「iPhone 4S」って、いま思えばどんなスマホだったか覚えていますか?
WEB制作を長年やってきましたが、当時もこのブログでiPhone 4Sのことを書いていました。発表されたときは「待たせておいてこれかよ…」なんて声もあって、わたしも最初はちょっとガッカリした口です。なにしろ見た目が、前のモデル「iPhone 4」とまるで同じでしたからね。新しさを期待していた人ほど、肩透かしを食らった気分になったものです。
でも、いま落ち着いて振り返ってみると、このiPhone 4Sはスマホの歴史のなかでけっこう大きな意味を持つ一台だったんです。見た目の地味さにだまされて、本当の値打ちを見逃していたんだなと、いまになって思います。
この記事では、2011年に登場したiPhone 4Sが当時どんな位置づけだったのかを、スマホにくわしくない方にも分かるようにやさしく振り返ります。
「Siri(シリ)」という言葉は、いまでは当たり前に聞きます。じつはこの音声アシスタントが世の中に本格デビューしたのが、まさにこのiPhone 4Sでした。話しかけると答えてくれる、あの機能のはじまりの一台だったわけです。
当時を知らない方も、なつかしい方も、ちょっとだけ昔のApple(アップル)にタイムスリップするつもりで読んでいただけたらうれしいです。難しい専門用語はなるべく使わず、わたしが当時感じたことや、いま振り返って思うことも交えながら、ゆっくりお話ししていきます。
iPhone 4Sはいつ登場した?「見た目が同じ」で賛否両論だった
iPhone 4Sがお披露目されたのは2011年10月4日のことでした。発売はその少しあと、10月14日です。Appleの公式発表でも、この日程ははっきり残っています。日本でも発売初日に行列ができたのを覚えている方もいるでしょう。
当時いちばん話題になったのは、なんといっても見た目でした。なにしろ、ひとつ前のモデル「iPhone 4」と外見がほとんど変わっていませんでした。ガラスとステンレスを使った美しいデザインは、そのまま引き継がれていました。
「新しいモデルを待っていたのに、見た目が同じじゃないか」。そう感じた人が多かったのも、いま思えば無理はありません。わたし自身も発表を見て、最初は「あれ、これ前のと一緒では…?」と拍子抜けしたのを、いまでもよく覚えています。
でも、Appleは「外側は同じでも、中身はまったく新しく作り直した」と説明していました。つまり、見た目だけで判断すると本当のすごさを見逃してしまう、そんな一台だったわけです。
ちなみに名前の最後についている「S」。これにはちゃんと意味があって、のちほどお話しする目玉機能の頭文字だと言われています。ここも当時、ファンのあいだでちょっとした話のタネになっていました。
目玉は音声アシスタント「Siri」の初登場だった
iPhone 4Sの最大の見どころは、なんといっても「Siri(シリ)」でした。話しかけると答えてくれる、あの音声アシスタントです。
いまでこそスマホに話しかけるのは珍しくありませんが、当時はまだまだ新鮮でした。「明日の天気は?」と聞けば教えてくれる、メッセージを声で送れる、予定を入れてくれる。そんな機能がスマホに本格的に乗ったのは、このiPhone 4Sがきっかけだったんです。名前の「S」はSiriの頭文字だと、よく言われていました。
ただ、当時のSiriはまだ「ベータ版」、いわば試作段階のあつかいでした。対応していた言葉も英語・フランス語・ドイツ語からのスタートで、日本語にはすぐには対応していませんでした。ここは少し注意しておきたいところです。「すごい機能が出た」と言っても、日本のユーザーがすぐに使いこなせたわけではなかった、というのが実際のところでした。
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それでも「スマホに話しかけて操作する」という、今では当たり前になった体験が、ここから広まっていったのは間違いありません。
当時のわたしは「音声入力なんて使うかな?」と半信半疑でした。キーボードで打ったほうが速いじゃないか、なんて思っていたんです。でもいまこうしてスマホに普通に話しかける時代になってみると、iPhone 4Sは時代を一歩先に進めた一台だったんだなと感じます。見た目が同じでガッカリ、なんて言ってしまって申し訳なかったなと、ちょっと反省しています。
中身は大幅進化 ─ 速くなった頭脳とカメラ
見た目は同じでも、中身はしっかり進化していました。むしろ、ここがiPhone 4Sの本当の見どころです。順番に見ていきます。
