと思っていない。
2026年4月からは自転車にも青切符が入ります。対象は16歳以上で、信号無視やながらスマホが反則金の対象です。歩道を走っていいのはどんなときか、傘をさして乗るのはどうなのか。ここも、あいまいなまま毎日乗っている人が多いところでしょう。
この記事は、日本の交通ルールと道路標識、そして海外で運転するときの違いを、答えと解説を付けた50問にまとめたものです。
私も書きながら、自分の知識が教習所で止まっていたことに何度か気づかされました。ルールは毎年どこかが変わっていて、変わったことは誰も教えてくれません。
目次
第1章 標識と路面標示【見た目でだませる10問】第1〜10問
第2章 横断歩道と歩行者【止まるか止まらないか10問】第11〜20問
第3章 速度・駐停車・合図【数字がからむ10問】第21〜30問
第4章 自転車【青切符が始まる前に10問】第31〜40問
第5章 海外で運転する【右側通行の10問】第41〜50問
50問、いくつ自信を持って答えられましたか
第1章 標識と路面標示【見た目でだませる10問】第1〜10問
まずは形と色から。標識は4種類に分かれていて、色と形でだいたいの意味が決まります。そこを知っていると、初めて見る標識でも当たりが付きます。
第1問 4種類
道路標識は大きく4種類に分かれます。案内標識、警戒標識、規制標識、あと1つは何でしょう。
【答え】指示標識。案内は行き先、警戒は「この先に何かあるぞ」、規制は禁止や指定、指示は「ここではこれができる」を示します。色でも分かれていて、警戒標識は黄色いひし形、指示標識は青地が基本です。設置する人も違い、案内標識と警戒標識は道路管理者、規制標識と指示標識は主に都道府県の公安委員会が立てます。
参考:国土交通省 道路標識の基礎知識
第2問 赤い丸に白い横棒
赤い円の中に白い横棒が1本。この標識の意味は「通行止め」でしょうか、それとも別のものでしょうか。
【答え】車両進入禁止です。通行止めではなく、一方通行の出口側に立っていて、その方向からは入れないという意味です。歩行者は通れます。よく似た「通行止め」は白い円に赤い斜め線と「通行止」の文字で、こちらは人も車も通れません。
第3問 青地に白い矢印
青い長方形に白い矢印。一方通行の標識ですが、同じような青い矢印で意味がまったく違うものがあります。何でしょう。
【答え】指定方向外進行禁止です。こちらは青い円の中に矢印が入っています。長方形なら「この道は矢印の方向にしか進めない」、円なら「この交差点では矢印の方向にしか行けない」。形が違えば別の標識、と覚えると迷いません。
第4問 黄色いひし形
黄色いひし形の標識を見かけたら、運転手は何をすればいいでしょう。
【答え】警戒標識なので、その先の状況に備えて速度を落とします。踏切、急カーブ、落石のおそれ、動物が飛び出す区間など、絵柄で中身が分かるようになっています。禁止でも命令でもないぶん軽く見られがちですが、事故が起きやすい場所に立っているという点では、いちばん実用的な標識かもしれません。
第5問 路面のひし形
道路に白いひし形が2つ描かれていることがあります。あれは何の合図でしょう。
【答え】この先に横断歩道か自転車横断帯がありますよ、という予告です。前方に横断歩道が見えていなくても、あのマークを踏んだ時点で歩行者がいる前提に切り替えます。見通しの悪いカーブの先に横断歩道があるときほど、この標示が効いてきます。
第6問 黄色い線
センターラインが白い破線から黄色い実線に変わりました。何が禁止されるでしょう。
【答え】追い越しのために黄色い線をはみ出すことです。禁止されているのは「はみ出すこと」なので、はみ出さずに追い越せる場合は違反になりません。逆に、追い越し以外の理由(工事や駐車車両をよけるなど)でやむを得ずはみ出すのは、この標示では禁止されていない。ここは意外と知られていないところです。
第7問 徐行
