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ガスコンロがカチカチ鳴るのに火がつかない|電池を買う前に見る3か所

キッチンのガスコンロ

点火ボタンを押すと、カチカチカチという音は聞こえるのに、火だけがつかない。

我が家でこれが起きたのは、五徳とバーナーキャップを外して洗った翌朝でした。あと5分で家を出ないといけないのにお湯も沸かせず、てっきり電池切れだと思って買いに走りかけたのですが、原因は乾ききる前に戻したバーナーキャップに残っていた水気でした。

ガスコンロは、点火ボタンを押すとバーナーキャップのすき間からガスが出て、そこへ点火プラグが火花を飛ばして着火します。カチカチという音は、その火花が飛んでいる音。

音が鳴っているなら火花そのものは出ているので、最初に見るのは電池ではなく、つかないのが全部の口か1つの口か、バーナーキャップと点火プラグが濡れていないか、ガスメーターの赤いランプが点滅していないか、の3か所です。

反対に、音がまったく鳴らないときや、鳴っても音が弱い・間隔が前より長いと感じるときは、電池を疑う番になります。同じ「火がつかない」でも、音の鳴り方一つで見る場所が入れ替わるわけです。

ついでに言うと、コンロだけでなく給湯器のお湯も出ないなら、原因はコンロの中にはありません。その場合は3か所目のガスメーターから見たほうが早道です。

ガスコンロの修理のうち、本体を開ける部分は専門の技術者でないとできません。だからこそ、自分で確かめていい範囲と手を出してはいけない範囲を先に分けておくと、電話をかけるときにも話が早くなります。どれも工具なしで、その場で確かめられることばかりです。

まず、つかないのが「全部の口」か「1つの口」かを見る

カチカチという音がしているかどうかと、火がつかないのが全部の口か一部かを組み合わせると、見るべき場所はかなり絞れます。

  • 全部の口で音はするのに火がつかない … ガスが来ていない(元栓・ガスメーター)か、電池が消耗しかけている
  • 1つの口だけ火がつかない … その口のバーナーキャップ、点火プラグ、立ち消え安全装置
  • 音そのものが鳴らない … 電池切れ、電池のずれ、点火ロック、電気系統の故障

東京ガスも大阪ガスも、最初に確認してほしいのは点火音だと案内しています。片方のバーナーだけつかないときは電池切れや本体の故障であることは少なく、たいていはバーナーキャップと点火プラグの問題、という説明です。

もう一つ、30秒でできる切り分けがあります。台所を離れて、お風呂か洗面所でお湯を出してみてください。お湯は出ますか?

お湯も出ないなら、止まっているのはコンロではなくガスそのものです。

このときコンロの前でバーナーキャップを何度外しても直りません。3か所目のガスメーターへ飛んでください。

カチカチ音の有無とお湯の出方から、見る場所を分けた図
音の鳴り方と、お湯が出るかどうかで見る場所が入れ替わります。

参考:東京ガスのコラム

1か所目|バーナーキャップのずれと水気

バーナーキャップは、五徳の下にある丸いドーナツ状の金属部品です。ビスで留まっておらず手で外せるので、掃除のあとや拭き掃除のはずみで位置がずれていることがあります。

裏側には複雑なくぼみがあって、ここがガスと空気の量を調整しています。焦げや油、吹きこぼれの水滴がたまると量の調整がうまくいかず、火花は飛んでいるのに着火しない、という状態になります。

  1. [点火ボタン]をすべて切り、本体が冷えているのを確かめる
  2. 五徳を外し、バーナーキャップを手で持ち上げる
  3. 裏側のくぼみに焦げ・油・水滴が残っていないか見る
  4. 汚れと水気を拭き取り、完全に乾かす
  5. 天板側とキャップの合わせ印をそろえ、浮きがないように置き直す
【ここでやりがちな失敗】洗ったあと、見た目が乾いていても、くぼみの奥に水が残っていることがあります。私がやったのはまさにこれで、布でひと拭きして戻し、カチカチだけ鳴る朝を作りました。急いでいるときほど、一度ひっくり返して水を落としてから置くほうが、結局いちばん早いです!

