11月に入ると、郵便局やコンビニに年賀状の案内が並びはじめます。喪中の年は、そこで「先に喪中はがきを出さないと」と思い出すものの、誰に出すのか、妻の父は何と書くのか、文例のどれを選べばいいのかで手が止まりがちです。
文例を探すと、どれも似ているのに少しずつ言い回しが違っていて、自分の家に合わせてどこを差し替えればいいのかが分からないんですよね。
喪中はがきは「欠礼のあいさつ→誰がいつ亡くなったか→生前のお礼→締め→年と月だけの日付」の順に自分の家の事情を当てはめて組み立て、12月上旬までに相手へ届くように出します。
喪中はがきは、年賀状を出さないことを前もって伝える「年賀欠礼」のあいさつ状で、死亡の通知とは役割が違います。
今年(2027年用)は、日本郵便の年賀状の引き受けが12月20日から。例年より5日遅いので、喪中はがきもこの日より前に届けば、相手の年賀状の準備には間に合う計算です。
それでも出し漏れはありますし、12月に入ってから身内が亡くなることもあります。そうした相手や、喪中と知らずに年賀状をくれた相手には、年が明けて松の内が過ぎてから寒中見舞いで返せば、礼を欠くことにはなりません。
文面より先に決めておきたいのは、続柄の呼び方です。連名のはがきで文例のまま「父」と書くと、妻側の親なのに夫の父に読めてしまいます。うちのように私の名前を先に書く連名なら、妻の父は「義父」か「妻〇〇の父」。差出人の誰から見た呼び方なのかさえ決まれば、残りは文例の言葉でほぼ足ります。
宗派や地域、家の考え方で作法が違う部分は、親族やお寺に聞くのが確実です。
喪中はがきを出す相手|毎年年賀状をやりとりしている人が基本
出す相手は、毎年年賀状をやりとりしている人です。
故人と面識がない相手でも、自分が毎年年賀状を送っているなら対象になります。仕事で付き合いのある人も含まれる、というのが一般的な説明ですね。
いっぽう、取引先に会社名で出している年賀状は、個人の喪中とは切り離して会社として続ける例が多いようです。個人名で出している仕事相手をどちらに入れるかは、職場のやり方に合わせるのが無難でしょう。
公私を分けたい人向けに、故人を知っている人や家族ぐるみで付き合っていた人だけに出す、という考え方も紹介されています。迷ったら「今年、年賀状を送るはずだった人」を基準にすると、出し漏れが減ります。
どこまでの親族が亡くなったら喪中にする?
喪中にする範囲は、一般に2親等程度までが目安とされています。
- 配偶者
- 1親等:父母、子、配偶者の父母
- 2親等:祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の祖父母や兄弟姉妹
ただ、離れて暮らしていた祖父母なら喪中にしない家もあれば、親等の外でも一緒に暮らしていた親族なら喪に服す家もあります。決まりというより家ごとの考え方なので、兄弟姉妹で出すかどうかをそろえておくと、年始に「あの家は年賀状が来た」という食い違いが起きません。
いつまでに出す?今年は年賀状の受付が12月20日から
目安は、相手が年賀状を書き始める前です。
多くの案内が「11月中旬から12月上旬に届くように」としています。郵便局のプリントサービスの案内は、喪中はがきの投函を11月から12月上旬までとしたうえで、年賀状の引き受けが始まる12月20日に合わせて、遅くとも12月19日までに届くようにと書いています。
日程を並べると、こうです。
- 11月2日:2027年用の年賀はがきの販売開始
- 11月中旬〜12月上旬:喪中はがきが届く目安
- 12月19日:遅くとも届いていたい日
- 12月20日:年賀状の引き受け開始(例年は12月15日)
- 12月27日:元日に届けるための投函の目安
12月19日は、あくまで「ぎりぎり」の日。早い人は11月のうちに年賀状を印刷して宛名まで書き終えるので、私は11月中に投函するつもりで準備を始めます。
枚数が多い家は、はがき代も先に見ておきましょう。はがきは1枚85円なので、50枚出すと4,250円です。印刷を頼むなら、その代金が別にかかります。
12月に入ってから不幸があり、年内に届けるのが難しい場合は、無理に出さなくてもかまいません。年が明けて松の内が過ぎてから、寒中見舞いで知らせる方法があります。
文面を組み立てる手順|部品を順に並べる
文例がどれも似て見えるのは、同じ部品を同じ順に並べているからです。
部品ごとに自分の家の言葉を入れていくと、文例を丸写しするより早く、しかも自分の家に合った文面になります。並べる順番はこうです。
- [欠礼のあいさつ]を最初に書く(例:喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます)
- [誰がいつ亡くなったか]を書く(亡くなった月、続柄と名前、年齢)
- [生前のお礼]を書く(故人がお世話になったことへの感謝)
- [今後のお願い]と[締めのあいさつ]を書く
- [日付]を「令和八年十一月」のように年と月だけで書く
- [差出人]の住所と名前を入れる
このうち欠かせないのは1と2の2つで、3と4は入れなくても成り立ちます。家族葬で済ませて誰にも知らせていなかった場合は、2のあとに「葬儀は近親者のみにて相済ませました」とひとこと足しておくと、受け取った人が事情を飲み込めます。
書くときの決まりごと
- 句読点は打たないのが正式
- 「年賀」という言葉は使わず、「年始」「年頭」「新年」にする
- 「拝啓」「敬具」のような頭語・結語は入れない
- 結婚や出産、引っ越しなどの近況は書かない
近況を伝えたい気持ちは分かりますが、喪中はがきには近況を載せないものとされています。どうしても伝えたいなら、年が明けてからの寒中見舞いに回せます。
続柄は「差出人の代表から見た呼び方」で書く
文例の差し替えで迷う人が多いのが、ここです。
夫婦連名のはがきでは、代表者(名前を先に書く人)から見た続柄で書きます。夫が代表なら、妻の父は「義父」、妻の母は「義母」になります。