「徐行」は時速何キロ以下のことでしょう。
【答え】法律に数字はありません。道路交通法が定めているのは、直ちに停止できる速度で進むこと、という中身です。教習所では10km/h以下と教わることが多いのですが、それは目安で、路面や荷物の状態によって直ちに止まれる速度は変わります。数字ではなく「いま止まれるか」で判断する決まりになっています。
第8問 斜線1本と×印
青い円に赤い斜線が1本なら駐車禁止。では赤い×印なら何でしょう。
【答え】駐停車禁止です。斜線1本は「停めて離れるな」、×は「停めること自体がだめ」。人の乗り降りや5分以内の荷物の積み下ろしは、駐車禁止の場所ではできますが、駐停車禁止の場所ではできません。標識の下や中に「8-20」と書かれていれば、その時間帯だけの規制という意味です。
第9問 補助標識
規制標識の下に「大型」「日曜・休日を除く」と書かれた小さな板。あれの正式な呼び名は何でしょう。
【答え】補助標識です。本標識の意味を補って、対象の車種や時間、区間を限定します。厄介なのは、この板1枚で規制が逆転することがある点です。駐車禁止の下に「8-20」と付けば夜間は停められますし、一方通行の下に「自転車を除く」と付けば自転車だけは逆走してよい、と読みが変わります。
第10問 止まれ
日本の「止まれ」の標識は逆三角形ですが、海外で多いのは何角形でしょう。
【答え】八角形です。アメリカをはじめ多くの国が八角形の赤い標識に「STOP」と書きます。形そのものに意味があり、雪で文字が隠れても形で分かる。日本の逆三角形は世界的には少数派で、近年は外国人ドライバー向けに「STOP」の英字を併記した標識も増えています。
第2章 横断歩道と歩行者【止まるか止まらないか10問】第11〜20問
ここがいちばん、知識と実際の運転がずれる場所です。JAFの調査で4割以上の車が止まらないのも、意地悪をしているわけではなく、止まる義務だと思っていない人が多いからでしょう。
第11問 渡ろうとしている人
信号機のない横断歩道。歩行者が渡ろうとして待っています。運転手は何をしなければならないでしょう。
【答え】一時停止です。「できれば譲る」ではなく義務で、違反すれば反則金と違反点数が付きます。JAFが2025年に全国94か所で調べた結果は、6,226台のうち止まったのが3,528台で56.7%。過去最高でしたが、4割以上が通過しています。都道府県別では長野が88.20%、山口が34.3%でした。
参考:JAF 信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査(2025年調査結果)
第12問 歩行者がいるか分からないとき
横断歩道に近づいたけれど、渡ろうとしている人がいるかどうか分かりません。どう進むのが正解でしょう。
【答え】横断歩道の直前で停止できる速度まで落として進みます。これも義務です。「いなかったから止まらなかった」ではなく、「いたら止まれる速度で近づく」が条件になっている。見通しの悪い横断歩道に猛スピードで入るのは、歩行者がいなくてもルール違反ということです。
第13問 前の車が止まった
隣の車線の車が横断歩道の手前で止まっています。自分の車線は空いていました。そのまま通過していいでしょうか。
【答え】だめです。横断歩道の直前で止まっている車があるときは、その前に出る前に一時停止しなければなりません。止まっている車の陰から歩行者が出てくる形になり、事故になれば重いものになります。追い越し・追い抜き自体が禁止されている場所でもあります。
第14問 横断歩道のない道路
横断歩道のない道路を、歩行者が横断しています。車が優先でしょうか。
【答え】歩行者の通行を妨げてはいけません。横断歩道以外の場所でも、すでに横断している歩行者がいれば、その通行を妨げないのが決まりです。歩行者に「横断歩道まで歩いて戻れ」と言う権利は、運転する側にはありません。