まず頭脳にあたる部分には「A5チップ」という新しい部品が使われました。Appleの説明によると、グラフィック(画面の描画)の処理が、iPhone 4にくらべて最大で7倍ほど速くなったとされています。ゲームや動画がより快適に動くようになった、ということです。難しい話は抜きにしても、「前よりサクサク動く」と考えていただければ十分です。実際、当時のアプリやゲームを動かすと、その差をはっきり感じられたものでした。
カメラも大きく良くなりました。画素数は800万画素にアップし、動画も「フルHD(1080p)」というきれいな画質で撮れるようになりました。スマホのカメラがぐっと頼れる存在になり始めた、ちょうどその時期でもあります。いまでこそスマホで写真を撮るのは当たり前ですが、その流れを後押しした一台でもありました。
電池については、Appleは3G通話で最大8時間ほど使えると案内していました。数字の細かい部分は使い方によって変わってきますので、ここでは「公式がこう案内していた」という事実だけお伝えしておきます。むやみに断定はしないでおきます。
つまりiPhone 4Sは、見た目こそ据え置きでも、中身はしっかり一段階上に押し上げられた「正常進化」のモデルだったのです。
車にたとえると分かりやすいかもしれません。人気のクルマは、見た目を大きく変えずに、中身を着実に良くしていくことがよくあります。派手さはなくても、安心して長く使える。iPhone 4Sもまさに、そんな一台でした。
賛否両論だったのに、なぜ売れたのか

発表直後は「見た目が同じ」と賛否が分かれたiPhone 4S。ところが、ふたを開けてみると大ヒットになりました。
発売からの最初の数日間で、400万台を超える数が売れたと伝えられています。前のiPhone 4の出だしを大きく上回る、たいへんな売れ行きでした。発表前にあれだけ「微妙だ」と言われていたのに、です。
なぜでしょうか。理由はいくつか考えられます。ひとつは、見た目が変わらない=すでに完成度の高いデザインを、そのまま安心して使えたこと。もうひとつは、中身がしっかり進化していて「買って損のない安定したモデル」だったことです。発表前の派手な期待とは裏腹に、実際に手にして使ってみると満足度が高かったんですね。
地味だと言われたモデルが、結果的にいちばん売れる。これは家電や車の世界でもよくある話で、iPhone 4Sはその好例だったと言えます。
当時このブログでも「派手さはないけれど、買って失敗のない一台」とお伝えしていました。いま振り返っても、その見立ては大きく外れていなかったかなと、ちょっとだけ胸を張りたい気持ちです。買い替えを急がない人にはあえて様子見をすすめたりもしましたが、結果として4Sを選んだ人が損をした、という話はあまり聞きませんでした。
まとめ ─ iPhone 4Sは「静かな転換点」だった
あらためてiPhone 4Sを振り返ってみると、見た目の地味さとは裏腹に、中身はとても重要な一台でした。発表当時の「ガッカリした」という空気が、いまとなっては少し申し訳なく感じられるほどです。
音声アシスタント「Siri」が本格的に世に出たこと。頭脳にあたるチップやカメラがしっかり進化したこと。そして発表前の賛否をよそに、結果として大きく売れたこと。どれも、いまのスマホにつながる流れの出発点になっています。地味に見えて、実は土台を作った一台でした。
もうひとつ、忘れてはいけない話があります。このiPhone 4Sは、Appleの創業者スティーブ・ジョブズ氏が存命中に発表された最後の製品でした。発表の翌日にあたる2011年10月5日に、彼は亡くなっています。そう考えると、iPhone 4Sはひとつの時代の大きな節目に立っていた製品でもありました。
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派手な見た目の変化はなくても、スマホの使われ方を静かに変えていった ─ それがiPhone 4Sという一台だったのだと思います。
当時「見た目が同じでガッカリ」なんて言っていたわたしですが、いま振り返ると見る目がなかったなと反省しきりです。スマホの歴史をたどると、こうした「地味だけど大事な一台」がいくつもあります。新しさは派手な見た目だけで決まるものではない、と教えてくれた一台でもありました。
なつかしさとともに、当時の空気を少しでも感じていただけたなら、書いた甲斐があるというものです。これからも、こうした昔の名機を初心者目線でやさしく振り返っていけたらと思っています。