ほかに「妻〇〇の父 〇〇〇〇」とフルネームで書く形もあり、改まった言い方では「岳父」「岳母」も使われます。
- 自分の父:父 〇〇〇〇
- 自分の母:母 〇〇〇〇
- 妻の父:義父 〇〇〇〇/妻〇〇の父 〇〇〇〇
- 自分の祖母:祖母 〇〇〇〇
- 自分の兄:兄 〇〇〇〇
私は「妻〇〇の父」の形を選びます。「義父」だけだと、妻の友人のように私の側の家族を知らない人には、誰のことなのかすぐには伝わらないからです。
姓が差出人と違う人(妻の親や、結婚して姓が変わった姉妹など)は、名前をフルネームで書いておくと、受け取った人がどなたのことかを取り違えません。
組み立てた文例|親・義父・1年に2人のとき
上の手順で部品を並べると、こんな形になります。〇〇の部分を自分の家の事情に置き換えてください。
自分の親が亡くなったとき
喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年六月に父 〇〇〇〇が八十二歳にて永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
令和八年十一月
連名で、妻の父が亡くなったとき
喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
本年三月に妻〇〇の父 〇〇〇〇が七十九歳にて永眠いたしました
生前に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます
なお 葬儀は近親者のみにて相済ませました
皆様には時節柄ご自愛のほどお祈り申し上げます
令和八年十一月
1年に2人亡くなったとき
喪中につき年頭のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年二月に祖母 〇〇〇〇が九十五歳にて
八月に父 〇〇〇〇が八十歳にて永眠いたしました
本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
令和八年十一月
2人のときは、亡くなった順に並べるのがすっきりします。1枚に収まるので、2枚に分けて出す必要はありません。
※1行目の「年末年始」「新年」「年頭」は、どれを使っても意味は同じです。「年賀」だけは避けます。
喪中と知らずに年賀状が届いたら寒中見舞いで返す
喪中はがきを出していても、元日に年賀状が届くことは普通にあります。出し漏れた相手もいれば、訃報をまだ知らない相手もいます。
このとき年賀状で返すのは避けて、松の内が明けてから寒中見舞いで返します。
- 届いた年賀状を1か所にまとめ、返事を出す相手を書き出す
- 松の内が明けるのを待つ(一般には1月7日まで。地域によっては1月15日まで)
- 年賀はがきではない、普通のはがきを用意する
- [寒中見舞いのあいさつ]→[年賀状のお礼]→[喪中だったこと]→[知らせが遅れたお詫び]→[相手を気づかう言葉]→[日付]の順に書く
- 立春(2027年は2月4日)より前に届くように出す
目上の相手には、1行目を「寒中お伺い申し上げます」にする書き方もあります。句読点を打たないのは、喪中はがきと同じです。
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年始状をいただきまことにありがとうございました
昨年六月に父 〇〇〇〇が永眠いたしましたため
年頭のご挨拶を控えさせていただきました
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
本年が〇〇様にとってよい一年になりますようお祈り申し上げます
令和九年一月
12月に身内が亡くなって喪中はがきが間に合わなかった場合も、同じ寒中見舞いで知らせます。年賀状をもらっていない相手なら、2行目の「年始状のお礼」を外して、3行目から始めれば使えます。
宗教や地域で違うところ
ここまでの書き方は、一般に広く使われている形です。
ただし、喪中をどの親族まで、どのくらいの期間とするかは、宗派や地域、家の考え方で違います。松の内も、1月7日までとする地域と1月15日までとする地域があって、寒中見舞いを出し始める日がずれます。
私はこういうところで「ネットの文例に書いてあったから」を根拠にしたくないので、自分の地域の慣習が分からなければ、出す前に親の世代か、葬儀でお世話になったお寺や葬儀社に一度聞きます。文面そのものより、親族の間で範囲と時期がそろっているかどうかのほうが、受け取る側からはよく見えるからです。
まとめ
年賀状の引き受けが始まる12月20日。今年の喪中はがきは、この日より前に相手の手元に届いているかどうかが一つの区切りです。郵便局の案内も投函の目安を11月から12月上旬としているので、11月のうちに出せれば慌てることはありません。
文面に欠かせないのは、欠礼のあいさつと「誰がいつ亡くなったか」の2つだけ。そこに生前のお礼と今後のお願い、年と月だけの日付を足し、句読点を打たずに並べれば形になりますよ!
喪中はがきは、出す相手と続柄の呼び方を先に決めてしまえば、あとは部品を順に並べるだけで自分の家の文面に仕上がります。
続柄は、連名なら代表者から見た呼び方。妻の父なら「義父」か「妻〇〇の父」で、姓が違う人はフルネームにしておくと取り違えが起きません。兄弟姉妹でそれぞれ出すなら、範囲と呼び方を一度そろえておくと、同じ人の訃報が別々の呼び方で届くことも防げます。
喪中と知らずに年賀状をくれた人には、松の内が明けてから立春の前までに寒中見舞いを出します。年賀状へのお礼と、知らせが遅れたお詫びが入っていれば十分です。12月に入ってからの不幸で喪中はがきが間に合わなかったときも、この寒中見舞いで知らせます。
私は宛名リストを作るとき、こちらから出している人と、毎年年賀状をくれる人の一覧を突き合わせます。喪中はがきの出し漏れは、たいていこの2つの一覧のずれから起きると思っています。11月のうちにこの突き合わせをしておけば、1月に寒中見舞いを書く相手はかなり減らせますね。