第15問 青信号
青信号の意味は「進め」でしょうか。
【答え】「進むことができる」です。命令ではなく許可なので、前が詰まっていて交差点内で止まりそうなときは、青でも進んではいけません。青だから進む義務がある、という読み方をすると交差点のど真ん中で立ち往生します。
第16問 黄信号
黄信号は「急いで通過」でしょうか。
【答え】停止位置を越えて進んではいけない、が原則です。例外は、安全に停止できない場合だけ。つまり黄色を見てから加速するのは完全に逆で、本来は止まるための合図です。交差点の直前で黄色になって急ブレーキが危ないときだけ、進んでよいことになっています。
第17問 点滅信号
赤の点滅と黄の点滅。片方は一時停止が必要です。どちらでしょう。
【答え】赤の点滅です。一時停止して安全を確認してから進みます。黄の点滅は、他の交通に注意して進行できる。夜間の交差点でどちらの色が自分側かを見ずに突っ込むと、相手は一時停止不要の側だった、という事故が起きます。
第18問 クラクション
横断中の歩行者が遅いのでクラクションを鳴らしました。これは違反でしょうか。
【答え】違反です。警音器を鳴らしていいのは、「警笛鳴らせ」の標識がある場所と、危険を避けるためやむを得ないときだけ。急かすために鳴らすのは、法律が想定している使い方ではありません。日本のクラクションは、あいさつにも抗議にも使わない前提の装置です。
第19問 白い線1本
歩道のない道路の端に、白い線が1本引かれています。線の外側は何でしょう。
【答え】路側帯です。歩行者と軽車両が通れる場所で、車は入れませんし、駐停車の扱いも変わります。白線が2本(うち1本が破線)なら駐停車禁止路側帯で、線の中に入って停めることもできません。中央線と同じで、線の本数が意味を持っています。
第20問 子どもとお年寄り
通学中の子どもや、杖をついた高齢者がそばを歩いています。運転手の義務は何でしょう。
【答え】一時停止か徐行です。1人で歩いている子ども、身体の不自由な人、高齢者が通行しているときは、安全な間隔をあけるか徐行しなければならない、と決まっています。ここは「気をつける」という心がけの話ではなく、条文に書いてある義務のほうです。
第3章 速度・駐停車・合図【数字がからむ10問】第21〜30問
数字は覚えていないと答えられません。しかも2026年9月に大きく変わったものが1つあります。
第21問 2026年9月の変更
2026年9月1日から、ある道路の法定速度が60km/hから30km/hに下がりました。どんな道路でしょう。
【答え】中央線などがない生活道路です。地域の人の日常生活に使われる道が対象で、標識が立っていなくても全国一律で30km/hになりました。中央線や車両通行帯のある一般道、中央分離帯で分けられた道、高速道路と自動車専用道路は対象外です。標識で速度が指定されている道路では、これまでどおり標識の数字が優先されます。
参考:警察庁 生活道路における自動車の法定速度が引き下げられます
第22問 標識がないとき
速度の標識が1つも立っていない一般道路。自動車の法定速度は何km/hでしょう。
【答え】60km/hです。ただし第21問のとおり、中央線のない生活道路なら30km/h。原動機付自転車は道路にかかわらず30km/hのままです。「標識がない=制限なし」ではなく、「標識がない=法定速度」が正解です。
第23問 高速道路
高速道路には最高速度のほかに、もう1つ速度の決まりがあります。何でしょう。
【答え】最低速度50km/hです。本線車道を50km/h未満で走ると違反です。渋滞や天候などやむを得ない場合は別ですが、追い越し車線をのんびり走るのは危険なだけでなく、法律上も問題があるということです。
第24問 右折の合図
交差点を右折します。ウインカーはどこで出すのが決まりでしょう。