置き直したあとは、キャップがカタカタ動かないかを指で軽く触って確かめます。浮いていると、そこだけ火がつかなかったり、炎の形がいびつになったりします。

2か所目|点火プラグと立ち消え安全装置の汚れ

バーナーキャップのそばに、先がとがった小さな部品が立っています。これが火花を飛ばす点火プラグです。

その横にあるのが立ち消え安全装置。煮こぼれや風で火が消えたときに、ガスを自動で止めてくれる部品です。どちらも水や油がついていると役目を果たせず、点火プラグは火花が弱くなり、立ち消え安全装置は炎を正しく感知できなくなります。

対処はシンプルで、ブラシか軽く湿らせた布で汚れを落とし、乾かしてからもう一度点火するだけです。ただし点火プラグは細いので、力を入れて拭くと向きが変わって点火しなくなることがあります。なでる程度で十分。

2008年10月以降に作られた家庭用のガスコンロは、全部の口に温度センサーが付いています。鍋底にセンサーがきちんと当たっていないと火がつかないことがあるので、底が反った鍋や極端に軽い鍋を使っているなら、別の鍋で試してみる価値はありますよ。

ちなみに温度センサーが付いているコンロでは、焼き網を直接のせる調理はできません。点火しようとしても火がつかない仕様なので、故障と勘違いしないようにしたいところです。

参考:大阪ガスのコラム

3か所目|ガスメーターの赤いランプが点滅していないか

家じゅうのガス機器が使えないなら、ほぼここです。

ガスメーター(マイコンメーター)は、地震や多量のガス漏れ、ガス圧の低下、機器の長時間使用を感知すると、自分でガスを止めます。止めたときは赤いランプが点滅します。設置場所は、一戸建てなら家の周り、マンションやアパートならメーターボックスの中です。

赤いランプが点滅していたら復帰の操作をしますが、ガス臭いと感じるときは操作をせず、そのままガス会社へ連絡してください。

  1. すべてのガス機器を止める(屋外の機器も忘れずに。このときメーターガス栓は閉めない)
  2. 復帰ボタンのキャップを手で左に回して外す
  3. 復帰ボタンを奥までしっかり押し、表示ランプが点灯したらゆっくり手を離す
  4. 約3分待ち、赤いランプの点滅が消えていればガスが使える

この3分を待ちきれずにコンロを点けると、メーターがガス漏れと判断してもう一度止めてしまいます。経済産業省のガス安全サイトも、復帰する際は3分以上待ってから使うようにと書いています。

3分たっても点滅が消えないなら、どこかのガス栓が開いたままか、止め忘れた機器が残っている可能性があります。もう一度すべてを確認し、それでも直らなければガス会社に連絡してください。

参考:日本ガス協会

音が鳴らない・弱いときは電池。交換の目安は1年

点火音がしなかったり、鳴っても音が弱かったり、音と音の間隔が前より長かったりするときは、電池の消耗を先に疑います。完全に使い切ると、スパーク音そのものが鳴らなくなります。

ガスコンロの電池は単1形が多いのですが、サイズも入っている場所も機種で違います。取扱説明書か、本体に貼られたシールに書いてあることが多いので、そこを見てください。電池交換サインのランプが付いている機種なら、それが一番早い合図です。

意外と多いのが、電池は入っているのにずれているパターン。プラスとマイナスの向き違いや、衝撃でばねから浮いているだけ、ということもあります。新しいものを買う前に、一度入れ直してみてください。これで直れば電池代は0円です!