【答え】交差点の30m手前です。進路変更のときは3秒前。右左折と進路変更で基準が違い、片方は距離、片方は時間で決まっています。曲がり始めてから出すのは合図ではなく報告で、後続車には何の役にも立ちません。
第25問 一時停止
「止まれ」の標識。何秒止まれば一時停止したことになるでしょう。
【答え】秒数の決まりはありません。停止線の直前で完全に停止し、安全を確認することが求められます。よく言われる「3秒」は、確実に止まったと分かる目安として広まったもので、法律の数字ではない。逆に、3秒止まっても左右を見ていなければ確認したことになりません。
第26問 交差点から何メートル
交差点とその端から何メートル以内が駐停車禁止でしょう。
【答え】5mです。横断歩道と自転車横断帯は前後5m、踏切は前後10m。安全地帯の左側と前後10m、バス停は運行時間中に前後10mが目安です。曲がってきた車から見て、死角を作る場所が一律に禁止されている、と考えると覚えやすくなります。
第27問 消火栓
駐車禁止の場所として、消火栓の周囲は何メートル以内でしょう。
【答え】5mです。火災報知機からは1m、駐車場や車庫の出入口からは3m。数字がばらばらで覚えにくいところですが、共通しているのは「緊急のときに人が使う設備をふさぐな」という一点です。
第28問 駐車と停車
荷物の積み下ろしのために車を停めました。何分を超えると駐車になるでしょう。
【答え】5分です。5分以内の荷物の積み下ろしと、人の乗り降りは停車の扱い。それを超えると駐車になります。運転手が車から離れてすぐに運転できない状態も、時間にかかわらず駐車です。「すぐ戻るから停車」は通りません。
第29問 チャイルドシート
チャイルドシートの使用義務は、何歳未満の子どもでしょう。
【答え】6歳未満です。身長や体重ではなく年齢で決まっています。6歳になればシートベルトでよいという意味ではなく、あくまで義務の線がそこにあるということ。座席に対して体が小さいうちは、ベルトが首にかかるので補助シートを使うほうが安全です。
第30問 あおり運転
あおり運転が「妨害運転罪」として独立した罪になったのは、いつでしょう。
【答え】2020年です。車間距離を詰める、急ブレーキをかける、幅寄せをする、不要にクラクションを鳴らすなど10の行為が対象で、免許の取り消しもあります。それまでは車間距離不保持などの個別の違反で対応していました。
関連記事:あおり運転は2020年に厳罰化。「斬新な追い越し」が許されない時代になった理由
第4章 自転車【青切符が始まる前に10問】第31〜40問
自転車は免許が要らないぶん、ルールを教わる機会がありません。2026年4月からは反則金の対象になるので、知らないままでは済まなくなります。
第31問 青切符
2026年4月1日から、自転車にも交通反則通告制度、いわゆる青切符が適用されます。対象は何歳以上でしょう。
【答え】16歳以上です。16歳未満には原則として指導警告が行われます。反則金を納めれば刑事手続きには進まない仕組みで、これまで「赤切符か、注意だけか」の両極端だったところに中間ができた形です。
参考:警察庁 自転車の新しい制度
第32問 自転車の居場所
自転車は法律上どこを走る乗り物でしょう。
【答え】車道の左側です。自転車は軽車両なので、歩道ではなく車道を、しかも左側を通ります。右側を走る、いわゆる逆走は禁止で、正面衝突の危険がいちばん高い走り方でもあります。
第33問 歩道を走れるとき
自転車が歩道を走れるのは、どんなときでしょう。
【答え】「普通自転車歩道通行可」の標識がある場所、運転者が13歳未満か70歳以上、身体の不自由な人、そして車道を走るのが危険でやむを得ない場合です。走れる場合でも、歩道では車道寄りを徐行し、歩行者の通行を妨げるときは一時停止しなければなりません。歩道では歩行者が主役、という順序は変わりません。
第34問 ながらスマホ
自転車のながらスマホに罰則が付いたのは、2024年11月です。危険を生じさせた場合の罰則はどれくらいでしょう。
【答え】1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。危険を生じさせなくても、6月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金。自転車だから軽い、という金額ではありません。
第35問 酒気帯び
自転車の酒気帯び運転。罰せられるのは運転した本人だけでしょうか。
【答え】本人だけではありません。2024年11月から、運転者は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。自転車を提供した人も同じ、酒を出した人や同乗した人も2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になりました。飲んだ人に自転車を貸す側も罰せられる、という点が大きな変更です。
参考:警視庁 自転車の交通反則通告制度(青切符)の導入
第36問 ヘルメット
自転車のヘルメットは、何歳の人に努力義務があるでしょう。
【答え】全年齢です。2023年4月から、年齢を問わず努力義務になりました。子どもだけの話ではありません。努力義務なので罰則はありませんが、自転車事故で亡くなった人の致命傷は頭部が最も多いという統計があります。
第37問 傘さし運転
雨の日に傘をさして自転車に乗るのは、法律で禁止されているでしょうか。
【答え】道路交通法そのものではなく、各都道府県の公安委員会規則で禁止されています。だから「何県の話か」で条文は変わりますが、どこでも禁止されていると考えて差し支えありません。傘を固定する器具も、多くの自治体で対象になっています。
第38問 二人乗り
自転車の二人乗りが認められるのは、どんな場合でしょう。
【答え】16歳以上の運転者が幼児用座席に幼児を乗せる場合などです。幼児2人同乗用の基準を満たした自転車なら、幼児2人を乗せられます。大人どうしの二人乗りは、どんな自転車でも認められません。
第39問 ライト
夜間、自転車のライトを点けずに走るとどうなるでしょう。
【答え】無灯火の違反です。前照灯と尾灯(または反射器材)が必要で、自分が見るためだけでなく、相手から見つけてもらうための装備でもあります。点滅だけのライトは前照灯として認められない地域があるので、ここも地域ごとの規則を見る必要があります。
第40問 並んで走る
友人と2台並んで走りたいとき、条件は何でしょう。
【答え】「並進可」の標識がある場所だけです。標識がなければ縦に並びます。話しながら走りたい気持ちは分かりますが、並進は追い越す車を対向車線へ押し出してしまいます。
第5章 海外で運転する【右側通行の10問】第41〜50問
最後は、日本の外へ出たときの話です。ここが分かると、日本に来た旅行者がどこでつまずくのかも見えてきます。
第41問 左側通行の仲間
左側通行なのは日本だけでしょうか。
【答え】日本だけではありません。イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、インドネシア、インドなども左側通行です。数のうえでは右側通行の国のほうが多く、日本は少数派ですが孤立しているわけではない。旧イギリス領だった国が多いのが特徴です。
第42問 なぜ日本は左なのか
日本が左側通行になった理由として、よく挙げられる説が2つあります。何でしょう。
【答え】1つは、先に開通した鉄道がイギリスの技術で作られて左側通行になり、道路もそれに倣ったという説。もう1つは、武士が刀を左腰に差していたので、左側を歩けば鞘がぶつからなかったという説です。どちらも決定打ではなく諸説ありますが、明治14年(1881年)に警視庁が左側通行を明文化したところから、制度としての歴史が始まっています。
参考:JAF なぜ日本は左側通行なの?