交換の目安は前回から1年。私はこれを忘れて、寝室のエアコンのリモコンで電池を液漏れさせたことがあります。白い粉が吹いてからでは掃除の手間が増えるので、1年という数字は覚えておいて損がありません。

それと、点火ロック(チャイルドロック)も忘れずに。掃除の最中にうっかり作動させてしまうと、点火操作そのものを受け付けません。ボタンタイプは数秒の長押し、つまみタイプは左右に動かすのが一般的ですが、ここは機種差が大きいので取扱説明書で確認するのが確実です。

火がつかないときに、やってはいけないこと

ライターやマッチで火をつけにいく。これだけは絶対にやめてください。

点火ボタンを押している間、コンロからはガスが出ています。何度も押したあとの天板の上は、ガスがたまった状態です。そこへ火を近づけると、火柱が上がったり、やけどや爆発につながったりするおそれがあります。各メーカーの取扱説明書にも、点火装置以外の方法では点火しないようにと注意書きがあります。

もう一つは、ガス臭いと感じたときの行動です。

  • 火気は使わない
  • 換気扇や電灯のスイッチには手を触れない(入と切の瞬間に小さな火花が出ます)
  • 窓や戸を大きく開ける
  • ガス栓とメーターガス栓を閉める
  • コンロから十分に離れた場所から、ガス会社へ連絡する

とっさに換気扇を回したくなりますが、スイッチの火花が着火源になるため逆効果です。送風のつもりで扇風機を使うのも、同じ理由で避けてください。

参考:日本ガス協会

直らないときは、修理と交換のどちらを選ぶか

新しい電池に替えてもスパーク音がしないなら、電気系統の故障が疑われます。ここから先は自分で開けないでください。立ち消え安全装置や温度センサーが組み込まれた機器なので、点検も部品交換も専門の技術者の仕事です。

判断の材料になるのが、使い始めてからの年数。ガスコンロの設計上の標準使用期間は10年で、これは日本ガス石油機器工業会が決めた自主基準です。10年を越えていると修理用の部品が無くなっていることもあり、直すより買い替えたほうが早い場面が出てきます。

ホースも見ておきたいところ。ねじれて折れているとガスが届きませんし、ゴムは劣化するので7年程度が交換の目安とされています。テーブルコンロなら自分で替えられますが、ビルトインコンロは資格が要るので業者に頼みます。

私は、10年を越えたコンロで1つの口だけ火がつきにくくなっているなら、部品を探すより先に買い替えの見積もりを取ります。直した直後に別の口が同じことを始めると、結局2回業者を呼ぶことになるので。

まとめ

カチカチという音は、火花が飛んでいる証拠です。音がしているうちは電池を買いに行くより先に、バーナーキャップの水気と点火プラグまわりの汚れを見たほうが当たります。

そして、コンロだけでなく給湯器のお湯も出ないなら、原因はコンロの外。ガスメーターの赤いランプを確かめて、ガス臭くないことを確認したうえで復帰ボタンを押し、3分待ちます。この3分を飛ばすと、メーターはもう一度止まります。

音が鳴らない側はもっと単純で、電池の入れ直しか交換、それと点火ロックの解除。それでもスパーク音が戻らなければ、電気系統の故障としてメーカーかガス会社に連絡する流れです。

どの段階でも変わらないのは、ライターやマッチで火をつけにいかないことです。点火ボタンを押したあとの天板にはガスが出ているので、別の火を近づけるのは危険です。ガス臭いと感じたら、換気扇のスイッチにも触らず、窓を大きく開けてガス栓を閉め、離れた場所からガス会社へ連絡してください。

音が鳴るなら手と布で直せる範囲、音が鳴らないなら電池かロック、家じゅうのガス機器が止まっているならメーター。この3つに分けておけば、慌てて電池を買いに走ることも、業者を呼んでから「キャップのずれでした」と言われることもありません。

私があの朝いちばん後悔したのは、5分で終わる確認を飛ばして財布を探しに行ったことです。バーナーキャップをひっくり返して水を落とし、乾いた布で拭いて戻したら、あっさり火がつきました。洗ったあとは乾かしてから戻す。我が家の台所では、この一手間を省かないだけで同じ朝が来なくなりました。

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