第43問 一夜で変わった県
日本に、車の通行を右側から左側へ一夜で切り替えた県があります。どこでしょう。
【答え】沖縄県です。アメリカの統治下で右側通行だったものを、日本復帰から6年後の1978年7月30日に左側へ戻しました。日付から「730」と呼ばれています。7月29日の夜10時に県内全域で駐停車が禁止され、標識の付け替えが朝6時までに終えられました。道路標示は先に引いて黒いテープで隠しておき、当日にはがすという方法が取られています。
参考:沖縄県公文書館 1978年7月30日 7・30(ななさんまる)交通方法変更
第44問 ハンドルの位置
右側通行の国では、車のハンドルは左右どちらにあるでしょう。
【答え】左です。センターライン側に運転席が来るようにできていて、対向車や前の車の様子が見やすくなります。追い越しのときに前が見えるかどうかは、この位置で決まる。日本車が右ハンドルなのも同じ理屈です。
第45問 グアムで運転する
グアムで、日本の運転免許証だけで車を運転できるのは何日間でしょう。
【答え】到着から30日以内です。グアム政府観光局の案内では、日本の運転免許証を持つ21才以上であれば、国際運転免許証がなくても到着30日以内は運転できるとされています。それを超えて滞在するなら現地の免許が要ります。
参考:グアム政府観光局 よくあるご質問
第46問 国際運転免許証
国際運転免許証で運転できる期間は、どれくらいでしょう。
【答え】上陸日から最大1年です。1949年のジュネーヴ条約に基づくもので、加盟している国で有効です。免許証自体の有効期間のほうが短ければそちらが優先。条約に入っていない国では使えないので、行き先ごとに確認が必要です。
参考:JAF 国際免許証について
第47問 赤信号で曲がる
ハワイでは、赤信号でも曲がれる方向があります。どちらでしょう。
【答え】右折です。一時停止して安全を確認すれば、赤信号でも右折できます(ハワイ州法HRS 291C-32)。右側通行なので、右折は日本でいう左折にあたる小回りの側。ただし「NO TURN ON RED」の標識がある交差点では禁止ですし、横断歩道を渡っている歩行者がいれば、渡り終えるまで進めません(同291C-72)。赤信号でずっと止まっていると、後ろからクラクションを鳴らされます。
第48問 スクールバス
アメリカで、赤い点滅灯を出して停まっているスクールバスを見かけました。どうするのが正解でしょう。
【答え】停止します。ハワイの州法では、バスと同じ車線と、それに隣接する車線の車は、進行方向にかかわらずバスの20フィート手前で停止し、点滅灯が消えて動き出すまで進めません。対向車線も止まる、というのが日本の感覚と最も違うところです。子どもがバスの前を横切って道路を渡るためのルールです。
参考:Hawaii Police Department School buses
第49問 速度の単位
アメリカの道路標識に「55」と書いてあります。時速何キロでしょう。
【答え】およそ88km/hです。単位がマイル毎時なので、1マイルは約1.6km。55マイルなら88km/h、35マイルなら約56km/hです。数字だけ見て日本の感覚で走ると、かなりの速度超過になります。
第50問 いちばん危ない瞬間
右側通行の国で運転するとき、日本人がとっさに間違えやすいのはどんな場面でしょう。
【答え】発進のときと、曲がったあとです。まっすぐ走っている間は前の車に付いていけますが、駐車場から出るとき、右左折して車線を選ぶとき、対向車のいない道に出るときに、体が覚えている側へ寄ってしまいます。ワイパーとウインカーの左右が逆な車も多く、曲がろうとしてワイパーが動くのは、ほぼ全員が通る道です。
50問、いくつ自信を持って答えられましたか
間違えやすいところには、だいたい理由がありました。
標識なら、赤い丸に白い横棒の車両進入禁止と、赤い斜線の通行止め。似た形に別の意味が入っています。ルールなら、横断歩道の手前で止まっている車を追い越すときと、生活道路の30km/h。どちらも「言われてみればそうだ」で終わる話ですが、走っている最中に判断できるかは別です。
数字も改めて並べると差が大きい。信号機のない横断歩道で止まった車は全国平均56.7%ですが、長野県は88.20%で山口県は34.3%です。同じ法律の下で、県によって2.5倍以上ひらいています。止まるかどうかは法律の問題ではなく、その土地で何が普通とされているかの問題になっている ということでしょう。
私がクラクションを鳴らされたのも、右側通行そのものにつまずいたわけではありませんでした。赤信号では止まるという日本での正解を、そのまま持ち込んだだけです。スクールバスが停まると対向車線まで一斉に停まる動きも、知らなければ驚きますが、向こうでは当たり前の光景でしょう。
私は、交通ルールの知識は免許を取った日がいちばん新しくて、そこから毎年少しずつ古くなっていくものだと思っています。生活道路の30km/hも自転車の青切符も、免許の更新を待っていたら知るのが1年以上あとになります。
この50問には、標識の意味のように一度覚えれば変わらないものと、速度や罰則のように数年で変わるものが混ざっています。間違えた問題があったら、それは覚えていない問題ではなく、教習所のあとで変わった問題かもしれません。
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